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器物損壊罪の取調べ対応

2019-07-31

北海道砂川市の器物損壊事件にかかる取調べ対応について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。

【事件】

北海道砂川市の会社に勤めるAさんは、近所に住むVさんと揉め事を起こしていました。
ある日、AさんはVさんから騒音苦情を受けたことに怒りを覚え、Vさんに対して嫌がらせをすることにしました。
Aさんは、Vさんが趣味としている庭に置いている盆栽を、自宅に持ち帰り隠しました。
後日この事実が発覚し、Aさんは窃盗罪の疑いで北海道砂川警察署にて取調べを受けることになりました。
Aさんから相談を受けた弁護士は、窃盗罪ではなく器物損壊罪に当たる可能性があることを説明し、取調べ対応についてアドバイスをしました
(フィクションです。)

【器物損壊罪について】

他人の物を「損壊」した場合、器物損壊罪が成立する可能性があります。
対象となる物は様々ですが、建造物と文書については建造物損壊罪および文書毀棄罪という別の罪があるため除外されることがあります。
器物損壊罪における「損壊」は、物の効用を害する一切の行為を指すと考えられています。
一般的に損壊という言葉は物に損害を与える意味で用いられますが、ここではそれより広い範囲の結果が含まれるということになります。
ですので、たとえば物を汚したり隠したりした場合にも、物の効用を害したとして器物損壊罪が成立する可能性はあるのです。

上記事例において、Aさんは嫌がらせ目的でVさんの盆栽を自宅に隠しています。
このような行為は器物損壊罪に当たると考えられますが、自宅という自身の支配下に置いていることから窃盗罪に当たるようにも思えます。
このように器物損壊罪にも窃盗罪にもなりうるケースでは、行為の際にどのような意図があったかが区別の基準となります。
たとえば、対象物を自ら使用したり他人に売却したりするつもりだったのであれば、器物損壊罪ではなく窃盗罪が成立する可能性が高いと考えられます。
このような場合には、単に物の効用を害するにとどまらず、物に何らかの価値を見出してその価値を享受しようとしたと言うことができるからです。

【取調べ対応の重要性】

器物損壊罪の法定刑は、①3年以下の懲役、②30万円以下の罰金、③科料(1000円以上1万円未満の金銭の納付)のいずれかです。
そして、器物損壊罪は裁判を行うために告訴を要する親告罪であるため、告訴がなければ有罪として刑罰を科すことは許されません。
一方、窃盗罪の法定刑は、10年以下の懲役または50万円以下の罰金のいずれかです。
親告罪でもないため、告訴がなくとも有罪として刑罰を科すことは可能となっています。
こうした違いがあることから、器物損壊罪と窃盗罪のいずれで処罰されるかは重要な問題です。

先ほど説明したように、窃盗罪と器物損壊罪を区別するためには、行為時にどのような意図があったかが解明されなければなりません。
そのため、その点について捜査機関からしつこく聞かれ、取調べ対応を知らなければあらぬ方向に話が進む危険があります。
そうした危険を回避するには、事前に法律の専門家である弁護士から取調べ対応を聞くのが不可欠と言っても過言ではありません。
正しい取調べ対応を身につけておけば、捜査機関からの厳しい取調べにも耐えることができるでしょう。
少しでも不安であれば、ぜひお近くの弁護士に相談することをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では、豊富な刑事事件の経験を有する弁護士が、個々の事案に合わせた最適な取調べ対応をお伝えします。
窃盗罪器物損壊罪を疑われたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。
事務所での法律相談料は初回無料です。

放火罪で少年院回避

2019-07-30

北海道苫小牧市の放火事件にかかる少年院回避について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。

【事件】

北海道苫小牧市に住むAさん(14歳)は、放課後に幼馴染のBさんと過ごすのが日課でした。
ある日、Bさんの提案で火遊びをすることになり、AさんはBさんに言われて燃えそうな物を集めたりしました。
そして、Bさんが他の友人数名とともに火をつけたところ、火が予想以上に強くなって周辺を焦がすに至りました。
このことを北海道苫小牧警察署が把握し、AさんはBさんらとともに建造物等以外放火罪の疑いで捜査を受けることになりました。
Aさんの両親は、Aさんが少年院に行かなければならないのか弁護士に聞いてみました。
(フィクションです。)

【放火罪について】

建造物等(建造物、汽車、電車、艦船、鉱坑)を放火して焼損したり、それ以外の物を放火して公共の危険を生じさせたりした場合、放火罪が成立する可能性があります。
放火罪は、大きく分けると①他人の住居または他人の建造物等を放火する場合、②①以外の建造物等を放火する場合、③建造物等以外を放火する場合の3つがあります。
①は現住・現在建造物等放火罪、②は非現住建造物等放火罪、③は建造物等以外放火罪と呼ばれており、成立要件や法定刑がそれぞれ異なります。

