Archive for the ‘交通事件’ Category

人身事故で在宅起訴

2021-07-12

人身事故で在宅起訴

車やバイクを運転していて事故を起こしてしまい、自分以外の者が怪我をしてしまった人身事故の場合の罪と在宅起訴について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。
【ケース】
北海道札幌市北区在住のAは、札幌市北区内の会社に勤める会社員です。
Aは大型バイクの免許を取得して1年が経過し、後ろに人を乗せても問題がない状況になったことから、Vを後ろに乗せてドライブに行っていました。
その際、Aは制限速度40km/hの一般道を90km/hで走行していました。
運転中、Aはカーブを曲がりきれず、ガードレールに衝突してAとVとはガードレール下に投げ飛ばされてしまいました。
Aは一命をとりとめましたが、Vは頭や体を強く打ち、死亡してしまいました。

Aは救急搬送され、その後逮捕などはされませんでしたが在宅起訴されました。

≪ケースはすべてフィクションです。≫

【人身事故について】

人身事故というと、車同士がぶつけて相手が怪我をした場合や、車がバイクや歩行者をはねた場合を想像しがちですが、ケースのように自分が運転していた車で同乗者が怪我をした場合にも、いわゆる人身事故として扱われる場合があります。

通常、後ろに乗っていた同乗者が吹き飛ばされるなどした結果死亡してしまった場合、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(自動車運転処罰法)に規定されている「過失運転致死罪」に当たります。

ただし、ケースのAは、制限速度を大幅に超えた速度でバイクを走行させ、その結果カーブを曲がりきれずにガードレールに衝突し、同乗者が死亡するに至っています。
この場合、過失運転致死罪ではなく、同じく自動車運転処罰法に定められている「危険運転致死罪」が適用されることが考えられます。
危険運転致死罪は飲酒や薬物乱用により制御できずに引き起こした事故のほか、「その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為」や「その進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させる行為」でも成立します。(自動車運転処罰法2条2号、3号)
Aは制限速度を大幅に超える速度で走行し、かつ免許を取得してから1年経ったばかりであることから、危険運転致死罪と評価される可能性が十分にあります。
なお、法定刑は以下のとおりです。

過失運転致死罪:7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金
危険運転致死罪:1年以上の有期懲役

【在宅起訴について】

SNSなどを見ていると、「逮捕=罰」という印象をお持ちの方がおられるように感じます。
しかし、逮捕・勾留といった手続きは、捜査に必要な場合にのみ認められる措置であり、逮捕・勾留された時点では起訴されるかどうか分かりません。
捜査の結果、被疑者が嫌疑不十分や起訴猶予などを理由に不起訴になるということも少なくありません。
また、逮捕・勾留されていない場合でも、捜査機関が証拠を収集し、検察官が起訴することが妥当だと判断した場合には、在宅起訴されることがあります。
在宅起訴の場合でも、事件の内容次第では、被告人は実刑判決を受けることがあります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では、逮捕・勾留されてしまった方の御家族によるご依頼はもとより、逮捕・勾留はされなかったが在宅起訴されるという方の相談についても対応しています。

在宅起訴される場合、事件発生から数ヶ月、あるいは1年以上かかることも少なくありません。
そのため、安心感や気の緩みが生じるという方もおられるようです。
しかし、来る刑事裁判では厳しい尋問を受け、結果として実刑判決を言い渡されることもあるのです。

北海道札幌市北区にて、人身事故と呼ばれる事故を起こして過失運転致死罪危険運転致死罪に問われ、今後在宅起訴される可能性があるという方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。
在宅事件の場合、事務所にて無料でご相談を受けることができます。

