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【フラット35】での融資詐欺事件

2023-08-30

【フラット35】での融資詐欺事件

フラット35などのローンで問題となる融資詐欺について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。

【ケース】

北海道札幌市東区在住のAさんは、札幌市東区の会社に勤める会社員です。
Aさんは不労所得に興味を抱いていたところ、友人から紹介された不動産会社の職員から不動産投資を勧められました。
その内容は、フラット35と呼ばれるローンを組んでマンションの一室を購入し、その部屋をローン以上の金額で賃貸するというものです。
Aさんは不動産会社の職員の話なので信用して良いだろうと考え、手続きを行いました。

それから数年経った後、Aさんは滞りなくローンを返済していたのですが、フラット35の契約を結んだ銀行から連絡が来て、当該マンションの居住実績を求められました。
Aさんは銀行に別の者に貸し出していることを説明したところ、融資詐欺に当たるので北海道警察署の警察官に相談すると言われました。

≪ケースはすべてフィクションです。≫

【フラット35を使った融資詐欺】

今回のケースは、Aさんが自身が居住する予定がないにも拘らずフラット35のローンを契約したという事例を想定しています。
このフラット35とは、住宅金融支援機構と提携した金融機関が行っているサービスで、申し込み者自身や親族が住むことを条件となっています。
そのため、契約時には必ず口頭あるいは書面で、自身か親族が住むことを確認されると考えられます。
よって、他人に貸すことを前提にフラット35の契約をした場合、金融機関に対する詐欺に当たると考えられます。
詐欺罪の条文は以下のとおりです。

刑法246条
1項 人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
2項 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

詐欺罪は、①加害者が被害者を騙す(欺罔)、②被害者が騙される(錯誤)、③被害者が加害者に財物を渡す(交付・移転)あるいは利益を得る、④この①~③に因果関係が認められる、という場合に成立します。

今回のAさんの場合、①Aさんが金融機関に対して目的を偽って契約をする、②金融機関はAさんが住む目的で契約すると勘違いし、ローンを組む、ということになっています。
このとき、金融機関は直接Aさんに現金を渡しているわけではなくマンションの販売先に渡していると考えられます。
この場合に、刑法246条1項のいう詐欺罪は成立しませんが、ローンを組むことでマンションの購入費用を一括で支払っていない(=ローンで支払っている)という状況から「財産上の利益」を得たと考えられますので③、同2項の詐欺が成立します。

【融資詐欺での弁護活動】

ケースはフィクションですが、このような手口での融資詐欺での相談をしばし受けることがあります。
フラット35を用いた融資詐欺に加担してしまった方の中には
・不動産会社の社員から良いと言われた
・ローンの返済は滞りなく行っている
と主張される方がおられますが、居住する目的でのみ契約できるフラット35を投資目的を隠して契約している時点で刑法246条2項の詐欺罪に成立する可能性が高いと言えます。
金融機関が被害届を提出するなどして捜査機関が事件を認知した場合、詐欺罪で起訴され有罪判決を受けることになります。

北海道札幌市東区にて、フラット35を用いた融資詐欺に加担してしまったという方は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。
在宅事件の場合のご相談は無料です。

釈放を求め準抗告を行う

2023-08-27

釈放を求め準抗告を行う

児童買春事件で逮捕・勾留されたという事件を想定して、釈放を求める準抗告申立の手続きについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。

【ケース】

北海道室蘭市在住のAさんは、室蘭市内で飲食店を経営しています。
AさんはSNSで知り合った室蘭市内に住む17歳の児童Vさんに対し、現金2万円を渡して性行為をしました。
SNSでのやり取りを知ったVさんの保護者は室蘭市内を管轄する室蘭警察署の警察官に相談して被害届を提出したことから、室蘭警察署の警察官はAさんを児童買春の罪で通常逮捕しました。
Aさんが勾留されたことを知ったAさんの親族は、釈放の可能性について弁護士に相談しました。

≪ケースはすべてフィクションです。≫

【児童買春の罪】

令和5年の改正刑法により、いわゆる性同意年齢の引き上げが行われ、16歳未満の児童との性行為は原則として不同意性交罪として処罰されることになりました。
また、16歳・17歳に対して性行為等をした場合
・児童や保護者に対して対価を渡していた場合には児童買春の罪に
・それ以外の結婚を前提にしていない性行為については各都道府県の定める青少年保護育成条例違反に
該当するとして捜査され処罰されることが考えられます。
今回のAさんの事例では、17歳の児童Vさんに対して2万円の対価を渡して性行為をしているため、児童買春の罪に問われます。
条文は以下のとおりです。

児童買春、児童ポルノ処罰法2条2項
この法律において「児童買春」とは、次の各号に掲げる者に対し、対償を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等(性交若しくは性交類似行為をし、又は自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器等(性器、肛門又は乳首をいう。以下同じ。)を触り、若しくは児童に自己の性器等を触らせることをいう。以下同じ。)をすることをいう。
1号 児童
2号 (略)
3号 (略)

