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北海道滝川市内で未成年者にお酒を提供したという事例について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が検討
北海道滝川市内で未成年者にお酒を提供したという事例について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が検討
北海道滝川市にて飲食店経営者の方が未成年者にお酒を提供してしまったという報道事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が検討します。
【事例】
バーで中学生を含む未成年3人へにスパークリングワインを提供していたとして、オーナーの男が逮捕されました。
風営法違反の疑いで逮捕されたのは、北海道●●市に住む飲食店経営の36歳の男です。
男は1月30日夜、自身が経営する滝川市内のバーで、いずれも●●に住む当時18歳の男子高校生2人と15歳の女子中学生に酒を提供した疑いがもたれています。
警察によりますと3人は客としてバーを訪れていて、男は3人へ「スパークリングワイン」のボトル1本を提供していました。
その後、当時店に居合わせた別の客から「未成年に酒を提供しているのではないか」などと警察に情報提供が寄せられ捜査が続いていました。
調べに男は「未成年だとは知らなかった」などと容疑を否認しています。
これまでにも中高生3人は数回バーを訪れていて、警察は男の余罪などを今後調べることにしています。
<「未成年とは知らなかった」中高生3人に『スパークリングワイン』提供…36歳のバーのオーナーの男を逮捕 居合わせた客の情報提供で発覚 北海道滝川市 UHB北海道文化放送 4/18(木)7:15配信 一部弊所にてマスキング>
【未成年者にお酒を提供させる行為】
ご承知のとおり、飲酒行為にはリスクも伴い、とりわけ未成年者はその影響が大きいことから、年齢を以て一律で禁止しています。
制限される年齢は国や州によって異なりますが、我が国では、「二十歳未満ノ者ノ飲酒ノ禁止ニ関スル法律」により、20歳未満の飲酒が禁止されていて(法1条1項)、営業者(飲食店やコンビニエンスストアなど)が未成年者が飲むためのお酒を販売・提供することを禁止しています(法1条3項)。
お酒を飲んだ未成年者に対しては、刑事罰は科せられませんが保護や指導の対象となります。
お酒を提供した営業者に対しては、「50万円以下の罰金に処す」ると定められています(法3条1項)。
また、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(以下、風俗営業法)では、
・客を接待(横に座る等)して客に遊ばせたり飲食させたりするキャバレーなど
・室内を暗くして飲食させる喫茶店やバーなど
・室内を見通せない個室などの状態で営業する個室居酒屋など
・麻雀やパチンコ等
・ゲームセンター等
を風俗営業店と定めています。
そして、それらの店で未成年者にお酒を提供した場合、以下の規定が問題となります。
風俗営業法22条1項 風俗営業を営む者は、次に掲げる行為をしてはならない。
6号 営業所で二十歳未満の者に酒類又はたばこを提供すること。
風俗営業法50条1項 次の各号のいずれかに該当する者は、1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
4号 第22条第1項第3号の規定又は同項第4号から第6号まで…の規定に違反した者
今回の報道事例については、まず場所が「滝川市内のバー」と報道されていることから、室内を暗くして飲食させる風俗営業店であったことが伺えます。
次に、今回の事件は「当時18歳の男子高校生2人と15歳の女子中学生」にお酒を提供したとされていることから、風俗営業法違反で捜査されているものだと考えられます。
【風俗営業法違反(未成年者にお酒を提供した場合)での弁護活動】
今回の報道事例で、逮捕された男性は「未成年だとは知らなかった」と供述しているようです。
我が国の刑事司法は故意犯処罰が原則であることから、相手方が未成年者であるという認識を持ち乍らお酒を提供した場合でなければ、風俗営業法違反には該当しません。
但し、この認識は「未成年者かもしれない」程度の認識でも足りるとされているため、逮捕された方がどのような認識でお酒を提供したのかが問題となります。
報道では「これまでにも中高生3人は数回バーを訪れてい」たとされているため、今回の身ならずそれまでのやり取りなどを通じて中高生らが未成年者であることを認識できるようなやり取りがなかったか、徹底的に追及されると考えられます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所の弁護士は、これまでに数多くの否認事件で弁護活動を行ってきました。
逮捕され否認している場合、取調べの対応は極めて重要な弁護活動の一つであり、弁護士には早急且つ複数回の接見が必要不可欠です。
北海道滝川市などで、家族が未成年者にお酒を提供した嫌疑で風俗営業法違反により逮捕されてしまい、否認している場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。
北海道岩見沢市で公然わいせつ事件を起こしてしまった事例を想定して公然わいせつ罪と略式手続の流れについて
北海道岩見沢市で公然わいせつ事件を起こしてしまった事例を想定して公然わいせつ罪と略式手続の流れについて
北海道岩見沢市で発生した公然わいせつのフィクション事例を基に、公然わいせつ罪とその法的対応について解説します。この記事では、公然わいせつ罪の定義、法的な処罰、そして略式手続について詳しく見ていきましょう。
1: 公然わいせつ罪とは
公然わいせつ罪は、日本の刑法第174条に定められています。
この罪は、公衆の面前でわいせつな行為を行うことを禁じています。
「公衆の面前」とは、不特定または多数の人がその行為を認識し得る状況を指します。
実際に多数の人がその行為を目撃していなくても、認識する可能性があれば、公然とみなされます。
公然わいせつ行為には、性器の露出や性行為の模倣などが含まれます。
これらの行為は、一般的な性的羞恥心を害し、善良な性的道徳観念に反するとされています。
法定刑は、6月以下の懲役、30万円以下の罰金、拘留、または科料となっており、状況に応じて異なる刑罰が適用される可能性があります。
公然わいせつ罪の適用範囲は広く、意図せずにこの罪を犯すこともあり得ます。
したがって、公共の場での行動には十分な注意が必要です。
2: 事例
北海道岩見沢市でのフィクション事例を紹介します。
この事例は架空のものであり、実際の事件や人物とは関連がありません。
ある晴れた日曜日、岩見沢市の公園で、Aさん(30歳、男性)が事件を起こしました。
Aさんは、公園の一角で突然服を脱ぎ始め、全裸になりました。
この行為は、近くにいた家族連れや散歩中の人々によって目撃され、警察に通報されました。
警察が到着した時、Aさんは依然として全裸の状態で、周囲の人々の注目を集めていました。
Aさんは公然わいせつの疑いで現行犯逮捕され、岩見沢警察署に連行されました。
取り調べにおいて、Aさんは「酒に酔って、突然、服を脱ぎたくなった」と供述しましたが、その具体的な動機や背景については明確な説明をしていません。
Aさんのようなケースでは、法的な処罰だけでなく、社会的な非難も伴うことが多いです。
3: 法定刑と実際の刑罰
公然わいせつ罪の法定刑は、刑法第174条により、6月以下の懲役、30万円以下の罰金、拘留、または科料と定められています。
しかし、実際の刑罰は、事件の具体的な状況や加害者の背景によって大きく異なることがあります。
例えば、岩見沢市の事例のように、公衆の面前での全裸露出は、通常、刑罰を受ける可能性が高いです。
特に、子供や未成年者が目撃する場合、社会的な影響や被害者の心理的な影響を考慮して、より厳しい判断が下されることがあります。
一方で、初犯である場合や、加害者が深く反省している様子を見せる場合、裁判所はより軽い刑罰を選択することもあります。
また、精神的な問題やアルコール依存症など、特定の状況が影響している場合、治療やリハビリテーションを条件とした執行猶予が付与されることも考えられます。
重要なのは、公然わいせつ罪には一律の刑罰が適用されるわけではなく、個々のケースに応じた裁判所の裁量によって刑罰が決定されるという点です。
このため、法的な代理人や弁護士の役割が非常に重要になります。
4: 略式手続の概要
公然わいせつ罪における略式手続は、通常の裁判手続きを簡略化したものです。
この手続きは、比較的軽微な犯罪に対して用いられ、迅速な裁判が可能となります。
略式手続きの特徴は、公判手続きを省略し、書面による審理が行われる点にあります。
検察官は略式起訴状を裁判所に提出し、裁判官はこれを基に判決を下します。
被告人は、略式命令に対して異議を唱えることができ、その場合は通常の裁判手続きに移行します。
