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汚職で逮捕された

2019-04-14

贈収賄事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。

◇贈収賄事件について◇

贈収賄事件は、汚職事件と呼ばれ、公務員の職務執行の公正を保持し、職務の公正に対する社会の信頼を確保することを本質とする罪です。
贈収賄事件は金品の授受や当事者の供述が立証のポイントとなりますが、犯行は当事者どうしの密室で行われることも多く、また、領収書等の証拠を残さないようにすることが通常であることから、当事者の供述が問題となり、その信用性の評価が争われることとなります。また、仮に金品を授受したとしても、職務と関連性のある行為に関して授受したものでなければ罪に問われません。

収賄罪は以下のとおり、その行為の態様によってそれぞれ規定が設けられています。

◇単純収賄罪◇

単純収賄罪は、公務員が、職務に関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときに成立します。単純収賄罪の場合、法定刑は5年以下の懲役となります。
不正行為を行わなくても、賄賂を収受、または要求、約束することで成立します。
不正行為を行った場合は、加重収賄罪として刑が加重されます。
公務員の「職務」とは、一般的職務権限に属するものであれば足り、現に具体的に担当している事務であることを要しません。
一般的職務権限とは、各市町村などで制定されている事務分掌規程などに明記されているもので、各部署によって一般的職務権限が異なります。
「賄賂」は、金銭的価値のあるものに限られず、人の欲望を充足させるのに足りる一切のものをいい、例えば、異性間の情交や就職のあっせん、債務の弁済なども賄賂と認定されます。

◇受託収賄罪◇

受託収賄罪は、単純収賄罪に該当する公務員が、請託を受けたときに成立します。法定刑は7年以下の懲役となります。
請託とは、公務員に対して一定の職務行為を行うことを依頼することをいいます。本罪は、請託がなされた場合に単純収賄罪より加重して処罰するものです。

◇事前収賄罪◇

事前収賄罪は、公務員となろうとする者が、その担当すべき職務に関し、請託を受けて、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときに成立し、公務員となった場合に、5年以下の懲役となります。

◇第三者供賄罪◇

第三者供賄罪は、公務員が、その職務に関し、請託を受けて、第三者に賄賂を供与させ、又はその供与若しくは約束をしたときに成立し、5年以下の懲役となります。
本罪は、賄賂を自己以外の第三者に供与させ脱法行為を行うことを補うものです。

◇加重収賄罪◇

加重収賄罪は、受託収賄事前収賄若しくは第三者供賄の罪を犯し、よって不正な行為をし、又は相当の行為をしなかったときに成立し、1年以上の有期懲役となります。
さらに、不正行為をしたこと又は相当の行為をしなかったことに関し、賄賂を収受等し、又は第三者にこれを供与させる等したときも同様に1年以上の有期懲役となります。
本罪は、賄賂の対価として不正な職務行為が行われた場合に加重して処罰するものです。

◇事後収賄罪◇

事後収賄罪は、公務員であった者が、その在職中に請託を受けて職務上不正な行為をしたこと又は相当の行為をしなかったことに関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときに成立し、5年以下の懲役となります。
本罪は、公務員を退職した後に賄賂を収受するなどした行為を処罰するものです。

◇あっせん収賄罪◇

あっせん収賄罪は、公務員が請託を受け、他の公務員に職務上不正な行為をさせるように、又は、相当の行為をさせないようにあっせんをすること又はしたことの報酬として、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときに成立し、5年以下の懲役となります。
本罪は、公務員による他の公務員の職務行為へのあっせん行為を処罰するものです。

◇贈賄罪◇

贈賄罪は、賄賂を供与、又はその申込み若しくは約束をした場合に成立し、3年以下の懲役又は250万円以下の罰金となります。

◇贈収賄事件の対策◇

贈収賄事件は、主に当事者同士で秘密裏に行われる犯罪で、証拠がなかなかそろわないのが特徴といえます。
不起訴処分も一定程度ありますし、まずは、「嫌疑不十分」による不起訴処分を目指して弁護活動をすることとなります。
弁護士は、事実関係をよく聞き、それを裏付ける証拠を集めたり、検察官に意見書を提出したりする活動も行います。

北海道内で贈収賄事件に関する相談を含め刑事事件に強い弁護士をお探しの方、ご家族、ご友人が逮捕された方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。
初回法律相談:無料
北海道内の警察署までの初回接見料金:32,400円~

強制性交等罪で逮捕された

2019-04-13

北海道千歳市の強制性交等事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。

【事例】

北海道恵庭市に住むAさんは、近所の公園のブランコに乗って一人で遊んでいたV女(当時10歳)の姿を見て、V女が13歳未満であることを知りながら、性交しようと決意して、V女に対して、「テレビタレントになれるかどうかテストしてあげるから、目をつぶって、おじさんのいう通りにしなさい。」などと言って、V女を付近の草むらに仰向けに寝かせ、パンティを脱がせたうえ自身の陰茎を口に含ませ、射精した。
その後、Aさんは、北海道千歳警察署強制性交等罪で逮捕されました。
(このお話はフィクションです。)

