児童買春で逮捕

北海道室蘭市の児童買春事件について、あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部の弁護士が解説します。

【事件】

北海道室蘭市の会社員Aさんは、インターネット上の掲示板で「パパ募集」という書き込みを見つけ、その書き込みをした者に連絡を取りました。
そして、書き込みの主であるBさん(16歳)と会い、一緒に食事をしてから2万円を渡しました。
その後、AさんはBさんと定期的に会うようになり、やがてお金を払って性行為に及ぶようになりました。
このことがBさんの補導をきっかけに明らかとなり、Aさんは児童買春の疑いで北海道室蘭警察署の捜査を受けることになりました。
Aさんは、少女に年齢を確認して「20歳」と聞いていたので、年齢の不知による無罪を主張しています。
(フィクションです。)

【児童買春について】

児童買春については、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」という法律に規定されています。
それによると、「児童買春」とは、金銭などを対価に児童(18歳未満の者)との間で行う「性交等」を指します。
「性交等」には、口腔性交や肛門性交だけでなく、自身の性器、肛門、乳首を児童に触らせたり、児童の性器などを触ったりする行為も含まれます。
金銭などの供与の相手方は、児童だけでなく、性交等をあっせんした者や児童の保護者でも構いません。
たとえば、児童の親に金銭を渡して児童と性交を行った場合も児童買春に当たります。

金銭などを対価することなく単純に同意のある性交等を行った場合、北海道では「淫行」として北海道青少年健全育成条例により罰せられます。
ただ、この条例が定める淫行の罪の法定刑は、2年以下の懲役または100万円以下の罰金です。
これに対し、児童買春の罪の法定刑は、5年以下の懲役または300万円以下の罰金です。
こうして並べてみると、対価の供与やその約束の存在がいかに罪を重くしているかがよく分かります。
更に、性交等の相手方が13歳未満の者であれば、以上の罪ではなく強制性交等罪に当たる可能性が出てきます。
強制性交等罪の法定刑は5年以上の懲役(上限20年)であり、下限が5年の時点で相当重い罪だと言えるでしょう。

【年齢の不知】

児童買春を規制している児童買春・児童ポルノ処罰法では「児童の年齢を知らないことを理由として児童買春行為の処罰を免れることはできないが、過失がない時は、この限りではない。」ことが明記されています。
これは、年齢の不知の過失を処罰する趣旨を規定したものです。
つまり、買春行為に際して、相手方の年齢を可能な限り調査して年齢を確認する義務を尽くしたにもかかわらず、児童であることを知り得なかったことを立証しない限り処罰を免れない旨を規定しているのです。
買春行為の相手方の、具体的な年齢調査の程度や方法については、事件ごとに検討されるでしょうが、一般的には児童に年齢を確認したり、身体の外形的な発育状態によって18歳以上であると信じたとしても調査義務を尽くしたとはいえないでしょう。
例えば運転免許証など、年齢が確認できる身分証で年齢を確認するまでしていれば、例え相手が18歳未満であっても、年齢の不知で児童買春罪の適用を免れる可能性があります。

【量刑】

児童買春行為に対する法定刑は「5年以下の懲役又は300万円以下の罰金」です。
児童を保護する観点から、世界的に児童買春行為は厳しく取り締まられています。
Aさんのような児童買春行為で警察に逮捕された場合、初犯であれば略式起訴されて罰金刑となる可能性が高いでしょうが、再犯の場合は正式に起訴され刑事裁判で刑事罰が決定するでしょう。
児童買春の量刑は、事前に児童の親御様と示談することによって、少しでも軽減できる可能性があります。

北海道で起こった刑事事件でお困りの方、ご家族、ご友人が児童買春事件で逮捕され、年齢の不知による無罪を主張している方は、刑事事件に強いと評判の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。
事務所での法律相談料は初回無料です。

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