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危険ドラッグ所持で情状弁護

2019-05-31

北海道夕張郡の危険ドラッグ所持事件における情状弁護について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。

【事例】

北海道夕張郡に住むAさんは、大学時代の友人からの紹介がきっかけで、自宅でたびたび危険ドラッグを摂取するようになりました。
ある日、Aさんが危険ドラッグを摂取して外出したところ、近辺を警らしていた警察官に声を掛けられました。
警察官は、Aさんの受け答えから何らかの薬物犯罪の疑いをもち、Aさんを北海道栗山警察署まで連れて行きました。
検査の結果、Aさんに指定薬物を含む危険ドラッグを所持している疑いが持たれ、Aさんは家宅捜索を経て薬機法違反の疑いで逮捕されました。
Aさんと接見した弁護士は、Aさんに今回の同様の前科があることを知り、裁判に向けて情状弁護の準備をすることにしました。
(フィクションです。)

【危険ドラッグ所持について】

危険ドラッグとは、麻薬や覚せい剤といった既存の薬物に手を加え、既存の薬物と同等かそれ以上の危険性を持つに至った薬物です。
もともと、危険ドラッグは既存の薬物に対する法規制を潜り抜けるために製造されたものです。
ですが、製造の過程で様々な物が混入した結果、本来目指していた薬物の作用より危険なものになってしまうことが出現してしまったようです。

危険ドラッグに関する規制は、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保に関する法律」(通称:薬機法など)により行われています。
薬機法は、医療をはじめとする一定の用途以外で、「指定薬物」の所持、売買、製造などの行為を行うことを禁止しています。
そして、危険ドラッグの多くは、厚生労働省が定める省令によって「指定薬物」と認定された物質を含んでいます。
このようにして、危険ドラッグの規制が行われているのです。

危険ドラッグを所持した場合、薬機法違反として①3年以下の懲役、②300万円以下の罰金、③①②の両方のいずれかが科されるおそれがあります。
もし大量に所持していたなど犯情が重ければ、科される刑は厳しいものになることが予想されるでしょう。

【危険ドラッグ所持事件での情状弁護】

危険ドラッグに関する罪は、覚せい剤や麻薬といった他の薬物と比べて法定刑が軽くなっています。
そのため、特に初犯の場合、略式起訴により罰金刑が科されて直ちに事件が終了することもよく見られます。

とはいえ、略式起訴となるかは具体的な事件の内容と検察官の裁量によりますし、何より前科があったり犯情が重かったりすれば正式裁判の可能性は飛躍的に高まります。
そうしたケースでは、情状弁護により少しでも刑を軽くすることが重要となります。
情状弁護は、裁判において被告人に有利な事情を主張し、執行猶予や検察官の求刑より軽い刑といった、より寛大な判決を求める弁護活動です。
情状弁護において主張する内容は、犯罪の動機や内容といった犯罪に関する事情だけでなく、反省の態度や被害弁償といった犯罪後の事情も含まれます。

刑事事件における刑罰には、制裁的な側面と犯罪予防的な側面があると考えられています。
そのため、情状弁護を効果的に行うには、この2つの側面に結びつく事情を的確に選択する必要があります。
具体的にいかなる事情を主張するのが良いかは、どうしてもひとりひとりの事件の内容により異なってくるものです。
情状弁護の内容次第で執行猶予の可能性や刑の減軽の程度も変わってくるので、情状弁護の実効性を高めるならぜひ法律の専門家である弁護士に相談してみることをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では、危険ドラッグに詳しい刑事事件専門の弁護士が、個々の事件に応じて最適な情状弁護を行います。
ご家族などが危険ドラッグ所持の疑いで逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。

事務所での法律相談料:初回無料

替え玉受験で執行猶予

2019-05-30

北海道小樽市の替え玉受験事件における執行猶予について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。

【事例】

北海道小樽市のX大学に通うAさん(21歳)は、大学職員のBさんが密かに替え玉受験のあっせんをしていることを知りました。
そして、AさんはBさんから詳しい話を聞き、受験生のCさんに代わって入学試験を受けることにしました。
Bさんの働きもあって無事試験を受け終えたAさんでしたが、その後この替え玉受験の事実が公となり、遂には北海道小樽警察署の捜査が及びました。
後日、Aさんは有印私文書偽造罪・同行使罪などの共犯の疑いで逮捕され、勾留中に起訴されました。
Aさんの弁護人となった弁護士は、執行猶予の可能性があることをAさんに説明しました。
(フィクションです。)

【替え玉受験は何罪か】

替え玉受験とは、入学試験や資格試験などにおいて、志願者である本来の受験生に代わって別の者が試験を受験する行為を指します。
本来の受験生は入学許可や資格などを、替え玉受験生は合格の対価としての金銭を得ることが一般的な目的です。

替え玉受験に対する制裁は、入学許可などの撤回や受験の禁止といった、内部的な処分に終始するケースがよく見られます。
ですが、仮に刑事事件となった場合、主に以下のような罪が成立する可能性があります。

