【刑事事件の国選弁護人と私選弁護人①】弁護士の選任と被疑者国選弁護制度

刑事事件の国選弁護人と私選弁護人について、弁護士法人あいち刑事総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。

【事例】

Aさんが札幌市の繁華街を歩いていたところ、正面からVさんが千鳥足で歩いてきました。
2人がすれ違う際にVさんの肩がAさんの肩にぶつかり、激高したAさんはVさんを突き飛ばしました。
その衝撃でVさんは背後にあった看板で頭をぶつけ、後頭部を5針縫う怪我を負いました。
Aさんは傷害罪の容疑で現行犯逮捕され、逮捕の事実を知ったAさんの父は弁護士に事件を依頼することにしました。
Aさんの父が弁護士について調べていたところ、国選弁護という制度に目が留まりました。
(上記事例はフィクションです)

【刑事事件における弁護士の役割】

刑事事件において、弁護士は被疑者や被告人の弁護活動を行うことになります。
民事事件において弁護士が代理人と呼ばれるのに対し、刑事事件において弁護士は弁護人と呼ばれます。
弁護人には、被疑者やその家族など依頼者が直接弁護士に依頼する私選弁護人と、名簿に登録された弁護士の中から国が選任する国選弁護人という2つの形式があります。

【被疑者国選弁護制度について】

かつて国選弁護制度は被告人のみを対象としていました。
つまり、検察官に起訴される前の段階である被疑者については国選弁護人を選任することができませんでした。
近年になってそのような運用が見直され、平成30年6月1日から、勾留がついた刑事事件については、全ての刑事事件について被疑者も国選弁護人の選任を受けられるようになりました。

弁護士は法廷で闘うイメージが強いかもしれませんが、そこに至るまでにも様々な弁護活動を行います。
代表的なものは、留置施設における被疑者との接見や被害者との示談交渉などです。
これらは、被疑者段階から行われる弁護活動ですが、刑事事件全体を通して屈指の重要性を持つ弁護活動と言えます。
そのため、国選弁護制度の対象が被疑者にまで拡大されたことは大きな意義があります。

今回は、①弁護人には私選弁護人国選弁護人がいること、②被疑者でも国選弁護人の選任が受けられるようになったことをお話ししました。
次回は私選弁護人と国選弁護人の違いについてお話しいたします。
私選弁護人のご相談については、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部までご相談ください。
法律相談:初回無料

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