◇強制性交等罪のポイント◇

刑法
(強制性交等)
第177条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

① 平成30年の法改正で、改正前は、「強姦罪」の成立は性器の挿入の有無で判断されましたが、「強制性交等」が成立する行為はより幅広くなり、性交等の定義については、いわゆる膣性交だけではなく、肛門性交と口腔性交も含まれることになりました。
② 平成30年の法改正で、非親告罪となりました。
※ 親告罪~被害者の告訴(犯人の処罰を求める意思表示)がなければ、裁判にかけることができない罪
③ 13歳未満の児童の場合、合意があっても罪が成立します。

つまり、事例のケースのように口腔性交でも強制性交等罪が成立することになり、V女がそれに同意していたとしても成立することになります。

◇強制性交等罪の弁護活動◇

法改正前の「強姦罪」の場合は、性器が挿入されなければ、性器を挿入しようとしたが入らず、性器同士が接触した事実があっても、それは「強姦未遂」とされることがありました。
法改正により行為の幅が広がったため、性行為等を行う意思が明確にあり、暴行や脅迫を加え相手の腕をつかんだ程度の行為でも、強制性交等罪の未遂罪に問われる可能性が増えました。

「強姦罪」の時代には未遂であれば執行猶予がつくことも珍しくはありませんでしたが、性犯罪の厳罰化が進んでいるため、弁護士に依頼し、被害者に対する被害弁償や示談、裁判官に対して十分に反省していることを伝える上申書を提出するなど、弁護活動をしてもらうメリットは十分にありますし、示談を成立させ、被害者からの許しを得ることは、刑事事件の処分を決める上でもとても重要な事情になります。

◇処分・処罰の見込みについて◇

強制性交等罪については、逮捕され、さらに最大20日間、警察署の留置場に勾留されて取調べなどの捜査を受けることになるでしょう。
起訴されて裁判を受ける場合、有罪となれば前科がなくても実刑判決が言い渡される可能性が高いです。
悪質性が高い場合や被害者の年齢が低いなどの被害が大きい場合、また余罪が多数あるなどの場合は、より重い刑が言い渡されることになります。

◇合意があったのに後でレイプされたと訴えられた場合◇

合意の上での性交渉をしたのに、後に相手からレイプされたと強制性交等罪の被害を訴えられた場合、すぐに弁護士に依頼することをおすすめします。
通常、性交渉は密室で二人きりで行われるものですし、合意の有無の立証は簡単とはいえません。
しかし、事件前後の言動など、合意を裏付けることができる証拠がある場合があります。
例えば、性交渉前に被害者とやり取りしたメールで性交渉を約束していたり、性交渉後にも被害者を送り届け、その後も連絡を取り合っていたり、仲良くデートしたりと、合意を推認させる事情を証拠として集めることが重要です。
ですから、早急に事件に強い弁護士の力を借り、合意があったことを立証する必要があります。

北海道恵庭市で強制性交等罪に関する相談を含め刑事事件に強い弁護士をお探しの方、ご家族、ご友人が逮捕された方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。
初回法律相談:無料
北海道千歳警察署までの初回接見料金:38,700円

弁護士との面会について

2019-04-12

弁護士との面会について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。

あなたが逮捕された場合や任意取調べを受けた際、弁護士との面会を希望することがあると思います。弁護士と面会などをする権利を接見交通権と言い、接見交通権は、憲法に由来する刑事手続上最も重要な基本的権利に属するとされています。

◇接見交通権について◇

接見交通権は、刑事訴訟法第1項に原則、同条第3項に例外が規定されています。
刑訴法39条
1項 身体の拘束を受けている被告人又は被疑者は、弁護人又は…弁護人となろうとする者…と立会人なくして接見し、又は書類若しくは物の授受をすることができる。
3項 検察官、検察事務官又は司法警察職員…は、捜査のため必要があるときは、公訴の提起前に限り、第1項の接見又は授受に関し、その日時、場所及び時間を指定することができる。但し、その指定は、被疑者が防禦の準備をする権利を不当に制限するようなものであってはならない。

このように、刑訴法第39条第1項は接見交通権の原則を規定し、3項は捜査のため必要があるときは、接見等の日時・場所及び時間を指定することができる「接見指定」を規定しています。
この点について判例は、弁護人等から被疑者との接見等の申出があれば、
①原則としていつでも接見等の機会を与えなければならない。
②例外的に接見指定をできるのは、現に被疑者を取調べ中である場合などの「捜査に顕著な支障が生ずる場合」である。
③接見指定をする場合も、弁護人等と協議してできる限り速やかな接見ができるような措置を採らなければならない。
としています。

◇具体的な事例◇

~接見に関する対応が違法となるケース~
  
逮捕勾留中の被疑者に対する取調べの最中に、弁護人が警察署に行き、被疑者との接見を申し出た際に、捜査主任官は、捜査に顕著な支障を生ずる場合とは認められず、接見指定はしないこととしましたが、取調官は、供述調書の作成中であったことからその作成等を続け、接見の申出の連絡を受けてから取調べを終わらせるまで約10分間経過しました。