書類送検されて刑事裁判に

2021-06-24

書類送検されて刑事裁判に

飲酒運転で問題となる罪と、書類送検後に刑事裁判になる場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。
【ケース】
北海道札幌市西区在住のAは、札幌市西区内の会社に勤める会社員です。
ある日、Aは仕事帰りに札幌市西区内の飲食店に行き、酒を飲みました。
その後、Aは代行運転を利用して自宅に帰ろうとしたのですが、代行運転がすぐには来られないことが分かり、泥酔していて判断力が鈍っていたAは、代行運転を待たずに自分で運転を始めました。
しかし、Aは信号停車中に居眠りをしてしまい、それを見たパトロール中の札幌市西区を管轄する札幌方面西警察署の警察官は、Aを起こしたうえで、呼気検査を行い、飲酒運転であることを指摘しました。
その後数度の取調べを受け、最終的に書類送検するからと言われたAは、書類送検された場合にも刑事裁判に発展するのか、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士に相談をしました。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【飲酒運転について】

飲酒運転が法律に違反する行為であることは、ご案内のとおりです。
では、どのような罪にあたりどのような刑罰に処されるのでしょうか。
以下で解説します。

・酒気帯び運転
飲酒運転事件の場合、基本的に運転中あるいはその前後を捜査機関に目撃された後、その場で呼気検査を行うことで罪に当たるのか確認します。
その結果、呼気中のアルコール濃度が0.15mg/L以上だった場合、酒気帯び運転とされます。
なお、Aのように停車中に発覚した場合であっても、居酒屋付近の防犯カメラの映像や居酒屋店員の供述次第で、停車していた場所まで飲酒運転をしていたという立証を行うことができれば、捜査機関が酒気帯び運転を現認していなかった場合でも立証することはできると考えられます。

酒気帯び運転に関する条文は以下のとおりです。
道路交通法65条1項 何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。
道路交通法117条の2の2 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
同4号 第六十五条(酒気帯び運転等の禁止)第一項の規定に違反して車両等(軽車両を除く。次号において同じ。)を運転した者で、その運転をした場合において身体に政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態にあつたもの

・酒酔い運転
酒酔い運転は、酒気帯び運転より酷く酒に酔った状態で運転をした場合に成立します。

飲酒運転酒気帯び運転なのか酒酔い運転なのかについては、呼気検査で呼気に含まれているアルコールの量や、応答の様子、歩行検査(直線を、ふらつかず直進で歩行できるかどうか)等により判断されます。
ここで注意したいのは、酒酔い運転のアルコール基準値自体はないという点です。
酒酔い運転で捜査される方の多くは酒気帯び運転の基準値の数倍が検出されて検挙に至る場合が多いですが、アルコールにとても弱い人などが呼気検査を受けて0.15mg/L未満だった場合でも、歩行検査や応答の様子が明らかに酒酔いの状況であると判断された場合、酒酔い運転として捜査の対象になります。

酒酔い運転に関する条文は以下のとおりです。
道路交通法117条の2 次の各号のいずれかに該当する者は、五年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
同1号 第六十五条(酒気帯び運転等の禁止)第一項の規定に違反して車両等を運転した者で、その運転をした場合において酒に酔つた状態(アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態をいう。以下同じ。)にあつたもの

【書類送検後に刑事裁判に発展】

刑事事件の場合、身柄を拘束されて手続きが進められる身柄事件と、身柄を拘束せずに自宅に居ながら呼び出しを受けたら警察署や検察庁に行くという在宅事件の2種類があります。
書類送検という言葉を報道等で聴くことがあるかと思いますが、書類送検は在宅事件で警察署などが検察庁に事件の記録を送ることを指します。(身柄事件の場合は逮捕後に身柄と書類が一緒に送検されます。)
逮捕と聞くとそれ自体が懲罰のようなイメージをお持ちの方がおられますが、決してそうではなく、身柄事件は証拠を隠滅したり逃亡したりする等の可能性がある被疑者の身柄を拘束して捜査を行うことを目的としています。
酒気帯び運転酒酔い運転の事案では、そもそも逮捕されなかったり、されたとしてもすぐに釈放されるケースが珍しくありません。
しかし、在宅事件だったから、あるいは釈放されたからといって安心していたら、最終的に裁判所から起訴状が届いたというお話を聞くことは少なくありません。
酒気帯び運転酒酔い運転で検挙された場合、たとえ在宅事件だからと言って安心することなく、すぐに弁護士に相談することをお勧めします。