公然わいせつ罪の場合、略式手続きは、事件の性質や被告人の状況に応じて選択されることがあります。
例えば、初犯である場合や、社会的影響が限定的である場合などに適用される可能性があります。
略式手続きの利点は、迅速かつ効率的な裁判が可能であることです。
しかし、被告人にとっては、十分な弁護の機会が制限される可能性もあるため、
弁護士との相談を通じて、最適な手続きを選択することが重要です。
5: 身柄解放のための弁護士活動
公然わいせつ罪で逮捕された場合、身柄解放を目指すための弁護士の活動が非常に重要です。
逮捕後、被疑者は勾留される可能性があり、この期間は最長23日間に及ぶことがあります。
弁護士は、まず被疑者の身柄解放を目指すために、勾留の必要性に異議を唱えます。
このためには、被疑者が罪証隠滅や逃亡の恐れがないことを証明する必要があります。
弁護士は、被疑者の家族や職場などからの身元保証書を提出し、被疑者の信頼性を裏付けます。
また、弁護士は被疑者の精神的状態や背景を調査し、裁判所に提出することで、
被疑者が再犯の危険性が低いことや、社会復帰の可能性を訴えます。
これにより、裁判所が勾留の必要性を認めない場合、被疑者は釈放されることがあります。
身柄解放後も、弁護士は被疑者をサポートし、起訴された場合の裁判に備えます。
この段階では、証拠の収集や証人の準備など、裁判に向けた準備が行われます。
弁護士の活動は、被疑者の権利を保護し、公正な裁判を受けるために不可欠です。
6: 不起訴処分を目指す方法
公然わいせつ罪で逮捕された場合、不起訴処分を目指す戦略が重要になります。
不起訴処分とは、検察官が被疑者を正式に裁判にかけない決定をすることを指します。
弁護士は、まず被疑者の社会的背景や心理状態を詳細に調査します。
この情報は、被疑者が一時的な精神的な不安定さや判断力の低下により犯罪に及んだことを示すために使用されます。
次に、弁護士は被疑者が社会に対して責任を取る意思があることを示すために、贖罪寄付やボランティア活動の提案を行うことがあります。
これは、被疑者が反省していることを具体的に示す方法として有効です。
また、被疑者が心療内科やカウンセリングに通院することも、再犯防止への取り組みとして検察官にアピールすることができます。
これにより、被疑者が社会復帰に向けて積極的な姿勢を取っていることを示すことができます。
不起訴処分を目指すためには、被疑者自身の積極的な改善努力と、弁護士による検察官への効果的な働きかけが不可欠です。
このプロセスは、被疑者にとって前科を避けるための重要な機会となります。
7: 事例から学ぶ教訓
北海道岩見沢市での公然わいせつのフィクション事例を通じて、いくつかの重要な教訓を学ぶことができます。
この事例は、公然わいせつ罪の深刻な影響と、法的な対応の重要性を浮き彫りにしています。
- 公共の場での行動には注意が必要
公然わいせつ罪は、公共の場での行動に対する社会的な規範を反映しています。
この事例は、一瞬の不注意や判断ミスが重大な法的な結果を招く可能性があることを示しています。 - 法的な代理人の重要性
逮捕後の適切な法的対応は、被疑者の将来に大きな影響を与えます。
弁護士は、身柄解放、不起訴処分の獲得、または軽い刑罰の適用を目指して活動します。 - 社会復帰への取り組み
この事例は、被疑者が社会復帰に向けて積極的に取り組むことの重要性を示しています。
贖罪寄付やカウンセリングへの参加は、反省の意思を示し、再犯のリスクを減らす手段となります。 - 一般市民の法意識の向上
このような事例を通じて、一般市民も公然わいせつ罪の法的な側面を理解し、
社会的な規範を守ることの重要性を再認識する機会となります。
この事例は、公然わいせつ罪に関する法的な知識を深めるとともに、社会的な責任と個人の行動の重要性を考えるきっかけを提供します。
8: まとめと弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部の紹介
本記事では、北海道岩見沢市での公然わいせつのフィクション事例を基に、公然わいせつ罪の法的側面と略式手続について掘り下げました。
この事例から、公然わいせつ罪の重大性と、適切な法的対応の必要性が明らかになりました。
公然わいせつ罪は、社会的な規範を著しく逸脱する行為であり、法的にも厳しく取り締まられます。
逮捕後の適切な対応は、被疑者の将来に大きな影響を及ぼすため、専門的な法的支援が不可欠です。
このような状況に直面した場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は、信頼できる選択肢の一つです。
同事務所は、刑事事件・少年事件を専門とし、24時間無料法律相談を提供しています。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では、経験豊富な弁護士が、逮捕から裁判、そして社会復帰までのプロセスを全面的にサポートします。
身柄解放、不起訴処分の獲得、適切な刑罰の適用など、被疑者の最善の利益を追求するための助言と代理を提供します。
もし、あなたやあなたの家族が公然わいせつ罪で逮捕された・捜査を受けている場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご連絡ください。
北海道札幌市にて家族が逮捕・勾留されたらすぐに弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部に御相談を
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警察官に逮捕されたら身体拘束され、検察官と裁判官にも身柄を送られ、勾留されて身体拘束が継続される可能性があります。
逮捕期間は最大で3日間ですが、勾留は、最初に10日間行われ、更に10日間を限度として延長されることがあります。
検察官は、この最大23日間の期間内に、起訴するか不起訴にするかを判断します。
起訴されたら、原則として引き続き身体拘束が継続されることになります。
身体拘束が長引くと、会社や学校に行けなくなり、事件がばれて解雇や退学になってしまうかもしれません。
留置場に長期間いるだけでも、普通の人は肉体的・精神的にかなりのストレスになります。
すぐに弁護士に相談し、釈放を求め、勾留されないように働きかけていく必要があります。
しかも、釈放活動については弁護士によって能力に差があり、どの弁護士に依頼するかによって釈放の可能性は変わってきます。
今回は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が、釈放活動について解説いたします。
【勾留の要件】
勾留は、「罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由がある場合」で、「定まつた住居を有しないとき。」「罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。」「逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるとき。」のどれかに該当し、勾留の必要性があるときに、認められます。
検察官が勾留を請求し、裁判官が判断します。
裁判官の判断について争ったら、裁判所が判断します。
・罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由がある場合
犯罪の嫌疑は、一応認められるとの程度で十分とされております。
起訴や有罪判決をするのに十分とまでは言えなくても認められます。
そのため、この要件は比較的簡単に認められております。
・定まった住居を有しないとき
住所・居所がないと言えるかが判断されます。
逃げ回っていたり、ホームレスや野宿生活などをしていたり、住居・居所を言わないので判明しないとき、なども含まれることになります。
・罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき
証拠隠滅のおそれは、勾留の要件の判断で最も重視されます。
勾留が認められるケースの大半は、証拠隠滅のおそれが認められております。
証拠、特に被害者や目撃者や共犯者などに対する不正な働きかけによって、起訴や裁判の判断を誤らせたり、捜査や公判の進行を紛糾させたりするおそれがあるかどうかが判断されます。
安易に抽象的に証拠隠滅のおそれが認められるべきではなく、具体的に証拠隠滅のおそれが存在しているのかを検討しなければなりません。
具体的な資料の根拠のある高度の可能性があるかが検討されます。
証拠隠滅の対象は、犯情や重要な情状事実です。
つまり、犯罪の成立や刑事処分の重さを判断するために重要な事実や証拠が含まれます。
事件に至る経緯や動機、被害者と加害者との関係、凶器をどこから入手したのか、犯行の態様、共犯者がいるのか、共謀の成立過程、事件後の利益の分配、これまでの証拠の隠滅行為、等が考えられます。
覚せい剤や大麻などの事件の場合は、薬物の流通経路や密売組織との関わり合いなども含まれます。