①文書偽造罪
替え玉受験における答案は、志願者による作成が求められているにもかかわらず、実際には替え玉受験生により作成されています。
そうすると、答案の作成により文書偽造罪が、更に答案の提出により偽造文書行使罪が成立する可能性があります。
ちなみに、このことは本来の受験生が替え玉受験に同意していても変わりません。

②建造物侵入罪
更に、替え玉受験生が替え玉受験のために大学などに立ち入るのは、大学という他人が管理する場所に不当な目的で入ることを意味します。
そうすると、正当な理由なく建造物に侵入したものとして、建造物侵入罪が成立する可能性もあります。

③偽計業務妨害罪
また、替え玉受験は試験の実施主体を欺く行為であり、場合によっては円滑な試験の運営を妨げる危険を有することがありえます。
このことから、偽計業務妨害罪に当たる余地も出てきます。

以上のように、替え玉受験に関与した者には様々な罪が成立するおそれがあると言えます。
そのうえ、替え玉受験というのは周到な計画の下複数人で行われるのが殆どであるため、そのことが不利益な事情となって重い処罰に値すると評価される可能性もあります。
目先の利益に囚われて替え玉受験に関与してしまうと、後々取り返しのつかない事態が生じうることは留意しておくべきです。

【執行猶予について】

執行猶予とは、裁判により有罪となって刑が言い渡された場合に、一定の期間その刑の全部または一部の執行をしないものとする制度のことです。
一部執行猶予の方は、より柔軟に再犯防止と改善更生を図るため、比較的最近になって導入されました。

執行猶予のメリットは、有罪判決を言い渡されたからと言ってすぐに受刑しなくともよい点です。
これにより、懲役を言い渡された直後に刑務所に収容されるという事態を回避できるため、社会復帰が容易になると言えます。
更に、執行猶予を取り消されることなく猶予期間を経過すれば、刑の言い渡しは効力を失うとされています。
つまり、期間中に執行猶予が取り消されるような問題を起こさなければ、もはや刑を受ける必要はなくなります。
ちなみに、一部執行猶予があった場合は、一部以外について服役を終えた後に全部執行猶予と同様の流れになります。

執行猶予を獲得するためには、刑の執行を猶予するに足りる程度の酌むべき事情が必要です。
たとえば、事件について反省している、被害弁償を行った、罪を犯すやむを得ない理由があった、などの事情が挙げられます。
事件が重大であればあるほど、執行猶予を獲得するハードルは高くなることが予想されます。
もし執行猶予の可能性を少しでも高めるのであれば、弁護士に事件を依頼してできる限り有利な証拠を収集してもらうとよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では、刑事事件の豊富な経験を有する弁護士が、執行猶予の獲得に向けて的確な弁護活動を行います。
ご家族などが替え玉受験をして文書偽造罪などを疑われたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。

事務所での法律相談料:初回無料

 

強要罪で少年院回避

2019-05-29

北海道岩見沢市の強要事件における少年院回避について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。

【事例】

北海道岩見沢市の中学校に通うAさん(15歳)は、友人のBさん、Cさんと共に、部活の後輩であるVさん(13歳)をいじめていました。
ある日、AさんらはVさんを部室に呼び出し、Vさんを3人で囲んで「裸にならねえと痛い目見るぞ」などと言って服を脱がせました。
後日、そのことを知ったVさんの両親が北海道岩見沢警察署に相談したため、Aさんらを強要罪の疑いで逮捕しました。
Aさんの父親は、弁護士のもとを訪ねて「少年院回避してほしい」と依頼しました。
(フィクションです。)

【強要罪について】

刑法
第二百二十三条
生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者は、三年以下の懲役に処する。

強要罪は、他人に対して無理やり何かをさせたときに成立する可能性がある罪です。
強要罪が成立するためには、強要の手段として暴行または脅迫の存在が必要となります。
この暴行または脅迫は、強要の相手方が恐怖心を抱き、行動の自由が侵害される程度のものである必要があるとされています。
つまり、暴行や脅迫により相手方が恐怖し、他の行動に出ることができずやむを得ず要求された行為に及べば、強要罪は成立すると考えられます。

上記事例では、Aさんら3名がVさんを囲み、「裸にならねえと痛い目見るぞ」などと言って裸になるよう要求しています。
こうした行為は、脅迫により義務のないことを行わせるものといえ、Aさんらには強要罪が成立すると考えられます。

子どもによるいじめは学校という閉じた場所で行われるため、それが警察沙汰になるというのは想像しにくいかもしれません。
ですが、罪に当たる行為が行われている以上、その内容や保護者の態度いかんでは当然に刑事事件となる可能性があることは留意しておくべきです。

【少年院を回避するには】

20歳未満の者が罪を犯した場合、その事件は通常の刑事事件ではなく少年事件として扱われるのが原則です。
少年事件は逆送されない限り刑罰が科されず、その代わりに保護処分という少年の更生に向けた措置がとられることになります。