上記事例において、Aさんらは建造物等以外の物に放火しています。
そのため、問題となる罪は③の建造物等以外放火罪であると考えられます。
建造物等以外放火罪の成立を肯定するには、建造物等以外の物に放火するだけでなく、それにより公共の危険を生じさせる必要があります。
公共の危険とは、不特定または多数人の身体や財産を脅かす危険だと考えられています。
ですので、建造物等以外放火罪の成立要件は、①対象物への放火および②人や対象物以外の物への危険の発生ということになります。
上記事例のように火が燃え広がったケースでは、公共の危険の発生が認められて建造物等以外放火罪が成立する可能性が高いと考えられます。
ちなみに、上記事例のAさんは火をつけていませんが、それでもBさんらと同様に放火罪が成立する余地はあります。
共犯事件においては、たとえ犯行の一部(燃えそうな物の収集)に関与した場合でも、協力して一つの罪を犯した以上は全員に責任を負わせるべきだとされているためです。

【少年院送致を回避するには】

20歳未満の者は少年とされ、その者による事件は少年事件として通常の刑事事件とは異なる処理が行われるのが原則です。
少年の心身が一般的に未成熟であることを考慮し、健全な育成を実現すべく成人よりも慎重に対応するためです。
そうした趣旨に由来する少年事件の特徴の一つとして、少年事件においては刑罰が科されないという点が挙げられます。

少年事件は一部を除いて家庭裁判所に送られ、そこでの調査と審判を通して少年ひとりひとりに適した措置(保護処分)が決定されます。
保護処分の中で最も周知されているものとして、少年院送致が挙げられるかと思います。
少年院送致は、少年を少年院で生活させ、そこでの教育・指導を通して少年の更生を目指す保護処分です。
少年院への収容が必要となる点で、数ある保護処分の中では最も制約が大きいものとして位置づけられています。

少年院送致が妥当か判断するに当たっては、犯した罪の軽重だけでなく、少年の日頃の生活態度や環境も重視されることになります。
ですので、少年自身とその周囲次第で、少年院に行かなければならないかどうかというのは大きく変わってきます。
大切なのは、少年が抱える問題点をあぶり出し、それを改善するための具体的な方策を家庭裁判所にきちんとアピールすることです。
そうしたアピールを行ううえでは、少年事件に詳しい弁護士が大きな力となることでしょう。
少年院に関して不安があれば、ぜひ一度弁護士に相談してみてください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では、少年事件に詳しい弁護士が、少年院送致を回避したいという要望を真摯にお聞きします。
お子さんが放火罪を犯したら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。
事務所での法律相談料は初回無料です。

 

未成年者誘拐罪で逮捕

2019-07-29

北海道室蘭市の未成年者誘拐事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。

【事件】

北海道室蘭市に住むAさんは、パチンコ遊技中、少女Vさん(8歳)がパチンコ店内で遊んでいるのを目にしました。
そのしばらく後、Vさんが、「お母さんがいなくなった。おじちゃんおもちゃを買いに連れていって。」とAさんに頼んできました。Aさんは、Vさんが可愛いくてたまらなかったことから、Vさんの保護者の意思に反して、駐車場に停めていた自分の車に乗せ、連れ回したうえ、自宅に一晩泊めましたが、翌朝、Vさんが、「家に帰りたい。」と言って泣き止まないので、車に乗せ、Vさんの家の近くの公園まで連れて行き、そこでVさんを解放しました。
その後、Vさんの両親が北海道室蘭警察署に通報し、Aさんは未成年者略取誘拐罪で逮捕されました。

未成年者誘拐罪について

刑法第224条は、未成年者を略取又は誘拐した者について3月以上7年以下の懲役に処すと規定しいます。
略取」とは、広く被拐取者の意思(幼児や意思無能力者のときは推定的同意)に反して行われますが、「誘拐」とは、欺罔・誘惑を手段として不法に未成年者を自己又は第三者の実力的支配内に移すことをいいます。
欺罔」とは、虚偽の事実をもって相手方を錯誤に陥れることをいい、「誘惑」とは、欺罔に程度に至らないが、甘言で相手方を動かし、その判断の適正を誤らせることを意味します。
また、自己又は第三者の実力支配内に移す行為が、是非弁別能力のない幼児などの心身喪失・抗拒不能状態に乗じてなされる場合が略取、知慮浅薄・心身耗弱に乗じてなされる場合が誘拐に当たり、同行為は、作為のみならず不作為によってもなされ得ると解されています。

