北海道札幌市にて発生した盗撮のフィクション事例を踏まえて、盗撮で問題となる罪と盗撮事件の弁護活動について弁護士が解説

北海道札幌市にて発生した盗撮のフィクション事例を踏まえて、盗撮で問題となる罪と盗撮事件の弁護活動について弁護士が解説

盗撮事件で問題となる罪や弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。

【盗撮に係る諸問題・法整備について】

スカート・トイレ・着替え・風俗店などの盗撮事件が後を絶ちません。
盗撮は、特に女性の尊厳を冒す重い犯罪です。
しかし、スマートフォンの普及により、盗撮行為が容易に出来るようになりました。
安易な気持ちで盗撮が行われ、画像・動画がインターネット等を通じて拡散されております。
一度作成されたデータが残ってしまい、被害はさらに大きくなっていきます。
「性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律」が昨年に成立しました。
この法律は、性的な姿態を撮影する行為、これにより生成された記録を提供する行為等を処罰するとともに、性的な姿態を撮影する行為により生じた物を複写した物等の没収を可能とし、あわせて、押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等の措置をすることによって、性的な姿態を撮影する行為等による被害の発生及び拡大を防止することを目的としております。
近年増加する盗撮事件に対応するため、地方の条例で個別に規制するのではなく、国の法律で全国一律に規制することになりました。
盗撮行為だけでなく、盗撮された画像・動画データの拡散行為も規制されております。
以前より盗撮が犯罪として成立しやすくなり、刑罰も重くなっております。
盗撮行為に対する社会の態度も厳しくなり、逮捕されるケースも増えております。

【成立する罪について】

正当な理由がないのに、ひそかに、盗撮をしたら、「性的姿態等撮影罪」が成立します。
対象となる性的姿態等は、
・人の性的な部位(性器若しくは肛門若しくはこれらの周辺部、臀部又は胸部)
・人が身に着けている下着(通常衣服で覆われており、かつ、性的な部位を覆うのに用いられるもの)のうち現に性的な部位を直接若しくは間接に覆っている部分
・わいせつな行為又は性交等がされている間における人の姿態
です。
人が通常衣服を着けている場所において不特定又は多数の者の目に触れることを認識しながら自ら露出し又はとっているもの、は除かれます。
他人の裸や下着などを盗撮したら、犯罪が成立します。
スカートの中を盗撮したり、着替えを盗撮したり、トイレや浴室で盗撮したり、するケースが想定されます。
風俗店を利用中に撮影するケースも含まれます。
以前は風俗店利用中の犯罪については警察は捜査に積極的ではありませんでしたが、今後は取締りが厳しくなるものと思われます。

不同意わいせつ罪に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、人の対象性的姿態等を撮影する行為も、「性的姿態等撮影罪」が成立します。
不同意わいせつ罪には、以下が規定されております。
一 暴行若しくは脅迫を用いること又はそれらを受けたこと。
二 心身の障害を生じさせること又はそれがあること。
三 アルコール若しくは薬物を摂取させること又はそれらの影響があること。
四 睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること又はその状態にあること。
五 同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがないこと。
六 予想と異なる事態に直面させて恐怖させ、若しくは驚愕させること又はその事態に直面して恐怖し、若しくは驚愕していること。
七 虐待に起因する心理的反応を生じさせること又はそれがあること。
八 経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること又はそれを憂慮していること。

相手の同意なく性的姿態等を撮影したら、犯罪が成立します。
明確な同意がなければ、原則として撮影行為は犯罪となります。
同意があると思っていた、と安易に考えていたとしても、主張が認められることはありません。
以前より、犯罪として評価される範囲が広がり、成立しやすくなりました。

行為の性質が性的なものではないとの誤信をさせ、若しくは特定の者以外の者が閲覧しないとの誤信をさせ、又はそれらの誤信をしていることに乗じて、人の対象性的姿態等を撮影する行為も、「性的姿態等撮影罪」が成立します。
医療関係者が医療行為だと騙したり、宗教家が宗教行為だと騙したり、他の人には絶対に見せないと言って騙したり、するケースが想定されます。

正当な理由がないのに、16歳未満の者を対象として、その性的姿態等を撮影する行為も、「性的姿態等撮影罪」が成立します。
同意があっても、被害者が16歳未満であれば、撮影行為は原則として犯罪となります。
被害者が13歳以上16歳未満であれば、被害者との年齢差が5歳未満であれば、犯罪は成立しないことになります。

性的姿態等撮影罪は、未遂も罰せられます。
他に同時に不同意わいせつ罪や監護者わいせつ罪などが成立することもあります。
性的姿態等撮影罪は、3年以下の懲役・禁錮又は300万円以下の罰金に処されることになります。

盗撮等による性的影像記録を提供した者は、「性的影像記録提供等罪」として、3年以下の懲役・禁錮又は300万円以下の罰金に処されることになります。
性的影像記録を不特定若しくは多数の者に提供し、又は公然と陳列した者は、5年以下の懲役・禁固若しくは500万円以下の罰金に処し、又はこれを併科されることになります。
盗撮データを拡散させる行為も犯罪となります。

性的影像記録提供等罪の行為をする目的で、性的影像記録を保管した者は、「性的影像記録保管罪」として、2年以下の懲役・禁錮又は200万円以下の罰金に処されることになります。

【盗撮をしてしまった場合の弁護活動】

盗撮をしてしまったら、逮捕される可能性があります。
その場で現行犯で逮捕されることがあります。
しばらくたってから犯人が特定され、令状逮捕されることがあります。
警察が来て、警察署へ連れていかれ、留置場に入れられることになります。
逮捕されたら、実名報道される可能性もあります。
身体拘束され、外に出られなくなり、会社や学校に行けなくなり、懲戒解雇や退学になるかもしれません。
逮捕されたら、まずは早急に弁護士に相談・依頼し、釈放活動をしていく必要があります。
証拠隠滅や逃亡のおそれがないことを主張していくことになります。
しかし、釈放が認められるハードルは高く、簡単には認められません。
刑事弁護に精通した弁護士の方が、釈放される可能性は高くなります。
家族等の協力者と打ち合わせをして、裁判所に釈放を求めていくことになります。

警察の取調べは、慎重に対応する必要があります。
警察官は、威圧してきたり、誘導したりして、実際以上に悪質性があるような供述調書を作成しようとしてきます。
実際には盗撮行為をしていないのに、警察は取調べで圧力をかけて犯行を認めさせようともしてきます。
毅然と取調べに対応するためには、刑事弁護に精通した弁護士に早急に相談し、対応していく必要があります。
一緒に警察署の取調べに同行したり、黙秘をしたり、違法取調べに対して抗議書面を提出したり、することになります。

被害者になるべく早く接触し、示談交渉をする必要があります。
被害者が知っている人でなければ、捜査機関を通じて接触を試みることになります。
弁護士が間に立って交渉し、謝罪や被害弁償を申し出ます。
示談金だけでなく、接触禁止やデータの削除等も話し合っていくことになります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は、これまでに数多くの盗撮事件の刑事弁護を担当してきました。
盗撮事件でお悩みの方やそのご家族は、ぜひ弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部の無料面談を受けてください。
まずは
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