上記事例と同様の事例で、取調官の対応を違法とした裁判例があります。
この裁判例のポイントは、接見の申出を受けたならば接見指定をしない限りは捜査手続を中止るべきとの判断を明確にしています。
なお、被疑者を任意で取調べている最中に、弁護人となろうとする者が来署して被疑者との面会を求めた際に、捜査主任官が、面会の段取りをしているなどと曖昧な対応に終始した事案で、弁護人の面会希望を速やかに被疑者に伝えず、取調べを継続するなどした対応を違法とした裁判例があり、任意取調べでは、身体拘束中の場合と異なり接見指定の規定もありません。
ですから、あなたがもし任意取調べを受けた際に、弁護士との面会を希望しているにも関わらず、取調官がその面会を遅らせるため、様々な理由をつけてその機会を遅らせることは接見交通権の妨害になり、違法となり得るのです。

~接見に関する対応が適法とされるケース~

留置場に勾留中の被疑者について、弁護人が休日に事前連絡なく来署して接見を申し出ました。検察官から接見指定がなされる場合があるとの連絡を受けていた看守が検察官に問い合わせしましたがなかなか連絡を取れませんでした。その後、検察官から接見指定をしない旨の連絡があり、それを弁護人に伝えて接見するまで、約40~45分を要して弁護人の接見開始が遅れました。

上記事例と同様の事例で、看守と検察官の対応が適法とされた判例があります。
この判例では、「接見等の申出を受けた者が、…指定の要件の存否を判断できないときは、権限のある捜査機関に対して申出のあったことを連絡し、その具体的措置について指示を受ける等の手続を採る必要があり、こうした手続を要することにより…接見等が遅れることがあったとしても、それが合理的な範囲内にとどまる限り、許容されているものと解する」としています。
事例では看守がすぐに検察官に問い合わせ、検察官は可能な限り速やかに回答しているので適法とされています。

なお、この事例においては、休日で当直の検察官を経由するなどの事情を加味して約40~45分間の遅延が「合理的な範囲内」と判断されたと思われますし、「通常の勤務時間内であるのに、担当検察官の不在を理由として接見指定を拒むことはできず、合理的時間が経過すれば、指定がなされなくても接見指定の行使がなかったものとして接見させなければならない。」、「合理的時間としては、せいぜい30~40分程度であろう。」などとの指摘があります。

北海道内で弁護士との接見に関する相談を含め刑事事件に強い弁護士をお探しの方、ご家族、ご友人が逮捕された方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。
初回法律相談:無料
北海道内の警察署までの初回接見料金:32,400円~

逮捕・監禁罪で逮捕

2019-04-11

札幌市の逮捕・監禁事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。

【事例】

北海道石狩市に住むAさんは、石狩市内を歩行中の14歳の少女に対し、「両親が離婚することになり、その話をしたい」などと嘘をつき、少女を車に乗せ、その後、自宅アパート内において、鎖でつないで監禁していた。
近隣住民からの通報で札幌北警察署の警察官がそのアパートに臨場し、Aさんは現行犯逮捕されました。
(このお話はフィクションです。)

◇逮捕・監禁罪について◇

刑法220条
不法に人を逮捕し、又は監禁した者は、3月以上7年以下の懲役に処する。
「不法に」とは、人を逮捕したり監禁したりする行為は、警察官が法律に則り適法に行われる場合がありますが、適法に行われた場合は、逮捕監禁罪は成立しません。
逮捕」とは、人の身体に対して直接的な拘束を加えてその行動の自由を奪うことです。
例えば、ロープやビニールテープなどで手足を縛る行為が逮捕に当たります。
ただし、ごく短時間で身体拘束をしたにすぎない場合は、「逮捕」ではなく「暴行」と評価されます。

監禁」とは、人が一定の区域から出ることを不可能又は著しく困難にしてその行動の自由を奪うことです。
鍵をかけて部屋に閉じ込める行為が典型的なものですが、判例では、被害者をバイクの荷台にのせたまま走行を続ける行為について、脱出を著しく困難にするものとして「監禁」にあたるとされたケースがあります。
逮捕」と「監禁」の違いについては、人の身体を直接的に拘束するか間接的に拘束するかによりますが、いずれにせよ同じ罪ではあるので、厳密に区別がなされているわけではありません。

◇事例について◇

逮捕監禁罪の成立には、被害者が直接的に身体を拘束され、一定の限られた場所から脱出することが不可能、あるいは著しく困難であったことが必要となります。
事例のケースでは少女が鎖につながれ、脱出することが不可能な状況にあったので、逮捕監禁罪が成立します。
ただ、この鎖が少女自身で外せる状況下にあった場合はどうでしょうか。
被害者が物理的には脱出することが可能である状況下でも、犯人らの監視やその心理的影響力により、脱出困難性が認められ、逮捕監禁罪が成立するケースもあります。