組織的・集団的犯罪であれば、犯行計画の立案過程、集団の組織や構成、個々の加害者が集団の中で果たした地位や役割、なども含まれます。
証拠隠滅の態様として、予想される具体的な証拠に対する働きかけが不当な影響を及ぼすようなものであるかが検討されます。
被害者や目撃者や共犯者に対して、口裏合わせを求めたり、脅して加害者に都合のいい証言をさせる、などの方法が考えられます。
特に組織的な犯罪であれば、組織力によって不当な働きかけがなされる可能性が高いと評価されます。
物的証拠を毀損したり隠滅したりするのも、典型的な証拠隠滅行為です。
証拠隠滅の客観的可能性・実行性が中心的に判断されます。
加害者に証拠隠滅の意図がもしあったとしても、客観的に隠滅行為が不可能であるかが検討されます。
被害者や目撃者や共犯者が既に死亡しているようであれば、その供述を変更させることは不可能です。
捜査機関に既に押収されている証拠についても、毀損したり隠滅したりすることは不可能です。
捜査や裁判の進行具合に応じて、具体的に判断されることになります。
加害者が具体的に証拠隠滅の意図があるかが判断されることになります。
しかし、実際は、加害者本人が証拠隠滅をしないと言ったとしても、証拠隠滅を行うことができる状況であれば、証拠隠滅の意図がないと認められることは少ないです。
嘘を繰り返していたり、供述を何度も変えたりしている場合は、証拠隠滅の意図が認められやすくなります。
最初から罪を認めて一貫した供述をしており、深く反省した態度を示しているような場合は、証拠隠滅の意図がないと評価されやすくなります。
しかし、犯行を認めていなかったとしても、釈放されるケースはあるので、否定しているのであれば安易に犯行を認めてはいけません。
具体的な対応について、弁護士とよく相談する必要があります。
逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるとき
逃亡のおそれは、逮捕・捜査・裁判や刑事処分を免れる目的で所在不明となることをいいます。
一人暮らしで親族との交流がない、犯罪組織に所属している、犯罪が重大で実刑の重い刑事処分を受ける可能性がある、重い処分につながる前科前歴がある、余罪がある、などの場合は逃亡のおそれが認められやすくなります。
配偶者や子供と一緒に暮らしている、正社員として会社で継続的に働いている、持ち家に住んでいる、そこまで重大な犯罪の内容ではない、などの場合は逃亡のおそれが認められにくくなります。
供述態度が悪ければ、逃亡の意図があると認められやすくなります。
【勾留の必要性】
勾留の実質的な必要性を欠くときは、勾留することはできません。
身体を拘束しなければならない積極的な必要性や公的な利益と、身体拘束によって被る不利益や弊害とを比較考量し、前者が極めて弱い場合や後者が著しく大きい場合は、勾留の必要性がないと判断されることになります。
最終的には、事案の軽重、証拠隠滅や逃亡のおそれの強さ、とも相関関係に立つことになります。
事案の重大性、起訴の可能性、予想される刑罰の重さ、捜査の進展度合い、仕事・家族・健康などの状況、が具体的に考慮されます。
【すぐに弁護士に相談を】
以上のような勾留の判断要素が具体的に検討されて、勾留されるか釈放されるかが判断されることになります。
我々は、勾留の要件がないことを具体的に主張し、争って釈放を求めていくことになります。
釈放が認められるかどうかは、弁護士個々人の能力によって大きく左右されます。
刑事弁護と釈放活動に精通した弁護士の方が、釈放は認められやすくなります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、これまで数多くの釈放実績を積み重ねてきました。
釈放が認められるためには個々のケースにおいてどのような主張をすればいいかを心得ております。
ご家族が逮捕・勾留されて北海道の警察署で留置されているのであれば、ぜひ弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部の弁護士による有料の初回接見サービスをご利用ください。
接見費用と交通費をお支払いいただきましたら、早急に接見して状況を確認させていただきます。
状況と今後の活動について説明させていただいた後に、正式契約となったら事件を対応させていただきます。
迅速な対応が必要となりますので、お早めにご相談ください。
インターネットで他人の誹謗中傷をしたことで名誉毀損等の罪に問われ略式手続になった場合を想定
インターネットで他人の誹謗中傷をしたことで名誉毀損等の罪に問われ略式手続になった場合を想定
他人を誹謗中傷する行為は、名誉毀損罪や侮辱罪に問われる可能性があります。この記事では、北海道札幌市を舞台にしたフィクションの事例を用いて、これらの罪と略式手続きについて解説します。
1. 名誉毀損罪とは何か
名誉毀損罪は、他人の名誉を傷つける行為を罰するための法律です。
この罪は、刑法第230条により定められており、公然と事実を摘示し人の名誉を毀損した者を処罰の対象としています。
具体的には、以下の要素が必要です。
- 公然性: 名誉毀損罪は、公然と行われた事実の摘示が必要です。
つまり、一定数の人が知り得る形での発言や公開が求められます。 - 事実の摘示: 名誉毀損には、具体的な事実の摘示が必要です。
ただし、摘示された事実が真実である必要はありません。
例えば、誤った情報を広めることも名誉毀損にあたり得ます。 - 名誉の毀損: 他人の社会的評価を低下させるような内容であることが求められます。
これには、その人の職業や社会的地位に関する虚偽の事実が含まれます。
この罪は、被害者の告訴がなければ公訴を提起することができない「親告罪」です。
そのため、被害者の意向が刑事訴追に大きな影響を与えることになります。
2. 事例 – 北海道札幌市での名誉毀損事件
北海道札幌市に住むBさんは、SNS上で元交際相手Cさんに対して不適切なコメントを投稿しました。
Bさんは、Cさんが新たなパートナーと幸せな関係にあることを知り、嫉妬心から「Cさんは信用できない人物で、周囲に嘘をついている」という内容の投稿を行いました。
この投稿はCさんの友人や同僚によって広く共有され、Cさんの名誉を著しく傷つける結果となりました。
Cさんはこの行為を名誉毀損と捉え、Bさんに対して法的措置を検討しました。
この事例では、Bさんの行為が名誉毀損罪の要件を満たしているか、また、その法的な結果について考察します。
この事例はフィクションであり、実際の人物や事件とは関連がありません。
3. 侮辱罪とその適用
侮辱罪は、他人の尊厳を傷つける行為を処罰する法律です。
この罪は、刑法第231条に定められており、公然と人を侮辱した者を処罰の対象としています。
侮辱罪の要件は以下の通りです。
- 公然性: 侮辱罪も名誉毀損罪と同様に、公然と行われた行為が対象です。
これは、一定数の人が知り得る状況下での発言や行動を意味します。 - 侮辱行為: 侮辱とは、他人の社会的価値や尊厳を軽視する行為を指します。
これには、直接的な侮辱や、比喩を用いた侮辱など、さまざまな形態が含まれます。
侮辱罪は、名誉毀損罪と異なり、具体的な事実の摘示を必要としません。
例えば、「あなたはバカだ」というような、具体的な事実に基づかない侮辱的な発言も、この罪に該当する可能性があります。
侮辱罪も親告罪の一種であり、被害者の告訴がなければ公訴を提起することができません。
そのため、被害者の意向が訴追に大きく影響します。
4. 略式手続きの概要
略式手続きは、比較的軽微な犯罪に対して用いられる、簡易な刑事手続きです。
この手続きは、刑事訴訟法に基づき、迅速かつ簡潔に事件を処理することを目的としています。
略式手続きの主な特徴は以下の通りです。
- 対象犯罪: 略式手続きは、罰金刑や拘留刑が科される軽微な犯罪に適用されます。
これには、交通違反や軽度の窃盗などが含まれます。 - 手続きの流れ: 検察官は、略式命令の申立てを行い、裁判所がこれを受理することで手続きが開始されます。
裁判所は、書面による審理を行い、必要に応じて罰金刑などを命じます。 - 被疑者の権利: 被疑者は、略式手続きに同意するか否かを選択できます。
略式手続きに同意しない場合、通常の公判手続きに移行することが可能です。
略式手続きは、刑事事件の迅速な解決に寄与しますが、被疑者・被告人の権利保護の観点から、その適用には慎重な判断が求められます。
5. 示談交渉の重要性
示談交渉は、刑事事件において被害者と加害者間で行われる和解のプロセスです。
この交渉は、特に名誉毀損罪や侮辱罪のような親告罪において重要な役割を果たします。
示談交渉の主要な要素は以下の通りです。
- 被害者の和解意向: 示談交渉では、被害者が加害者に対して許しを与え、訴追を望まない意向を示すことが一般的です。
これには、謝罪の受け入れや損害賠償の合意が含まれることが多いです。 - 加害者の責任認識: 示談交渉の成功には、加害者が自身の行為に対する責任を認識し、被害者に対して誠実に対応することが不可欠です。