【準抗告申立により釈放を求める】

被疑者が逮捕された場合、逮捕から72時間以内に釈放されるか、勾留裁判を担当する裁判官により勾留質問という手続きを経て勾留が認められるかの2択です。
勾留が認められた場合、原則として10日間、その後1度延長が認められるので最大で20日間、身柄拘束されることになります。
また、被疑者は20日の間に起訴されるか釈放されることになりますが、起訴された場合、その後も勾留は続きます。

勾留を回避し釈放を求めるためには、弁護士により、勾留の裁判が行われる前に検察官や裁判官に対して勾留が不要であることを主張していく必要があります。
とはいえ、逮捕から勾留が認められるまでの手続きは、通常逮捕の翌日や翌々日頃までに行われるのが一般的で、それまでに弁護人の選任が間に合わないという方も多いです。
(なお、一定の要件を満たした場合に国が選任する国選弁護人は、勾留が決まった後に初めて選任されます。また、当番弁護士は勾留前であっても一度限り接見することができますが、「弁護人」ではないため釈放を求める弁護活動はできません。)

勾留が認められた場合には最大20日間の勾留が避けられないのかというと、必ずしもそうではありません。
勾留が認められた場合、
・勾留裁判に対する不服申し立てる(勾留を認めた勾留裁判を取り消すよう申し立てる)準抗告申立て
・勾留裁判後に変更した事情を主張し釈放を目指す勾留取消請求
という方法で釈放を求めます。

このうち準抗告申立てについては、勾留の判断に対して「逃亡や証拠隠滅の恐れ等がないため勾留を認めた判断は誤りである」という主張を行います。
準抗告の判断は、勾留の判断を下した裁判官とは別の裁判官3名で行われます。
とはいえ、別の裁判官が判断するとはいえ、一度裁判官が認めた勾留を覆すことは容易ではありません。
その意味で、勾留される前に弁護士に弁護を依頼し、勾留の判断前に検察官・裁判官に対して勾留が不要である旨意見することが望ましいと言えます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では、これまでに児童買春の罪を含め数多くの刑事事件を担当していて、準抗告申立てにより釈放が認められたケースも多くございます。
北海道室蘭市にて、家族が児童買春の罪で逮捕・勾留されてしまい準抗告申立により釈放を求める場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部の弁護士による初回接見サービス(有料)をご利用ください。

横領事件での弁護活動

2023-08-21

横領事件での弁護活動

会社の得意先でたまたま預かったお金を着服したという事例を想定して、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。

【ケース】

北海道伊達市在住のAさんは、伊達市内の会社で技術職の仕事をしています。
ある日、Aさんは伊達市内の得意先を訪れて機械の保守点検を行った際、得意先の社員から「先月おたくに振込む予定だったお金を振込み忘れていたから、渡しておいて」と言われ、現金10万円を受け取りました。
これまでにAさんは現金を受け取ったことはなく、これは着服してもバレないのではないかと思い会社には報告しませんでしたが、Aさんの横領行為が発覚してしまい、会社の社長からは伊達市内を管轄する伊達警察署に被害届を出すことを検討していると言われました。

≪ケースはすべてフィクションです。≫

【横領で問題となる罪】

他人から預かるなどして自分のもとにあるモノやカネを着服した場合には、
・(単純)横領
・業務上横領
のいずれかが成立すると考えられます。
条文はそれぞれ以下のとおりです。

(横領罪)
刑法252条1項 自己の占有する他人の物を横領した者は、5年以下の懲役に処する。
(業務上横領罪)
刑法253条 業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、10年以下の懲役に処する。

横領の罪は、被害者の意に反して財物を移転する窃盗罪とは異なり、被害者を欺罔して財物を受け取る詐欺罪とも異なり、あくまで被害者の意思で、加害者を信頼して財物を預けた結果、加害者がその信頼を裏切って預かった財物を自分のものにするような場合に成立します。
Aさんの場合は仕事中に行った横領行為ですので、一見すると業務上横領罪が成立するように思えます。
しかし、業務上横領罪のいう業務とは、社会生活上の地位に基づき反復継続して行う事務を指します。
経理の担当者や経営者、集金担当者などが分かりやすい例ですが、Aさんの場合はそのような職務を任されているわけではなく、得意先を保守点検のために訪れた際に、本来は振込により支払うべき代金を今回に限り現金で預かったところその金を着服したため、業務上横領罪は成立せず、横領罪の成立に留ると評価される可能性があります。
横領罪業務上横領罪とでは法定刑が大きく異なるため、どちらの罪が成立するかという点は非常に重要であると言えます。

