北海道名寄市の業務上過失致死事件について、弁護士法人あいち刑事総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。
【事例】
北海道名寄市にある、Aさんが責任者を務める甲株式会社X工場では、甲株式会社が販売する食品の開発および製造を行っていました。
あるとき、X工場で製造された食品を口にした消費者が次々に体調不良を訴え、遂には死者が出るほどの事態に発展しました。
その原因は食品に含まれる添加物にあり、Aさんは業務上過失致死罪の疑いで北海道名寄警察署の警察官に逮捕されました。
Aさんの弁護士は、当時の科学水準からAさんに過失はなかったとして無罪を目指すことにしました。
(上記事例はフィクションです)
【業務上過失致死罪について】
業務上必要な注意を怠り、よって人を死亡させた場合は業務上過失致死罪が成立します。
通常の過失致死罪の法定刑が50万円以下の罰金なのに対し、業務上過失致死罪の法定刑は、5年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金となっており、非常に重い刑罰が設定されていることが分かります。
業務上過失致死罪の場合、その主体となる者が、危険な活動を行っており、高度の注意義務を負うべき者であるからこそ、このような差が設けられています。
【業務上過失致死罪で起訴されたら】
業務上過失致死罪を含む過失犯で起訴されたら、弁護士としては過失がなかったと主張して無罪を目指すことも考えられます。
過失犯は、①死亡等の結果が予想でき、かつ回避できたにもかかわらず、②その結果を回避しなかったがために処罰されます。
そのため、そもそも結果の予想が不可能だった場合には、過失犯としての責任を問われません。
このことは、業務上過失致死罪についても同様です。
上記事例では、弁護士は、当時の状況からAさんに過失がなかったと考えています。
具体的には、当時の科学水準に照らして添加物の有毒性を見抜くのが不可能だったなどと裁判で主張することになるでしょう。
もし過失が否定されれば、業務上過失致死罪は成立せず、Aさんは無罪ということになります。
ただ、刑事事件における過失の概念は極めて複雑であり、被告人のみで適切な主張をするのは非常に困難です。
過失を争い業務上過失致死罪の不成立を狙うのであれば、弁護士の存在は必須と言ってよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では、刑事事件に通暁した弁護士が依頼者の方々ためにあらゆる手段を尽くします。
ご家族が業務上過失致死罪で逮捕されたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部の弁護士にご相談ください。
(北海道名寄警察署 初回接見申し込み受付:0120-631-881)