保護処分には、①保護観察、②児童自立支援施設・児童養護施設送致、③少年院送致の3つがあります。
このうち最もよく耳にするのは③少年院送致ではないかと思います。
少年院送致とは、その名のとおり少年を少年院に入院させ、そこでの生活を通して更生を図るための保護処分です。
一般的に、少年院送致が行われるのは、家庭や学校・職場といった少年の現在の環境では更生が達成しづらいケースです。
そうしたケースに当たるかどうかの判断は、少年事件が家庭裁判所に送致された後で行われる調査と、それを受けて必要に応じて行われる少年審判によります。
これらの手続を経て、少年自身や周囲の力でどの程度更生が見込めるか確かめられ、最終的な保護処分の内容が決められることになるのです。

少年院送致を回避するためには、第一に少年の更生が実現できる環境をきちんと整える必要があります。
それは少年自身の問題にとどまらず、主に保護者をはじめとする少年の周囲の問題でもあります。
大切なのは、悪いことをしたからといって少年を責めたりせず、非行に至った原因を紐解いてきちんと少年に向き合うことです。
具体的に何をすればいいかは少年ひとりひとりにより違うので、困ったら少年事件に詳しい弁護士に聞いてみるとよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では、少年事件に強い弁護士が、少年院送致を回避するために行うべきことを丁寧にお伝えします。
お子さんが強要罪を犯してしまったら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。

事務所での法律相談料:初回無料
北海道岩見沢警察署までの初回接見費用:39,700円

痴漢事件で釈放

2019-05-28

北海道江別市の痴漢事件における釈放について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。

【事例】

Aさんは、北海道江別市のショッピングモールに買い物に行った際、同じく買い物中の好みの女性Vさんとすれ違いました。
そこで、Aさんは偶然を装って痴漢をしようと思い、背後を通り抜けるふりをしてVさんのお尻を撫でました。
その様子を他の買い物客に目撃され、Aさんは北海道迷惑防止条例違反(痴漢)の疑いで北海道江別警察署に逮捕されました。
Aさんと接見した弁護士は、勾留を阻止して釈放を目指すことにしました。
(フィクションです。)

【痴漢について】

北海道迷惑防止条例は、公共の場所において、著しく羞恥させ、または不安を覚えるような方法で、他人の身体に触れてはならない旨規定しています。
痴漢」と呼ばれる行為の多くはこれに当たり、6か月以下の懲役または50万円以下の罰金(常習はそれぞれ1年以下、100万円以下)が科されるおそれがあります。

また、痴漢の内容が悪質な場合、北海道迷惑防止条例違反ではなく強制わいせつ罪に問われる可能性もあります。
「わいせつな行為」の例としては、無理やりキスをする、胸を激しく揉む、膣や肛門に指を入れるといった、痴漢の中でも程度が甚だしいものが挙げられます。
こうした行為を行えば、強制わいせつ罪として6か月以上10年以下の懲役が科されるおそれが出てくるでしょう。

更に、あらかじめ痴漢を目的として公共の場所に立ち入った場合、建造物侵入罪をはじめとする侵入罪が成立する可能性もあります。
公共の場所は通常誰でも自由に立ち入ることができますが、その目的が不当なものであれば「正当な理由」に欠けるとして侵入罪の要件に当てはまります。
法定刑は3年以下の懲役または10万円以下の罰金であり、痴漢の刑罰に加算されるかたちになるため注意が必要です。

以上のように、一口に「痴漢」と言っても、具体的にいかなる罪が成立するかは個々の事案によります。
取調べ対応などの捜査対策も事件ごとに変わってくるので、やはり弁護士にどうすべきか直接聞くことをおすすめします。

【釈放を目指して】

個々の事案によりますが、痴漢事件は比較的罪が軽く、なおかつ事件の内容も単純であることが多いです。
そのため、逮捕を行わずに在宅で捜査したり、仮に逮捕したとしても短期間で釈放したりすることがよくあります。
ですが、そうした運用がどこの捜査機関でも定着しているかというとそういうわけではありません。

刑事事件では、釈放を実現するうえで①逮捕の期限である72時間、②勾留の期限である10日間(延長されれば20日間)、③起訴後という3段階を意識することになります。
捜査機関はそれぞれの期限内に被疑者の身柄拘束を継続すべきか判断することになっており、それに合わせて釈放を目指す弁護士なども動くことになるからです。
先ほど説明したように、逮捕を伴う痴漢事件の多くは上記①のタイミングで釈放されますが、比較的軽微な事案であるにもかかわらずそれが叶わないことがあるのもまた事実です。
そうしたケースでは、弁護士は適宜、裁判官や検察官に意見を申し立て、被疑者の身体拘束の継続が妥当でないことを訴えて釈放を目指すことになります。
この釈放に向けた手段は複数のものがあり、いずれが最適かは状況に応じて変化していきます。
一日でも早い釈放を目指すなら、ぜひ弁護士釈放の実現を依頼することをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では、刑事事件に特化した弁護士が、釈放に向けた的確な弁護活動に取り組みます。
ご家族などが痴漢をして逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。