例えば、入浴中の女性の衣服を外に投げ捨て、その女性が羞恥心のために部屋から出られなくなった場合、監禁罪が成立する可能性があります。
さらに、逮捕・監禁行為と人の致死傷結果との間に因果関係がある場合には、逮捕・監禁致死傷罪が成立します。
同罪の法定刑は、逮捕・監禁罪より重い法定刑となり、3月以上15年以下の懲役となります。

◇逮捕・監禁事件における弁護活動◇

逮捕監禁事件において、早期に被害者との示談を成立することができれば、検察官による不起訴処分や裁判を経ても執行猶予判決を受けることが可能となりえます。
ですから、早く弁護士に依頼することをおすすめします。
逮捕や勾留されてしまうのは、証拠隠滅や逃亡のおそれがあるためです。
そこで、弁護士は早期釈放、早期保釈のために証拠隠滅や逃亡の恐れがないことを示す客観的証拠を収集し、社会復帰後の環境を整備するなどして釈放や保釈による身柄解放を目指します。

また、犯人が脅迫行為や強要行為を否認している、あるいは、被害者と言われている方が真の同意のもとで被疑者の部屋や車に乗り込んだ場合、逮捕・監禁罪が成立せず無罪を獲得できる可能性があります。
弁護士は、捜査機関の主張が十分な事実や証拠に基づいていないということを的確に指摘し、無罪判決や不起訴処分に持ち込む弁護活動をします。

北海道石狩市で逮捕監禁罪に関する相談を含め刑事事件に強い弁護士をお探しの方、ご家族、ご友人が逮捕された方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。
初回法律相談:無料
札幌北警察署までの初回接見料金:35,100円

著作権法違反事件で逮捕

2019-04-10

北海道北広島市の著作権法違反事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。

【事例】

北海道北広島市在住のAさんは、ファイル共有ソフトを用いてVさんが著作権を有するマンガをアップロードしました。
これにより、不特定多数のインターネット利用者がVさんのマンガを無料で読むことができるようになってしまいました。
そこで、Aさんは著作権法違反の容疑で北海道厚別警察署に逮捕されてしまいました。
(このお話はフィクションです。)

◇著作権とは◇

インターネットやデジタルコンテンツの普及が進み、様々な著作物の入手・複製が容易になっていることから、著作権法違反に該当する事件数は年々増加しています。
著作権とは、著作物に対する著作者の権利のことです。
著作権の発生には特別の手続きは必要なく、著作物が生まれれば著作権が発生します。

著作権は大きく分けると著作者人格権と狭い意味での著作権の2つがあります。
前者は、著作物を公表する権利や「これは私が作った物です」と表示する権利などです。
後者は複製権、上映権、譲渡権などです。
ネット等を通じて公に送信する権利(公衆送信権)も著作者専属の権利です。
今回のAさんはVさんの公衆送信権を侵害しているといえることができるでしょう。
この場合、法定刑は10年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金又は併科です。

著作物については、「思想または感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術または音楽の範囲に属するもの」(著作権法2条1項)と定義されています。すなわち、著作物の要件としましては、①「思想または感情」の表現(単に商品の利便性や操作性を記載したものは、「事実の伝達」であり著作物にならず)、②思想または感情の「表現」(単なるアイディアは、著作物にならず)、③創作性(ありふれた表現や誰が作っても同様の表現になるものは原則として創作性がない)の3つが必要になります。

これらの例示は、著作権法第10条において、
①小説、脚本、論文、講演その他の言語の著作物
②音楽の著作物
③舞踊又は無言劇の著作物
④絵画、版画、彫刻その他の美術の著作物
⑤建築の著作物
⑥地図又は学術的な性質を有する図面、図表、模型その他の図形の著作物
⑦映画の著作物
⑧写真の著作物
⑨プログラムの著作物
と規定されています。

◇著作権法違反の弁護活動◇

ここで注意しなければならないことは、著作権法違反の多くが親告罪であるということです。
公衆送信権侵害の場合も親告罪です。
親告罪とは、被害者からの告訴がなければ処罰することができない犯罪のことです。
そこで、著作権法違反の被疑者から依頼を受けた弁護士としては、まず告訴取下げを目指して活動することが考えられます。
例えば、早急に示談をまとめたり、反省の意を著作権者に伝えたりすることがあるでしょう。
また、著作物が出版物の場合、出版社との交渉等も必要となることがあります。
その場合は刑事事件に精通している弁護士による交渉が必要かつ有利となってくるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所刑事事件専門の法律事務所です。
刑事事件専門で実力を培われた弁護士による多様な弁護活動をご用意しております。
もちろん、著作権法違反事件もお任せください。
告訴取下げに向けた弁護活動や、仮に起訴されてしまった場合でも最善の弁護活動をさせていただきます。
初回相談は無料ですので、お気軽にご相談ください。
すでに逮捕されている場合には、初回接見サービスにより弁護士が接見させていただきます。

北海道北広島市で著作権法違反など刑事事件に関する相談を含め刑事事件に強い弁護士をお探しの方、ご家族、ご友人が逮捕された方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご連絡ください。
初回法律相談:無料
北海道厚別警察署までの初回接見料金:36,200円

