大麻リキッド所持で執行猶予へ
大麻リキッドを所持していた場合の罪や捜査と、執行猶予制度について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。
【ケース】
北海道滝川市在住のAは、滝川市内の会社に勤める会社員です。
Aは自分で使う目的で、SNSを通じて大麻リキッド(液体大麻)を購入し、電子タバコと同じように吸っていました。
ある日、Aは大麻リキッドが入ったカバンを紛失してしまいました。
数日後、滝川市を管轄する滝川警察署の警察官が自宅に来て、「Aさんの身分証明書等が入ったカバンが届いたが、そこに違法薬物のようなものが入っていた。」と説明し、大麻取締法違反による家宅捜索が行われました。
≪ケースは全てフィクションです。≫
【大麻リキッドの所持について】
我が国の法禁物である大麻は、主としてマリファナ(乾燥大麻)が流通しているようですが、近年は大麻リキッド(液体大麻)の流通量が増えているようです。
2021年1月18日公開のJIJI.COMの記事によると、2019年に東京税関が押収した大麻リキッドは年間約400グラムだったところ、2020年は11月末時点で既に約18キログラムに達したと発表されていました。
大麻リキッドは、電子タバコの普及から吸引が容易になっているようで、特に若者への流通が懸念されています。
大麻リキッドは、マリファナなどと同様大麻取締法に違反するもので、所持しているだけで罪になります。
大麻取締法24条の2第1項 大麻を、みだりに、所持し、譲り受け、又は譲り渡した者は、五年以下の懲役に処する。
【薬物捜査の手続き】
まず、薬物事件については、職務質問により発覚する場合の他に、売人の摘発などから芋づる式に発覚する場合、病院関係者からの通報、別の事件での家宅捜索、税関検査などが挙げられます。
では、薬物を所持・使用等していた場合にはどうなるのでしょうか。
まずは、その場で逮捕することが考えられます。
逮捕される場合は、事前に捜査をしていた場合の他に、所持を現認していた場合が挙げられます。
大麻や覚せい剤を所持していた場合、少量のサンプルを用いて簡易検査が行われ、その結果に基づき逮捕を行います。
一方で、使用などにより尿検査を行う場合や、脱法ドラッグ事件の場合、簡易検査では対応できません。
この場合、一先ず各都道府県の科学捜査研究所などにて成分検査などが行われ、その結果をもとに捜査を行います。
結果次第では、後日の通常逮捕も考えられます。
大麻や覚せい剤を所持していた場合は最終的に正式裁判になりますが、脱法ドラッグには罰金刑が用意されているため略式手続で終了することもあります。
【執行猶予について】
正式裁判になった場合、裁判官は最終的に死刑・懲役刑・禁錮刑・罰金刑・拘留・科料及びそれに付随する没取という判決を言い渡します。
このうち罰金刑・科料については財産刑ですが、懲役刑・禁錮刑・拘留については自由刑と呼ばれ、その判決を言い渡された場合には刑事収容施設などに収容され、一定期間自由を失われることになります。
基本的に、判決を言い渡された場合にはその刑に服することになりますが、併せて執行猶予の判決が言い渡された場合にはすぐにその刑に服する必要が無くなります。
執行猶予は、刑法の第四章で各々定められていますが、簡単に申し上げると、3年以下の懲役・3年以下の禁錮・(五十万円以下)の罰金に処された者については、1年から5年の範囲で執行猶予を言い渡すことができます。
但し、執行猶予を言い渡されるためには被告人の情状の問題や前科の問題などが生じ、とりわけ前者については刑事弁護の経験が活きてくるということもございます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
北海道滝川市にて、大麻リキッドを所持していて家宅捜索を受けてしまい執行猶予について知りたいという方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部に御相談ください。
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