事務所での法律相談料:初回無料
北海道江別警察署までの初回接見費用:38,200円

建造物侵入罪で逮捕

2019-05-27

北海道札幌市の建造物侵入事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。

【事例】

Aさんは、キャッシュカードを偽造して他人の預金を引き出そうと考え、ATMにスキミング用の装置を取り付けることにしました。
そこで、北海道札幌市手稲区内の郵便局に立ち入り、計画どおりATMのキャッシュカード挿入口にスキミング用の装置を取り付けました。

その翌日、郵便局の従業員がATMに不審な装置が取り付けられていることに気づき、北海道手稲警察署に相談することにしました。
しばらくして、ATM付近に設置されていた防犯カメラの映像が決め手となり、Aさんは建造物侵入罪などの疑いで逮捕されました。
逮捕の知らせを受けたAさんの両親は、弁護士初回接見を依頼しました。
(フィクションです。)

【建造物侵入罪について】

刑法
第百三十条
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

建造物侵入罪は、正当な理由なく建造物に立ち入った場合に成立する可能性のある罪です。
住居侵入罪や不退去罪とともに、刑法130条に規定されています。
建造物侵入罪における「正当な理由」とは、建造物への立入りを適法と見ることができる事情を指します。
その例としては、建造物の管理者の同意がある、暴漢に襲われてやむを得ず逃げ込んだ、といったものが考えられます。

建造物侵入罪は管理者の同意があれば成立しないため、誰でも自由に立入りが認められている建造物への立入りには適用されないようにも思えます。
ですが、そうした出入りが自由な建造物は管理者の同意が推定されていると言え、その推定が破られれば建造物侵入罪に当たる余地が出てきます。
上記事例において、Aさんはスキミング用の装置をATMに取り付ける目的で郵便局に立ち入っています。
こうした目的は、郵便局の管理者である職員の同意が推定されない不法はものと考えられます。
そうすると、Aさんには建造物侵入罪が成立し、3年以下の懲役または10万円以下の罰金が科されるおそれがあります。
ちなみに、スキミング装置の取付けについては、支払用カード電磁的記録不正作出等準備罪に当たる可能性があります。

【逮捕の種類とその概要】

刑事事件では、事件の重大性や被疑者の態度などを考慮して逮捕が行われることがあります。
この逮捕には、①通常逮捕、②現行犯逮捕、③緊急逮捕の3種類があります。
以下では、それぞれの逮捕の概要を説明していきます。

①通常逮捕
通常逮捕は、過去に起きた事件について、裁判官に逮捕状を請求して行う基本的な逮捕です。
たとえば、捜査機関が自宅を訪ねて逮捕する場合や、警察署で取調べをした際に逮捕する場合などが考えられます。
事前に裁判官に逮捕状を請求する必要があるとされているため、安易な通常逮捕は抑制されていると言えます。

②現行犯逮捕
現行犯逮捕は、犯罪を行っている最中またはその直後である者に対し、逮捕状を取得することなく行う逮捕です。
現行犯は誤認逮捕の可能性が低い一方、直ちに被疑者の身柄を確保する必要があるため、例外的に逮捕状なくして行うことができるものとされています。
また、捜査機関だけでなく私人でも行える点も特徴の一つです。

③緊急逮捕
緊急逮捕は、一定の重大な罪を犯した疑いが充分である者に対し、事後的に逮捕状を取得することを条件に行う逮捕です。
事前に逮捕状を取得する必要がない点で捜査機関に大きな権限があるため、対象となる罪の限定と充分な嫌疑の要求という厳しい要件となっています。
もし緊急逮捕を行った後で逮捕状の請求が却下された場合、被疑者は直ちに釈放されなければなりません。

以上のように、逮捕にはそれぞれ別個の定めがなされており、それを捜査機関が遵守したかどうかは弁護士にとって重要な事情となります。
場合によっては証拠排除による無罪や国に対する損害賠償請求に関わってくるので、違法な逮捕があったと感じたら一度弁護士に相談してみるとよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では、刑事事件に特化した弁護士が、依頼者様の利益を最大化させるべく手を尽くします。
ご家族などが建造物侵入罪の疑いで逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。

事務所での法律相談料:初回無料
北海道手稲警察署までの初回接見費用:36,300円

詐欺罪で控訴

2019-05-26

北海道札幌市の詐欺事件における控訴について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。

【事例】

北海道札幌市豊平区の建築会社Xに勤めるAさんは、上司であるBさんから指示を受け、Vさんに頼んでXに300万円の融資をしてもらいました。
融資を依頼した理由は、Bさん曰く「元請けからの工事代金の入金が遅れている。このままだと材料の仕入代が足りない」というものでした。
これを信じてVさんに融資を頼んだAさんでしたが、後になって実は請け負った工事など存在せず、Bさんの詐欺の片棒を担がされていたことに気づきました。
Vさんからの被害届を受け、北海道豊平警察署はAさんおよびBさんを詐欺罪の疑いで逮捕しました。
その後、Aさんは裁判で有罪判決を言い渡されたことから、弁護士に控訴を依頼しました。
(フィクションです。)