- 法的効果: 示談が成立すると、多くの場合、被害者は告訴を取り下げることを選択します。
これにより、親告罪においては、加害者に対する刑事訴追が行われない可能性が高まります。
示談交渉は、被害者と加害者双方にとって、事件を円満に解決するための有効な手段です。
しかし、適切な示談を行うためには、法律の専門家の助言や支援がしばしば必要となります。
6. 被害届取下げと告訴取消しの影響
被害届の取下げと告訴の取消しは、刑事事件において重要な意味を持ちます。
これらの行為は、特に名誉毀損罪や侮辱罪のような親告罪において、事件の進展に大きな影響を与えることがあります。
以下は、被害届取下げと告訴取消しの主な影響です。
- 被害届取下げ: 被害届は、犯罪被害を捜査機関に申告する行為です。
被害届が取り下げられると、捜査機関は事件に対する捜査の優先度を下げる可能性があります。
ただし、被害届の取下げが自動的に事件の終結を意味するわけではありません。 - 告訴取消し: 親告罪においては、被害者の告訴がなければ公訴を提起することができません。
したがって、告訴が取消されると、加害者に対する刑事訴追が行われない可能性が高まります。 - 法的な影響: 示談交渉の結果として、被害届の取下げや告訴の取消しが行われることがあります。
これは、加害者が被害者に対して適切な賠償を行い、被害者が加害者を許す場合によく見られます。
前述のとおり、名誉毀損罪や侮辱罪の場合は親告罪とされているため、被害者が告訴をしなければ検察官は被疑者を起訴することはできません。言い換えると、被疑者が被害者に対して謝罪や弁済を行うなどして示談締結・刑事告訴の取消が行われれば、被疑者は不起訴処分となります。
7. 予防と対策:法的リスクを避けるために
名誉毀損罪や侮辱罪を避けるためには、日常生活における言動に注意が必要です。
以下は、これらの法的リスクを避けるための予防策と対策です。
- 言葉の選び方に注意: 公の場やSNSでの発言は、特に慎重に行う必要があります。
誤解を招くような表現や、他人を不当に傷つける言葉は避けるべきです。 - 事実確認の徹底: 情報を共有する前に、その内容が事実に基づいているかを確認することが重要です。
誤った情報の拡散は、名誉毀損のリスクを高めます。 - プライバシーの尊重: 他人のプライバシーに関する情報は、特に慎重に扱う必要があります。
個人のプライバシーを侵害する行為は、法的な問題を引き起こす可能性があります。 - 法的アドバイスの活用: 不確かな状況や複雑な問題に直面した場合は、法律の専門家に相談することが賢明です。
専門家のアドバイスは、不必要な法的トラブルを避けるのに役立ちます。
これらの予防策と対策を実践することで、名誉毀損罪や侮辱罪のリスクを減らし、法的な問題を未然に防ぐことができます。
8. まとめと弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の紹介
まとめ
この記事では、名誉毀損罪と侮辱罪に関する基本的な知識、具体的な事例、法的手続き、そして予防策について解説しました。
言論の自由は大切ですが、他人の名誉や尊厳を守ることも同様に重要です。
私たちの言動が法的な問題に発展しないよう、日々のコミュニケーションにおいて注意を払うことが求められます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の紹介
刑事事件に特化した法律サービスを提供する弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は札幌支部は、名誉毀損罪や侮辱罪を含む様々な刑事事件に対応しています。
当事務所は、被疑者や被告人の権利保護を最優先に考え、迅速かつ適切な法的支援を提供しています。
示談交渉、被害届の取下げ、告訴の取消し、略式手続きなど、刑事事件に関する幅広いサービスを提供し、クライアントの最善の利益を追求します。
当事務所の弁護士は、豊富な経験と専門知識を持ち、個々の事件に対して最適な戦略を提案します。
また、刑事事件における精神的な負担を軽減するため、クライアントとの密なコミュニケーションを重視し、安心できるサポートを心掛けています。
北海道札幌市にて誹謗中傷をしたことで名誉毀損罪や侮辱罪に問われ略式手続になる可能性がある方は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご連絡ください。在宅事件の場合、事務所にて無料で相談を受けることができます。
(実際の事件を参考に)警察官による違法・不当な取調べが行われた場合の弁護活動について解説
(実際の事件を参考に)警察官による違法・不当な取調べが行われた場合の弁護活動について解説
今回は,警察官や検察官といった捜査機関による取調べを受ける際,強迫や誘導など違法・不当に行われたという場合について,実際の事件を参考に,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。
【そもそも取調べとは】
取調べという言葉は,多くの方がご存知かと思いますが,改めて検討します。
取調べは,検察官と司法警察職員によって行われる捜査の一貫で,被疑者や参考人に対し,事件等についての話を聞くもので,聴取した内容は供述調書などのかたちで書面にまとめられます。
司法警察員には,警察官の他に自衛隊の警務官,海上保安官,厚生労働省の麻薬取締官,労働基準監督官などが該当します。
供述調書などは刑事裁判の証拠として扱われることになります。
我が国では,故意にした犯罪を処罰するという原則があるため(過失傷害罪など,不注意により起こした行為を犯罪とする規定がある場合を除いて)被疑者・被告人が故意に罪を犯したかどうかという点は極めて重要です。
現代では防犯カメラの設置台数の増加や科学技術の発展から,客観的な証拠が占めるウエイトは高くなっていますが,とはいえ,被疑者・被告人の内心部分の供述は必要とされています。
一般論として,捜査機関に対し取調べで罪を否定したり黙秘したりすることは,当然の権利ですが,厳しい追及がなされます。
場合によっては,次章で紹介するとおり違法・不当な取調べが行われるおそれもあります。
【違法・不当な取調べの内容】
警察等での取調べでは,圧力をかけられたり,誘導されたり,違法・不当な働きかけがなされることがあります。
当事務所でも,数多くの相談があり,契約して対応しております。
以下は,相談の一部です。
※実際の事件を一部修正しております。
・相談者は犯行を否定しているにも関わらず,警察官は相談者に対して睨んだりして威圧的で責めるような態度をして,犯行を認めさせるように圧力をかけてきました。長時間の取調べで,相談者の犯行を一方的に決めつけ,何度もしつこく犯行を認めるように言ってきました。「認めないと裁判になるよ,防犯カメラにも写っている,いつまでもこんなことに時間を使っていられないよ,明らかにあんたが悪いでしょ。」等を言って犯行を認めるように圧力をかけてきました。精神的・肉体的に辛くなり,このまま認めなかったら大変なことになると思ってパニックになり,警察官に言われるがまま,犯行を認める内容が記載された供述調書に署名押印させられました。
・取調べにおいて,刑事は,相談者が否定しているにもかかわらず,犯罪をしたと決めつけ,圧力をかけてきました。相談者は記憶通り話しているにも関わらず,「いや話が上手すぎる,矛盾ばっかりなんだよな。お前の都合のいい解釈なんだよ,何十回でも何百回でも取調べに呼んでやるからな。」と刑事は脅してきました。刑事は大きな声でため息を何度も繰り返したりして圧力をかけてきました。にやにやしながら手を頭の後ろに組んだり,腕を前に組んだりして,「だからそれが都合のいい解釈なんだって,おかしいだろ。」と大声で怒鳴ってきました。取調べは夜遅くまで続きましたが,相談者が今日帰れますかと聞いたら,刑事は「君次第なんじゃない。」と言って脅してきました。刑事が次の取調べ日時を一方的に指定してきて,これに対して仕事があるので確認してからでもいいかと相談者が聞いたら,「それはそっちが合わせるべきでしょ。」と睨みながら刑事が言ってきました。
・取調べにおいて,刑事は,相談者が否定しているにもかかわらず,犯罪をしたと決めつけ,圧力をかけてきました。相談者に対して嘘発見器を実施し,質問で犯罪行為をしたかを質問しました。取調べでは,「もう分かってんな。もう証拠もあるんだ。」と刑事が言ってきました。相談者は完全に否認しましたが,「認めなければ家族に来てもらう。妻や両親に来てもらう。家族を壊したくないでしょ。全国のテレビに映りたくないでしょ。DNA鑑定したら分かるんだ。証拠はあるんだ。分かっているんだ。」と延々と刑事が言ってきました。刑事が相談者に対して,執拗に身に覚えのない犯罪行為を認めるように迫ってきました。相談者がなぜこんなことになったか分からないと言ったら,「何が分からない。分からないとしか言っていないじゃないか。あと分かっていないのは何回やったかだ。」と刑事が言ってきました。「周囲の人間にも聞き取りをするぞ。こんなに黙っている奴はいない。」とも言ってきました。相談者が否定したら,「じゃあ冤罪か。訴えるか。名誉棄損で訴えるか。」と刑事は大きな声で言ってきました。
