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私選弁護人のメリット
私選弁護人のメリット
いわゆるDV事件を起こした場合の刑事事件と私選弁護人のメリットについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。
【ケース】
北海道小樽市在住のAは、小樽市内で自営業をしています。
Aには子どもが3人いますが、Aはしつけと称して子どもたちに長時間正座をさせたり、殴る蹴るの暴行を加えていました。
子どものうち一人が学校の健康診断を受けた際に身体に痣があることが発覚したことから、学校側は子どもらがDVを受けている疑いがあるとして児童相談所に通報し、一時保護することになりました。
また、児童相談所からの通報を受けた小樽市を管轄する小樽警察署の警察官は、Aの取調べを開始しました。
≪ケースは全てフィクションです。≫
【DVによる刑事事件】
パートナーや配偶者、両親や子どもなどの家族に対して暴力を振るうなどのいわゆるDVで刑事事件では、被疑者(加害者)の行動と被害者の怪我の有無などにより、以下の罪にあたる可能性があります。
・暴行罪
相手に手を出したが怪我にまでは至らなかった場合には、暴行罪が適用されます。
暴行罪の条文は以下のとおりです。
刑法208条 暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、二年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
・傷害罪
上記のような暴行の結果、被害者が怪我をした場合は罪が重くなり、傷害罪が適用されます。
傷害罪は基本的に医師によるたとえ全治一週間程度の傷であっても傷害罪での捜査対象となります。
傷害罪の条文は以下のとおりです。
刑法204条 人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
・殺人未遂罪
被害者に対して行う暴行について、被疑者に殺意があると認められた場合、結果として相手が怪我をしたか否かに関わらず殺人未遂罪が適用されます。
DVでの事件の中には、包丁やバットなど家庭内にある凶器を持ち出したり、「殺してやる」と言って首を絞めたり強い殴打を繰返し行ったりする事案もあり、それらには殺人未遂罪が適用される可能性があります。
殺人未遂罪は、殺人罪(法定刑は死刑又は無期若しくは五年以上の懲役。)の未遂犯処罰規定です。
【私選弁護人のメリット】
刑事事件で被疑者・被告人に対して弁護活動を行う弁護士を、弁護人と呼びます。
刑事事件の弁護人には、国選弁護人と私選弁護人の2種類があります。
(なお、逮捕された方が要請すれば接見をする当番弁護士の制度がありますが、当番弁護士は1度に限り接見を行う制度ですので、刑事手続の説明やアドバイスを1度に限り行うだけで、示談や身柄解放活動などの具体的な弁護活動は行いません。)
国選弁護人は、⑴被疑者が勾留された場合、又は⑵起訴されて被告人になった場合が対象です。
上記の被疑者・被告人の資力が50万円以下だった場合に国(裁判所)が選任します。
そのため、在宅事件での被疑者段階や、⑴⑵の場合でも資力が多いと判断された場合等では、国選弁護人は選任されません。
国選弁護人のメリットとしては、基本的に経済的負担がないことが挙げられます。
一方で、国選弁護人は①弁護士を選ぶことが出来ないため刑事事件の経験が少ない弁護士がつく可能性がある、②逮捕された時点ではつけることができない、③御家族への報告義務がないため、御家族が国選弁護人と接触できるかどうかわからない、④被疑者段階で釈放された場合は自動的に解任される、などの特徴があります。
私選弁護人に依頼をした場合、①御自身、あるいは御家族の方が、刑事事件の経験が豊富な弁護士をつけることができる、②(及び④)逮捕段階から事件終了まで、一貫して対応を依頼できる、③家族からの依頼で、接見を行った上で、家族に報告を行う、といったメリットが存在します。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は、刑事事件・少年事件を専門とする私選弁護人の事務所です。