刑の言い渡し

2019-04-09

刑の言い渡しについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。

刑事裁判では、有罪判決の場合には、裁判所から刑が言い渡されますが、刑の重さを決めることを量刑と呼んでいます。刑の重さについては刑法等で定められていて、その範囲内で刑の重さが決められることになります。
例えば、詐欺罪では「10年以下の懲役」と定められています。

このように刑には幅が広く定められていることが通常です。
その範囲内でどのくらいの量刑にするのかは裁判官の判断に任せられているのです。
刑事裁判における量刑は、被告人の性格や経歴、被害の大きさ、犯行の動機、目的などすべての事情を考慮して決定されることになります。

◇犯行そのものに対する量刑の事情◇

~動機・計画性~
例えば、窃盗罪で、空腹を満たすために食料を盗んだ場合と、転売し換金目的で盗んだ場合では動機が違います。
また、事前に十分な計画や入念な準備をして行った犯行と相手方の行動に触発されて突発的に行った犯行とは異なりますので、量刑が違ってくるでしょう。

~犯行の手段、方法、態様~
例えば、傷害罪でいうと、どのような手段や方法による暴行であったか(例えば、拳で殴りつけたのか、バットなどの凶器で殴ったのか等)、また、態様として、単発の暴行や執拗な暴行であったか等が考慮されます。
さらに、共犯か単独なのか、共犯の場合は、主犯格なのか、ただ、従属的に従ったまでのことかが問題となります。
身体に対する犯罪を例に挙げましたが、財産やその他に対する犯罪でも犯行の手段、方法、態様にそれぞれ違いがあり悪質であればあるほど量刑が重くなることが考えられます。

~結果の大小・程度・数量、被害弁償~
被害が大きいほど量刑も重くなる方向に働きます。
例えば、窃盗罪では、盗まれたものが現金1万円か数千万円の貴金属かなど被害金額が大きくなればなるほど刑が重くなる方向に働きますし、傷害罪では、怪我が全治2週間か全治6か月かなど怪我の程度が重いほど刑が重くなる方向に働きます。
また、犯行によって失われた被害や損害がどの程度回復したかも重要な判断基準となります。

◇被告人の性格や職業◇

被告人の性格からみて取れる反社会性や常習性、粗暴性などは、量刑事情に影響を及ぼします。
また、被告人の年齢や経済状態、定職に就いているかどうかなども量刑に影響します。
たとえば年齢が若ければ、更生の見込みがあるという点で有利に作用することもあります。

◇前科・前歴◇

比較的軽微な犯行(例えば被害額が数百円の万引き)であっても、それが繰り返されると、量刑が重くなっていくものです。
また、同種の前科前歴があれば、再犯のおそれありということで、情状が悪くなります。
前科に関しては、刑の言い渡しが失効した後も量刑事情としては考慮されることとなっています。

◇余罪◇

起訴されていない犯罪事実をいわゆる余罪として認定し、処罰する趣旨で量刑の資料とすることは許されないと考えられています。
余罪を処罰するための量刑の資料としてならない理由は、余罪はいまだ厳格な裁判手続を経ておらず、裁判に耐えうるだけの十分な証拠の裏付けがない場合もあるからです。
ただし、被告人の性格、経歴等を推し量るための資料として使用することはできると考えられています。

◇反省と自白◇

反省は更正の可能性を判断する事情の一つであると位置付けられるのでしょう。
反省は内心のことであるからよく分からないと思われてしまうので、反省していることを推測させる客観的事情と併せて主張すべきなのでしょう。
みなさんは、警察官による取調中に、取調室で自白をしたら刑がかなり軽くなると思ってしまうでしょう。しかしながら、それは端的に間違いです。黙秘権は憲法上の権利です。
否認や黙秘をすること自体は、検察官に対する対立当事者として正当な防御活動です。

しかし、証拠上、明白な事実に対して、不合理な否認・不合理な黙秘を続けた場合には、否認をしたことや黙秘をしたこと自体ではなく、その公判廷での態度からみて取れる反省のなさや再犯のおそれを量刑上不利に考慮されることはあります。
弁護士と相談してどのような供述態度を示すべきか総合的な判断をするべきでしょう。

北海道内で量刑に関する相談を含め刑事事件に強い弁護士をお探しの方、ご家族、ご友人が逮捕された方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。
初回法律相談:無料
北海道内の警察署までの初回接見料金:32,400円~

覚せい剤の密売

2019-04-08

札幌市の覚せい剤の密売事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。

◇事例◇

札幌市中央区に住むAさんは近所の居酒屋でアルバイトしています。
この居酒屋では、店長が仕入れてきた覚せい剤を、常連のお客さんに密売しており、Aさんも覚せい剤の密売を手伝っていました。
ある日、Aさんが一人でお店にいる時に、北海道厚生局麻薬取締部の捜査員が、捜索差押許可状を持って来て、店内を捜索されました。
そして、厨房に隠していた覚せい剤が見つかってAさんは、覚せい剤の所持違反で現行犯逮捕されたのです。
時を同じくして店長も、覚せい剤の譲渡違反で逮捕されていたようです。
Aさんは、20日間の勾留後に、覚せい剤の営利目的所持で起訴されてしまいました。
(このお話はフィクションです。)