・取調べにおいて,警察官は,相談者が否定しているにもかかわらず,犯人だと決めつけ,圧力をかけてきました。警察官は,怒鳴ったり,目を見るようにしつこく命令し,本当のことを言おう,今日ですっきりさせよう,また他の同僚を警察に呼び出すことになって迷惑をかけていいのか,等と言い,執拗に身に覚えのない犯罪行為を認めるように迫ってきました。相談者が何を話しても,嘘だ,嘘つきだ,本当のことを言え,と警察官から何度も言われ,相手にしてくれませんでした。遅い時間まで長時間,相談者の取調べが実施されました。長時間厳しい取調べが行われたため,頭の中が苦しく麻痺してきました。もう嘘でも認めた方が楽になれると考えるようになりました。この苦しみから解放されたいと思い,私がやりました,と言いました。その後は,警察官がこれまで話していて望んでいると思われるストーリーを考えて話し,書面が作成され,署名押印しました。
すぐに弁護士に相談・依頼して対抗しましょう。
警察等では,このような違法・不当な取調べが珍しくありません。
刑事弁護に精通した弁護士にすぐに相談・依頼し,対向するべきです。
そのときの状況に応じて方法は様々ですが,主に以下のような方法があります。
「黙秘権」
憲法第38条
①何人も,自己に不利益な供述を強要されない。
② 強制,拷問若しくは脅迫による自白又は不当に長く抑留若しくは拘禁された後の自白は,これを証拠とすることができない。
刑事訴訟法第198条
①検察官,検察事務官又は司法警察職員は,犯罪の捜査をするについて必要があるときは,被疑者の出頭を求め,これを取り調べることができる。但し,被疑者は,逮捕又は勾留されている場合を除いては,出頭を拒み,又は出頭後,何時でも退去することができる。
②前項の取調に際しては,被疑者に対し,あらかじめ,自己の意思に反して供述をする必要がない旨を告げなければならない。
第291条
④ 裁判長は,起訴状の朗読が終つた後,被告人に対し,終始沈黙し,又は個々の質問に対し陳述を拒むことができる旨その他裁判所の規則で定める被告人の権利を保護するため必要な事項を告げた上,被告人及び弁護人に対し,被告事件について陳述する機会を与えなければならない。
第311条
被告人は,終始沈黙し,又は個々の質問に対し,供述を拒むことができる。
第319条
強制,拷問又は脅迫による自白,不当に長く抑留又は拘禁された後の自白その他任意にされたものでない疑のある自白は,これを証拠とすることができない。
憲法と刑事訴訟法で,黙秘権が規定されております。
本人にとって有利不利区別なく,黙って話さないでいる権利です。
警察官が圧力や誘導で違法・不当な取調べをするのであれば,黙秘権を行使して黙ることが有効です。
しかし,黙秘権を行使したら,黙秘を止めさせるように更なる働きかけがなされることがあります。
刑事弁護に精通した弁護士を付けて対応する必要があります。
「抗議」
弁護士を通じて,違法・不当な取調べに対して抗議をすることができます。
抗議への警察署等からの回答は,問題なかったという内容がほとんどです。
それでも,抗議を受けたら内部で調査確認をするという負担が生じるので,一定のけん制と抑止力になり,違法・不当な取調べが収まることがあります。
「取調べ立会い・準立会い」
弁護士が取調べに立ち会うことを求めることが考えられます。
現在の警察署や検察庁は,残念ながらほとんどの取調べで弁護士の立会いを拒否しております。
そこで,取調べが実施されている最中に弁護士が警察署や検察庁の建物内で待機しておく,取調べ準立会いを実施します。
在宅の任意の取調べであれば,途中で取調べから抜け出し,待機している弁護士に報告・相談をして,また取調べを受けることができます。
こうすることで,捜査機関へのけん制になり,違法・不当な取調べがなされなくなります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では,違法・不当な取調べにきちんと対抗できる弁護士がいます。
警察や検察の違法・不当な取調べに悩んでいたら,なるべく早くご相談ください。
無料で弁護士による面談を実施しております。
懇切丁寧にご説明いたしますので,ぜひご連絡ください。
釈放を認めてほしい・勾留の考慮要素
釈放を認めてほしい・勾留の考慮要素
警察に逮捕されたら,検察と裁判所に送られ,勾留される可能性があります。
勾留は,身体拘束がまず10日間行われ,さらに10日間を限度に延長されることになります。
早期に弁護士を通じて勾留を争い,釈放を求めていく必要があります。
今回は,勾留がどのようなことを検討されて判断されるか,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説いたします。
刑事訴訟法
第60条 裁判所は,被告人が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由がある場合で,左の各号の一にあたるときは,これを勾留することができる。
一 被告人が定まつた住居を有しないとき。
二 被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
三 被告人が逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
第207条 前三条の規定による勾留の請求を受けた裁判官は,その処分に関し裁判所又は裁判長と同一の権限を有する。但し,保釈については,この限りでない。
勾留は,罪証隠滅や逃亡を防止することを目的としています。
起訴前の被疑者の場合は,検察官から請求されて,裁判官が勾留するかどうかを判断します。
「罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由がある場合」で,勾留の理由(「定まつた住居を有しないとき」「罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき」「逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるとき」)と必要性が認められたら,勾留となります。
「罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由がある場合」は,犯罪の嫌疑が一応認められる程度で十分とされています。
起訴や有罪判決をするのに十分でなくても認められます。
「定まつた住居を有しないとき」は,住所や居所を有しないという意味です。
各地を転々と逃げ歩いていたり,野宿生活を送っていたり,住居を黙秘して他の資料によっても住居が判明しないとき,なども含まれます。
「罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき」は,証拠に対する不正な働きかけによって,終局的判断を誤らせたり捜査や公判を紛糾させたりするおそれがあるため,最も重視して検討されます。
罪証隠滅が認められて勾留されるケースが最も多いです。
安易に一般的・抽象的に認められるべきではなく,具体的・実質的な検討が求められます。
単なる抽象的な危険性では足りず,確実性までは要求されないが,具体的な資料によって裏づけられた高度の可能性のあることを要します。
罪証隠滅の対象は,犯情や重要な情状事実です。
原則として公訴事実・被疑事実であり,構成要件に該当する事実のみならず,違法性を基礎づけまたは阻却する原因となる事実,責任能力その他責任阻却事由の存否に関する事実も含まれます。
犯行に至る経緯・動機,被害者との関係,凶器の入手経路,犯行態様,共謀の成立過程,犯行後の利益分配や罪証隠滅行為,などについてが考えられます。
薬物犯罪の場合は,薬物の流れや密売組織との関わり合いなども対象となり得ます。
集団的暴力事件の場合は,犯行計画の立案過程,犯罪集団の組織や構成,集団の中で果たした地位・役割も対象となり得ます。
犯罪事実の認定にとって重要な意味を持つか,犯情を基礎づける事実として起訴不起訴の判断や量刑上重要な意味を持つか,で判断されます。
罪証隠滅の態様として,予想される証拠に対する働きかけが不当な影響を及ぼすようなものであるかが検討されます。
共犯者や証人・参考人との通謀,または証人・参考人に対する圧迫などがあります。
属する組織・団体の勢力や団体的統制力を用いて行なわれることが予想される場合もあります。
物証の毀損・隠滅も典型的な罪証隠滅行為です。
罪証隠滅の客観的可能性・実効性が中心的に判断されます。
主観的に罪証隠滅に出る意図があっても,客観的に実行可能でなければ,罪証隠滅はありえません。
被害者が捜査機関に供述した後に死亡しているようなときは,その供述を変更させることは不可能です。
捜査機関によって押収されている証拠を毀損・隠滅したりすることもできません。
証拠に対する具体的な働きかけが予想される場合においても,その働きかけによって罪証隠滅の効果を生じる実効性があると認められなければなりません。