事例について

事例の場合、Aさんは、Vさんを「迷い子」としてパチンコ店員に連絡するなどの措置をとるべきであり、Vさんから言葉を掛けられたことを奇貨として、自分の車に乗せて連れ回し、自宅に泊めた行為は、正にVさんの知慮浅薄・心神耗弱状態に乗じ、自己の実力的支配内に置いたとして誘拐行為に当たります。
また、本罪の保護法益は被拐取者の自由のみならず、親権者などの保護監督権もこれに当たるとされています。
したがって、未成年者の同意があったも、その同意は自己の自由に対する侵害を承諾するにとどまり、その効果は、保護者・監督者の保護監督権にまで及ばないから、Vさんの同意があったとしても、保護監督者の意思に反して誘拐した場合は、本罪が成立することになります。
なお、本罪は、被拐取者を自己又は第三者の実力支配内に移したときに既遂となるので、AさんがVさんを家の近くまで送り届けたとしても本罪の成否に影響はしません。

示談について

誘拐事件は、悪質性から、被害者が被疑者・被告人と一切関わりたくないという意思を示していることも珍しくありません。
そうした状況では、被疑者・被告人本人はもちろん、その家族でさえも示談交渉に及べないことがよくあります。

そこで、誘拐事件において示談を行うなら、示談交渉弁護士に依頼することをおすすめします。
弁護士による示談には、以下のようなメリットがあります。
第一に、示談交渉を安全に進め、交渉決裂となるリスクを抑えることができます。
弁護士は法律に関わるトラブルを数多く経験しているのが通常であるため、示談の経験が豊富であり、示談交渉を円滑に進める術を身につけていると言えます。
そのため、時には法的知識という武器も駆使しつつ、被害者と加害者との間で妥当な落としどころを見つけられる可能性が高いでしょう。
第二に、適切な内容の示談を締結することで、示談という合意の効果を最大限に発揮することが期待できます。
示談は事件の解決を確認する役割を果たしますが、その役割を引き出せるかどうかは合意の条件や示談書の文言といった要素に掛かっています。
そうした要素の細部に気を配ることができるのは、法律の専門家である弁護士ならではと言っても過言ではありません。

以上のような弁護士の強みは、誘拐事件での示談交渉においても重要な役割を果たすことが期待できます。
特に早期釈放不起訴を目指すのであれば、ぜひ示談交渉弁護士に任せてください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では、刑事事件の豊富な経験を有する弁護士が自信を持って示談交渉に取り組みます
ご家族などが誘拐事件の疑いで逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。
事務所での法律相談料は初回無料です。

住居侵入罪で釈放

2019-07-28

北海道岩見沢市の住居侵入事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。

【事件】

北海道岩見沢市のアパートに住むAさんは、隣室に住んでいる女性Vさんに好意を寄せていました。
ある日、AさんはVさんの不在時を狙って、ベランダ伝いにVさん宅のベランダに侵入し、開放状態の窓からVさんの部屋に侵入しました。
そして、部屋のクローゼット内の下着を物色しているうちに、Vさんが帰宅してしまいました。
Vさんがすぐに岩見沢警察署に通報したため、Aさんは住居侵入罪の疑いで逮捕されました。
その後Aさんは岩見沢警察署に勾留されたことから、弁護士釈放を目指すことにしました。
(フィクションです。)

【住居侵入罪について】

正当な理由なく他人の住居に立ち入った場合、住居侵入罪が成立する可能性があります。
住居に誰を立ち入らせるかは基本的に居住者の自由であり、居住者の意思に反する立ち入りを行う点で違法性があると考えられています。
住居侵入罪における「正当な理由」とは、そうした違法性のある行為を適法と見るに値する事情を指します。
たとえば、居住者の同意のもと立ち入る、暴漢に襲われてやむを得ず逃げ込む、といった事情が考えられます。

住居侵入罪は住居への侵入をもって成立する罪ですが、侵入したうえで何らかの行為に及べば、住居侵入罪とは別個にもう一つ罪が成立する可能性があります。
実務上よく見受けるのは、住居侵入罪窃盗罪(または窃盗未遂罪)の組み合わせです。
上記事例で言うと、AさんがVさんの部屋に侵入したうえで下着などを盗んだ場合、住居侵入罪に加えて窃盗罪が成立する余地が出てきます。
あるいは、実際に物を盗まなかったとしても、その危険性があったとして窃盗未遂罪が成立する可能性もあります。
たとえば、下着を盗もうとクローゼットなどを物色した形跡があれば、窃盗の危険があったとして窃盗未遂罪が成立する可能性が高いと考えられます。

住居侵入罪の法定刑は、3年以下の懲役または10万円以下の罰金となっています。
これ単体では比較的軽い方と言えますが、上述のように別の罪が成立すれば事情が変わってきます。
事件が重大になればなるほど、弁護士に依頼してきちんと対応する必要性は高まります。
そうした点において、住居侵入罪も甘く見るべきではないと言えるでしょう。

