保険金の詐欺未遂罪で逮捕

台風被害に遭ったとの虚偽の申請をして保険金をだまし取ろうとして逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部の弁護士が解説いたします。

【事例】

北海道岩内町に住むAさん。
最近自宅のリフォームをした知人に声をかけ、台風の被害に遭ってリフォームしたのだという虚偽の申請を保険会社に対して行い、保険金をだまし取ることを持ちかけました。
そしてだまし取った保険金は半分ずつ分けると約束し、保険会社に虚偽の申請をしました。
しかし不審に思った保険会社が詳しく調査した結果、虚偽の申請であることが発覚。
保険会社は北海道岩内警察署に被害届を提出。
Aさんは逮捕されました。
(事実を基にしたフィクションです)

~保険金詐欺~

保険金詐欺は昔からある犯罪ですが、最近も弊所にもウソの交通事故を装って保険金をだまし取ろうとした事件の相談がありました。
また、弊所の事件ではありませんが、住宅リフォームをした人の名簿をどこからか手に入れ、名簿の中の人に対し連絡を取り、上記事例にように共済金をだまし取って山分けしようとしたとして、詐欺未遂罪で逮捕されたという事件も報道されています。

保険金詐欺を行い、実際に金銭をだまし取った場合には詐欺罪が、だまし取るに至らなかった場合には詐欺未遂罪が成立することになります。

刑法246条1項
人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
第250条
この章の罪の未遂は、罰する。

条文にある通り、詐欺罪は10年以下の懲役です。
未遂にとどまった場合は、上限が5年になる可能性もあります。
しかし詐欺罪も詐欺未遂罪は条文に懲役刑しか規定されておらず、罰金で済む可能性がありません。

それでも執行猶予付きの懲役刑となる可能性はあるので、そうなれば刑務所に入らなくて済むので1つの理想的な結果ということになります。
ただ、詐欺罪は被害額が大きくなりがちといった理由により、初犯であっても実刑判決となって刑務所に入れられることも十分ありえます。

~刑事手続きの流れ~

犯罪をしたとして逮捕されると、最初に最大3日間、警察署等で身柄拘束され、取調べ等の捜査を受けます。
そして逃亡や証拠隠滅のおそれがあるなどとして検察官が請求し、裁判官が許可すれば、さらに10日間、勾留(こうりゅう)と呼ばれる身体拘束がされる可能性があります。
この勾留期間はさらに10日間延長されることもあります。

その後、刑事裁判が始まります。
保釈金を納めて一時的に釈放してもらうという「保釈」が認められない限り、身柄拘束が続いてしまうことになります。

弁護士としては、勾留を防いだり保釈を認めてもらうことにより、ご本人が釈放されることを目指します。
ただし、被害金額が高いと重い刑罰を受けることが予想されることから、刑罰がから逃れるために逃亡するのではないかと思われたり、あるいは共犯者がいる事例では相談して証拠隠滅を図るのではないかと思われて、なかなか釈放が認められない可能性もあります。

裁判が始まった後は、本人が反省している、家族の監督が望める、家族にも協力してもらってだまし取ったお金を返還したなど、出来る限り本人に有利な事情を集めて裁判官に主張し、軽い判決を目指していくことになります。

~お早めに弁護士にご相談ください~

あなたやご家族が何らかの犯罪をしたとして逮捕されたり、取調べを受けたといった場合には、どれくらいの処罰を受けるのか、いつ釈放されるのか、被害者との示談はどうやってすればよいのかなど、不安な点が多いと思います。
事件の内容に応じてお答えいたしますので、ぜひ弁護士にご相談いただければと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
逮捕されている事件では、弁護士が警察署での面会(接見)を行う初回接見サービスのご利用を、逮捕されていない事件やすでに釈放された事件では無料法律相談のご利用をお待ちしております。

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