一時使用行為と窃盗事件

一時使用行為と窃盗事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説します。

~事例~

Aさんは、北海道札幌市東区にある友人宅に行く約束をしていました。
しかし、最寄り駅に下車すると、天候が悪く、歩いていくのが嫌になってきました。
かといって、タクシーを使うのももったいないから、どうしたものかと思っていたところ、Aさんは、近くの駐輪場に鍵がエンジンキーにかかったままの原付バイクを見つけました。
Aさんは、使った後は元に戻すつもりで、その原付バイクに乗って友人宅に向かいました。
約3時間後、Aさんは原付バイクに乗って駅に戻り、駐輪場に置いたところ、北海道東警察署の警察官に声を掛けられ、話を聞かれています。
(フィクションです。)

窃盗罪

窃盗罪は、「他人の財物」を「窃取」する罪です。

◇犯行の対象◇

窃盗罪の客体は、「他人の財物」、つまり、「他人の占有する財物」です。
「財物」には、形があるものでなくとも、物理的に管理可能なもの、例えば電気も含まれます。
窃盗における「占有」というのは、人が物を実力的に支配する関係のことをいいます。

◇行為◇

窃盗罪の行為は、「窃取」です。
「窃取」は、財物の占有者の意思に反して、その占有を侵害し、目的物を自己または第三者の占有に移ることです。

◇結果◇

窃取した財物の占有を取得することで窃盗罪は既遂となります。
占有取得は、財物の他人の占有を排除して、自己または第三者の占有に移したことを意味します。

◇不法領得の意思◇

窃盗罪について規定している条文にはありませんが、判例上認められた要件として、「不法領得の意思」があります。
この「不法領得の意思」というのは、「権利者を排除する意思」と「他人の物を自己の所有物と同様にその経済的用法に従い、これを利用しまたは処分する意思」の2つの意思があることを意味します。

◇故意◇

窃盗罪は、故意犯ですので、故意がなければ成立しません。
窃盗罪における故意とは、他人の財物を窃取することの認識・認容のことです。
つまり、財物の占有者の意思に反して、その占有を侵害し、自己または第三者の占有に移すことについての認識・認容が必要となります。

一時使用行為

Aさんは、他人の原付バイクを許可なく使用しているため、財物(=原付バイク)の占有者(=持ち主)の意思に反して、その占有を侵害し、自分の占有に移していると言えるでしょう。
しかし、Aさんは、使用後は返すつもりでした。
このように、後で変換するつもりで持ち去った場合(一時使用行為)、窃盗罪は成立するのでしょうか。

ここでポイントとなるのが、窃盗罪の構成要件要素である「不法領得の意思」の有無です。
他人の物を利用し、利用後は元に戻す意思で物を持ち去って利用するような一時使用において、権利者を排除する意思が認められるかが問題となります。

不法領得の意思」とは、権利者を排除し、他人の物を自己の所有物と同様に、その経済的用法に従い、これを利用し、または処分する意思のことをいいます。
一時使用行為が、権利者を排除したと言えるか否かは、①利用により価値の減少や消耗が生じたか、②価値の減少・消耗の危険性が大きい場合には、権利者でなければできない利用であるか、③利用の妨害の程度が大きいか、といった点を考慮して判断されます。

Aさんは、原付バイクを利用後は元に戻すつもりで乗り、実際に元の場所に戻しています。
また、使用した時間は約3時間にすぎず、原付バイクの利用も妨害も生じていません。
しかし、原付バイクの使用はガソリンの消耗を伴う他、事故による損傷の危険性も認められるため、権利者を排除する意思(=不法領得の意思)が認められ、窃盗罪が成立する可能性があるでしょう。

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