札幌市南区の児童買春事件における自首について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部の弁護士が解説します。
~事例~
札幌市南区に住むAさん(40歳)は、SNSで女子中学生のVさん(15歳)と知り合いました。そして、AさんはVさんが18歳未満であることを認識しながらVさんと会い、ホテルでVさんに現金3万円を渡してVさんと性交しました。その後、Aさんは再びVさんと連絡を取ろうとしましたが、Vさんのアカウントが削除されており連絡を取ることができませんでした。Aさんは「Vさんに何かあったのではないか」「援助交際・児童買春のことが親や警察にばれたのではないか」と不安になりました。そこで、Aさんは札幌方面南警察署に自首することも考えましたが、その前に援助交際・児童買春に詳しい弁護士に自首すべきかどうか相談することにしました。
(フィクションです)
~児童買春の罪~
児童買春の罪は「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(以下、法律)」の4条に規定されています。
法律4条
児童買春をした者は、5年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処する。
児童買春とは、児童(18歳未満の者)等に対し、対償(お金など)を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等(性交若しくは性交類似行為をし、又は自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器等を触り、若しくは児童に自己の性器等を触らせることをいう)をすることをいうとされています(法律2条2項)。
「対償」とは、児童が性交等をすることに対する反対給付としての経済的利益をいいます。現金のみならず、物の交付や債務の免除もこれに含まれます。
Aさんは現金をという「対償」を渡した上で、Vさんと性交していますから、Aさんの当該行為は児童買春の罪に当たることは明らかです。
~児童買春と自首~
Aさんは自首を検討しているようです。
自首とは、
①捜査機関に
②犯罪事実又は犯人が発覚する前に
③犯人が自ら進んで自己の犯罪事実を捜査機関に申告し
④その処分を委ねる意思表示
のことをいいます。
①自首は捜査機関(検察官、警察官)に対してしなければなりません。
②あなたの児童買春が捜査機関に発覚していた場合はもはや自首は成立しません。
③自首の方法は口頭、書面の2通りが考えられます。ですから、いったん書面で行い、捜査機関の出方をうかがって再度口頭で行う、という方法も考えられます。
④書面のみを提出して所在不明となった場合、氏名を秘匿している場合などは、処分を委ねる意思がないものとみなされるでしょう。
このように、「自首」を主張するためにはいくつかのハードル(要件)を超えなければならないことが分かります。
自首の要件を満たさないのに捜査機関に申告してもそれは「自首」ではなく単なる「出頭」にしか当たりません。
「自首」の最大の特徴は、
減刑される可能性があること
です(必ず減刑されるわけではありません)。
しかし、減軽といっても、その対象は法定刑であって、実際の「量刑」は法定刑が減軽された後の範囲で決せられます。
したがって、自首に当たるからといって必ずしも執行猶予が確約されたわけではなくやはり実刑に処せられることもあります。
もう一つの特徴としては、逮捕を免れる可能性があるということです。これは「自首」ではなく「出頭」に当たる場合でも同様です。
罪証隠滅のおそれ、逃亡のおそれがないと判断されやすいからです。
ただし、反対に、そのおそれがやはりあるとして逮捕される可能性もあります。
このように、自首・出頭にはメリット・デメリットがありますから、自首をご検討中の方は弁護士とよく相談してから決める必要があるでしょう。
~弊所の自首・出頭同行サービス~
弊所は、自首・出頭が不安だ、という方のために自首・出頭同行サービスを用意しております。
自首・出頭にあたって弁護士が助言をさせていただきますし、警察とあなたとの仲介役となって様々な調整をします。また、警察署にも同行します。
まずはお気軽にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、弊所までお気軽にご相談ください。24時間、無料法律相談、初回接見サービスを受け付けております。