【横領の罪で弁護士に弁護を依頼】

横領の罪では、すぐに警察に通報され刑事手続きが進み裁判になる、という事例もありますが、被害を受けた会社が、加害者が謝罪して被害金額を賠償に応じれば刑事事件化を望まないという場合も少なくありません。
実際に、加害者側としても、仕事を続け乍らであれば弁済はできるが、逮捕されたり刑事裁判で実刑に処された場合には被害弁償ができないという方も多くおられるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では、Aさんのように横領罪業務上横領罪で捜査を受けている方の弁護活動についても経験があります。
会社が相手の横領事件では、例えば加害者側が横領した金額以上の金額を横領したことにされて請求された、適切な示談書の取交しができておらず弁済しても被害届を提出され刑事事件化された、などの更なるトラブルに発展したというケースもあります。
被害届を提出される前であっても、弁護士に依頼し適切な弁護活動を受けることが望ましいと言えます。
北海道伊達市にて、横領罪業務上横領罪で会社から被害届を出すと言われている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部の弁護士による無料法律相談をご利用ください。

しつこい訪問営業で不退去罪に

2023-08-18

しつこい訪問営業で不退去罪に

しつこい訪問営業をしたことで、同意を得て訪問したにもかかわらず不退去罪で逮捕されたという事案を想定して、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。

【ケース】

北海道岩内郡在住のAさんは、岩内郡内の会社で営業の仕事をしています。
Aさんら営業社員には契約目標が設けられていて、焦りを覚えていました。
そこでAさんは、岩内郡内のとある区画で1軒1軒訪問し、商品の営業を行ういわゆる訪問営業を行いました。
その際、岩内郡内のVさんの家にて、門扉を開けて中に入り、ドアのインターフォンを押してVさんに営業で訪問した旨を告げ、Vさんが扉を開けたことで中に入り玄関で営業をしました。
VさんはAさんの営業に少し興味を抱きましたが最終的に不要であると考えたため、Aさんに対して「やはり要らないです」と言いましたが、Aさんは食い下がり、中々帰ろうとしませんでした。
そこでVさんはAさんに対し、最初は「帰ってください」と言いましたが、Aさんが帰る素振りを見せないことから、「帰らないと警察を呼びますよ」「(Aさんの)名刺に書いてある会社に連絡しますよ」と言いましたが、それでもAさんは玄関から出ようとしませんでした。
そこでVさんは実際に110番通報し、通報を受けて臨場した札幌方面岩内警察署の警察官は、Aさんに対し「不退去罪に当たる」と説明しました。

≪ケースはすべてフィクションです。≫

【不退去罪について】

今回のAさんの事例は、不退去罪というあまり聞き馴染みのない罪名が問題となります。
条文は以下のとおりです。

刑法130条 正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。

これは、「又は」以前は住居侵入罪を規定した条文で、アンダーラインで示した部分が不退去罪の条文です。
判例は不退去罪について「行為者の滞留の目的その間になされた行為、居住者の意思に反する程度、滞留時間等を考慮し住居の平穏が乱されたか否かにより決すべきである。」と示しています。

退去の要求は、例えば飲食店や小売業の店舗であれば社長や管理権限を有する店長・現場責任者などが行うことができますし、住居であれば世帯主だけでなく住人全員ができると考えられます。

今回想定しているケースについて、最初AさんがVさんの家を訪問した時点では、訪問営業という一応の理由があっての行為であり住居侵入罪には当たりません。
しかし、Aさんの目的は訪問営業という必ずしもVさんのためになる行為ではなく、Vさんは繰り返し家を出るよう言っていること、退去するよう言われてからもその玄関に居続けているという点で、不退去罪に当たると評価される可能性が高いです。

【不退去罪での弁護活動】

不退去罪の場合、警察官は住居等に入った目的、退去しなかった理由と時間に加え、被疑者(加害者)の生活圏と被害者宅との近接性、被害者の住所以外の情報を知っているか、身元引受人がいるか、等、様々な事情を検討したうえで、被疑者を逮捕する(現行犯逮捕、又は逮捕状の請求をする)かどうか判断します。

不退去罪は被害者がいる事件であることから、示談交渉が重要となります。
加えて、このような違法な営業活動を行わないことを誓約することも必要となるでしょう。
具体的な弁護活動については、個々の事件によって異なるため、一度弁護士に相談することをお勧めします。

北海道岩内郡にて、不退去罪が問題となっている場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご連絡ください。
在宅で捜査を受けている場合、事務所にて無料で相談を受けることができます。
家族が不退去罪で逮捕・勾留されている場合、初回接見サービス(有料)をご利用ください。

違法な取調べで作成された調書を破ったら?

2023-08-15

違法な取調べで作成された調書を破ったら?