◇営利目的の覚せい剤所持事件◇

覚せい剤取締法で、覚せい剤の所持を禁止しています。
自分で使用する目的などの、非営利目的の単純な所持事件ですと、起訴されて有罪が確定すれば10年以下の懲役が科せられます。
特別な事情がない限りは、初犯だと執行猶予判決となる可能性が高く、刑務所に服役することは免れますが、再犯の場合は、実刑判決の可能性が高くなります。

密売等の営利の目的で覚せい剤を所持していたと認められた場合は、営利目的の覚せい剤所持罪となり、この罪で起訴されて有罪が確定すれば、1年以上の有期懲役が科せられることとなり、情状によっては300万円以下の罰金を併せて科せられます。
~営利の目的~
覚せい剤取締法では、大きく分けて所持、譲渡、譲受、使用、輸出入、製造を禁止しており、それぞれの違反形態は、非営利目的と営利目的とに分かれています。
そして営利目的には加重処罰規定を設けているのです。
このような加重処罰規定が設けられたのは、財産上の利得を目当てとして犯罪を行うことが道義的に厳しく非難に値するというだけでなく、一般にその行為が反復され、覚せい剤の濫用を助長・増進させ国民の保健衛生上の危害を増大させる危険性が高いからです。
営利の目的は、犯人が自ら財産上の利益を得、又は第三者に得させることを動機・目的とする場合を意味します。
警察等の捜査当局は、押収した覚せい剤の量や、実際に覚せい剤を買った人物がいるかどうか(密売履歴)、覚せい剤を密売して得た財産等から営利目的を立証するのですが、単に覚せい剤を有償で譲り渡すことだけで営利目的と認められるわけではありません。
営利目的の覚せい剤所持罪は、非営利目的の単純な所持罪に比べて非常に重たい法定刑が定められています。
営利目的の覚せい剤所持事件で逮捕、起訴された場合は、初犯であっても刑務所に服役する可能性があるので、早期に薬物事件に強い弁護士を選任する事をお勧めします。

◇麻薬取締官◇

麻薬取締官は、警察官とは異なり、違法薬物の捜査がのみが許されてる、厚生労働省の職員のことで、巷では「麻薬Gメン」と呼ばれています。
麻薬取締官は、薬物捜査に限って捜査権が与えられており、拳銃や警棒等の武器の所持も法律で認められています。
麻薬取締官は、麻薬及び向精神薬取締法やあへん法、麻薬特例法で、警察捜査では許可されていない「おとり捜査」がある程度許されています。
そのため麻薬取締官は薬物に対する専門的な知識を有しており、麻薬取締官の多くは薬剤師の国家資格を有しています。
麻薬取締官の扱う薬物事件は、大規模な組織的な密売、密輸事件や、有名人、著名人が起こした事件が多いです。
麻薬取締官に逮捕された場合でも、基本的な捜査手続きは警察に逮捕された場合と同じですが、麻薬取締官が所属する厚生労働省の地方厚生局麻薬取締部にある留置場は、勾留中の被疑者を収容する事ができないので、拘置所で身体拘束を受ける場合がほとんどです。

札幌市中央区で営利目的の覚せい剤所持事件に強い弁護士をお探しの方、ご家族、ご友人が麻薬取締官に逮捕された方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。
初回法律相談:無料
北海道中央警察署までの初回接見料金:34,700円
札幌拘置所までの初回接見料金:38,100円

 

偽計業務妨害罪で逮捕

2019-04-06

北海道伊達市の偽計業務妨害事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。

◇事例◇

北海道伊達市に住むAさんは、近所のスーパーと商品購入をめぐって揉めたことがあり、その腹いせに、そのスーパー店内のパン売り場で販売されている食パンに、縫い針を混入しました。その後、その食パンを買った客からスーパーに「食パンに縫い針が刺さっていた。」と電話連絡があり、スーパーは縫い針が混入されたことを知りました。
後日、Aさんは北海道伊達警察署に通常逮捕されました。

◇偽計業務妨害罪とは◇

偽計業務妨害罪とは、虚偽の風説を流布し、または偽計を用いて、人の業務を妨害する罪です。
本罪は、刑法233条後段に規定され、刑事罰は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金となっています。

本罪の行為の客体は、「人の業務」です。
「業務」とは、職業その他社会生活上の地位にもとづいて継続して行う事務をいいます。
業務については、経済的活動に該当する場合が多いものですが、経済的活動ではない公益活動、宗教活動も本罪の対象になり得ます。
適法な業務であることが必要かについては、法律に違反している業務であっても、違法性が顕著なもの以外、業務に該当するというのが一般的見解です。
都道府県知事の許可のない浴場の営業でも、業務に該当することを認めた判例があります。

