風俗店や派遣型風俗の利用時に風俗嬢に対して盗撮などの犯罪をしてしまった風俗トラブルの事案

風俗店や派遣型風俗の利用時に風俗嬢に対して盗撮などの犯罪をしてしまった風俗トラブルの事案

風俗店を利用し,犯罪を行ってしまって刑事事件化することがあります。
風俗店だからいいでしょ,ある程度許されるよね,と安易な考えで行動してしまい,大きなトラブルとなることが多くあります。
以前は,警察も風俗トラブルについて介入は消極的でしたので,逮捕や起訴をされるようなケースは少なかったです。
しかし,最近では,警察も風俗店での出来事だからといって捜査に消極的にはならずに,逮捕等の対応をすることが珍しくありません。
女性従業員から事件を伝えられた風俗店は,過剰に脅して賠償金・慰謝料を請求してくることもあります。
今回は,風俗トラブルについて,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説いたします。

【性行為の強要】

風俗店とはいえ,女性従業員に対して同意なく無理矢理性交等をしたら,不同意性交等罪が成立することになります。
不同意性交等罪は重罪で,逮捕され,長期間刑務所に入ることになります。

最近でも,以下のようなニュースがありました。
※一部情報を修正しております。
「A市のホテルで風俗店店員の女性に,同意なくみだらな行為をしたとして,A市役所勤務の公務員の男が逮捕されました。
不同意性交等の疑いで逮捕されたのは,A市役所の課長の男(40)です。
警察によりますと,男はきのう午後8時半ごろA市のホテルで,風俗店店員の女性(28)に,同意を得ずにみだらな行為をした疑いがもたれています。
女性から警察に通報があり事件が発覚しました。 
A市長は会見で「不祥事について組織的な問題があると認識している。市長として改善を進めていく」と話しました。」
「B県警は22日,県内のホテルで風俗店従業員の女性にわいせつな行為をしたとして,不同意性交の疑いで,C容疑者(51)を逮捕した。容疑を認めている。

逮捕容疑は22日午後8時ごろ,ホテルの部屋に呼んだ女性に対し,同意を得ずにわいせつな行為をした疑い。女性にけがはなかった。
女性の関係者から通報があった。」

不同意性交等罪は,不同意わいせつ罪の条文に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により,同意しない意思を形成し,表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて,性交,肛門性交,口腔性交又は膣若しくは肛門に身体の一部若しくは物を挿入する行為であってわいせつなものである性交等をすることをいいます。

不同意わいせつ罪の条文には,以下が規定されております。
一 暴行若しくは脅迫を用いること又はそれらを受けたこと。
二 心身の障害を生じさせること又はそれがあること。
三 アルコール若しくは薬物を摂取させること又はそれらの影響があること。
四 睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること又はその状態にあること。
五 同意しない意思を形成し,表明し又は全うするいとまがないこと。
六 予想と異なる事態に直面させて恐怖させ,若しくは驚愕させること又はその事態に直面して恐怖し,若しくは驚愕していること。
七 虐待に起因する心理的反応を生じさせること又はそれがあること。
八 経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること又はそれを憂慮していること。

5年以上の有期拘禁刑に処されることになります。
未遂行為も処罰されます。

対象となる性交等は,いわゆる本番行為としての性交等だけではなく,肛門性交や口腔性交も含まれます。
更に,膣若しくは肛門に身体の一部若しくは物を挿入する行為であってわいせつなものとして,女性器の中に指や道具を入れる行為も含まれることになります。
以前より犯罪の成立範囲が広がっております。

風俗店とはいえ,女性従業員が同意していない性交等を無理矢理に行ったら,お店に伝えられ,警察に通報され,逮捕されます。
重罪であり,実名報道されることもあります。
長期間の身体拘束の後に起訴されて裁判となり,実刑で刑務所に長期間入ることになります。
早めに弁護士に相談し,被害者へ示談交渉をする必要があります。

【盗撮】

性的サービスを受けている最中に,スマートフォンや小型カメラをひそかに設置し,盗撮したことがばれて問題になることもあります。

最近でも,以下のようなニュースがありました。
※一部情報を修正しております。
「D県警は9日,女性の裸を盗撮したとして,Eを性的姿態等撮影罪の疑いで逮捕した。取り調べに対し「間違いありません」と容疑を認めている。
調べによると,9日午後9時ごろ,ホテル室内でデリヘル嬢の裸を無許可で撮影した疑い。スマートフォンに当時の映像が残されていた。
県警は余罪があるとみてさらに捜査を進めている。」
「F警察署は13日,性的姿態等撮影罪の疑いで,県内に住む会社員の男(33)を逮捕した。
逮捕容疑は13日午後10時頃,自宅に呼んだデリバリーヘルス(派遣型風俗店)の女性(27)をスマートフォンで正当な理由なく撮影した疑い。「盗撮行為をしたことに間違いない」と容疑を認めているという。
同署によると,窓際に立てかけられていたスマートフォンに女性が気付いて派遣元の店に連絡し,駆けつけた男性店員から110番があったという。」

盗撮行為は,「性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律」で犯罪として定められております。

性的姿態等撮影罪は,正当な理由がないのに,ひそかに,人の性的な部位(性器若しくは肛門若しくはこれらの周辺部,臀部又は胸部)又は人が身に着けている下着(通常衣服で覆われており,かつ,性的な部位を覆うのに用いられるもの)のうち現に性的な部位を直接若しくは間接に覆っている部分を撮影する行為をいいます。
同じく,正当な理由がないのに,ひそかに,わいせつな行為又は性交等がされている間における人の姿態を撮影する行為も,性的姿態等撮影罪となります。
ここでいう性交等とは,性交,肛門性交,口腔性交又は膣若しくは肛門に身体の一部若しくは物を挿入する行為であってわいせつなものをいいます。
さらに,上記の不同意わいせつ罪に規定されている行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により,同意しない意思を形成し,表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて,人の対象性的姿態等を撮影する行為も,性的姿態等撮影罪となります。

3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金に処されることになります。
未遂行為も処罰されます。
同時に不同意わいせつ罪が成立することもあります。
盗撮したデータを他人に提供したら,性的影像記録提供等罪が成立することになります。

盗撮行為に対する社会の対応も厳しくなり,基本的には逮捕されることになります。

【風俗店とのやり取りに注意】

実際に悪い犯罪行為をしたとしても,風俗店は出来るだけ多額の賠償金を支払わせるために,過剰な脅しをしてくることがあります。
店の中に監禁し,身分証明書を強制的に取り上げて,多額の賠償金を支払うように脅してきます。
払わなければ家族や職場に伝える,等と脅してくることもあります。
消費者金融まで連れていかれてお金を借りさせられ,法外な慰謝料を支払わされることもあります。
しかも,実際には犯罪行為がないにも関わらず,女性従業員やお店に脅され,お金を請求されるケースもあります。

風俗トラブルとなったら,早急に弁護士に相談・依頼を検討してください。
警察や風俗店への対応は,弁護士を通じて慎重にするべきです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律所では,これまで数多くの風俗トラブル事件を扱って解決してきました。
懇切丁寧にご説明させていただきますので,北海道札幌市にて風俗トラブル事件を起こしてしまい通報された方や通報すると言われた方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご連絡ください。

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