北海道留萌市の無免許運転事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。
事件
北海道留萌市に住む70代の男性Aさんは、一旦停止を怠ったとして、交通取締中の北海道留萌警察署の警察官に呼び止められました。
Aさんに免許の提示を求めたところ、無免許であることが発覚しました。
Aさんは、約30年前に免許の更新をし忘れ、それ以来ずっと無免許運転を行っていたということです。
Aさんの家族は、逮捕の連絡を受け、慌てて警察署に向かいましたが、面会することが出来ませんでした。
ネットで刑事事件に強い弁護士を探し、接見に行ってもらえるよう頼みました。
(フィクションです。)
無免許運転
皆さんご存知のとおり、車両を運転するには運転免許を取得する必要があり、運転免許を取得せずに車両を運転すれば無免許運転となります。
運転免許には、普通免許、中型免許、大型免許、原付免許、小型二輪免許、普通二輪免許、大型二輪免許、小型特殊免許、大型特殊免許、牽引(けん引)免許等の種別があり、取得している種別外の車両を運転しても無免許運転となります。
また、違反を繰り返したりして免許停止中に運転した場合も、無免許運転となります。
免許を取得しているが、運転中に携帯していなかったろいう場合は、免許不携帯となり無免許運転ではありません。
無免許運転の法定刑は「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。
初犯の場合は、略式起訴されて罰金刑となる場合がほとんどですが、2回目からは起訴(公判請求)される可能性が高いです。
起訴された場合の刑事裁判では、最初こそ執行猶予付の判決となりますが、それ以降は実刑判決も考えられます。
無免許運転で捕まると
「無免許運転で警察に逮捕された。」というお話しをよく聞きますが、確かに無免許運転は現行犯逮捕されるケースが多いようです。
しかし無免許運転だけですと逮捕当日や翌日に釈放されるケースがほとんどです。
無免許運転が捜査機関に発覚し、逮捕されるケースには、以下のようなものが挙げられます。
・同様の前科前歴がある。
・常習的に無免許運転を行っていた。
・交通事故を起こし、死傷者を出してしまった。
・飲酒運転やスピード運転など他の交通法違反や犯罪を犯している。
上記事例では、Aさんは30年もの間無免許運転をしていたので、常習的ともいえ、悪質であると判断され逮捕されたと考えられます。
ただ、無免許運転に加えて、他の違反(特に飲酒運転)や交通事故(特にひき逃げ)を起こしている場合、勾留される可能性が高まるので注意しなければなりません。
逮捕後に釈放されても、それで刑事手続きが終了するわけではなく、その後も必要な捜査が行われて、捜査が終了すると、事件は検察庁に送致されます。
そして検察官に呼び出されて取調べを受け、起訴されるか否かが決定します。
初犯の場合は罰金刑(略式)がほとんどですが、Aのように長期間の常習的な無免許運転であれば、起訴される可能性が高くなります。
無免許運転の刑事裁判
無免許運転で起訴(公判請求)されてしまった方のほとんどは再犯です。
そのため刑事裁判では『如何にして同じ過ちを犯さないか』という点が重要視される傾向にあります。
保有している車を処分したり、同居する家族がキーの管理を徹底する等して、再発防止策を講じ、それが認められた場合は、少しでも軽い処分が期待できるでしょう。
当然ですが、高齢であることを理由に、運転免許証を自主返納した場合、返納後に車を運転してしまうと無免許運転になり、刑事罰の対象となります。
逮捕から勾留までの間は、原則、逮捕された方のご家族であっても、逮捕された方と面会することはできません。
警察からも事件の詳細について教えてもらえるとは限りません。
ですので、逮捕の連絡を受けたご家族は、一体何があったのかと大変不安に感じられることでしょう。
そのようなときには、すぐに弁護士に接見をご依頼ください。
弁護士であれば、いつでも逮捕された方と面会(接見)することができます。
刑事事件を専門とする弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は、逮捕された方のもとへ赴き接見を行う「初回接見サービス」をご提供しております。
また、事務所での法律相談料は初回無料です。