自転車事故で逮捕?

北海道室蘭市の自転車事故について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。

【事例】 

北海道登別市に住むAさん(主婦)は自転車で買い物に行き、帰り道にバランスを崩し、手前の歩道脇を歩いていた小学生Vに衝突、重傷を負わせてしまいました。
Aさんは、帰宅後、仕事から帰ってきた夫に事情を話し、弁護士の意見を求めて、北海道室蘭警察署へ自首した方がいいのかどうかも含めて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に無料相談に来られました。
(フィクションです。)

自転車事故で刑事事件の責任を問われることはあるの?

近年、自転車事故の件数や、自転車事故の中でも重大な結果が生じるような事故の件数が増加してきていることから、自動車だけではなく自転車による交通事故が社会的な関心を集めています。

自転車の運転中に事故を起こしてしまい他人を死傷させると、過失致死傷罪(刑法209条、210条)、重過失致死傷罪(刑法211条)、業務上過失致死傷罪(刑法211条)などに該当し得るものとなります。
ただし、これまでの自転車事故については業務上過失致死傷罪5年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金)が適用されるということはなく、重過失致死傷罪の罪責が問われることもあまりなく、実際には過失致死傷罪の罪責30万円以下の罰金又は科料)が問われるにとどまることが多かったようです。

というのは、業務上過失致死傷罪における「業務上」とは、「他人の生命身体に対する危険を有するもの」という実務上の解釈があり、自転車の運転は速度や重量等からしてこの要件には当てはまらないと考えられているようです。
結果として、これと同様の罪責を問うことになる重過失致死傷罪の適用についても謙抑的な運用がなされており、よほどの過失でない限りは過失致死傷罪で処罰してきたという経緯があります。 

行政の運用について

北海道では「北海道自転車条例」を平成30年4月1日から施行し、自転車利用者に自転車損害賠償保険等への加入について、努力義務を課しています。
また、自転車貸付業者・自転車を事業の用に供する事業者は、平成30年10月1日から自転車損害賠償保険等の加入が義務化となりました。
※北海道自転車条例(抜粋)
(自転車損害賠償保険等の加入促進)
第16条 自転車利用者は、自転車損害賠償保険等への加入に努めるものとする。ただし、当該自転車利用者以外の者により、当該利用に係る自転車損害賠償保険等の加入の措置が講じられているときは、この限りでない。
2 自転車の小売を業とする者は、自転車を購入しようとする者に対し、自転車損害賠償保険等への加入の必要性に関する啓発及び自転車損害賠償保険等に関する情報の提供に努めるものとする。
3 自転車の貸付けを業とする者その他の自転車を事業の用に供する事業者は、その事業活動に係る自転車損害賠償保険等に加入しなければならない。

上記の自転車条例の制定や保険加入の「義務」化などは、自転車運転に「他人の生命身体に対する危険」が存在していることを前提としているものと考えられ、さらに近年は自転車の性能の高まりや電動アシスト自転車の普及などにより、従来よりも大幅に重量が増加した自転車が高速で走行することが容易になっています。
このような社会の変化に鑑みれば、今後は自転車の運転に厳しい目が向けられ、重過失致死傷罪が適用されることが増加すると共に、自転車の運転にも「類型的に他人の生命身体に対する危険」が存在するものとして、業務上過失致死傷罪が適用されるようになるということも、充分に予想されます。

このような交通事故を起こしてしまった場合は刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にお任せください。
長期勾留の阻止、被害者との示談、法的な弁護活動(現場の状況や「業務上」「重過失」にあたらない立証、罰金刑に留めるなど)その他様々な法律プロの弁護士による弁護活動を行います。

初回法律相談:無料
北海道室蘭警察署への初回接見費用:0120-631-881にお問い合わせください。

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