携帯電話を他人に渡して刑事事件に

携帯電話を他人に渡して刑事事件に

自分で使用する気がないにも拘らず携帯電話新規契約を行い、それを他人に譲り渡した場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。
【ケース】
北海道岩内郡在住のAは、岩内郡内の会社に勤める会社員です。
Aは消費者金融から金を借りれなくなってしまい、悪質な貸金業者である闇金業者から金を借りるようになってしまいました。
その返済も滞っていたところ、闇金業者からは「ウチでは携帯電話を借りられないブラックリストに登録されている人に携帯電話をレンタルするサービスをしているから、携帯電話を新規契約して送ってくれれば、返済はしなくて良いよ」と言われました。
そこで、Aは携帯ショップに行き、各社でスマートフォンを1台ずつ購入し、闇金業者に郵送しました。
しかし、しばらく経った後に警察官が自宅に来て、任意同行を求められて岩内郡にある岩内警察署で取調べを受けることになりました。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【携帯電話・スマートフォンは他人に譲渡して罪に?】

今や一人1台持っていることが当たり前ともいえる携帯電話スマートフォンについて、契約の方法は様々ですが、多くは契約時に本体端末の料金を支払うのではなく、割賦契約などのかたちで分割して本体代金を支払っているため、初期費用は実質的にかからないという契約の方法がほとんどのようです。
とはいえ、もちろんその後分割して本体代金を支払う必要があるうえ、通信料などの支払いもあるため、本当に費用が掛からないという訳ではありません。

ケースのように、融資や借金の棒引きなどを条件に、新規で契約した携帯電話スマートフォンを郵送するよう命じる業者・個人がいます。
前述のように、多くの携帯電話・スマートフォンは初期費用が掛からないことから、負担が少ないように感じて罪の意識なく行為に及んでしまいがちです。
しかし、携帯電話スマートフォンを譲り渡した場合、以下のような犯罪にあたります。

・詐欺罪
携帯電話会社は新規契約を結ぶ際、契約者の身分証明証を確認するなどして本人確認を行います。
契約者本人ではなく別の者が利用するということが分かった場合、携帯電話会社は契約締結することなく、携帯電話スマートフォンやSIMカードを交付しないと考えられます。
そのため、自分が利用するつもりがないにも拘らず新規契約をして携帯電話スマートフォンやSIMカードを受け取った場合、利用料金の支払いができていると否とにかかわらず、詐欺罪に当たると考えられます。

罰条:10年以下の懲役(刑法246条1項)

・携帯電話不正利用防止法違反
携帯電話スマートフォンを他人に渡す行為は、上記詐欺罪のほかに「携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律(通称、携帯電話不正利用防止法)」に違反する可能性があります。
この法律は、事業者側に本人確認を徹底することを求めているほか、消費者(契約者)側についても以下のような行為を禁止しています。

⑴新規契約により携帯電話スマートフォンの交付を受ける際に、例えば本人確認の情報を偽って記載した場合
⑵他人が契約者となった携帯電話スマートフォンを受け取って第三者に渡した
⑶繰り返し、携帯電話事業会社に無断で携帯電話スマートフォンを第三者に販売した
⑷⑶で譲り受けた側
⑸繰り返し、他人が契約者となった携帯電話を販売した

罰条
⑴⑵については50万円以下の罰金
⑶⑷⑸については2年以下の懲役又は300万円以下の罰金

【携帯電話・スマートフォンを譲り渡したら弁護士へ】

上記の手口で集められた携帯電話スマートフォンは、オレオレ詐欺などの特殊詐欺に使われている可能性が極めて高い状況です。
携帯電話スマートフォンを譲渡さないことはもちろんのこと、もし既に譲渡してしまったという場合には、弁護士に相談して携帯会社への連絡、警察への自首など、速やかに対応する必要があります。
北海道岩内郡にて、携帯電話スマートフォンを郵送したり渡したりしてしまい、不安を抱えている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部に御相談ください。

在宅事件の場合、事務所にて無料で相談を受けることができます。

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