【釈放を目指すには】

刑事事件の被疑者として逮捕されると、その後身体拘束が継続して長期間自由が奪われる事態に陥りかねません。
具体的には、逮捕の期間制限が2~3日、勾留の期間制限が原則10日(延長されれば最長20日)なので、およそ2~3週間の身体拘束もありえるところです。
このような長期の身体拘束による不利益を抑えるには、やはり一日でも早く釈放を実現することが重要になります。

釈放を実現する手段には種々のものがあり、捜査の段階により選択できる手段は変わってきます。
まず、上記の勾留が決定される前であれば、検察官や裁判官に対して勾留すべきでないと意見することが考えられます。
これにより勾留がされないこととなれば、逮捕の期間制限である2~3日以内に釈放が実現できます。
一方、一度勾留が決定されても、その決定に対して準抗告という不服申立てをすることができます。
これは勾留決定の妥当性を裁判官に再考させるものであり、場合によっては勾留決定の取消しによる釈放という結果につながります。
また、準抗告が奏功しなかった場合にも、事情が変わったことを理由に勾留取消しを請求することも考えられます。
事情の変更の例としては、被害者との示談の成立などがあります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では、刑事事件に強い弁護士が、逮捕された方の釈放に向けて充実した活動を行います。
ご家族などが住居侵入罪の疑いで逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。事務所での法律相談料は初回無料です。

強要罪で執行猶予

2019-07-27

北海道苫小牧市の強要事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。

【事件】

Aさんは、苫小牧市のコンビニエンスストアで買い物した際に、レジ応対した従業員Vさんが、購入したカップ入りコーヒーをこぼしてしまい、それがAさんの服にかかってしまいました。
Aさんは、激怒し、Vさんに対して、「てめぇ、殺されたいのか。土下座しろ。」などと申し向け、恐怖を覚えたVさんは、土下座をしました。
後日、Vさんが北海道苫小牧警察署に相談したことで、Aさんは強要罪の疑いで逮捕されました。
Aさんと接見した弁護士は、事件の概要を聞いたうえで、処分の見込みとして執行猶予になる可能性が高いことを説明しました。
(フィクションです。)

【強要罪について】

暴行または脅迫を用いて、人に義務のないことを負わせ、または権利の行使を妨害した場合、強要罪が成立する可能性があります。
脅迫罪と同様に人の意思決定の自由を害する罪ですが、特定の作為または不作為を生じさせる点で、脅迫罪よりも重大な罪だと言えます。
ちなみに、要求した行為が財産の交付であれば、強要罪ではなく恐喝罪強盗罪が成立することが予想されます。

上記事例では、AさんがVさんに対して、「殺されたいのか。」と脅迫を用いて、土下座させています。
本来、土下座までをする必要がないのにも関わらず、土下座させていることから、AさんはVさんの生命・身体の加害を告知して義務のないことを負わせたと言え、強要罪が成立する可能性が高いでしょう。

強要罪の法定刑は3年以下の懲役です。
これに対し、脅迫罪の法定刑は2年以下の懲役または30万円以下の罰金、暴行罪の法定刑は脅迫罪の選択刑に拘留と科料を加えたものです。
罰金刑が選択できない点で、強要罪の重さは軽くないと言うことができます。

【刑の全部執行猶予】

強要罪の法定刑の上限は、懲役以上の刑が定められている罪の中では低い方です。
そのため、よほど重大な事案でない限り、執行猶予付き判決を受ける可能性が高いと言えます。
執行猶予は、有罪となって言い渡された懲役刑または罰金刑の全部または一部をいったん執行しないでおく制度です。
このうち、刑の一部執行猶予については、実刑相当の事案において被告人の社会復帰を柔軟に図るための制度です。
以下では、第一に実刑の回避を目指すべきだという観点から、刑の全部執行猶予について説明します。

刑の全部執行猶予は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金を科す場合において、被告人の事情を考慮して行われるものです。
ただ、実務上罰金刑の執行猶予というのは殆どないため、一般的には懲役刑の執行を猶予する制度として捉えられているかと思います。
懲役刑の全部が執行猶予になることで、判決後直ちに刑務所に収容されるという事態を回避することができます。

執行猶予を付される際には、裁判が確定してからどの程度の期間刑の執行を猶予するかが必ず決められます。
執行猶予が取り消されることなくその期間を過ぎれば、その後も刑の執行を受けることはなくなります。
執行猶予を取り消されるおそれがあるのは、執行猶予付き判決の前後で禁錮以上の刑を言い渡されたり、保護観察時の遵守事項を守らなかったり場合です。
そうしたことも含めると、執行猶予は一般人にとって理解が難しい制度になっています。
疑問や不安は法律の専門家である弁護士がついていれば解決できるので、執行猶予に関することは弁護士にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では、刑事事件に詳しい弁護士が、執行猶予について丁寧にご説明します。
ご家族などが強要罪の疑いで逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。