被疑者を逮捕していないにも拘わらず、逮捕と同視し得るような状態において行った違法な取調べによって作成された調書の法的性質とそれを破った場合の問題点について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が判例を踏まえ解説致します。

【事例】

北海道虻田郡俱知安町在住のAさんは、北海道内を管轄する警察官によりとある嫌疑をかけられ、任意同行を求められました。
Aさんは身に覚えはなく任意同行には応じないと説明しましたが、警察官は令状なしに強引に警察署に連行し、Aさんが帰りたいと言ったにもかかわらず取調べを行いました。
最終的に警察官は供述調書(弁解録取書)を作成し、それを読み上げAさんに署名捺印を求めたところ、Aさんはこんな供述調書は違法で無効であるとして憤り、警察官が作成した調書を破りました。

≪最判昭57・6・24の判例を土台にしていますが、地名等はすべて変更しています。≫

【違法な取調べで作成された調書も公用文書に当たる】

今回Aさんの行為で問題となるのが、警察官が作成した供述調書(弁解録取書)を破ったという点です。
警察官は地方公務員であり、公務員が作成した文書を毀棄した場合、一般人が作成した契約書などを破棄する行為に比べ、重い罪である公用文書等毀棄罪が成立します。
条文は以下のとおりです。

(公用文書等毀棄)
刑法258条 公務所の用に供する文書又は電磁的記録を毀棄した者は、3月以上7年以下の懲役に処する。

よって、Aさんは仮に無実の罪で違法な取調べを受けていたとしても、供述調書を破ったことで公用文書等毀棄罪(あるいは公務執行妨害罪)に問われることになり得ます。
しかし、違法な取調べで作成された供述調書は公用文書には当たらないのではないか、という点が問題となります。
これについて、原判決(高等裁判所の判決)では違法な取調べの過程で作成された供述調書を破いた場合、公用文書等毀棄罪は成立せず、被告人は無罪としました。
しかし最高裁判所は、取調べの違法性については直接の言及を避けつつ、その作成の過程で違法性が認められる場合でも、既にそれが文章としての意味・内容を備えている以上は、公用文書に当たるとして、それを毀棄した(破いた)被告人には公用文書等毀棄罪に問われるとしました。

【違法な取調べを受けたら冷静に弁護士に相談】

とはいえ、違法な取調べ(違法と疑われる取調べ)によって作成された供述調書については、証拠能力に疑義が生じ裁判で証拠として採用されないことが考えられます。
では、違法な取調べ受けた場合にはどうすれば良いでしょうか。

Aさんのように感情的になって供述調書を破るようなことはせず、供述や供述調書等への署名捺印は拒否することが望ましいと言えます。
そして、逮捕等されていなければ、すぐに弁護士に相談し、取調べに違法性がないかを検討したうえで、
・弁護人面前調書をつくるなどして証拠保全に努める
・弁護人から警察署長や警察本部に対し抗議する
・刑事裁判になった場合に証拠能力を争う

などの対応が必要となります。

北海道虻田郡にて、違法な取調べを受けた可能性があるという場合、公用文書等毀棄罪に当たるような行為をすることなく冷静に対応したうえで、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部の弁護士による無料相談初回接見サービス(有料)をご利用ください。

痴漢ではなく不同意わいせつ罪に?

2023-08-09

痴漢ではなく不同意わいせつ罪に?

列車内で他人の身体に触れたことで痴漢に該当すると考えていたところ、不同意わいせつ罪で捜査されたという事例を想定して、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が検討致します。

【事例】

北海道小樽市内に住むAさんは、小樽市内の会社に勤める会社員です。
Aさんは事件当日、小樽市内を走行中の函館本線に乗車していたところ、眠っているVさんを見つけました。
Aさんは劣情を催し、眠っているVさんの股間付近を服の上から触り、それでもVさんが起きないことを確認した後、次いで脚を撫でまわしました。
最初に触ってから5分ほど経った後、Vさんは目が覚めてAさんの行為に気付き、駅員に被害申告しました。
その後臨場した小樽警察署の警察官に捜査を受けることになったAさんは、当初は俗にいう痴漢事件で捜査を受けていたものの、車内の防犯カメラの映像等から不同意わいせつ罪の嫌疑に変わりました。

≪ケースはすべてフィクションです。≫

【痴漢について】

公共の場所で他人の尻や脚、胸などを触る行為は、俗に痴漢と呼ばれ各都道府県の定める迷惑行為防止条例に違反します。
ケースの場合、北海道小樽市での痴漢事件を想定していることから、北海道迷惑行為防止条例が問題となります。

北海道迷惑行為防止条例2条の2 何人も、正当な理由がないのに、次に掲げる行為をしてはならない。
1項 公共の場所又は公共の乗物にいる者に対し、著しく羞恥させ、又は不安を覚えさせるような方法で、次に掲げる行為をすること。
ア 衣服等の上から、又は直接身体に触れること。

【不同意わいせつ罪について】

次に、不同意わいせつ罪について、条文は以下のとおりです。

刑法176条1項 次に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、6月以上10年以下の拘禁刑に処する。
 1号~3号 略
4号 睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること又はその状態にあること。
 以下略

【痴漢と不同意わいせつ罪のどちらに当たるか】

今回事例で想定したAさんの事件の場合、痴漢事件であるとして北海道迷惑行為防止条例違反と評価される場合と、及び不同意わいせつ事件と評価される場合の両方が考えられます。

