Archive for the ‘交通事件’ Category
飲酒運転について
飲酒運転について
アルコールを飲んで自動車を運転すると,各種犯罪が成立します。
飲酒運転は死亡事故につながる可能性が高くなることから,社会の厳しい評価により,刑事処分が重くなっております。
今回は,飲酒運転に関する犯罪について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説いたします。
・飲酒運転の罪
アルコールを飲んで車を運転すると,犯罪が成立します。
酔いの程度が高く,酒に酔った状態・アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態,の場合は,5年以下の懲役又は100万円以下の罰金となります。
酒に酔った状態でなくても,血液1ミリリットルにつき0.3ミリグラム又は呼気1リットルにつき0.15ミリグラム以上にアルコールを保有する状態にあれば,3年以下の懲役又は50万円以下の罰金となります。
飲んだのが前日だとしても,朝方に運転すれば,アルコールが残っていることがあり,十分に気を付けるべきです。
自分が飲酒運転をしなくても,酒気を帯びている者で,酒気を帯びて車両等を運転することとなるおそれがあるものに対し,車両等を提供したら,犯罪が成立します。
上記の運転者の酔いの程度により,刑罰の大きさが変わります。
酒に酔った状態・アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態の場合は5年以下の懲役又は100万円以下の罰金,上記の基準値以上にアルコールを保有する状態にあれば3年以下の懲役又は50万円以下の罰金,となります。
人に自動車を貸すときは,相手が飲酒運転をするおそれがないか十分に気を付けなければなりません。
・運転する者に酒を提供したり勧めたりする場合の罪
酒気を帯びて車両等を運転することとなるおそれがある者に対し,酒類を提供し,又は飲酒をすすめたら,犯罪が成立します。
上記の運転者の酔いの程度により,刑罰の大きさが変わります。
酒に酔った状態・アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態の場合は3年以下の懲役又は50万円以下の罰金,上記の基準値以上にアルコールを保有する状態にあれば2年以下の懲役又は30万円以下の罰金,となります。
飲食店では,客にアルコールを提供するときは,客が運転する予定があるのかどうか十分に気を付ける必要があります。
一緒に食事をしている人に対し,その人が運転する予定があるのであれば,安易にお酒をすすめてはいけません。
車両の運転者が酒気を帯びていることを知りながら,当該運転者に対し,当該車両を運転して自己を運送することを要求し,又は依頼して,当該運転者が酒気を帯びて運転する車両に同乗したら,犯罪が成立します。
車両の運転者が酒に酔った状態にあることを知りながら同乗したら,3年以下の懲役又は50万円以下の罰金となります。
車両の運転者が酒に酔った状態にあることまでは知らなかった場合や,上記の基準値以上にアルコールを保有する状態にあれば,2年以下の懲役又は30万円以下の罰金となります。
アルコールを飲んで運転するような人の車に,安易に同乗してはいけません。
・飲酒運転をした者の使用者に対する罪
自動車の使用者(安全運転管理者等その他自動車の運行を直接管理する地位にある者を含む。)は,その者の業務に関し,自動車の運転者に対し,酒気を帯びて車両等を運転することを命じ,又は自動車の運転者がこれらの行為をすることを容認したら,犯罪が成立します。
運転者の酔いの程度により,刑罰の大きさが変わります。
酒に酔った状態・アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態であることを知ったうえでの犯行の場合は,5年以下の懲役又は100万円以下の罰金となります。
酒に酔った状態までは認識していなかった場合や,上記の基準値以上にアルコールを保有する状態にあれば,3年以下の懲役又は50万円以下の罰金となります。
法人の代表者又は法人若しくは人の代理人,使用人その他の従業者が,その法人又は人の業務に関し,違反行為をしたときは,行為者を罰するほか,その法人又は人に対しても,罰金刑を科されることになります。
会社の従業員が飲酒運転をすることを安易に容認してはなりません。
会社の業務で自動車の運転があるのなら,運転者が飲酒運転をしないように,きちんと監督していく必要があります。
・飲酒運転で事故を起こし被害者を死傷させた場合の罪
飲酒運転の結果,自動車の運転上必要な注意を怠り,よって人を死傷させたら,7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金となります。
上記の飲酒運転の道路交通法違反と同時に過失運転致死傷罪が成立します。
ただし,その傷害が軽いときは,情状により,その刑を免除となる可能性があります。
そうは言っても,飲酒運転での交通事故で人を怪我させる罪は重く,基本的に逮捕されて裁判になる可能性が高いです。
アルコールの影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為を行い,よって,人を負傷させたら15年以下の懲役となり,人を死亡させたら1年以上の有期懲役となります。
アルコールの影響により,その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で,自動車を運転し,よって,そのアルコールの影響により正常な運転が困難な状態に陥り,人を負傷させたら12年以下の懲役となり,人を死亡させたら15年以下の懲役となります。
これらの危険運転致死傷罪は重罪であり,逮捕のうえで重い刑罰となると思われます。