事務所での法律相談料は初回無料です。

詐欺罪で保釈

2019-07-26

北海道岩内町の詐欺事件にかかる保釈手続きについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。

【事件】

Aさんは、友人のBさんから、詐取するお金の回収を手伝って欲しい旨を頼まれました。
そして、Bさんが、リフォーム会社を装って北海道岩内町内の住宅を訪問し、訪問先で外壁塗装や雨漏り修理などが必要であることを申し向け、代金を先払いさせてAさんがお金を回収し、修理作業は行わずに逃亡を繰り返していました。
ある日、Aさんがお金を回収した訪問先のVさんが不審に思って北海道岩内警察署に通報し、既に逮捕状を取得していた岩内警察署は、AさんとBさんを詐欺罪で逮捕しました。
事件を依頼された弁護士は、Aさんの両親に対し、起訴前の釈放が難しいこと、起訴後にすぐ保釈請求を行うことを伝えました。
(フィクションです。)

【詐欺罪について】

詐欺罪は、相手方を欺いて財産の交付を受けた場合に成立する可能性がある罪です。
相手方としては財産を盗まれるという認識に欠けるため、窃盗罪や強盗罪などとは性質の異なる罪だと言うことができます。

詐欺罪の成立を肯定するには、①欺く行為の存在、②①による錯誤の発生、③錯誤に陥った状態での財産の交付があったと言えなければなりません。
ただし、刑事事件においては、複数の者が役割分担をしながら一つの犯罪を行った場合にも、その犯罪について関与者全員に刑事責任を負わせるものとされています。

上記事例において、AさんはVさんからお金を受け取っているに過ぎず、詐欺罪に当たる行為のうち上記③しか行っていません。
ですが、このような共犯者のいる詐欺のケースでは、現金の受け取り役とは別に騙す役が存在することもあります。
そうすると、そうした騙す役割の者の行為とAさんの行為とが合わされば、詐欺罪に当たる行為は完成されたことになります。
そして、Aさんは上記行為を詐欺だと認識しつつ行っているため、Aさんには詐欺罪が成立すると考えられます。

【保釈による身柄解放の可能性】

詐欺罪の法定刑は10年以下の懲役であり、罰金刑となる余地がない点でそれ自体重いものです。
加えて、上記事例のような詐欺の事案となると、被害総額の高さや犯行の悪質性などから、重大事件として厳しい刑が科されることもあります。
こうした重大事件においては、逃亡や証拠隠滅の可能性も高いと評価されやすく、身柄解放が一般的に困難だと言えます。
そこで、身柄解放を実現する有力な手段として、起訴後に行う保釈が考えられます。

保釈とは、起訴されて被告人となった段階において、裁判所に指定された金銭を預けて一時的に身体拘束を解く手続です。
被告人と一定の関係にある者が保釈請求を行い、その請求が裁判所に認められることで実現します。
保釈の際に預ける金銭は、証拠隠滅や逃亡などの不審な行動に及んだ際に没収される危険があるものです。
設定される金額は被告人ひとりひとりにとって安いものではないため、保釈保証金は証拠隠滅などを抑止する担保のような役割を果たします。
これにより、保釈による身柄解放は比較的ハードルが低くなっているというわけです。

とはいえ、保釈を実現するうえで、専門的な観点からの事案分析や、裁判所における複雑な手続が必要となることは否定できません。
ですので、保釈の実現を目指すのであれば、やはり法律の専門家である弁護士に依頼するのが得策です。
弁護士に保釈を任せれば、保釈に伴う手続だけでなく、保釈の実現に向けた環境整備も抜かりなく行うことが期待できます。
もし保釈についてお困りであれば、ぜひお近くの弁護士に一度ご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では、刑事事件のプロである弁護士が、周到な準備を行い的確なタイミングで保釈請求を行います。
ご家族などが詐欺罪の疑いで逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。
事務所での法律相談料は初回無料です。

傷害罪で無罪主張

2019-07-25

北海道小樽市の傷害事件における無罪主張について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。

【事件】

Aさんは小樽行きの混在した電車内に乗車中で、リュックを背負っていました。近くにいたVさんが、「お前リュックが邪魔だ。」と言ったことをきっかけに、AさんとVさんが言い争いになりました。
二人は、同じ小樽駅で下車後も言い争いを続け、Vさんは、近くにあった石を使ってAさんを殴ろうしました。
Aさんは、身をかわして、Vさんの腕を掴み、柔道の一本背負いをしてVさんを地面に叩きつけ、Vさんは頭を強打しました。
これにより、Vさんは全治1か月の怪我を負い、通報により駆けつけた北海道小樽警察署の警察官に傷害罪で取調べを受けました。
Aさんはすぐに弁護士に相談し、正当防衛として無罪を主張できないか聞いてみました。
(フィクションです。)