【詐欺罪について】

刑法
第二百四十六条
人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。

詐欺罪は、他人から金銭などの財産を騙し取った場合に成立する代表的な罪です。
詐欺罪が成立する基本的な流れは、①欺く行為、②それによる相手方の誤信、③誤信した状態での財産の交付というものです。
上記事例では、Bさんの指示を受けたAさんが、元請けからの入金が遅れたことで材料費が不足しているという虚偽の事項を伝えています。
そして、VさんはXが融資を必要としていると誤信し、Xに対して300万円の融資をしています。
そうすると、Aさんの行為は客観的に見て詐欺罪に当たると言えます。

ただ、AさんはBさんが話した融資の必要とする理由を信じており、AさんにVさんを欺くつもりがあったわけではありません。
犯罪の成立を認めるには個々の犯罪について故意が必要なので、Aさんは詐欺罪の故意が否定される結果、詐欺罪は成立しないと考えられます。
ちなみに、こうしたケースでは、事情を知らないAさんを意のままに操ったBさんに詐欺罪が成立する余地があります。

【控訴による判決変更の可能性】

上記事例のAさんは、無罪だと考えられるにもかかわらず、裁判において詐欺罪で有罪判決が言い渡されています。
このように、判決の内容が求めていたものと異なる場合、控訴によってその内容を覆すことができる場合があります。

控訴とは、ある事件で言い渡された1回目の判決(第一審と言います)に不服がある場合に、その内容の当否を上位の裁判所に判断してもらう手続です。
第一審の判決が言い渡された日の翌日を1日として、14日以内であれば申し立てることができます。
控訴は被告人も検察官も行うことができますが、被告人が行う場合、被告人にとって不利益な変更が行われることはありません。
そのため、第一審より悪い結果になったらどうしようなどと考える必要はなく、安心して控訴の申立てを行うことができます。

刑事事件における控訴は、第一審に見直すべき点がないかを事後的に判断することになっています。
そして、見直すべき点を指摘する義務は控訴を申し立てた当事者にあり、なおかつ見直すべき理由は法律に定められた特定のものでなければなりません。
その例としては、裁判の公開などの裁判の大原則に反している、本来裁判ができない事件の裁判をした、事実の誤認がある、などが挙げられます。
もしその理由に妥当性がなければ、新たな判決が言い渡されることなく控訴審は終了してしまいます(棄却)。

以上に挙げた控訴に関する定めは一部であり、他のものも含めると控訴の手続はかなり複雑なものになっています。
ですが、場合によっては無罪や執行猶予になることもあるため、控訴の有用性は決して見逃すべきではありません。
もし第一審の判決の内容を不服に思ったら、一度控訴について弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では、刑事事件専門の弁護士が、控訴のご依頼についても自信を持ってお受けできます。
ご家族などが詐欺罪で有罪となり、控訴を望まれているなら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。

事務所での法律相談:初回無料
北海道豊平警察署までの初回接見費用:34,300円

 

ストーカー事件で示談

2019-05-25

北海道札幌市のストーカー事件における示談について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。

【事例】

Aさんは、以前同じバイトをしていたVさんに恋愛感情を抱き、自身がバイトをやめた後もたびたび元バイト先に行ってはVさんと話しかけていました。
やがて、AさんはVさん宅がどこにあるのか知りたいと思い、バイト終わりのVさんの後をつけ、北海道札幌市厚別区にVさん宅があることを突き止めました。
自宅の前でAさんの存在に気づいたVさんは、Aさんに対して「気持ち悪いのでやめてください」と言いましたが、Aさんはその後もVさんにつきまとうなどストーカー行為を続けました。
後日、Aさんは北海道厚別警察署の警告にも耳を貸さなかったことから、ストーカー規制法違反の疑いで逮捕されました。
逮捕の知らせを受けたAさんの両親は、弁護士示談交渉を依頼しました。
(フィクションです。)

【ストーカー行為について】

日本では、「ストーカー行為の規制等に関する法律」(通称:ストーカー規制法)により、ストーカー行為を行った場合の措置などが定められています。
ストーカー規制法が定める「ストーカー行為」とは、特定の相手に対して、ストーカー規制法が定義する「つきまとい等」を反復して行う行為と定義されています。
そして、「つきまとい等」とは、おおむね以下の要素を持つものです。
①恋愛感情などの好意またはそれが満たされなかったことに対する怨恨を充足する目的があること
②①の感情を向けられた本人または本人と一定の関係にある者(親族など)が対象であること
③身体の安全、住居等の平穏、名誉が害されたり、行動の自由が著しく制限される不安を覚えたりする方法で行為が行われること
また、「つきまとい等」の例としては、つきまといのほか、無言電話、メール、動物の死体など不快感または嫌悪感を抱く物の送付、卑猥な発言、侮辱などがあります。