北海道札幌市西区にて、酒気帯び運転酒酔い運転で検挙され、在宅捜査を受けている方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。
在宅事件の場合、事務所にて無料でご相談いただけます。

スピード違反で刑事裁判に?

2021-05-20

スピード違反で刑事裁判に?

スピード違反が刑事事件に発展する場合と刑事裁判について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。
【ケース】
北海道岩内郡岩内町在住のAは、岩内郡岩内町の会社に勤める会社員です。
Aは休日にバイクに乗ることを趣味の一つとしているところ、ある日、岩内郡岩内町内を自分の車で走っていたところ、後方を追尾していた覆面パトカーの警察官によって停車させられました。
警察官は、Aに対して「大幅なスピード違反ですので岩内警察署まで来てください。」と言われ、任意同行しました。
そこで、Aは警察官から制限速度50km/hの場所を110km/hで走っていたと指摘されました。
警察官から「刑事裁判になる」と言われたAは、スピード違反刑事裁判になる場合について、刑事事件専門の弁護士に質問しました。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【スピード違反について】

御案内のとおり、車やバイクに乗る際は出すことができるスピードを決められています。
道路交通法では、その22条1項に「車両は、道路標識等によりその最高速度が指定されている道路においてはその最高速度を、その他の道路においては政令で定める最高速度をこえる速度で進行してはならない。」と定められています。
法定最高速度は、高速道路の場合は100km/h、一般道の場合は60km/hです。
但し、道路の形状などにより制限速度が敷かれている区域に関しては、制限速度が優先されます。
ケースのAは50km/hの制限が敷かれた区域を走行していたので、それを1km/hでも超えた場合にはスピード違反(速度超過)になります。

スピード違反をした場合、俗に言う青キップを交付される場合と赤キップを交付される場合の2種類があります。

・青キップを交付される場合
一般道 ⇒30km/h未満のスピード違反
高速道路⇒40km/h未満のスピード違反

青キップというのは俗称で、正式名称を「交通反則告知書」と言います。
交付される書類が青色であることが由来のようです。
青キップは、違反点数が6点未満の交通違反をした場合に交付されます。

本来、スピード違反は1km/hでも超過すれば道路交通法22条1項に違反する行為と言えますが、我が国では一日に多くの車やバイクが行き来していて、違反行為も少なくない数が行われています。
そのすべてを刑事事件化してしまうと、検察官や裁判官の業務はパンクしてしまいます。
そこで、違反を認めている方については、交通反則通告制度という制度に基づき、違反点数を加点して反則金を納付するという行政処分を科すことで、刑事処分を免除するという制度です。
青キップは、この行政処分に納得した場合に署名する書類です。

・赤キップを交付される場合
一般道 ⇒30km/h以上のスピード違反
高速道路⇒40km/h以上のスピード違反

赤キップは、正式名称を「告知書」と言います。
交付される書類が赤色(ピンク色)であることが由来のようです。
赤キップは、違反点数が6点以上の交通違反をした場合に交付される書類です。

赤キップを受ける違反の場合、捜査機関による捜査を経て刑事裁判になります。

【刑事裁判とは】

刑事裁判は、検察官によって起訴された者が受ける裁判です。
捜査段階では被疑者と呼ばれ、起訴された者は被告人と呼ばれます。

刑事裁判では、被告人が刑法などの法律に違反したということを、検察官が立証します。
被告人は弁護人を付けることができ、検察官の立証に問題がある場合にはその点を主張したり、やったことは事実であるが反省している等の主張を行う場です。
裁判官は、弁護人と検察官、両者の話を聞いた上で最終的に有罪か無罪か、有罪だった場合にはどのような刑罰を科すか、判断します。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
北海道岩内郡岩内町にて、スピード違反で赤キップの交付を受けた方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。
在宅事件の場合、事務所にて無料で御相談いただけます。

