(実際の事件を参考に)警察官による違法・不当な取調べが行われた場合の弁護活動について解説

(実際の事件を参考に)警察官による違法・不当な取調べが行われた場合の弁護活動について解説

今回は,警察官や検察官といった捜査機関による取調べを受ける際,強迫や誘導など違法・不当に行われたという場合について,実際の事件を参考に,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。

【そもそも取調べとは】

取調べという言葉は,多くの方がご存知かと思いますが,改めて検討します。
取調べは,検察官と司法警察職員によって行われる捜査の一貫で,被疑者や参考人に対し,事件等についての話を聞くもので,聴取した内容は供述調書などのかたちで書面にまとめられます。
司法警察員には,警察官の他に自衛隊の警務官,海上保安官,厚生労働省の麻薬取締官,労働基準監督官などが該当します。
供述調書などは刑事裁判の証拠として扱われることになります。

我が国では,故意にした犯罪を処罰するという原則があるため(過失傷害罪など,不注意により起こした行為を犯罪とする規定がある場合を除いて)被疑者・被告人が故意に罪を犯したかどうかという点は極めて重要です。
現代では防犯カメラの設置台数の増加や科学技術の発展から,客観的な証拠が占めるウエイトは高くなっていますが,とはいえ,被疑者・被告人の内心部分の供述は必要とされています。

一般論として,捜査機関に対し取調べで罪を否定したり黙秘したりすることは,当然の権利ですが,厳しい追及がなされます。
場合によっては,次章で紹介するとおり違法・不当な取調べが行われるおそれもあります。

【違法・不当な取調べの内容】

警察等での取調べでは,圧力をかけられたり,誘導されたり,違法・不当な働きかけがなされることがあります。
当事務所でも,数多くの相談があり,契約して対応しております。
以下は,相談の一部です。
※実際の事件を一部修正しております。

・相談者は犯行を否定しているにも関わらず,警察官は相談者に対して睨んだりして威圧的で責めるような態度をして,犯行を認めさせるように圧力をかけてきました。長時間の取調べで,相談者の犯行を一方的に決めつけ,何度もしつこく犯行を認めるように言ってきました。「認めないと裁判になるよ,防犯カメラにも写っている,いつまでもこんなことに時間を使っていられないよ,明らかにあんたが悪いでしょ。」等を言って犯行を認めるように圧力をかけてきました。精神的・肉体的に辛くなり,このまま認めなかったら大変なことになると思ってパニックになり,警察官に言われるがまま,犯行を認める内容が記載された供述調書に署名押印させられました。

・取調べにおいて,刑事は,相談者が否定しているにもかかわらず,犯罪をしたと決めつけ,圧力をかけてきました。相談者は記憶通り話しているにも関わらず,「いや話が上手すぎる,矛盾ばっかりなんだよな。お前の都合のいい解釈なんだよ,何十回でも何百回でも取調べに呼んでやるからな。」と刑事は脅してきました。刑事は大きな声でため息を何度も繰り返したりして圧力をかけてきました。にやにやしながら手を頭の後ろに組んだり,腕を前に組んだりして,「だからそれが都合のいい解釈なんだって,おかしいだろ。」と大声で怒鳴ってきました。取調べは夜遅くまで続きましたが,相談者が今日帰れますかと聞いたら,刑事は「君次第なんじゃない。」と言って脅してきました。刑事が次の取調べ日時を一方的に指定してきて,これに対して仕事があるので確認してからでもいいかと相談者が聞いたら,「それはそっちが合わせるべきでしょ。」と睨みながら刑事が言ってきました。

・取調べにおいて,刑事は,相談者が否定しているにもかかわらず,犯罪をしたと決めつけ,圧力をかけてきました。相談者に対して嘘発見器を実施し,質問で犯罪行為をしたかを質問しました。取調べでは,「もう分かってんな。もう証拠もあるんだ。」と刑事が言ってきました。相談者は完全に否認しましたが,「認めなければ家族に来てもらう。妻や両親に来てもらう。家族を壊したくないでしょ。全国のテレビに映りたくないでしょ。DNA鑑定したら分かるんだ。証拠はあるんだ。分かっているんだ。」と延々と刑事が言ってきました。刑事が相談者に対して,執拗に身に覚えのない犯罪行為を認めるように迫ってきました。相談者がなぜこんなことになったか分からないと言ったら,「何が分からない。分からないとしか言っていないじゃないか。あと分かっていないのは何回やったかだ。」と刑事が言ってきました。「周囲の人間にも聞き取りをするぞ。こんなに黙っている奴はいない。」とも言ってきました。相談者が否定したら,「じゃあ冤罪か。訴えるか。名誉棄損で訴えるか。」と刑事は大きな声で言ってきました。

