ひき逃げ事件で犯人性を否認②

ひき逃げ事件で犯人性を否認②

いわゆるひき逃げ事件を起こしてしまった場合の罪と、否認事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。
【ケース】
北海道夕張郡在住のAは、夕張郡内で自営業をしています。
ある日、突然自宅に夕張郡を管轄する栗山警察署の警察官が来て、夕張郡内で発生したひき逃げ事件について聞きたいので任意同行してほしいと言われました。
Aは任意同行に応じましたが、警察官はAによる犯行であることを前提に取調べを進めました。
不安を感じたAは、翌日、刑事事件専門の弁護士による無料相談で、否認事件での取調べ対応について相談しました。

≪ケースはすべてフィクションです。≫

【ひき逃げ事件について】

≪前回のブログをご覧ください。≫

【否認事件について】

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部には、日々「冤罪事件で取調べを受けている」「否認しているが警察官・検察官が納得してくれない」といった相談が少なからず寄せられます。
事件を起こしていないにも拘わらず、事件を起こしたという嫌疑をかけられている場合に被疑者が「否認する」という言い方がされますが、実務上、以下のような否認のケースが考えられます。

≪犯人性の否認≫
これは、事件自体は間違いなく発生したものの、犯人が別の人物であるという場合です。
近年では商業施設や駐車場など様々な場所に監視カメラが設置されていることから、犯人の特徴を客観的にとらえることが出来る場合もありますが、深夜や監視カメラがない場所では被害者などの目撃証言による場合が少なくありません。
被疑者と被害者や目撃者が知人同士である場合には見間違うことは少ないと考えられますが、初対面などであれば被疑者の特徴などを見間違えてしまうこともあると考えられます。

≪構成要件についての否認≫
・同意の有無等
例えば、人身事故の場合には前章のとおり「自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた」場合に過失運転致死傷罪が適用されますが、加害者側が注意を怠っておらず、完全に死傷した方の不注意による事故だった場合には、過失がなく構成要件に該当しないということになり、否認ということになります。
また、強制わいせつ罪や強制性交等罪に於て同意があったうえでの行為であるとして「暴行又は脅迫」の不存在を理由に否認するということも考えられます。

・故意の否認
特別の規定がある場合を除き、刑事事件は故意犯処罰の原則があるため、意識的に事件を起こした場合を除き故意が否定され処罰されないことになります。
たとえば雪の日に路面が凍っていて滑ってしまい、偶然前にいた通行人(被害者)に抱き着くようなかたちになってしまった場合であれば、強制わいせつ罪の故意が無いとして否認することになります。

【否認事件で弁護士に相談】

刑事事件の捜査に於て、
犯人性を否認する場合:真犯人が分かるような防犯カメラ映像や目撃者情報、GPSによる位置情報サービス等
構成要件に該当しないとして否認する場合:過失の有無が分かるような防犯カメラ映像や目撃者情報、合意が伺える目撃者情報やメールなどのやり取り等
といった客観証拠がある事件については、そもそも被疑者として捜査されるリスクは少ないと言えます。
しかし、上記のような客観証拠が乏しい場合、取調べで否認をした場合には取調べに基づく供述証拠に偏重してしまう可能性があり、取調官の取調べが厳しい口調になったり、誘導による供述調書の作成がなされる可能性があります。
よって、否認事件の場合にはそうでない事件以上に、取調べ対応が重要になります。

取調べ対応とは、例えば取調べ前に取調べで想定される質問事項や黙秘権についての説明、実際の取調べで脅迫されるなど違法な取調べが行われていないかの確認・抗議、意思に反した供述調書が作成されていないかの確認など、様々です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所では、否認事件についても対応していて、無料相談での御説明はもちろん、御依頼後の取調べ対応についてもしっかりと対応させていただいています。
北海道夕張郡にて、実際にはひき逃げ事件を起こしていないにも関わらず取調べで犯人扱いをされていて、否認したいという方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部に御相談ください。

keyboard_arrow_up

0120631881 問い合わせバナー LINE予約はこちら