ストーカー規制法は、ストーカー行為の規制を行政と司法の両面から行っています。
まず、警察署長などは、「つきまとい等」を繰り返すおそれがあるなど一定の場合において、行為者に対して警告や禁止命令を行うことができます。
これは一種の行政指導であり、逮捕を伴ったり刑罰が科されたりする刑事事件とは異なります。
他方、ストーカー行為については1年以上の懲役または100万円以下の罰金という罰則が定められており、これを科すことを目的として刑事事件となることもあります。
更に、行政指導の一環である禁止命令に背いてストーカー行為に及んだ場合、罰則が2年以下の懲役または200万円以下の罰金に引き上げられることがあります。

【ストーカー事件における示談】

ストーカー事件は、ストーカー行為の悪質性から、被害者が被疑者・被告人と一切関わりたくないという意思を示していることも珍しくありません。
そうした状況では、被疑者・被告人本人はもちろん、その家族でさえも示談交渉に及べないことがよくあります。

そこで、ストーカー事件において示談を行うなら、示談交渉弁護士に依頼することをおすすめします。
弁護士による示談には、以下のようなメリットがあります。
第一に、示談交渉を安全に進め、交渉決裂となるリスクを抑えることができます。
弁護士は法律に関わるトラブルを数多く経験しているのが通常であるため、示談の経験が豊富であり、示談交渉を円滑に進める術を身につけていると言えます。
そのため、時には法的知識という武器も駆使しつつ、被害者と加害者との間で妥当な落としどころを見つけられる可能性が高いでしょう。
第二に、適切な内容の示談を締結することで、示談という合意の効果を最大限に発揮することが期待できます。
示談は事件の解決を確認する役割を果たしますが、その役割を引き出せるかどうかは合意の条件や示談書の文言といった要素に掛かっています。
そうした要素の細部に気を配ることができるのは、法律の専門家である弁護士ならではと言っても過言ではありません。

以上のような弁護士の強みは、ストーカー事件での示談交渉においても重要な役割を果たすことが期待できます。
特に早期釈放や不起訴を目指すのであれば、ぜひ示談交渉弁護士に任せてください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では、刑事事件の豊富な経験を有する弁護士が自信を持って示談交渉に取り組みます
ご家族などがストーカー規制法違反の疑いで逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。

事務所での初回接見費用:初回無料
北海道豊平警察署までの初回接見費用:36,200円

器物損壊罪が不起訴

2019-05-24

北海道札幌市の器物損壊事件における不起訴について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。

【事例】

Aさんは、知人のVさんがなかなか借金を返済してくれないことに腹を立て、北海道札幌市白石区のVさん宅の窓に向かって硬式野球のボールを投げました。
ボールは窓に直撃してガラスの破片が飛び散りましたが、日中でVさんが留守にしていたため怪我人はいませんでした。
その後、Vさん宅に仕掛けられていた防犯カメラの映像が決め手となり、Aさんは器物損壊罪の疑いで北海道白石警察署にて取調べを受けることになりました。
もともと野球中の事故を装おうと考えていたAさんは、焦って弁護士不起訴にできないか聞いてみることにしました。
(フィクションです。)

【器物損壊罪について】

刑法
第二百六十一条
…他人の物を損壊し、又は傷害した者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料に処する。
(一部省略)

器物損壊罪は、他人の物(建造物、艦船、特定の内容の文書を除く)を「損壊」した場合に成立する可能性のある罪です。
器物損壊罪における「損壊」とは、物の効用を害する一切の行為を指すとされています。
上記事例では、Aさんが硬式野球用のボールを投げ、Vさん宅の窓ガラスを割っています。
このような行為は正に「損壊」と言え、Aさんは器物損壊罪として①3年以下の懲役、②30万円以下の罰金、③科料(1,000円以上1万円未満の金銭の納付)のいずれかが科されるおそれがあります。

ちなみに、窓ガラスのような建造物に付随する物が損壊されたケースでは、その物を建造物の一部と見て、器物損壊罪ではなく建造物損壊罪(刑法260条)が成立する余地があります。
裁判例には、工具を使うことで損壊することなく取り外しができた玄関ドアについて、外部との遮断、防犯、防風、防音などの機能上の重要性を重視して建造物損壊罪の成立を認めたものがあります。

【不起訴を目指すには】

刑事事件は、その全てが裁判になって最終的に刑罰が科されるというわけではありません。
中には、不起訴となって刑罰を科されることなく終了する事件が少なからずあります。
そのため、たとえ刑事事件を起こしてしまっても、一度冷静になって不起訴の可能性がないか弁護士に聞いてみることを心掛けるとよいでしょう。

