覚せい剤事件で違法な職務質問 無罪主張は北海道の刑事事件に強い弁護士

北海道の覚せい剤事件でにおける違法な職務質問について、弁護士法人あいち刑事総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。

【事例】

先日、とある地方裁判所が、覚せい剤取締法違反(使用)に問われた男性被告に無罪判決を言い渡しました。
(平成30年6月16日配信の朝日新聞DIGITAL等による報道)
報道によりますと、この男性被告は、複数の警察官から職務質問を受けた際に、それを拒否して逃走しようとしましたが、警察官に両肩をつかんで押さえつけられるなどし、約4時間後に強制採尿されたようです。
裁判官は、職務質問について「任意の限度を超えている」と指摘した上で、この様な過程で得た尿の鑑定結果を証拠とすることは「違法な捜査の抑制の見地から許容できない」とし、鑑定結果の証拠能力を否定しました。

~職務質問~

警察官の職務質問は、警察官職務執行法第2条第1項に基づいて行われています。
この法律を簡単に解説すると「警察官は、挙動不審者や、犯罪に関係していると判断した人に対しては職務質問できる。」ということです。
法律的には、警察官の主観ではなく、普通の人からしても、そのような不審点がなければ職務質問することができませんが、実際は警察官の主観で判断されて、職務質問は行われています。

みなさんもご存知のとおり、警察官は、職務質問を任意で行わなければなりません。
これは職務質問を行うために、対象者の明確な了承を得ることまで必要とされていませんが、少なくとも拒否されている状態で無理矢理に行うことはできないということです。
ただ有形力の行使が全面的に否定されているわけでもありません。
例えば、職務質問を拒否して逃走する対象者の腕をつかんだり、肩に手をかける行為は認められているのです。

ただし、今回の事件のように、職務質問を拒否して逃走する人の両肩をつかんで押さえつける行為は、任意の範囲を逸脱しており、明らかに度の超えた職務質問といえるでしょう。
そして職務質問を拒否する人を、強制採尿が行われるまでの約4時間もの間とどめおくことは許されることではありません。

今回の事件のように、覚せい剤の使用事件で任意採尿に至るまでの経過が刑事裁判で争点となり、無罪判決が言い渡されることはままあります。
覚せい剤事件の度を越えた職務質問無罪を主張している方や、そのご家族の方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部の刑事事件に強い弁護士にご相談ください。
(あいち刑事事件総合法律事務所 札幌支部:JR、地下鉄札幌駅徒歩7分、地下鉄大通り駅徒歩3分)

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