ストーカー規制法違反で不起訴

北海道日高町のストーカー規制法違反事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部の弁護士が解説します。

【事件】

会社員のAさん(25歳)には、大学生のころから5年間付き合っている女性がいましたが、先日、この女性から突然、別れを告げられました。
Aさんは、この女性との結婚を考えており、別れを切り出された理由が全く分かりませんでした。
そのためAさんは、何度も女性の携帯電話機に電話したり、メールを送信しましたが全く返信がないので、業を煮やしたAさんは、北海道日高町にある女性の家まで行き、女性の帰宅を待ち伏せしたのです。
その際に、同居する女性の両親がAさんの存在に気付き、管轄の北海道門別警察署に通報されてしまいました。
(フィクションです)

【ストーカー規制法違反について】

日本においては、「ストーカー行為等の規制等に関する法律」により、ストーカー行為の定義や規制などが定められています。
まず、「ストーカー行為」とは、同一の者に対して「つきまとい等」を繰り返す行為を指します。
そして、「つきまとい等」とは、恋愛感情などの好意やそれが成就しなかったことへの恨みから行う、つきまといをはじめとする特定の行為を指します。
つまり、法が規制するストーカー行為は、好意またはそれが成就しなかったことへの恨みの感情を伴うものである必要があります。

つきまとい等」に含まれる行為としては、つきまといの他にたとえば以下のようなものがあります。
これにについては同法第2条1項で定義されています。
~つきまとい等とは、特定の者に対する恋愛感情やそれが満たされなかったことに対する怨恨感情を充足する目的で、当該特定の者又はその配偶者、直系若しくは同居の親族その他当該特定の者と社会生活において密接な関係を有する者に対し
1.つきまとい・待ち伏せ・押しかけ・うろつきなど
2.監視していると告げる行為
3.面会や交際など義務のないことの要求
4.粗野又は乱暴な言動
5.無言電話・連続した電話、メールなど
6.汚物などの送付
7.名誉を傷つける事項の告知
8.性的羞恥心の侵害 
のいずれかの行為をすることをいいます。

Aさんが女性に行った、複数回の架電や、メールの送信は、上記5号に該当する可能性があり、その後、女性の自宅近くで女性を待ち伏せした行為は、上記1号に該当するでしょう。

【不起訴を目指すには】

ストーカー行為の罰則は、1年以下の懲役または100万円以下の罰金となっています。
更に、禁止命令が出されたにもかかわらずストーカー行為に及んだ場合、罰則は2年以下の懲役または200万円以下の罰金となります。
これらの刑罰を回避するには、やはり有罪とならないよう不起訴で事件を終了させるのが得策です。

刑事事件では、捜査機関が所定の捜査を遂げたあと、検察官が起訴するかどうかの判断を下します。
検察官の選択が起訴であれば裁判に至り、不起訴であれば裁判を行われることなく事件が終了することから、検察官の判断は分水嶺とも言うべき重要なものです。
不起訴になる理由としては、裁判において有罪を立証するのが難しい、諸々の事情を考慮して今回限りは起訴を見送る、などがあります。
ただ、不起訴の理由は必ず明らかにされるわけではなく、なぜ不起訴になったのか分からないということもありえます。

一般的に、不起訴を目指す道筋は①犯罪が成立することまたは被疑者が犯人であることを争う、②示談を行うなどして寛大な処分を求める、の2通りです。
不起訴を狙ううえでどういった方針を選択するべきかは、個々の事案によりかなり異なるというのが実情です。
もし不起訴を目指すのであれば、そもそも不起訴を目指す余地があるのかという点も含めて一度弁護士に相談するとよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では、刑事事件に通暁する弁護士が、不起訴を目指したいというご要望に可能な限り沿わせていただきます。
ストーカー規制法違反を疑われたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。
事務所での法律相談料は初回無料です。

keyboard_arrow_up

0120631881 問い合わせバナー LINE予約はこちら