不正アクセス事件で自首

北海道室蘭市の不正アクセス事件における自首について、あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部の弁護士が解説します。

【事件】

北海道室蘭市にある大学に通うAさん(20歳)は、大学の講義で提出が義務付けられているレポートが作成できず困っていました。
そこで、同じ講義を受けている学生のメールアカウントに不正アクセスし、提出済みのメールに添付されているレポートの内容を見ることにしました。
Aさんの大学では各学生にメールアカウントを割り当てていましたが、そのIDとパスワードはいずれも学籍番号から推測できるものでした。
やがてこの不正アクセスの事実が明らかになり、ついには北海道室蘭警察署が捜査を行うことになりました。
焦ったAさんは、弁護士に自首をすべきか相談することにしました。
(フィクションです。)

【不正アクセス禁止法について】

コンピュータの普及によって私たちの生活は劇的に変わりましたが、その一方で、ハッカーや 悪質なコンピュータ利用者から情報を守る必要も出てきました。
不正アクセス行為の禁止等に関する法律(不正アクセス禁止法)」は、「不正アクセス行為」を禁止することでネットワーク上の脅威を排除し、ネットワーク社会の健全化に努めるものです。
ここにいう「不正アクセス行為」とは、ホームページ編集、ネット注文、データ閲覧などの利用に際して識別符号(ID・パスワードや指紋、音声など)の入力を求めているコンピュータにネットワークを通じ て入り込み、これを利用できる状態にしたり、実際に利用する行為を指します。
具体的には、
他人へのなりすまし(2条4項1号)
→ 他人のID・パスワード等を無断で利用してコンピュータの認証を受けること
セキュリティホールの攻撃(2条4項2・3号)
→ 特殊な情報を入力してアクセス制御機能を回避し、セキュリティホール(プログラム上の不備でセキュリティが脆弱な部分)からコンピュータに侵入すること
をいいます。
不正アクセス行為を行った者には3年以下の懲役または100万円以下の罰金が科されます(11条)。
また、他人の識別符号を無断で第三者に提供する行為も「不正アクセス行為を助長する行為」として禁止されています。提供の相手方が不正アクセス目的で取得しようとしていることを知りながら提供したとき は、1年以下の懲役または50万円以下の罰金、知らなかったときでも30万円以下の罰金が科されることになっています(12条2号、13条)。

【刑事事件における自首の効果】

一般に、罪を犯した者が自ら警察署に行くことは自首や出頭と呼ばれます。
このうち、自首については刑法に明文の規定があります。
ここで言う「自首」とは、捜査機関に自らの犯罪事実を申告し、その処分を委ねる意思表示を指します。
自首を行った場合、その事実は刑の任意的減軽事由として考慮されます。
つまり、有罪として量刑を判断するに当たり、裁判官が裁量で刑の減軽をするかしないか選択できるということです。
刑の減軽は懲役刑や罰金刑の上限を2分の1にする効果を持つので、自首が認められることによる恩恵は大きいと言えます。

自首による刑の減軽を目指すに当たっては、ぜひとも留意しておくべき点が1つあります。
それは、事件が知られていないか、事件の被疑者が特定されていない状態でなければ、法律上の「自首」として扱われないということです。
たとえば、被疑者が誰か分かっているものの居場所が掴めないというケースでは、被疑者が特定できている以上「自首」にはならないと考えられます。
ただし、その場合であっても、自ら出頭することが反省の態度を示す一事情として量刑上考慮されることはあります。

以上の点も含めて、刑事事件における自首には様々な問題があります。
自首を検討されるなら、一度お近くの弁護士に相談されるとよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では、刑事事件のプロである弁護士が、自首に関する充実したアドバイスを行います。
不正アクセス事件で自首をお考えなら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。
事務所での法律相談料は初回無料です。

 

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