捜査機関により関係者の供述や証拠が保全されているか,罪証隠滅行為によって重要な証拠の保全が妨げられて起訴不起訴の判断に影響を及ぼすおそれがないか,公判において検察官の立証活動が不当に妨害されることにより犯罪事実の認定や量刑に重要な影響を及ぼすおそれがないか,といった観点を総合して判断することになります。
罪証隠滅の主観的可能性,具体的な罪証隠滅行為に出る意図があるかが判断されます。
実際上は,客観的に罪証隠滅の余地が大きく,罪証隠滅行為を容易に行い得る状況にあるときは,罪証隠滅の意図をもたないと認められることは少ないです。
虚偽の弁解や客観的に明らかな事実と矛盾する供述を繰り返したり,追及されると供述を変えたりしているような場合は,罪証隠滅の意図が推認されることが多いです。
当初から一貫して詳細な自白をし,真に反省・後悔した態度を示しているなどという状況は,罪証隠滅の意図のないことを窺わせる根拠となります。
「逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるとき」は,刑事訴追や刑の執行を免れる目的で所在不明となることをいいます。
年齢が若い,都会に単身で居住している,職業も水商売などを転々としている,暴力団体の構成員に知り合いの者がいる,などという場合は逃亡のおそれが認められやすくなります。
相当な年齢で,配偶者や子供もいて,これまで長年月定職に就いてかなりの地位に就いていて,住む場所も自己所有の家で,居住期間が長い,などという場合は生活が安定していて逃亡のおそれが認められにくくなります。
事案が重大で非常に重い刑を科されることが予想されること,重い処分につながる可能性のある前科前歴があること,暴力団体の組織との結びつきが強くて組織力を利用して身を隠せること,などが処罰を免れる目的などで身を隠そうとすることを強く窺わせる状況と判断されます。
他に余罪のあることも考慮されます。
被告人の供述態度が悪ければ,逃亡の意図があると認められやすくなります。
勾留の理由があっても,実質的な必要性を欠くときは勾留することは許されません。
勾留の本来の目的に照らして身体を拘束しなければならない積極的な必要性・公的な利益と,その拘束によって蒙る不利益・苦痛や弊害とを比較衡量して,前者が極めて弱い場合や後者が著しく大きい場合は,勾留の実質的な必要性に欠けると判断されます。
最終的な判断は,事案の軽重や勾留の理由の度合・罪証隠滅や逃亡のおそれの強さと相関関係に立つことになります。
事案の重大性,起訴の可能性,捜査の進展度合,被疑者の仕事・家庭・健康等の事情,が具体的に考慮されます。
以上のような勾留の判断要素を具体的に検討して,勾留を争って釈放を求めていくことになります。
釈放が認められるかどうかは,弁護人個々人の能力によって大きく左右されます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,これまで数多くの釈放実績を積み重ねてきました。
釈放が認められるためには個々のケースにおいてどのような主張をすればいいかを心得ております。
北海道で逮捕・勾留され,相談・依頼したいという方は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部の弁護士による有料の初回接見サービスをご利用ください。
接見して状況を確認した後,説明させていただいた後に,正式契約となったら事件を対応させていただきます。
迅速な対応が必要となりますので,お早めにご相談ください。
執行猶予を勝ち取りたい
執行猶予を勝ち取りたい
犯罪をして逮捕・勾留され,起訴されて裁判となったら,実刑で刑務所に入ることを避けるため,執行猶予を勝ち取る必要があります。
執行猶予には保護観察が付される可能性もあります。
今回は刑の全部の執行猶予と保護観察について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説いたします。
(刑の全部の執行猶予)
第25条 次に掲げる者が三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金の言渡しを受けたときは,情状により,裁判が確定した日から一年以上五年以下の期間,その刑の全部の執行を猶予することができる。
一 前に禁錮以上の刑に処せられたことがない者
二 前に禁錮以上の刑に処せられたことがあっても,その執行を終わった日又はその執行の免除を得た日から五年以内に禁錮以上の刑に処せられたことがない者
2 前に禁錮以上の刑に処せられたことがあってもその刑の全部の執行を猶予された者が一年以下の懲役又は禁錮の言渡しを受け,情状に特に酌量すべきものがあるときも,前項と同様とする。ただし,次条第一項の規定により保護観察に付せられ,その期間内に更に罪を犯した者については,この限りでない。
<1項 刑の全部の執行猶予>
刑の全部の執行猶予は,有罪判決に基づく刑の全部の執行を一定期間猶予し,その間にまた犯罪をしないことを条件として刑罰権を消滅させる制度です。
犯罪の悪質性や損害が小さく,前科・前歴が少ない等の事情も考慮して,実刑にする必要性がそれほど大きくない場合に認められます。
犯人に対し,実刑で刑務所に入れることによる弊害をできるだけ避け,執行猶予の取消しの可能性を示して犯罪を行わないで更生することを求め,再犯防止を実現させるものです。
「前に禁錮以上の刑に処せられたことがない者」は,今回の罪が裁判にかけられて刑の全部の執行猶予を言い渡そうとする判決の言渡しの前に,という意味です。
前の罪と今回の罪の犯行日時の前後は問題となりません。
控訴・上告されて高等裁判所・最高裁判所が判決をする場合も,その言渡しの時点が基準となります。
禁錮以上の刑に処せられたとは,禁錮以上の刑に処せられるべき犯罪を行ったことをいうのではなく,現に禁錮以上の刑に処する確定判決を受けたことをいいます。
処せられたとは,その刑の執行を受けたことをいうものではないので,刑の執行が猶予された場合も処せられたことになります。
刑の全部の執行猶予の期間が経過して言渡しの効力を失ったとき等は,禁錮以上の刑に処せられたことがないことになります。
「前に禁錮以上の刑に処せられたことがあっても,その執行を終わった日又はその執行の免除を得た日から五年以内に禁錮以上の刑に処せられたことがない者」は,実刑で刑務所での受刑期間が満了したり,仮釈放を取り消されることなくその期間を満了したりすることをいいます。
満了日から今回の裁判での刑の言渡しまでの間に,禁錮以上の刑に処せられることなく5年以上の期間が経過していれば,執行猶予が可能になります。
「三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金の言渡しを受けたとき」に執行猶予が可能であり,それを超える懲役・禁錮・罰金や,拘留・過料は対象外となります。
裁判所の裁量で「情状により」認められます。
刑の全部の執行猶予を付けるべき事案でないのに,刑の全部の執行猶予を付けた場合も,その逆の場合も,量刑不当として上訴審による是正の対象となります。
犯行態様の悪質性や結果の重大性から犯罪行為を評価し,犯罪後の事情や個々の人的な属性・環境・再犯のおそれなどを考慮して,総合的に判断をされます。
動機に酌むべき事情があること,犯罪により生じた実害が皆無ないし軽微であること,示談が成立しているか実害が弁償されていること,被害者側に落ち度があること,犯人が若年者又は高齢者であること,その者がいなければ家族が生活できないような特別の事情があること,前科・前歴がないか古いものであること,犯罪後の改悛の情が顕著であること,などを総合的に考慮されます。
執行猶予の期間は,「裁判が確定した日から一年以上五年以下の期間」で決められます。
猶予期間は,刑の執行を受けなくなる期間であることから,犯人が反省してこれ以上犯罪を行わないで更生することができるかを確認するために必要な期間か,という観点から定められます。
<2項 再度の刑の全部の執行猶予>
「前に禁錮以上の刑に処せられたことがあってもその刑の全部の執行を猶予された者」は,今回の裁判の刑の言渡しの時点で,刑の全部の執行猶予中の者をいいます。
言渡しの時点で刑の全部の執行猶予の期間が経過して言渡しの効力を失ったときは,2項ではなく1項が適用されることになります。
執行猶予期間中にまた犯罪を行った人については,1項より厳格な判断で再度の執行猶予が認められることになります。
今回の裁判で,「一年以下の懲役又は禁錮の言渡しを受け」た人が対象になります。
「情状に特に酌量すべきものがあるとき」は,1項の場合よりも厳しく判断されます。
犯罪の情状が特に軽微で実刑を科す必要性が乏しく,かつ,犯人がきちんと反省して更生の見込みが大きい,ことを意味すると解されております。
保護観察中の刑の全部の執行猶予中だった者に対しては,再度の刑の全部の執行猶予は許されません。
2項で再度の執行猶予となった者には,必ず保護観察に付されます。
(刑の全部の執行猶予中の保護観察)