【傷害罪について】

傷害罪は、その名のとおり人の身体を傷害した場合に成立する可能性のある罪です。
ここで言う「傷害」には、殴る蹴るといった暴行による外傷にとどまらず、人の生理的機能の侵害一般が含まれるとされています。
たとえば、薬物により腹痛を起こさせる、ストレスを加えて睡眠障害にするといった行為も、場合によっては傷害罪に当たる可能性があります。

傷害罪には隣接する犯罪がいくつかあり、具体的な事件の内容によりいずれの罪が成立するかが異なってきます。
たとえば、人に対して暴行を加えたものの傷害には至らなかった場合、暴行罪が成立するにとどまります。
逆に、暴行により人を死亡させた場合、殺意がなかったのであれば傷害致死罪、殺意があったのであれば殺人罪が成立する可能性が出てきます。
また、傷害が強盗や強姦(強制性交等)の際に生じたのであれば、強盗致傷罪や強制性交等致傷罪が成立する余地が生じます。
もし傷害罪より重い罪が疑われているのであれば、傷害罪が成立するにとどまると主張する弁護活動が重要になるでしょう。

傷害罪の法定刑は、15年以下の懲役または50万円以下の罰金となっています。
これは数ある犯罪の中でも法定刑の範囲が幅広い部類に属し、個々の事案により量刑がかなり変わりうることを示しています。
多少の打撲傷や切り傷であれば少額の罰金刑が予想される一方、後遺症が残るようなものは実刑の可能性も否定できないところです。

【無罪主張をするには】

上記事例のAさんは、石で暴行を加えようとするVさんに対して暴行を加え、傷害を負わせています。
この場合、形式的には傷害罪に当たる行為ではあるものの、正当防衛として無罪になると主張する余地があります。
正当防衛は、①急迫不正の侵害に対し、②自己または他人の権利を防衛するために③やむをえずした行為は、罰しないと定めています。
簡単に言えば、突然違法な行為を受ける際に、人の身体や財産などを守る目的のもと必要な範囲内で行った行為については、刑罰を科さないということです。
これにより、たとえ人に傷害を負わせたとしても、それが適法なものだったとして無罪になるというわけです。

実務上正当防衛は複雑な規定であり、その成否を判断するのが常に簡単というわけではありません。
もし正当防衛が成立しなければ、たとえ過剰防衛が成立しても、有罪となって刑罰が科されることには変わりありません。
ですので、正当防衛により無罪だと主張するのであれば、やはり弁護士に依頼してしっかりと争うことをおすすめします。
弁護士は法律のプロなので、正当防衛の成立を認めるうえで重要なポイントを見極め、無罪を目指して的確な主張を行うことが期待できます。
お困りであれば、まずはお近くの弁護士にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では、刑事事件に特化した弁護士が、無罪獲得に向けて正当防衛をはじめとする様々な主張を検討します。
傷害罪を疑われたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。
事務所での法律相談料は初回無料です。

廃棄物処理法違反で略式罰金

2019-07-24

北海道倶知安町の廃棄物処理法違反事件における略式罰金について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。

【事件】

Aさんは、これまで自宅で使用していたテレビが故障したことから、新たにテレビを購入することにしました。
その際、テレビの廃棄にリサイクル料金が掛かることから、Aさんは、そのテレビを北海道倶知安町の山奥に捨てました。
その後、北海道倶知安警察署の警察官から不法投棄の関係で話を聞きたいと出頭要請を受けました。
この件で弁護士に相談したところ、弁護士から処分見込みは略式罰金と言われました。
(フィクションです。)

【不法投棄について】

環境保護の目的から、生活上生じるゴミは法令や各自治体のルールに従って処理されなければなりません。
そうしたルールをあまり気に留めないという方もいらっしゃるかもしれませんが、場合によっては犯罪が成立して重大な結果を招きます。

「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(以下、「廃棄物処理法」)には、ゴミの処理の仕方などについて様々な規定が置かれています。
その中でも基本的なものとして、「何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない」(廃棄物処理法16条)という規定があります。
「みだりに」とは、勝手気ままに、特に理由もなく、といった意味であり、不法投棄の殆どはこの規定に抵触すると考えられます。
そうした不法投棄に及んだ者は、①5年以下の懲役、②1000万円以下の罰金、③①②の両方のいずれかが科されるおそれがあります。

