ストーカーはどのような罪に?

ストーカーはどのような罪に?

ストーカーの定義と刑事罰について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。
【ケース】
北海道日高郡在住のAは、日高郡内で個人事業主として働いていました。
Aは,取引先の従業員Vに好意を抱いていましたが,VはAを袖にしていました。
しかし諦められなかったAはVに対して日に最大114通の新規メールを送るほか,メールに返信がないことを理由にVの自宅まで行き,返信してくれるまで帰らないと言いました。
不安を感じたVは日高郡内を管轄する静内警察署に行き相談を行い,Aは聴聞の手続きを経て禁止命令書の交付を受けました。
しかし,Aはその手続きに納得がいかず,Vの家に行き,自分と会うよう執拗に迫りました。
そこに、Vの自宅付近をパトロールしていた静内警察署の警察官がAを現認し、Aをストーカー規制法違反で現行犯逮捕しました。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【ストーカーとは?】

日常会話で、しばしストーカーという言葉を用いる場合があるかと思います。
ストーカーと呼ばれる行為は、被害者にとって不安や恐怖を植え付けるだけでなく、重大事件を引き起こす恐れもある重大な問題です。
我が国では、平成12年にストーカー行為等の規制等に関する法律(通称:ストーカー規制法)という法律でストーカー行為を規制しています。

ストーカー規制法のいう「ストーカー」とは、「つきまとい等」、あるいは承諾なしに位置情報を取得する行為を、特定の人物に対して、繰り返し行うことを指します。(ストーカー規制法4条)
「つきまとい等」は、ストーカー規制法2条1項に列挙されていますが、難しい言葉も散見されるため、以下内閣府のホームページよりその定義を引用します。

「つきまとい等」とは、特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で、当該特定の者又は配偶者、直系若しくは同居の親族その他当該特定の者と社会生活において密接な関係を有する者に対し、次の行為を行うことです(同2条)。
①つきまとい、待ち伏せ、押しかけ、うろつき
②監視していると告げる
③面会、交際等の要求
④著しく粗野又は乱暴な言動
⑤無言電話、連続した電話・メール・SNSのメッセージ等
⑥汚物などの送付
⑦名誉を傷つける行為
⑧性的しゅう恥心の侵害

内閣府男女共同参画局より
https://www.gender.go.jp/policy/no_Violence/e-VAw/lAw/06.html

【ストーカーで刑事罰を受ける場合】

ストーカー行為は、被疑者の行為と被害者側の希望により、
A:刑事事件化する場合
B:行政指導・処分を受ける場合
に大別されます。
≪B:行政指導・処分を受ける場合≫
先ずはBについては、「警告」と「禁止命令等」があります。
警告は、行政指導であり、口頭あるいは書面で「警告」を行います。(同4条各項)
禁止命令等は、行政処分であり、事前又は事後に加害者側からの意見を聴く「聴聞」の手続きを行ったうえで、「禁止命令等」の書面を交付します。

両者の違いは、禁止命令等を受けた後に再び接触等をした場合に、禁止命令違反として通常のストーカー行為より厳しい刑事罰が科せられるという点にあります。

≪A:刑事事件化する場合≫
Aについては、他の暴行や窃盗などと同じく、捜査機関による捜査を受け、検察官から起訴された場合には刑事罰が科せられる可能性があるという一般的な刑事事件と同様です。
ストーカー行為
⑵禁止命令違反
の2種類があります。

⑴については、これまで行政処分や指導を受けていない場合、あるいはBで列挙した「警告」を受けた場合が該当します。
罰条:1年以下の懲役又は100万円以下の罰金(同法18条)
⑵について、これは前述したBの禁止命令等を受けたにも拘わらず、再び加害者が被害者側に接触した場合に成立します。
罰条:2年以下の懲役又は200万円以下の罰金(同法19条各項)

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所の弁護士は、ストーカー規制法違反を含めた刑事事件・少年事件全般をカバーしています。
ストーカー規制法は、加害者側は罪の意識がない、あるいは乏しいものの、被害者側強い不安や処罰感情が生じている可能性が高いことから、加害者側が想像している以上に厳しい手続き・処分に発展する恐れがあります。
北海道日高郡にて、御家族がストーカー規制法違反で逮捕された場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部に御連絡ください。

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