北海道小樽市にて、御自身がDV事件の被疑者として取調べを受けている、あるいは御家族の方がDVなどの刑事事件で逮捕されていて、私選弁護人に依頼するメリットを知りたいという方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部に御連絡ください。
DV事件の弁護活動
DV事件の弁護活動
いわゆるDVをしてしまった場合の罪と、DVでの弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。
【ケース】
北海道江別市在住のAは、江別市内でパートをしています。
Aには夫Vがいますが、昨今の情勢からVはリモートでの勤務が続き、家にいる時間が長くなりました。
そのためイライラが募ったAは、Vに対して殴る蹴るの暴行を繰り返していました。
事件当日、例によってAはVへのDVをしていたところ、我慢が出来なくなったAは台所から包丁を持ち出し、Vに向かって振り回してしまい、包丁がVの下腹部に突き刺さり大量出血するという事件を起こしてしまいました。
我に返ったAが119番通報し、駆け付けた救急隊員によりVは病院に搬送された結果一命を取り留めました。
その後、Aは消防局からの通報を受けて臨場した江別市を管轄する札幌方面江別警察署の警察官により殺人未遂罪で逮捕されました。
≪ケースは全てフィクションです。≫
【DVが刑事事件に】
御案内のとおり、パートナーや配偶者、自分の子どもや要介護の親などの家族に対し、暴力を振るうことをDV(ドメスティック・ヴァイオレンス)と呼びます。
DVはもっぱら自宅で行われるため、密室で発覚する可能性が低いという特徴があります。
DVが発覚する契機としては、被害者による相談や、被害者の診療を行った医師がアザを見つけて通報、騒音で気が付いた近隣住民による通報、被害者が死傷したことで発覚するという場合などが考えられます。
DVは他の暴力事件と同様に、暴行罪や傷害罪で処罰されるます。
ケースの場合、包丁を用いて相手を怪我させているため、暴行罪や傷害罪より重い、以下のような罪に問われる可能性があります。
・暴力行為処罰法違反
包丁などを用いて相手を怪我させた場合、暴力行為等処罰ニ関スル法律(以下、暴力行為処罰法と略します。)に違反します。
条文はカタカナ交じりの文語体で読みづらいのですが、その1条の2で「銃砲又ハ刀剣類ヲ用ヒテ人ノ身体ヲ傷害シタル者ハ一年以上十五年以下ノ懲役ニ処ス」と定められています。
つまり、銃や刃物を使って相手を怪我させた場合には、「1年以上15年以下の懲役に処する。」と定められています。
傷害罪の法定刑は「15年以下の懲役又は50万円以下の罰金」ですので、より重い刑を規定しています。
・殺人未遂罪
DVの状況によっては、殺人未遂罪の適用も考えられます。
殺人未遂罪は殺人罪(罰条は死刑又は無期若しくは5年以上の懲役)の未遂犯処罰規定です。
殺人未遂罪成立のためには、殺意の立証が必要です。
被疑者の取調べでの供述のほか、DVの回数や期間、被害者の怪我の程度などを客観的に判断されます。
【DVでの弁護活動】
DVは、家庭内での問題なので刑事事件という認識が薄い方もおられるようです。
しかし、家庭内だからこそ生じる問題もあります。
たとえば、身柄拘束のための「勾留」という手続きは、証拠隠滅や逃亡の恐れがある場合に行われます。
そのため、釈放を求めるため弁護側は被害者との接触を遮断することが多いのですが、家庭ゆえに接触を遮断することが難しいと言えます。
家族による監督を主張することも多いのですが、その家族が被害者なので、監督は難しいです。
実家などでに転居して両親が監督するという例もありますが、仕事や子育てなどがある方はすぐに引越し・別居することが難しい場合も多いでしょう。
また、家族であるがゆえに、示談書を交わし示談金を支払うなども難しいと言えます。
このように、DV事件は多くの方が想像されている以上に難しい弁護活動が求められるのです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
北海道江別市にて、御家族が包丁などの凶器を用いたDV事件を起こしてしまい暴力行為処罰法などで逮捕されてしまった場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部に御連絡ください。
まずは刑事事件・少年事件を専門とする弁護士が逮捕・勾留されている方の初回接見を行い、DV事件の経緯や行為の確認をした上で見通しや可能な弁護活動についての御報告を致します。