更に、不法投棄を繰り返して他人の土地利用を妨げた場合、不動産侵奪罪が成立する可能性も出てきます。
不動産侵奪罪における「侵奪」とは、不動産を他人の支配下から自己の支配下に移転させる行為を指します。
不法行為により土地に廃棄物をためると、その土地を自己の支配下に置いたとして不動産侵奪罪が成立すると考えられます。
不動産侵奪罪の法定刑は10年以下の懲役となっており、罰金刑が選択されない点で重いと言えるでしょう。

【略式罰金の概要と注意点】

不法投棄の罪によりどの程度の刑が科されるかは、主に廃棄物の量、内容、性質、環境に与えた影響などの事情を考慮して判断されると考えられます。
日常生活において出る家庭ごみを数回不法投棄した程度では、数万円から数十万円の罰金刑となることが多いでしょう。
逆に、事業者が多量の有害物質を不法投棄した場合は、懲役の実刑となる可能性も否定できません。

比較的軽微な不法投棄事件では、検察官から略式罰金によることの同意を求められることがあります。
略式罰金とは、事実関係に特段争いがない事案で、100万円以下の罰金刑を科すのが相当な場合に、通常の裁判より簡易な手続で罰金を科す制度です。
通常の裁判では、裁判が行われる日に出廷し、場合によっては複数回審理を経たうえで、法廷で刑罰権の存否(有罪か無罪か)とその内容(量刑)が決められます。
他方、略式罰金のケースでは、公開の裁判を開くことなく裁判官が書面で審理します。
そのため、被告人にとっては肉体的・精神的に負担が軽いものになっています。

略式罰金も有罪として刑罰を科す手続に他ならないため、それに応じるべきかどうかは時に慎重な判断が必要となります。
もし検察官の主張とは異なる事実を主張するのであれば、一定の期間内に行うことができる正式裁判の請求も一つの手です。
素直に略式罰金に応じるべきかどうかは個々の事案によるため、心配であればお近くの弁護士に相談されるとよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では、刑事事件のプロを名乗る弁護士が、略式罰金を含めていかなる処分が妥当か慎重に検討します。
不法投棄を疑われたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。
事務所での法律相談料は初回無料です。

名誉毀損で審判不開始

2019-07-23

北海道江別市の名誉毀損事件における審判不開始について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。

【事件】

北海道江別市の公立中学校に通うAさん(14歳)は、同級生のVさんから嫌がらせを受けていました。
ある日、Aさんは、Vさんに対して仕返しをしてやろうと、集会の最中に、「Vさんは、学校内で女子生徒を盗撮している。」と嘘をつきました。
この事実はその場にいた多くの生徒に広まり、やがてVさんはいじめを受けるようになりました。
Vさんはこのことを両親に相談し、北海道江別警察署に相談しました。
後日、Aさんは名誉毀損罪の疑いで取調べを受けることになり、江別警察署から出頭するよう言われました。
Aさんの両親から相談を受けた弁護士は、上手くいけば審判不開始になることを伝えました。
(フィクションです。)

【名誉毀損罪について】

公然と事実を摘示し、他人の名誉を毀損した場合、名誉毀損罪が成立する可能性があります。
まず、「公然と」とは、事実の摘示を不特定または多数人が認識できる状態を指します。
飽くまでも認識できる状態であればよいので、実際に事実を見聞した者がいなくても名誉毀損罪に当たる可能性があります。
また、たとえ最初は特定かつ少数人しか認識できない状態であっても、それらの者から不特定または多数人に伝播すれば名誉毀損罪は成立すると考えられています。
上記事例において、Aさんは集会の際に生徒の前で上記発言を行っています。
この生徒がたとえ特定の限られた者だったとしても、そこから多くの生徒に事実が広まった以上、名誉毀損罪は成立すると考えられます。

また、「名誉」の「毀損」とは、他人の社会的評価の低下を招くことを指します。
ただし、こうした評価の低下は可視化できるものではないため、低下の危険さえあれば実際に低下したかどうかは名誉毀損罪の成否に関係ないと理解されています。
加えて、事実の真偽も名誉毀損罪の成否には関係ありませんが、公共の利益になると思われる事実の摘示であれば、名誉毀損罪の成立は否定される場合があります。
いまだ起訴(裁判)に至っていない犯罪事実の摘示は、類型的その場合に当たることがあります。

【審判不開始を目指して】

名誉毀損罪の法定刑は、①3年以下の懲役、②3年以下の禁錮(労役を伴いません)、③50万円以下の罰金のいずれかです。
通常の刑事事件であれば最終的にこうした刑罰が科されますが、被疑者を20歳未満の者とする少年事件は刑罰が科されません。
少年は心身ともに未成熟であり、刑罰よりもその心身の発達段階に応じた適切な措置(保護処分)を講ずる方が、少年の健全な育成という観点から意義があるためです。