「虚偽の風説を流布」するとは、客観的真実に反する内容の噂を不特定または多数の人に伝播させることをいいます。

「偽計」を用いるとは、人を欺き、誘惑し、または、人の錯誤・不知を利用することをいいます。
偽計が認められた具体例としては、
〇 内容虚偽の仮処分申請書を提出し、係判事を欺いて得た仮処分命令にもとづき社屋を明け渡させて経営を不能にした行為
〇 そば店に3か月の間に970回にわたり無言電話をかけて業務を妨害した行為
〇 外面から分からないように漁場の海底に障害物を沈め,漁網を破損させた行為
〇 他紙の購読者を奪おうと企て,自己の経営する新聞を改題し体裁等を酷似させて発行した行為
〇 他人名義で虚偽の電話注文をして,徒労の商品配達をさせた行為  
〇 「マジックホン」という機器を使用して,電話機に対する課金装置の作動を不可能にした行為
などがあります。

条文上、「業務を妨害した者」と規定されていますが、判例は、業務を妨害するおそれのある行為をすれば、その時点で犯罪が成立し、実際に業務が妨害された結果は必要ないとしています。
このようなことから、判例は、本罪を危険犯と解しているものと思料されます。
これに対し、業務が妨害されたという結果がないと、犯罪が成立しないとする学説もあります。

◇事例について◇

事例のような売り物である食品に針を刺すといった行為はお店に対する業務妨害罪となるわけですが、針を刺すという人にけがをさせかねない危険な行為ということを考えると、偽計ではなく威力ではないかとも思われます。
事例の場合、客が連絡してくるまで被害者であるスーパーはパンに針が刺さっているということを知らずその意思を制圧されたわけではないので威力ではなく、他の商品にも針が刺さっているかもしれないというお店の錯誤を誘発させる偽計ということになります。

そのような行為によって商品の点検をするなどさせてお店の業務を妨害しているのです。一方、犯人がお店に電話などをして「食パンに針を仕込んだ。」と告げた場合には,お店の意思を制圧するに足りるだけの勢力を用いたということになり,威力業務妨害罪ということになります。

北海道伊達市で威力業務妨害罪に関する相談を含め刑事事件に強い弁護士をお探しの方、ご家族、ご友人が逮捕された方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。

初回法律相談:無料
海道伊達警察署までの初回接見料金:0120-631-881にお問い合わせください。

セクハラなどの性犯罪事件

2019-04-05

北海道滝川市のセクハラなどの性犯罪事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。

◇事例◇ 

北海道滝川市に所在する会社で働いているAさんは、女性社員であるVさんに対して、日頃から肩に触れたり、お尻を触ったり、容姿や体型について発言したりしていました。
Vさんはセクハラを受けたと思い、社内の担当部署に通報し、Aさんが呼び出されました。
その際に、北海道滝川警察署に被害届の提出も検討しているという話を聞かされました。
そこで、Aさんは行動を改めるとともに、弁護士にも相談することにしました。
(フィクションです)

◇セクハラ罪?◇

セクハラとはセクシャルハラスメントの略語であり、現在では厳しい目が向けられることも多いでしょう。
セクハラも態様によっては性犯罪の1つとなり得ます。
しかし、「セクハラ罪」という犯罪があるわけではありません。
セクハラ行為が何等かの刑罰法規に該当すれば、犯罪となってしまうのです。

セクハラをしてしまった場合、会社の内部規則によって懲戒等の処分が下されることがあります。
これ自体は刑罰ではないので性犯罪事件というわけではありません。
しかし、例えば肩ではなくお尻や太ももを触ってしまった場合はどうでしょうか。
この場合は強制わいせつ罪が成立する可能性が高いでしょう。
性的に卑猥な言動や性的羞恥心を害する言動をすれば迷惑防止条例違反となる場合もあります。
さらに、セクハラ行為によって被害者が鬱病等の精神疾患に罹患してしまったらどうでしょうか。
この場合、傷害罪が成立してしまう可能性があります。
いわゆる「性犯罪」以外の犯罪も成立してしまう可能性があるのです。

◇「強制わいせつ」と「セクハラ」の違い◇

セクハラの場合には「性的な言動」によって「就業環境が害される」事実があればそれでセクハラに該当することになりますが、「強制わいせつ罪」とは、暴行や脅迫という手段を用いて行われるわいせつな行為をいいます(刑法第176条)。
【刑法第176条】
13歳以上の男女に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の男女に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

たとえば、男性が嫌がる女性の手を押さえつけながら、自分の陰部を女性の尻に押し付ける行為を例にすると、女性の手を押さえつけ、陰部を尻に押し付ける行為が暴行性を帯びていると判断できますので、その「暴行」の度合いによっては強制わいせつ罪に該当すると思われます。
そのような暴行を用いるのではなく例えば女性の背後から秘かに自分の性器を押し当てたような場合には暴行性がありませんから通常は強制わいせつ罪には問われないと考えられます(このような場合は後に述べる迷惑防止条例違反となる可能性があります)。