ひき逃げ事件で釈放へ

2021-05-03

ひき逃げ事件で釈放へ

ひき逃げ事件を起こしてしまった場合の罪と、逮捕・勾留された場合に行う釈放を求める弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。
【ケース】
北海道芦別市在住のAは芦別市内の会社に勤める会社員です。
Aは通勤でバイクを利用していました。
事件当日もAはバイクで会社に向かっていたところ、横断歩道ではない道を高齢者Vが歩いていて、Aは直前までそれに気付かずVと接触してしまいました。
Aはすぐにバイクを停止させてVを見たところ、Vが動かなくなっていたため、怖くなってその場を離れました。

数時間後、Aの自宅に芦別市内を管轄する芦別警察署の警察官が自宅に来て、Aを過失運転致傷と道路交通法違反で逮捕しました。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【ひき逃げ事件について】

ひき逃げ事件の場合、①車やバイクで人を怪我させたり死亡させたりすることで問題となる罪と、②車やバイクを運転する上で必須となる義務に違反することで問題となる罪の2種類が問題となります。
①について、これは自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(通称、自動車運転処罰法)という法律の適用が検討されます。
飲酒や薬物の摂取などはなく、不注意で事故を起こしてしまい、よって被害者をケガさせたり死亡させた場合には、過失運転致死傷罪が問題となります。
条文は以下のとおりです。

自動車運転処罰法5条 自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

②について、これは、救護義務違反・報告義務違反が問題となります。
道路交通法には、バイクや車を運転する運転者の義務が定められています。

道路交通法72条 交通事故があつたときは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員…は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。この場合において、当該車両等の運転者…は、警察官が現場にいるときは当該警察官に、警察官が現場にいないときは直ちに最寄りの警察署…の警察官に当該交通事故が発生した日時及び場所、当該交通事故における死傷者の数及び負傷者の負傷の程度並びに損壊した物及びその損壊の程度、当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交通事故について講じた措置を報告しなければならない。

【釈放を求める弁護活動】

被疑者が逮捕された場合、その後72時間以内に20日間(勾留延長含め)の身柄拘束を行うかどうかを判断します。
事件にもよりますが、弁護人としては、できる限り釈放を求める弁護活動を行うことになります。

まず、勾留が決まる前に検察官に勾留請求をしないよう、あるいは裁判官に勾留決定を下さないよう、意見書などを通じて主張をします。
次に、勾留が決まった場合には、準抗告といって勾留裁判に対する不服申立の手続を行います。
準抗告を行った場合、受理した裁判所は(先に勾留を下した裁判官と別の)裁判官3名が勾留決定の判断について検討し、弁護側の準抗告が認容された場合には被疑者は釈放されます。
最後に、起訴された場合に行う保釈請求があります。
被疑者は起訴されると被告人という立場になりますが、被疑者段階で勾留されている場合には起訴後勾留というかたちで身柄拘束を続けられます。
起訴後勾留を解くためには、弁護人は保釈請求を行い、裁判官により保釈が認められた場合には保釈金を納付して被告人を釈放することが必要です。

いずれの場合も、身元引受人がいて逃亡・証拠隠滅の恐れがないことを主張していくことが必要になります。
もっとも、事件の内容や被疑者・被告人の生活状況などはすべて異なるため、各々の事件で的確な主張を行う必要があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当法人では、これまで数多くの身柄解放活動を行って参りました。
北海道芦別市にて、御家族がひき逃げ事件を起こしてしまい釈放を求める弁護活動について知りたいという方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部に御連絡ください。

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