北海道旭川市の盗品保管事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部の弁護士が解説します。
【事例】
北海道旭川市在住のAは、知人Bから背広3つと靴1つを預かり保管していたところ、一週間後にこれらの物品はBが窃取してきたものであることを知りました。
しかし、Aは警察などに通報せずそのまま自室において保管していました。
その後も、数回にわたり執拗にBが物品の保管を依頼してくるため、すべて盗品であるという認識の下、カメラ・テープレコーダー・着物やネックレス等を受け取り保管していました。
その後、被害者からの被害届提出に伴い旭川方面旭川中央警察署による捜査が始まり、Aは盗品保管罪で逮捕されました。
(フィクションです)
【盗品等保管罪とは】
第256条(盗品等関与罪)
1項 盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物を無償で譲り受けた者は、3年以下の懲役に処する。
2項 前項に規定する物を運搬し、保管し、若しくは有償で譲り受け、又はその有償の処分のあっせんをした者は、10年以下の懲役及び50万円以下の罰金に処する。
上述のように、盗品保管罪は、256条2項規定の、「前項に規定する物を保管した者」に当たる場合に、10年以下の懲役及び50万円以下の罰金が科せられるものとなっています。
つまり、この犯罪が成立するには
・「前項に規定する物」を
・「保管した」
ことが必要になります。
そこで、今回のストーリーにおけるAが「前項に規定する物を保管した者」に当たるかを検討します。
【今回のストーリーについて】
まず、「前項に規定する物」はすなわち「盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物」(1項)であると言えます。
今回のストーリーでは、Aは、Bが「盗品その他財産に対する罪に当たる行為」である窃盗行為によって窃取した物を保管しています。
よって、Aは「前項に規定する物を保管した者」に該当すると考えられ盗品等保管罪が成立し処罰を受ける可能性がありそうです。
しかし、最初に預かった背広3つと靴1つはAはBから預かった当初、当該物品は盗品であるということを知らなかったため、盗品等保管罪が成立せず処罰は受けないとも考えられます。
しかし、裁判所は判例において「盗品であることを知らずに物品の保管を開始した後、盗品であることを知るに至ったのに、なおも本犯の為にその保管を継続するときは盗品の保管に当たるものというべきである」として、途中から保管している物品が盗品であることに気付いたが保管を継続させた場合にも盗品等保管罪が成立することを認めています。
したがって、AがBから預かった物品が盗品であることに気付いたにもかかわらず保管を継続していた行為に盗品等保管罪が成立すると考えられます。
【逮捕されたら】
警察官による逮捕や勾留は、精神的にも身体的にも過酷なものとなっており、できればそれを避けることがご自身やご家族の方にとって大切なこととなってきます。
そして、逮捕される恐れのある場合や万が一逮捕されてしまった場合、その後に事件がより良い方向に進むためには冷静な対応が必要不可欠となっています。
逮捕前であれば示談等、逮捕後であれば示談又は起訴を免れるよう対応することが可能でありそのいずれの対応をするにあたっても迅速性が必要不可欠です。
また、弁護士は逮捕中の被疑者と会う(接見)権利を有しており、日時や渡すもの等の制限は基本的にないため、家族の方からの要望に応じていつでも接見を行うことができます。
そうであるとはいっても、一般の人にとって刑事事件の手続きは理解しにくくとっつきにくいものであると思います。
そこで、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所には刑事事件と少年事件の専門家である弁護士が多く在籍しているため迅速な対応が可能となっていますので積極的にご相談下さい。
ご家族や友人等が万が一盗品等保管罪で警察に逮捕されたりした場合には、ぜひすみやかに弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談下さい。