まず、痴漢については、列車内という公共の乗物の中で被害者の股間付近や脚をさわるという「周知させる方法で」「身体に触れる」行為であることから、痴漢に当たることは間違いないでしょう。
次に不同意わいせつ罪については、被害者が眠っていたことから、「睡眠その他の意識が明瞭でない状態にある」のは間違いないことから、その状態に乗じて「わいせつな行為」にあたる行為をしたのかという点が問題となります。
Aさんの場合、5分間と長時間に亘り股間や脚を触り続けているという内容から、わいせつな行為をしたと評価され、痴漢ではなく不同意わいせつ罪に当たると評価される可能性があります。

もっとも、被害者が眠っていたという状況から、目撃者や車内の防犯カメラの映像が残っていなければ、不同意わいせつ罪での立件は難しいと考えられます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所では、日々多くの相談が寄せられています。
中には、痴漢不同意わいせつ罪のように、事件の内容を検討した結果ご自身が考えている以上に重い罪に問われるというものもあります。
北海道小樽市にて、痴漢不同意わいせつ罪などの性犯罪事件を起こしてしまい、自身の行為がどのような罪に問われるのか知りたいという方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部の弁護士による無料法律相談をご利用ください。

現住建造物等放火罪について

2023-08-03

現住建造物等放火罪について

人の住んでいる建物に放火したら,現住建造物等放火罪が成立する可能性があります。
重い罪であり,最高で死刑もありえます。
逮捕され,長期間身体拘束され,起訴されて裁判となります。
重い処分となり,刑務所に長期間入ることになります。
今回は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が,現住建造物等放火罪を解説いたします。

・現住建造物等放火罪の条文

(現住建造物等放火)
第108条 放火して,現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物,汽車,電車,艦船又は鉱坑を焼損した者は,死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。
(未遂罪)
第112条 第百八条及び第百九条第一項の罪の未遂は,罰する。
(予備)
第113条 第百八条又は第百九条第一項の罪を犯す目的で,その予備をした者は,二年以下の懲役に処する。ただし,情状により,その刑を免除することができる。

・現住建造物等放火罪が成立する場合の要件

火力等により,不特定多数の人の生命・身体・財産に危険を生じさせる犯罪であって,公共の平穏を保護法益とします。
未遂や予備も罰せられます。

「放火」とは,日的物の燃焼を惹起させる行為,あるいはそれに原因力を与える行為です。
直接その目的物に点火して発火させる行為や,媒介物に点火して目的物に導火させる行為が考えられます。
既に火の付いているところに油を注ぐ行為のように,既発の火力の勢いを助長・増大させる行為もこれと同視されます。

不作為による放火も考えられます。
法律上の作為義務・消火義務の存在,消火の可能性と容易性,行為者の主観的要件等が問題となります。
消火義務の根拠としては,法令,契約・事務管理,慣習・条理が挙げられます。
客体である建造物等の所有者・占有者・管理者として,その建造物等に対する排他的支配関係が認められ,当該建造物等の燃焼の結果を防止すべき義務が発生する場合があります。
自己の過失行為に起因して発火した場合などのように,先行行為に基づいて消火義務を負うべき場合があります。
もっとも,不作為による放火罪の成立要件としての消火義務は,作為によって放火する場合と同視し得る程度の相当高度な義務であることを要します。
意思内容としては,既発の火力により建造物等が焼損されることを認容する意思で足り,未必の故意でも足ります。

実行の着手は,目的物である現住建造物等に直接点火した場合のみならず,目的物の近くでライターを操作して火花を散らしたり,マッチをすって目的物に点火する姿勢をとった場合等にも認められます。
媒介物である可燃性の導火材料に点火する行為も,その燃焼作用が継続して目的物に延焼し得べき状態に置いたときは,実行の着手が認められます。
引火性の高いガソリンや可燃性ガスなどを住宅内で撤布・放出した場合には,客観的にみて焼損という結果発生の高度の現実的危険性が既に発生していると認められ,危険発生の程度を実質的に考慮して,実際にマッチなどによる点火行為がなくても,実行の着手が肯定されることがあります。

「現に人が住居に使用し」とは,現に人の起臥寝食の場所として日常使用されることです。
「現に人がいる」とは,放火の際に人が現在することです。
いずれかの要件を充たせば現住建造物に該当します。
人は犯人以外の者をいい,犯人の家族や同居人も犯人以外の者に当たります。

「住居」は,その本来の用途が住居として使用することを目的としたものである必要はありません。
昼夜にわたって人が生活している必要はなく,夜だけ寝泊まりするという場合でも認められます。
1個の建造物の一部が起臥寝食の場として使用されていれば,全体が住居に当たることになります。
住居としての使用が継続している必要はなく,居住者が災害で一時期避難していたり,旅行などのために若干の期間留守にしていたとしても,住居でなくなることにはなりません。

人の現在は,放火当時,建造物内に犯人以外の者が存在することです。
事実上存在すれば足り,存在する権利の有無を問いません。
建造物の一部に人が現在すれば,これと一体をなす建造物全体が人の現在する建造物となります。

「焼損」は,火が放火の媒介物を離れ,客体に燃え移り独立して燃焼を継続する状態に達したことをいいます。
その主要部分が毀損されたり,効用が害されることまでは必要ありません。
もっとも,建造物から容易に取り外すことのできる畳・建具・家財道具等が燃焼しただけでは,建造物の一部が独立に燃焼を開始したとはいえず,未遂にとどまります。