不起訴の理由は多岐に渡りますが、その中でよく見られるものとして起訴猶予が挙げられます。
起訴猶予とは、検察官にとって起訴すれば有罪にできる見込みがあるものの、様々な事情を考慮して起訴を敢えて見送る処分です。
考慮される事情としては、①性格や来歴といった犯人に関する事情、②動機や軽重といった犯罪に関する事情、③犯罪後の情況が挙げられます

不起訴処分が下された場合、その事件は検察官による不起訴の判断を以って終了したものとみなされ、よほどのことがない限り起訴されて裁判が行われることはなくなります。
起訴されなければ裁判で事件が公になることはありませんし、懲役や罰金などの刑罰も科されませんので、被疑者にとって不起訴処分は非常に有益と言えるでしょう。

器物損壊事件で起訴猶予による不起訴を目指すなら、やはり被害者との示談が重要になります。
ただ、事件の張本人が直接示談交渉に及ぶことは、交渉の決裂や被害者からの不当な要求のリスクがあることから決しておすすめできません。
適正な内容の示談をできるだけ早く交わすなら、ぜひ法律の専門家である弁護士示談交渉を依頼してください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は、刑事事件専門の法律事務所として、これまで数多くの不起訴処分を獲得してまいりました。
器物損壊事件も自信を持ってお受けできますので、お困りなら弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。

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不正アクセスで保護処分

2019-05-23

北海道札幌市の不正アクセス事件における保護処分について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。

【事例】

北海道札幌市北区に住むAさん(17歳)は、日頃から同区内に住む同級生のVさんにからかわれていたため、たまには仕返しをしてやろうと考えました。
そこで、AさんはVさんがよく遊んでいるオンラインゲームのアカウントに勝手にログインし、ゲーム内のアイテムを見境なく削除していきました。
翌日、アイテムが消えていることに気づいたVさんは、北海道北警察署に不正アクセス被害にあったことを相談しました。
ほどなくしてAさんは不正アクセス禁止法違反の疑いを持たれたため、Aさんの両親は弁護士保護処分について聞いてみました。
(フィクションです。)

【不正アクセスについて】

不正アクセスは、IDとパスワードを用いたりコンピュータの不備を利用したりするなどして、本来であればアクセス権限がないコンピュータにアクセスをする行為です。
不正アクセス被害の増加を受け、日本では「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」(通称:不正アクセス禁止法)が定められました。
不正アクセス禁止法は、「不正アクセス行為」の内容を定義したうえで、不正アクセス行為およびそれにつながる行為の禁止や、不正アクセス行為の防止に向けた国の責務などを定めています。

不正アクセス行為を行った場合、不正アクセス禁止法違反により3年以下の懲役または100万円以下の罰金が科されるおそれがあります。
上記事例では、AさんがVさんのオンラインゲームのアカウントに勝手にログインしています。
その過程で、AさんはVさんのアカウントのIDとパスワードを用いていると考えられます。
そうすると、Aさんの行為は不正アクセス禁止法2条4項1号の不正アクセス行為に当たることになるでしょう。
ちなみに、不正アクセス行為の処罰に関して、それに用いたIDやパスワードをどのように入手かという点は問われません。
ただし、不正アクセス行為につながるIDやパスワードの不正取得、提供、保管などは、不正アクセス禁止法により罰則を伴う規制が別途行われています。

【少年事件における保護処分】

少年、すなわち20歳未満の者を被疑者とする刑事事件は、少年事件として通常の刑事事件とは異なる取り扱いが行われます。
通常の刑事事件では刑罰による制裁および犯罪予防が目指されるのに対し、少年事件では保護処分による少年の更生が目指されることになります。
その理由は、少年の心身は未だ発達段階にあり、性格や嗜好などが将来的に変化する可能性を秘めていると考えられているからです。

少年事件は、検察庁に送致されて取調べなどの捜査が行われた後、原則としてその全てが家庭裁判所に送致されることになります。
家庭裁判所では、非行事実の有無とその内容や、少年の素行、性格などについて調査を行ったうえで、必要に応じて少年審判を行います。
そして、少年審判の結果、更生に向けた具体的な処分である保護処分の内容が決定されることになります。

保護処分には、①保護観察、②児童自立支援施設・児童養護施設送致、③少年院送致の3つがあります。
それぞれの特徴は、おおむね以下のとおりです。

①保護観察
保護観察官および保護司の指導・監督のもと、他の施設に行くことなく自宅などで更生を図る処分です。
②③と異なり自宅での更生が中心となるため、保護処分の中では最もソフトなものと言えるでしょう。

②児童自立支援施設・児童養護施設送致
まず、児童自立支援施設送致は、不良行為を行い、またはそのおそれがある少年や、家庭環境などを理由に生活指導などを要する少年に対して行われます。
その名のとおり少年の自立に向けた支援が行われますが、施設に入所する場合と自宅などから通う場合の両方があります。
また、児童養護施設送致は、保護者の不在や虐待などにより適切な養護が望めない少年に対して行われます。
児童自立支援施設と異なり、自立支援だけでなく養護も目的とする点に特色があります。