少年に対していかなる保護処分が妥当かは、捜査が遂げられた後に送致される家庭裁判所において決められます。
ただ、全ての少年が何らかの保護処分に付されるわけではなく、中には審判不開始となって事件が終了する者もいます。
少年を保護処分に付するにあたっては、まず家庭裁判所で非行事実や少年の性格などについて調査を行い、その結果を踏まえて少年審判を開くことになります。
このとき、調査の結果いかんによっては、保護処分の検討を行うまでもないとして審判不開始となることがあります。

審判不開始を目指すには、審判開始決定がなされる前に少年やその周囲を変えていくことが重要になります。
たとえば、事件について少年にしっかり反省させる、両親の子育てや友人とのかかわりに問題がなかったか検討する、といったことが考えられます。
審判不開始を目指すうえで意味のあることかどうかは、法律の専門家である弁護士が的確に判断できる事柄です。
ですので、お困りであればまずは気軽に弁護士に相談してみてください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では、少年事件に強い弁護士が、審判不開始を目指して様々な活動を検討します。
お子さんが名誉毀損罪を疑われたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。
事務所での法律相談料は初回無料です。

強制わいせつ罪で逮捕

2019-07-22

北海道石狩市の強制わいせつ事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。

【事件】

北海道石狩市に住むAさん(35歳)は、ロリコン嗜好で、年齢が低い女児の裸に興奮を覚えていました。
ある日、Aさんは北海道石狩市の公園で水遊びで遊んでいたVさん(10歳)に対し、「おじさんがアイス買ってあげるからおいで。」などと声を掛け、Vさんを公園内の茂みに連れて行き、そこで、下着を脱がせて陰部を触るなどのわいせつ行為を行いました。
Vさんは、すぐに自宅に帰って母親にそのことを伝え、札幌北警察署に被害届を提出したことから、Aさんは、強制わいせつ罪で逮捕されました。
(フィクションです。)

【強制わいせつ罪について】

13歳未満の者に対してわいせつな行為を行った場合、強制わいせつ罪が成立する可能性があります。
対象が13歳以上であれば暴行または脅迫を加えることが要件となりますが、13歳未満であればこの要件は不要と定められています。

強制わいせつ罪における「わいせつな行為」の内容については、裁判例でその基準となる定義が示されています。
それによると、①いたずらに性欲を刺激・興奮させ、なおかつ②普通人の正常な性的羞恥心を害し、もって③善良な性的道義観念に反する行為が「わいせつな行為」に当たります。
具体例としてよくあるのは、胸を揉む、膣に指を挿入する、無理やりキスをする、といったものです。
最近の裁判例では、わいせつな意図がなく嫌がらせや復讐などの目的であっても、行為の内容次第では「わいせつな行為」として強制わいせつ罪の成立が認められています。

相手方が強制わいせつに同意していた場合、たとえ客観的には強制わいせつ罪に当たる行為があっても強制わいせつ罪の成立は否定されます。
ただし、相手方が13歳未満の者であれば、同意の有無に関係なく強制わいせつ罪が成立すると考えられています。
その理由は、13歳未満の者については、一般的に性的自由に関する承諾能力が欠けるからだと説明されます。
そうすると、上記事例のAさんにも強制わいせつ罪が成立し、6か月以上10年以下の懲役が科されるおそれがあるでしょう。

【情状弁護による刑の減軽の可能性】

昨今、18歳未満の者に対する性犯罪は深刻なものとして捉えられています。
刑事事件において、有罪になった場合の刑罰の重さは社会に与えた影響も一定程度考慮されます。
ですので、上記事例のようなケースでは、一般的に厳しい刑が見込まれると言えるでしょう。

そこで、可能な限り量刑を軽くするための手段として、弁護士による情状弁護が挙げられます。
情状弁護とは、裁判において被告人に有利な事情を主張し、それを酌んでもらうことで少しでも寛大な処分を求める弁護活動です。
情状弁護における具体的な主張の内容としては、犯行動機が致し方ないものである、犯行がさほど悪質でないといった犯情に関するもののほか、事件後に生じた事情もあります。
たとえば、上記事例のような児童に対する性犯罪が問題となったのであれば、被告人の性的嗜好の矯正を図ることが考えられます。
再犯防止に向けて具体的な対策を講じることで、被告人の社会復帰の必要性という観点から肯定的な評価を受けることが期待できるというわけです。

裁判というのは被告人の今後を見据える場でもあるので、主張すべき事情は多岐にわたると言えます。
弁護士の腕前次第で量刑がかなり変わってくる場合もありますので、情状弁護を依頼するならぜひ実力のある弁護士を探してください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では、数々の刑事事件と接してきた弁護士が、周到な準備をして的確な情状弁護を行います。
ご家族などが強制わいせつ罪の疑いで逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。
事務所での法律相談料は初回無料です。

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