故意として,自己の行為によって目的物の独立燃焼が引き起こされること,及び目的物が現に人が住居に使用し又は現に人がいるものであることの事実の認識が必要です。
未必的な認識で足ります。

・現住建造物等放火罪に該当しない場合の罪

現住建造物等放火罪が成立しない場合は,以下の犯罪等が成立する可能性があります。

(非現住建造物等放火)
第109条 放火して,現に人が住居に使用せず,かつ,現に人がいない建造物,艦船又は鉱坑を焼損した者は,二年以上の有期懲役に処する。
2 前項の物が自己の所有に係るときは,六月以上七年以下の懲役に処する。ただし,公共の危険を生じなかったときは,罰しない。
(建造物等以外放火)
第110条 放火して,前二条に規定する物以外の物を焼損し,よって公共の危険を生じさせた者は,一年以上十年以下の懲役に処する。
2 前項の物が自己の所有に係るときは,一年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

・現住建造物等放火罪での弁護活動

放火をしていないにもかかわらず,犯人として疑われ,警察が捜査や逮捕をしてくることがあります。
密室の取調室で,「被害者・目撃者がこう言っている」「証拠はもうそろっている」などと言われ,警察の言われるままに話を持っていかれ,不当な内容の供述調書が作成されてしまいます。
刑事に詳しくない弁護士が対応した場合,そのような不当な状況を放置することもあります。
刑事に詳しい弁護士のきちんとしたサポートが必要になってきます。
取調べでどのようなことを言うか,弁護士と相談しながら進めていきます。
警察の威圧的な取調べが行われていたら,弁護士が抗議をしたり,黙秘を指示したりして,きちんと対応しなければなりません。
こちらに有利な証拠がないか,検討することにもなります。
起訴されて裁判となったら,きちんとこちらの主張をしていかなければなりません。

・事務所紹介

刑事事件ではスピードが大切です。
すぐに弁護士に連絡し,相談して依頼しましょう。
逮捕後最大72時間は,たとえ家族の方でも逮捕された人との接見ができませんが,弁護士が代わりに連絡を取ってくれます。
逮捕された場合,最長で23日間,身体が拘束されますが,その間に検察官が起訴をするかどうかを判断します。
非常に限られた時間で活動しなければならず,急がなければなりません。
また,逮捕直後に不当な取調べが行われ,不利な内容の調書が作成されてしまうかもしれません。
早く弁護士が接見し,取調べへの対応方法に関してきちんとしたアドバイスをする必要があります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は,刑事を専門とする弁護士が迅速に対応いたしますので,お気軽にお電話ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では,刑事事件に関するご相談を初回無料で承っております。
無料法律相談のご予約は
フリーダイヤル0120-631-881(24時間受付中)
までお気軽にお電話ください。
家族が放火などの刑事事件で逮捕された場合は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部の弁護士による有料の初回接見サービスをご利用ください。
接見して状況を確認し,説明させていただいた後に,正式契約となったら事件を対応させていただきます。
迅速な対応が必要となりますので,お早めにご相談ください。

【お客様の声】強要未遂事件で逮捕されるも不起訴

2023-07-30

【お客様の声】強要未遂事件で逮捕されるも不起訴

配偶者の不倫相手に対し電話やメールで繰り返し謝罪を求めたという強要未遂事件で逮捕されたものの、弁護人による示談交渉や取調べ対応の末不起訴になったという事案について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。

【事例】

北海道芦別市在住のAさんは、芦別市内の会社に勤める会社員です。
Aさんには配偶者Xさんがいるところ、XさんがVさんと不倫関係にあることを知ったAさんは、Vさんに対し「お前がXと不倫していることは知っているんだ」「5分以内に謝罪に来なければどうなるか分かっているのか」などと繰り返し電話やメールで連絡を繰り返しました。

芦別市に住むVさんが芦別市内を管轄する芦別警察署に相談し被害届を提出したことで捜査が開始し、芦別警察署の警察官はAさんを強要未遂罪で通常逮捕しました。

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【強要未遂罪について】

(強要罪)
刑法223条1項 生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者は、3年以下の懲役に処する。
(未遂犯処罰規定)
同3項 前二項の罪の未遂は、罰する。

強要未遂罪は、被害者に対して義務のないことをするよう強いたものの、結果的に被害者がそれに応じなかったという場合に成立する罪です。
今回のAさんの場合、(道義的問題があるかどうかという点は別にして)Vさんとしては謝罪する義務はないにも拘わらずそれを強いたものの、Vさんは謝罪する前に芦別警察署の警察官に相談して被害届を提出したため、その結果を遂げなかったことから、強要未遂罪に問われました。

