準強制わいせつ罪で逮捕

札幌市の準強制わいせつ事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。

【事例】

北海道札幌市南区に住むAさんは、アパートに独り暮らしのB女(22歳、独身)にいたずらを住む目的で、深夜、同所の部屋に侵入しましたが、同女が男性と一緒に就寝していたので実行に及ぶことができませんでした。しかし、同女のパンティが見えていたことから興奮し、同女の身体に向けて射精し、逃走しました。B女は、Aさんが逃走する際の物音で目が覚め、自分のネグリジェに精液が付着していることに気付き、札幌方面南警察署に通報しました。
後日、Aさんは、札幌方面南警察署に、準強制わいせつ罪逮捕されてしまいました。
(フィクションです。)

1 準強制わいせつ罪とは

準強制わいせつ罪とは、「人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ・・・わいせつな行為をした場合」に成立する罪です。
事例の場合、熟睡していたことが心身の喪失若しくは抗拒不能に当たるのか、劣情を催し女性の身体に向けて射精することがわいせつ行為に当たるのか、の2点について検討してみましょう。

2 事例検討

第一に、判例は、睡眠中の婦女は抗拒不能に当たるとして、準強制わいせつ罪の成立を肯定しています。
第二に、準強制わいせつ罪は、強制わいせつ罪と同様に、本質的には個人の性的自由ないし性的感情の侵害を主たる罪質とする罪と解されますが、わいせつの行為とは、「いたずらに性欲を興奮又は刺激せしめ、かつ、普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反する」行為とされます。
具体的には、陰部、乳房への接触や接吻、性交等接触行為が中心ですが、接触行為以外でも行為がなされた日時、場所、相手方の状態、被疑者の目的等の諸事情を合わせて考慮すればわいせつ行為に当たる場合があるとされ、直接陰部に触れなくても深夜、就寝中の婦女に対して、パンティの裾から太股に触る行為や裸にして写真を撮る行為もわいせつ行為に当たることがあります。
事例のように、就寝中の女性の身体に向けて射精する行為は、同女が就寝中で抗拒不能であることに乗じて行われたものであす。もっぱら自己の性的満足を得る目的で行われた相手方の感情を無視するものであり、なおかつ同女がこれを承諾すべきことを予期し得る事情があったとも考えられません。加えて、身体への接触がないとはいえ、身体に向けて射精したという点で身体への接触と同様に評価することができます。以上の事情を考慮すると、事例の行為は準強制わいせつ罪にいうわいせつ行為に当たると言えるでしょう。
したがって、事例の行為を判例及び基準に照らして判断すると、Aさんには準強制わいせつ罪が成立することになるのです。

3 性犯罪の弁護活動

早期に示談交渉に着手して不起訴処分略式罰金など有利な結果を導けるように活動します。
性犯罪は、被害者がいる犯罪であるため示談解決がポイントとなります。
更に、示談金だけではなく、被害者が許してもよい(「宥恕(ゆうじょ)」と言います)ということになれば、一層有利な結果を導くことが可能でなります。
示談は契約ですので、被疑者と被害者が合意することにより作ることになりますが、被疑者が捜査機関に被害者の連絡先を聴いても教えてもらえないのが通常です。
また、仮に連絡先を知っていたとしても、相手の被害感情を考えると直接被疑者が被害者と交渉を行うのは困難であり、示談ができたとしても不相当に過大な金額での示談解決になる可能性が大きいと考えられます。
一方、弁護士を通じれば、弁護士限りでという条件付き(被疑者には連絡先を教えないという条件付き)で検察官より被害者の連絡先を教えてもらえる場合が多々あります。
そのため、弁護士に依頼することにより被害者とコンタクトをとりやすくなります。
また、弁護士が間に入れば、冷静な交渉により妥当な金額での示談解決が図りやすくなります。

北海道札幌市南区準強制わいせつ罪など刑事事件に関する相談を含め刑事事件に強い弁護士をお探しの方、ご家族、ご友人が逮捕された方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご連絡ください。
●初回法律相談:無料
札幌方面南警察署までの初回接見料金:36,900
札幌拘置支所までの初回接見料金:36,300

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