第25条の2 前条第一項の場合においては猶予の期間中保護観察に付することができ,同条第二項の場合においては猶予の期間中保護観察に付する。
2 前項の規定により付せられた保護観察は,行政官庁の処分によって仮に解除することができる。
3 前項の規定により保護観察を仮に解除されたときは,前条第二項ただし書及び第二十六条の二第二号の規定の適用については,その処分を取り消されるまでの間は,保護観察に付せられなかったものとみなす。
保護観察は,犯罪をした者に対し,社会内において適切な処遇を行うことにより,再び犯罪をすることを防ぎ,善良な社会の一員として自立し,改善更生することを助けるとともに,犯罪予防の活動の促進等を行い,もって,社会を保護し,個人及び公共の福祉を増進することを目的とします。
刑務所に入れなくても更生が可能と思われる者に対して,保護観察対象者の改善更生を図ることを目的として,指導監督や補導援護を行うことにより実施されます。
刑の全部の執行猶予中の保護観察は,その執行猶予の全期間にわたって付されるべきもので,その一部の期間だけに付することはできません。
第25条第1項の刑の全部の執行猶予の際に保護観察に付するかどうかは裁判所の裁量であり,それを付けることが被告人の更生と再犯の防止の観点から適当かどうかを考慮して判断することになります。
罰金刑を言い渡す場合にも保護観察に付することができます。
保護観察は,執行猶予期間中にまた犯罪を行って刑の言渡しを受ける場合に,再度の刑の全部の執行猶予にすることができない,という意味では,不利益な処分です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では,刑事弁護を専門とする弁護士が多数在籍しております。
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逮捕されていない場合でも,ぜひ無料面談をご利用ください。
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被告人質問と被害者参加制度
被告人質問と被害者参加制度
強制わいせつ事件で起訴された場合に問題となる、刑事裁判での被告人質問と被害者参加制度について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。
【ケース】
北海道札幌市西区在住のAさんは、札幌市西区の会社に勤める会社員です。
Aさんは、札幌市西区で酒に酔って歩いていたところ、通行人Vさんとすれ違い、劣情を催してVさんを路地裏に無理やり連れて行き、下着を脱がせ陰部を触るという強制わいせつ事件を起こし、後日札幌方面西警察署の警察官に逮捕されました。
その後勾留期間を経て起訴されたAさんは、担当する弁護士から「被害者参加制度に基づき被害者が刑事裁判に参加します」との説明を受けました。
≪ケースはすべてフィクションです。≫
【強制わいせつ罪について】
今回の事件は、Aさんが酒に酔って通行人である他人Vさんの下着を脱がせて陰部を触る、という行為が問題になります。
問題となる強制わいせつ罪の条文は以下のとおりです。
刑法176条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。
なお、わいせつ行為をした際や被害者が抵抗した際に擦り傷の怪我をした場合には、強制わいせつ致傷罪とより重い罪が科せられます。
強制わいせつ致傷罪の罰条は「無期又は3年以上の懲役」で、起訴された場合は裁判員裁判対象事件となります。
【被告人質問について】
刑事裁判では、簡単に説明すると以下の流れで手続きが進められます。
・冒頭手続き(人定質問、起訴状朗読、被告人の権利告知、罪状認否)
・証拠調べ手続(冒頭陳述、検察官立証、弁護側立証、被告人質問、情状立証)
・最終弁論(論告、弁論、最終陳述)
・判決言い渡し
今回は、証拠調べ手続で行われる被告人質問について、解説します。
被告人質問とは、その名のとおり被告人(つまり、犯人として起訴された人)に対して行われる質問です。
被告人質問のタイミングは証拠調べ手続のどこで行っても良いのですが、実務では証拠調べ(証拠書類の提示や証人尋問など)が行われた後に被告人質問を設ける場合が一般的です。
被告人質問の目的は、事件についての弁解や意見を聴くことにあります。
被告人質問では、基本的に弁護人が質問⇒検察官が反対質問⇒裁判官が補充質問、という流れで行われます。
「被告人は、終始沈黙し、又は個々の質問に対し、供述を拒むことができる。」と定められているため被告人は供述拒否をする権利が認められていますが(刑事訴訟法311条1項)、裁判官が供述を求めたり、検察官や弁護人が裁判官に対し「被告人に供述を求める」よう促すことができます(同条2項、3項)。
【被害者参加制度と被告人質問】
今回想定している強制わいせつ事件では、わいせつ行為を受けた被害者がいます。
刑事裁判は被告人の有罪/無罪や有罪の場合の刑事罰を決める手続きですので、被害者は直接の当事者ではありませんが、被害者(あるいは、もし被害者が死亡したような事件では被害者遺族)が刑事裁判で意見したり質問したりしたいと考える場合があります。
これを考慮して、2007年の法改正により被害者参加制度が新設されました。
法改正以前も意見陳述の制度はありましたが、被害者参加制度では、意見陳述のほかに証人尋問や被告人質問ができるようになりました。
被害者参加人やその代理人弁護士が被告人質問をしたいと考えた場合、まずは裁判所に申し出ます。
裁判所は、被告人の弁護人に意見を聴き、必要があると認める場合で審理の状況等から相当と認める場合は、被害者参加人により被告人質問を認めます。
被告人質問は意見陳述の手続きとは異なるため、被害者参加人はあくまで「質問」をすることになります。
被害者参加人が行う被告人質問は、多くの場合が代理人弁護士により質問が行われる場合が一般的です。
しかし、ともすれば検察官以上に厳しい質問や答えに窮する質問が行われる可能性があります。
被害者参加等決定をされた事件では、通常の刑事裁判以上に綿密な打合せを行い、想定される質問等について検討する必要があるでしょう。
北海道札幌市西区にて、家族が強制わいせつ事件で逮捕・勾留された、あるいは被害者参加制度で被害者参加人が被告人質問をする可能性があるという場合、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご連絡ください。
弁護士による初回接見サービス(有料)や、在宅事件での無料相談についてご案内致します。
保釈を認めてほしい
保釈を認めてほしい
逮捕・勾留されて正式起訴されたら、その後も勾留で身体拘束が継続されるのが原則です。
保釈の手続きについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説いたします。
<保釈とは>
保釈は、保釈保証金を裁判所へ預けることを条件として、勾留の執行を停止し、被告人を釈放する制度です。
起訴された後の被告人について認められ、起訴前の被疑者には認められません。
保釈には、権利保釈、裁量保釈、義務的保釈の3つがあります。
請求による保釈と職権による保釈があります。
保釈の裁判は勾留ごとになされますので、保釈が認められたとしても、別罪で逮捕・勾留されて釈放されないことがあります。
保釈に関する処分は、第一回公判期日までは裁判官が行い、その後は裁判所が行います。
保釈請求は、上訴申立ての有無にかかわらず、上訴提起期間中にもすることができます。
裁判所・裁判官が、保釈の判断をする前に、検察官の意見を聴かなければなりません。
保釈許否の裁判に対しては、抗告・準抗告の申立てをして争うことができます。
保釈許可の裁判に対しても、保釈保証金の額や保釈条件に不服があるときは、不服を申し立てることができます。
保釈を許す場合には、保証金額を定めなければなりません。
保証金額は、犯罪の性質及び情状、証拠の証明力並びに被告人の性格及び資産を考慮して、被告人の出頭を保証するに足りる相当な金額でなければなりません。
保証金の没取という威嚇によって、被告人の逃亡を防止することを目的としています。
この保証金の没取という威嚇は、罪証隠滅の防止をも目的としています。
実刑判決後の再保釈の場合は、金額が第一審のときよりも高くなる場合がほとんどです。
保釈を許す場合には、被告人の住居を制限しその他適当と認める条件を附することができます。
保釈にあたっては、ほとんど全ての場合に制限住居が定められています。
適当と認める条件とは、被告人の逃亡および罪証隠滅を防止するのに必要かつ有効な条件をいいます。
通常付されている条件として、住居変更につき裁判所の許可を得ること、ある日数以上の旅行につき裁判所の許可を得ること、被害者等事件関係者に対する直接または弁護人を除く他の者を介しての接触禁止、などがあります。
保釈を許す決定は、保証金の納付後に執行され、釈放されることになります。
保釈保証金の準備が厳しい場合は、日本保釈支援協会や全国弁護士共同組合連合会などから手数料を支払って借りることもできます。