③少年院送致
自宅などを離れて少年院に収容し、更生に向けた指導・教育を受けさせる処分です。
保護処分の中で最も強度のものであり、教育を兼ねていることから学校のような役割も併せ持ちます。

以上で見たように、保護処分には様々な種類があり、いずれが適切かは少年ひとりひとりにより異なってきます。
選択される保護処分の見通しも個々の事案により異なってくるので、もし何かお悩みであれば弁護士に相談してみるとよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では、少年事件に詳しい弁護士が、保護処分を含む少年事件のポイントをしっかりとお伝えいたします。
お子さんが不正アクセスをしてしまったら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。

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横領罪で事件化阻止

2019-05-22

札幌市の横領事件における事件化阻止について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。

【事例】

Aさんは、かねてより持っていた土地を処分したいと考え、知人のVさんに対して時価相当の1500万円で売りました。
代金を受け取った後、AさんはVさんが登記について何も言ってこないのにつけ込み、事情を知らないBさんに同額で土地を売りました。
しばらくして、Vさんは上記二重売買の事実を知り、Aさんに事実確認を行ったうえで北海道南警察署に被害届を出す旨宣言しました。
困ったAさんが弁護士に相談したところ、弁護士は①横領罪が成立する可能性があること、②示談により事件化阻止を狙うべきであることを説明しました。
(フィクションです。)

【土地の二重売買に成立する罪】

土地の二重売買は、ある者に対して土地を売ったにもかかわらず、同じ土地を別の者に対しても売る行為です。
民法上、土地は当事者の意思表示(契約)のみにより当事者間において所有権が移転し、第三者に対する権利の証明などは登記というものにより図られることになります。
つまり、土地の売買はいわば契約と登記で1セットとなっており、登記をしない限り第三者に対して土地が自己の物であると主張できない可能性があるのです。

土地の二重売買は売買という民事事件ですが、それだけでなく横領罪が成立して刑事事件となる可能性もあります。
横領罪が成立する理由は以下のとおりです。
まず、先ほど説明したように、所有権の移転は売買における意思表示のみで行われます。
これにより土地は買主の物となりますが、他方で土地の権利の帰属を外部に示す登記は依然として売主が握っている状態になります。
これは、売主が「他人の物」となった土地を法律上支配している、すなわち「占有」していると言えます。

そして、土地の二重売買を行う場合、売主は1番目の買主を裏切って、まるで自身が土地の所有者であるかのように土地を売ることになります。
このような行為は、買主との信頼関係に背いており、なおかつ所有者本人にしか許されないものであるため、「横領」に当たると言えます。

以上を上記事例に当てはめると、Aさんは自己が「占有」する「他人の物」を「横領」したことから、横領罪が成立して5年以下の懲役が科されるおそれがあると言えます。
ちなみに、上記事例のBさんが「既に売主がいたなら絶対に土地を買わなかった」などと思っていたのであれば、更に詐欺罪が成立する余地もあります。

【事件化阻止に至るには】

刑事事件は犯罪の発生が不可欠の要素となっており、警察などの捜査機関が介入する点で民事事件(単なるお金の請求など)とは区別されます。
ただ、捜査機関が全ての刑事事件を把握しているということは当然ながらなく、特に被害者がいる事件の殆どは被害届などの受理により認知することになります。
逆に言えば、被害届が出る前の段階で揉め事が解決すれば、事件化阻止が実現し様々な負担を免れることができるということになります。

事件化阻止によるメリットは様々なものがあります。

まず、捜査機関の捜査が及ぶことがなくなるため、取調べなどに時間を割かずに済みます。
事件の捜査は取調べだけでも複数回に渡るのが通常なので、それを全く受ける必要がないというのは大きいです。

また、捜査の進行状況などに縛られることなく、直ちに事件を終了させることができます。
逮捕を伴う事件は別ですが、逮捕を伴わない事件は終了までに数か月を要することもよくあります。
これに対し、事件化阻止による終了は、終了までに要求される捜査を受けることがない結果、速やかに事件から解放されます。

更に、捜査機関から被疑者として扱われないので、犯罪を疑われて捜査を受けたという前歴が残りません。
前歴は有罪となった場合につく前科とは異なりますが、のちに罪を犯した際に不利益に作用することがありえます。
ですので、事件化阻止はそうした不利益を回避することにもつながります。

以上のように、事件化阻止は不起訴や執行猶予よりも綺麗に事件を終えることができる点で優れています。
ただ、事件化阻止を実現するには、捜査機関が事件を了知する前に被害者と示談などを行う必要があります。
その際には円滑かつ適切な示談交渉が最重要となるので、少しでも不安であればぜひ弁護士に相談してください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では、刑事事件に詳しい弁護士が、事件化阻止に向けて示談交渉などに真摯に取り組みます。
土地の二重売買などにより横領罪を犯してしまったら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。

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