・取調べにおいて,警察官は,相談者が否定しているにもかかわらず,犯人だと決めつけ,圧力をかけてきました。警察官は,怒鳴ったり,目を見るようにしつこく命令し,本当のことを言おう,今日ですっきりさせよう,また他の同僚を警察に呼び出すことになって迷惑をかけていいのか,等と言い,執拗に身に覚えのない犯罪行為を認めるように迫ってきました。相談者が何を話しても,嘘だ,嘘つきだ,本当のことを言え,と警察官から何度も言われ,相手にしてくれませんでした。遅い時間まで長時間,相談者の取調べが実施されました。長時間厳しい取調べが行われたため,頭の中が苦しく麻痺してきました。もう嘘でも認めた方が楽になれると考えるようになりました。この苦しみから解放されたいと思い,私がやりました,と言いました。その後は,警察官がこれまで話していて望んでいると思われるストーリーを考えて話し,書面が作成され,署名押印しました。

すぐに弁護士に相談・依頼して対抗しましょう。

警察等では,このような違法・不当な取調べが珍しくありません。
刑事弁護に精通した弁護士にすぐに相談・依頼し,対向するべきです。
そのときの状況に応じて方法は様々ですが,主に以下のような方法があります。

「黙秘権」

憲法第38条
①何人も,自己に不利益な供述を強要されない。
② 強制,拷問若しくは脅迫による自白又は不当に長く抑留若しくは拘禁された後の自白は,これを証拠とすることができない。

刑事訴訟法第198条
①検察官,検察事務官又は司法警察職員は,犯罪の捜査をするについて必要があるときは,被疑者の出頭を求め,これを取り調べることができる。但し,被疑者は,逮捕又は勾留されている場合を除いては,出頭を拒み,又は出頭後,何時でも退去することができる。
②前項の取調に際しては,被疑者に対し,あらかじめ,自己の意思に反して供述をする必要がない旨を告げなければならない。

第291条
④ 裁判長は,起訴状の朗読が終つた後,被告人に対し,終始沈黙し,又は個々の質問に対し陳述を拒むことができる旨その他裁判所の規則で定める被告人の権利を保護するため必要な事項を告げた上,被告人及び弁護人に対し,被告事件について陳述する機会を与えなければならない。

第311条
被告人は,終始沈黙し,又は個々の質問に対し,供述を拒むことができる。

第319条
強制,拷問又は脅迫による自白,不当に長く抑留又は拘禁された後の自白その他任意にされたものでない疑のある自白は,これを証拠とすることができない。

憲法と刑事訴訟法で,黙秘権が規定されております。
本人にとって有利不利区別なく,黙って話さないでいる権利です。
警察官が圧力や誘導で違法・不当な取調べをするのであれば,黙秘権を行使して黙ることが有効です。
しかし,黙秘権を行使したら,黙秘を止めさせるように更なる働きかけがなされることがあります。
刑事弁護に精通した弁護士を付けて対応する必要があります。

「抗議」
弁護士を通じて,違法・不当な取調べに対して抗議をすることができます。
抗議への警察署等からの回答は,問題なかったという内容がほとんどです。
それでも,抗議を受けたら内部で調査確認をするという負担が生じるので,一定のけん制と抑止力になり,違法・不当な取調べが収まることがあります。

「取調べ立会い・準立会い」
弁護士が取調べに立ち会うことを求めることが考えられます。
現在の警察署や検察庁は,残念ながらほとんどの取調べで弁護士の立会いを拒否しております。
そこで,取調べが実施されている最中に弁護士が警察署や検察庁の建物内で待機しておく,取調べ準立会いを実施します。
在宅の任意の取調べであれば,途中で取調べから抜け出し,待機している弁護士に報告・相談をして,また取調べを受けることができます。
こうすることで,捜査機関へのけん制になり,違法・不当な取調べがなされなくなります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では,違法・不当な取調べにきちんと対抗できる弁護士がいます。
警察や検察の違法・不当な取調べに悩んでいたら,なるべく早くご相談ください。
無料で弁護士による面談を実施しております。
懇切丁寧にご説明いたしますので,ぜひご連絡ください。

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