<権利保釈>
刑法第89条 保釈の請求があつたときは、次の場合を除いては、これを許さなければならない。
一 被告人が死刑又は無期若しくは短期一年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪を犯したものであるとき。
二 被告人が前に死刑又は無期若しくは長期十年を超える懲役若しくは禁錮に当たる罪につき有罪の宣告を受けたことがあるとき。
三 被告人が常習として長期三年以上の懲役又は禁錮に当たる罪を犯したものであるとき。
四 被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
五 被告人が、被害者その他事件の審判に必要な知識を有すると認められる者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させる行為をすると疑うに足りる相当な理由があるとき。
六 被告人の氏名又は住居が分からないとき。
刑事訴訟法第89条は、適法な保釈の請求があったときは、本条各号所定の事由がある場合を除き、必ず保釈を許さなければならないとして、権利保釈を定めております。
禁錮以上の刑に処する判決の宣告があった後は、権利保釈は認められません。
逃亡や再犯のおそれは、権利保釈の除外事由とされていません。
特に、4号の罪証隠滅のおそれが最も問題となります。
罪証隠滅のおそれは具体的・実質的に判断されるべきですが、裁判官・裁判所はこのおそれを簡単に認めている傾向があります。
<裁量保釈>
同第90条 裁判所は、保釈された場合に被告人が逃亡し又は罪証を隠滅するおそれの程度のほか、身体の拘束の継続により被告人が受ける健康上、経済上、社会生活上又は防御の準備上の不利益の程度その他の事情を考慮し、適当と認めるときは、職権で保釈を許すことができる。
権利保釈が認められなかったとしても、刑事訴訟法第90条の考慮事情を判断して、保釈が認められる場合があります。
中心となるのは、「保釈された場合に被告人が逃亡し又は罪証を隠滅するおそれの程度」であり、具体的・実質的に判断されることになります。
犯罪の性質、情状、被告人の経歴、行状、性格、前科、健康状態、家族関係、公判審理の進行状況等諸般の事情を総合考慮して判断されることになります。
裁量保釈が相当であるかは、勾留されている犯罪事実について中心に考えるべきですが、判断資料として他の犯罪事実が考慮されることがあります。
<義務的保釈>
同第91条 勾留による拘禁が不当に長くなつたときは、裁判所は、第八十八条に規定する者の請求により、又は職権で、決定を以て勾留を取り消し、又は保釈を許さなければならない。
勾留が不当に長くなったら、義務として保釈は認められなければならなくなります。
しかし、不当に長いというのは、単なる時間的観念ではなく、事案の性質、犯罪の軽重、審理の経過、審判の難易等諸般の状況から総合的に判断されるべき相対的な観念とされています。
そのため、この義務的保釈が認められることはほとんどありません。
<保釈の取消と保証金の没収>
同第96条 裁判所は、左の各号の一にあたる場合には、検察官の請求により、又は職権で、決定を以て保釈又は勾留の執行停止を取り消すことができる。
一 被告人が、召喚を受け正当な理由がなく出頭しないとき。
二 被告人が逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
三 被告人が罪証を隠滅し又は罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
四 被告人が、被害者その他事件の審判に必要な知識を有すると認められる者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え若しくは加えようとし、又はこれらの者を畏怖させる行為をしたとき。
五 被告人が住居の制限その他裁判所の定めた条件に違反したとき。
② 保釈を取り消す場合には、裁判所は、決定で保証金の全部又は一部を没取することができる。
③ 保釈された者が、刑の言渡を受けその判決が確定した後、執行のため呼出を受け正当な理由がなく出頭しないとき、又は逃亡したときは、検察官の請求により、決定で保証金の全部又は一部を没取しなければならない。
刑事訴訟法第96条の取消事由があれば、裁判官・裁判所の裁量により、保釈が取り消され、保釈保証金が没収されることがあります。
保釈取消・保釈保証金没収の裁判に対しては、抗告・準抗告の申立てをして争うことができます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では、これまで数多くの保釈請求を行ってきました。
身体拘束されている期間は、精神的にも肉体的にも厳しいものがあります。
保釈を通すには専門家の周到な検討と準備が必要です。
北海道で逮捕・勾留され、保釈も含めて相談・依頼したいという方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部の弁護士による有料の初回接見サービスをご利用ください。
接見して状況を確認した後、説明させていただいた後に、正式契約となったら事件を対応させていただきます。
迅速な対応が必要となりますので、お早めにご相談ください。
万引き事件で略式手続
万引き事件で略式手続
万引きと呼ばれる窃盗事件を繰り返して略式手続を受けたという事例を想定して、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。
【ケース】
北海道苫小牧市在住のAさんは、苫小牧市内でパート勤務をしています。
Aさんはルーティンのように、出勤前に苫小牧市内のコンビニエンスストアに立ち寄り、商品棚に陳列されている菓子パンを万引きするという窃盗事件を繰り返していました。
コンビニエンスストアの店長であるVさんは棚卸し作業で万引き事件に気付き、防犯カメラを解析したところ、Aさんによる犯行であると特定しました。
事件当日も万引きを行ったAさんですが、店長Vさんが店に出た瞬間声掛けし、万引きを認めたため、Vさんは警察署に通報しました。
通報を受けて臨場した札幌方面苫小牧警察署の警察官は、Aさんを万引きによる窃盗罪で逮捕しました。
逮捕ののち、20日間の勾留を受けたAさんは、略式手続を受けることになりました。
≪ケースはすべてフィクションです。≫
【万引きについて】
コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどの商品棚に陳列された商品について、精算せずに店外に持ち出すいわゆる万引き行為は、窃盗罪に問われます。
窃盗罪の条文は以下のとおりです。
刑法235条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役または50万円以下の罰金に処する。
【万引きの立証は容易ではない?】
Aさんのように、万引きを常習的に行っているという事件は少なからず見られます。
このAさんに対し、すべての万引き事件が立証できるのかというと、そうではありません。
万引きが行われる店は、多くの場合不特定多数の客が出入りします。
そのため、たとえAさんが来店した日に同じ商品が毎回万引きされたからといって、すべての商品をAさんが万引きしたと断定することはできず、それぞれの商品についてAさんが万引きしたと評価できるだけの証拠がなければ、Aさんを罪に問うことができません。
【略式手続とは】
刑事事件を起こした場合、警察官等の捜査を受けたうえで検察官に事件を送致され、検察官は受理した証拠をもとに補充捜査や再捜査を指揮したうえで、被疑者を起訴するかどうかについて検討します。
検察官が起訴するべき事件だと判断した場合、本来であれば正式な公判請求を行い、公開の法廷で刑事裁判が行われて判決が言い渡されます。
しかし、刑事事件の件数は非常に多く、全ての事件で公判請求してしまうと検察官・裁判官の負担は大きくなります。
そこで、一定の軽微な事件で、被疑者が被疑事実を認めていて、略式手続に同意した場合には、略式手続がとられます。
略式手続に付された場合、公開の法廷での裁判は行われず、言い渡された罰金又は科料を納付することで刑罰を受けます。
略式手続で言い渡すことができる罰金の上限は100万円です。
【略式手続を受ける前に弁護士に相談】
略式手続は公開の法廷で裁判を受けることがないという点で、被告人の負担は小さいと言えます。
しかし、略式手続で言い渡される判決は罰金刑・科料といった刑事罰ですので、いわゆる前科に当たることになります。
北海道苫小牧市にて、万引き事件を起こしてしまい
・略式手続を受けるかどうか悩んでいる
・前科を避けたい
という方は、略受け(略式手続に同意する書類を作成する)前に、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご連絡ください。
在宅事件の場合、事務所にて無料で相談を受けることができます。
Aさんのように、家族が万引き事件で逮捕・勾留されている場合はこちら。