【不起訴を求める弁護活動】

不起訴とは、検察官が公判請求(起訴)しないことを意味します。
起訴されなければ刑事裁判は開かれないため、被疑者は刑事罰が科せられることはありません。
不起訴の理由は「嫌疑なし・不十分(起訴できるだけの証拠がない)」「起訴猶予(起訴することができる証拠はあるが、起訴しない)」「被疑者死亡」「刑事告訴取消」など複数あります。

今回のAさんの事件の場合、部分的に被害者の主張と食い違っている部分がありましたが、大部分について罪を認めとても反省していました。
そこで弁護士は、Aさんの家族から依頼を受けた当日には弁護人選任届を提出し、Vさんとの示談交渉を行いました。
Vさんは当初、Aさんへの処罰感情が大きく示談交渉そのものを拒否されていましたが、弁護士が丁寧に説明を繰り返した結果、示談に応じてくださることとなりました。
示談書にはAさんがVさんに対し心からの謝罪を行うこと、賠償金を支払うこと、AさんがVさんに対し二度と連絡・接触しないこと、VさんがAさんに対し今回に限り厳しい刑事処分を求めないこと(宥恕条項)といった内容を約束する示談書を締結することができました。

なお、Aさんは大部分で罪を認めていましたが、一部やっていないことについてもやったとされ取調べを受けていたため、弁護士は2日に1度のペースで接見を行い、取調べ状況やAさんの心身の調子を確認しました。

Aさんの捜査を担当した検察官は、Aさんが罪を認めて謝罪し弁済していること、今後Vさんに接触しないことを誓約していること、VさんがAさんに対し今回に限り厳しい刑事処分を求めないことを示していることなどを踏まえ、Aさんを不起訴としました。
処分理由は「起訴猶予」であったと考えられます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では、強要未遂罪を含め数多くの刑事事件で弁護活動を行ってきました。
強要未遂罪は、未遂とはいえ罰金刑が用意されていないことから略式手続に付されることはないため、適切な弁護活動を行わなければ起訴され公開の法廷で刑事裁判を受けることになります。
また、民事上の損害賠償等の請求を受けるおそれもあります。
北海道芦別市にて強要未遂罪で家族が逮捕された場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部の弁護士による初回接見サービス(有料)をご利用ください。

【お客様の声】落とし物を拾得して宥恕のある示談を求める

2023-07-27

【お客様の声】落とし物を拾得して宥恕のある示談を求める

落とし物を拾得して自分のものにしてしまい捜査を受けたものの、宥恕のある示談の締結に至り不起訴処分を獲得したという事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。

【事例】

北海道赤平市在住のAさんは、赤平市内で自営業をしていました。
ある日、赤平市内の観光地の駐車場付近にて財布の落とし物に気付き、それを拾得して、警察官に届け出ず中に入っていた現金約10万円を自分のものにしました。
落とし主のVさんが赤平市内を管轄する赤歌警察署の警察官に被害届を提出したところ、Aさんによる犯行であるとして、Aさんは在宅で捜査されることになりました。

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【落とし物を拾得して届け出なかった】

他人の忘れ物・落とし物を拾い、勝手に使ったり販売したりする行為は、遺失物横領罪又は窃盗罪に問われる可能性があります。
条文は以下のとおりです。

(遺失物横領罪)
刑法254条 遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した者は、1年以下の懲役又は10万円以下の罰金若しくは科料に処する。
(窃盗罪)
刑法235条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

遺失物横領罪と窃盗罪では、遺失物横領罪の法定刑が1年以下の懲役又は10万円以下の罰金若しくは科料であるのに対し、窃盗罪は10年以下の懲役又は50万円以下の罰金と、大きな差があります。
そのため、被疑者(加害者)にとってはどちらの条文が適用されるかということが重要になるケースも多いと考えられます。

遺失物横領罪と窃盗罪では、落とし物が占有下にあるかどうかという点が問題となります。
遺失物が占有を離れているのであれば遺失物横領罪になり、他人の占有下にある場合には窃盗罪が適用されることになります。
例えば、人の家にある財布を持ち去る行為は、たとえ所有者が手に持っている、あるいは身に着けていなかったとしても、家の中という占有下にあると評価されるため、窃盗罪が成立します。
他方で、公園のベンチに数時間以上忘れられている落とし物は、占有離脱物横領罪が成立します。

評価が分かれる問題としては、スーパーやデパートなどといった場所で忘れ物・落とし物を拾って使ったり販売したりする行為については、その店舗に占有が認められ、遺失物横領罪ではなく窃盗罪として評価される可能性があります。
また、過去の判例では、バス停に置き忘れたカメラを取った行為について、その場を離れてから5分程度・20メートルほどの場所にいたことから、持ち主の実力支配化内にあったとして、占有が認められ、遺失物横領罪ではなく窃盗罪が適用されたというものがあります。

【宥恕のある示談を求める弁護活動】

遺失物横領罪や窃盗罪といった被害者がいる事件の場合、示談交渉が重要な弁護活動の一つと言えます。
一口に示談交渉と言っても、その内容は事件ごとに異なりますが、
・謝罪する
・被害品を返却する
・(被害金額や迷惑をかけたことに対する)示談金を支払う
・被害届を取り下げる
・刑事告訴を取り消す
・被害者が加害者を赦す(宥恕する)
などの内容であり、示談書として取り交わすことが一般的です。