◇「迷惑防止条例違反」と「セクハラ」の違い◇

迷惑防止条例は都道府県ごとに制定された条例で、「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等を防止」することを目的として定められた条例になります。
例えば各都道府県の迷惑防止条例では公共の場所等で他人の体に触ることが禁止されています。(いわゆる痴漢行為)これがセクハラとどう違うのかが問題となります。

セクハラの場合には、その「性的な行為」を受けた労働者が「就業環境を害される」ことが必要ですが、迷惑防止条例では「正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような」状況で「人の身体に触れる」行為自体が構成要件となっていますので、そのような状態で女性労働者の体に触ったような場合には、仮にその女性労働者の「就業環境が害されなかった」としても、迷惑防止条例違反に該当する余地はあるということになります。

北海道滝川市でセクハラに関する相談を含め刑事事件に強い弁護士をお探しの方、ご家族、ご友人が強制わいせつ罪や、迷惑防止条例違反で逮捕された方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。

初回法律相談:無料
北海道滝川警察署までの初回接見料金:42,100円

令状のないGPS捜査について

2019-04-04

北海道旭川市の令状のないGPS捜査について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。

◇事例◇

北海道旭川市に住むAさんは、北海道旭川東警察署窃盗罪で逮捕されましたが、その逮捕前、犯行に使用していたAさんの車の底部にGPS発信機が取り付けられていました。そこで、Aさんは、弁護士に、GPS捜査について相談することにしました。
(フィクションです。)

◇GPS捜査について◇

GPS発信機については、人口衛星から電波を受信して、地球上での位置情報を取得し、その位置情報を外部に送信する機能を持っています。警察はGPS発信機を追跡したい対象物、例えば、車のボディ底部の見えない位置などに取り付けたりします。
このような特徴を持つGPS発信機は、警察が対象者の運転する車を追尾し、移動経路や目的地を確認する捜査を補完するものといえ、警察は密かにGPS捜査を行い、連続窃盗グループなどの所在を検索し、移動状況を把握する中で、現場を押さえて証拠をつかみ、検挙に至った例は多くあります。

警察は、これまでGPS捜査を尾行や張り込みなど捜査の延長線上のものとして、捜査人員や予算が限られる中、有効な手段だと捉えてきました。
その上で、基本的に路上を走行する車両の位置情報を把握するだけであり、個人のプライバシーは侵害しないとして、尾行や張り込みと同様、裁判官の令状は不要である、という立場を堅持してきました。

◇捜査当局の見解を全否定した最高裁◇

平成29年3月15日、最高裁は、GPS捜査について、強制捜査に該当し、現行法上違法と評価されると判断しました。
その骨子は、

GPS捜査では、対象車両及びその利用者の所在と移動状況を逐一把握することを可能にし、個人の行動状況を継続的、網羅的に把握することを必然的に伴うもので、個人のプライバシーを侵害し得る。
〇そのような侵害を可能とする機器を個人の所持品に秘かに装着して行う捜査手法は、公道状での肉眼やカメラによる行動把握と異なり、公権力による私的領域への侵入を伴うものというべきである。
〇個人のプライバシー侵害を可能とする機器をその所持品に秘かに装着することで、合理的に推認される個人の意思に反して私的領域に侵入するGPS捜査は、個人の意思を制圧して憲法の保障する重要な法的利益を侵害するもので、強制処分に当たる
〇現行犯逮捕のような無令状で行える処分と同視すべき事情があるとも認めがたく、令状がなければ行うことができない処分と解すべきである。

というものです。
要するに、古典的な尾行や張り込みと違い、密かに対象者の車両にGPS端末を取り付けるなど、個人のプライバシーの領域を深く侵害する捜査方法だ、というのが最高裁のGPS捜査に対するとらえ方です。

◇最高裁判決を踏まえた警察の対応◇

現に警察庁は、今回の最高裁判決を踏まえ、全国の警察本部に対し、GPS端末を使った捜査を控えるように指示する通達を出しました。
しかし、全国に目を向けると、公安事件など、現在も内偵のために密かにGPS捜査を実施している事件があるのではないでしょうか。
一方、GPS捜査には別の手法もあります。検証令状を受け、個人が持つスマートフォンのGPS位置情報を取り出すというものです。

平成23年、総務省の個人情報保護ガイドライン改正によって、検証令状の発付を前提に、捜査機関は携帯電話事業者からGPS位置情報の提供を受けられることになりました。
この場合、携帯電話事業者が個人のスマートフォンのGPS位置情報をネットワーク経由で受け取ることになります。
捜査機関は、ユーザーへの通知なしにGPS位置情報を抜き出せるのです。
報道によると、平成28年5月から携帯電話各社は、画面などに通知を表示せずGPS位置情報を取り出せる機能を一部のスマートフォンに実装しているようです。どの端末が対応しているかについて、NTTドコモ、ソフトバンク、KDDIはいずれも「捜査にも影響がある」として公開していません。

北海道旭川市でGPS捜査など警察捜査に関する相談を含め刑事事件に強い弁護士をお探しの方、ご家族、ご友人が逮捕された方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。

初回法律相談:無料
北海道旭川東警察署までの初回接見料金:0120-631-881にお問い合わせください

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