例えば、名誉毀損罪や侮辱罪、器物損壊罪といった刑事告訴がなければ検察官が起訴することができない親告罪の場合、刑事告訴の取消を求める示談を目指すことになるでしょう。
しかし今回のAさんの事件の場合は親告罪ではないため、告訴取消以外の内容を求めることになるでしょう。
ちなみに、Vさんは被害届を提出しています。

一般的に被害届が提出されることではじめて警察官が捜査を開始することになりますが、被害者が被害届を取り下げたからといって検察官が起訴できないという訳ではありません。

Aさんの事例では、弁護士がVさんと示談交渉をした結果、Vさんは今回に限りAさんを赦すという意向になったため、示談書に宥恕の文言を入れることができました。
そして、締結した示談書を検察官に示したところ、
・Aさんに前科がないこと
・被害金額がそこまで大きくはないこと
・示談し被害弁償ができていること
・被害者が宥恕していること
等の事情により、Aさんを不起訴にしました。

北海道赤平市で落とし物を拾得し警察官に届け出なかったことで窃盗罪や遺失物横領罪により捜査を受けているという場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部の弁護士による無料相談をご利用ください。

【お客様の声】下着の窃盗で保護観察付き執行猶予

2023-07-24

【お客様の声】下着の窃盗で保護観察付き執行猶予

他人の家に侵入して下着の窃盗を繰り返した事件の裁判で保護観察付きの執行猶予判決が言い渡されたという事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。

【事例】

北海道滝川市在住のAさんは、滝川市内で飲食店を経営しています。
Aさんは逮捕される以前、滝川市内で他人の住居に侵入して下着を盗む下着ドロボー行為を繰り返していました。
被害者の一人が滝川市内を管轄する滝川警察署に被害届を提出したことで捜査が開始され、Aさんはその被疑者として通常逮捕されました。

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【下着の窃盗で問題となる罪】

先ず、他人の下着を盗んだ(窃取した)ことから、窃盗罪の成立が検討されます。
条文は以下のとおりです。

刑法235条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

他人の使用した下着とはいえ、財物であると評価される可能性が高いことから、窃盗罪が成立します。

次に、他人の住居や敷地に侵入して下着を窃取した場合、住居侵入罪が適用されます。
条文は以下のとおりです。

刑法130条 正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。

下着を窃取するために他人の敷地に侵入する行為は正当な理由があるとは言えないことから、住居侵入罪についても成立すると考えられます。

【保護観察付きの執行猶予判決】

今回Aさんに言い渡された刑は、保護観察付きの執行猶予でした。
執行猶予判決には一部執行猶予と全部執行猶予がありますが、Aさんの場合は全部執行猶予でした。
全部執行猶予は、刑法25条各項で、禁錮以上の前科がないなどの一定の条件下で「3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金の言渡しを受けた」あるいは「情状により」、「1年以上5年以下の期間、その刑の全部の執行を猶予することができる」と定められています。
よく報道などで「懲役1年執行猶予3年の有罪判決」などと聞くかと思いますが、この場合、判決の宣告から14日を経たのち3年の間に刑事罰が科せられるような再犯事件などがなければ、1年間刑事収容施設に行く必要がなくなります。
但し、執行猶予の期間中に再犯事件を起こした場合、その事件での裁判で執行猶予が取消され、再犯事件の刑事罰+懲役1年、ということになります。

更に、Aさんには保護観察が付されました。
刑法25条の2第1項では、全部の執行猶予の期間中に保護観察に付することができると規定されています。
そして保護観察の内容については、更生保護法にその定めがあります。
保護観察が付された場合、法務省の職員である保護観察官やそのサポートをする保護司によって更生保護や再犯防止のための面談等により報告・指導が行われます。
保護観察期間中は健全な生活を保持すること、保護観察官や保護司の呼出しに応じること、引越しの際には事前に届け出ること、等の遵守事項が定められていて、違反した場合には保護観察所長が検察官に申し出、検察官は裁判所に執行猶予の取消しを請求することができます。

成人事件の保護観察付執行猶予は、性犯罪や薬物事件で特に用いられます。
今回のAさんの場合、罪名こそ窃盗罪・住居侵入罪ですが、その実は下着ドロボーといういわば性犯罪事件であることから、保護観察付きの執行猶予判決が言い渡されました。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
下着ドロボーのような性犯罪事件の場合、被害者がいる事件とはいえ被害金額は少ないが被害者の被害感情は強く、加害者に対し厳しい刑事処罰を求める場合が少なくありません。
また、下着ドロボーは検挙されるまでに同種の犯罪を繰り返していることも多く、余罪捜査も含めて厳しい取調べが予想されます。
北海道滝川市にて、家族が下着ドロボーで逮捕されてしまい、保護観察付きの執行猶予判決が言い渡される可能性がある場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご連絡ください。

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