アルコールの影響によりその走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で自動車を運転した者が,運転上必要な注意を怠り,よって人を死傷させた場合において,その運転の時のアルコールの影響の有無又は程度が発覚することを免れる目的で,更にアルコールを摂取すること,その場を離れて身体に保有するアルコールの濃度を減少させることその他その影響の有無又は程度が発覚することを免れるべき行為をしたときは,12年以下の懲役となります。
飲酒運転の状況をごまかす行為で,悪質性が高く,更に思い刑事処分となります。
・飲酒運転での弁護活動
飲酒運転の犯罪を行ってしまったら,逮捕されるリスクが高まります。
逮捕されなかったとしても,重い刑事処分となってしまう可能性があります。
刑事事件ではスピードが大切です。
すぐに弁護士に連絡し,相談して依頼しましょう。
逮捕後最大72時間は,たとえ家族の方でも逮捕された人との接見ができませんが,弁護士が代わりに連絡を取ってくれます。
逮捕された場合,最長で23日間,身体が拘束されますが,その間に検察官が起訴をするかどうかを判断します。
非常に限られた時間で活動しなければならず,急がなければなりません。
また,逮捕直後に不当な取調べが行われ,不利な内容の調書が作成されてしまうかもしれません。
早く弁護士が接見し,取調べへの対応方法に関してきちんとしたアドバイスをする必要があります。
裁判となったら,二度と飲酒運転をしないために具体的にどうするか,示していく必要があります。
ご家族とも打ち合わせをし,裁判に対応していくことになります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,刑事を専門とする弁護士が迅速に対応いたしますので,お気軽にお電話ください。
これまでにも,数多くの飲酒運転事件を扱ってきました。
経験豊富な弁護士が紳士に対応いたします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では,刑事事件に関するご相談を初回無料で承っております。
無料法律相談のご予約は
フリーダイヤル0120-631-881(24時間受付中)
までお気軽にお電話ください。
バイクでのひき逃げ事件
バイクでのひき逃げ事件
交通事故は誰にでも起こり得る瞬発的な出来事です。
特にバイクでのひき逃げ事件は、被害者はもちろん、加害者にも重大な影響を及ぼします。
この記事では、バイクでのひき逃げ事件に関わる罪と罰について具体的に解説します。
1. ひき逃げとは何か
ひき逃げとは、簡単に言えば交通事故を起こした後にその場から逃げ去る行為を指します。 この行為は、日本の法律において厳しく罰せられています。 具体的には、道路交通法第70条によって「交通事故を起こした者は、その事故の処理に関する責任を負い、現場に残る義務がある」と明記されています。 逃げることで、その義務を怠った場合には、この法律に違反した形となり、罰則が科されます。 重要なのは、逃げた事自体が罪であり、それによって被害者がさらに困難な状況に置かれる可能性が高いという点です。 このように、ひき逃げは道徳的にも法的にも許されない行為であると言えます。
2. ひき逃げの罪状
ひき逃げ事件においては通常、二つ以上の罪状が考慮されます。 最も一般的なのは「過失運転致死傷」と「救護義務(道路交通法)違反」です。
過失運転致死傷は、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律に基づく罪であり、事故によって人が傷ついたり、亡くなった場合に適用されます。 この罪に問われると、懲役や罰金が科される可能性があります。 一方で、道路交通法違反は、ひき逃げ行為自体が非法であるとして罰せられるものです。
加えて、事件の重大性によっては、「殺人」や「傷害」の罪に問われる場合もあります。 これは、加害者が故意に相手を傷つけたり、危険な状況を作り出した場合に該当します。 故意か過失かによっても罪状は大きく変わるため、その判断はしばしば裁判で決定されます。
以上のように、ひき逃げ事件では複数の罪状が絡み合い、その全体像は非常に複雑です。 この点を考慮すると、専門的な法的アドバイスが必要であると言えるでしょう。
3. 道路交通法における罰則
道路交通法にはひき逃げに対する罰則が具体的に定められています。 具体的な刑罰は、事案や状況によって異なるため一概には言えませんが、罰金は数十万円から数百万円、禁錮は数ヶ月から数年が一般的です。
また、道路交通法によっては、運転免許の点数が減点される、または免許が剥奪される可能性もあります。 これによって、今後の運転生活にも大きな影響を与えることとなります。
さらに、罰則が科されるだけでなく、保険料が上がる、就職に影響が出るなど、様々な生活面での制約が考えられます。 そのため、ひき逃げ事件は財政的、社会的なダメージも大きいと言えるでしょう。
総じて、道路交通法における罰則は厳格であり、ひき逃げを行った場合には多方面での影響が考えられます。 このような重大な結果を避けるためにも、交通事故を起こした場合は適切な手続きを踏むことが重要です。
4.人身事故における諸問題
車やバイクを運転していて事故を起こしてしまい、その事故が原因で被害者が死傷してしまった場合、俗にいう人身事故として取り扱われます。
人身事故の場合、刑事上の責任/民事上の責任/行政上の責任の3つの責任が問題となります。
以下で、その概要を説明します。
・刑事上の責任
刑事上の責任は、各種法律に規定されている罪を犯した場合に問題となります。
飲酒運転や無免許等の運転の場合を除き、運転手の不注意によって発生させた人身事故の場合には「過失運転致死傷罪」という罪に問われます。
この罪は、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(通称、自動車運転処罰法)に規定されています。
人身事故が発生した場合、運転手(=被疑者)は逮捕される場合もありますし、逮捕されずに在宅で捜査を受けることもあります。
いずれの場合でも、被疑者は警察官や検察官からの捜査・取調べを受け、証拠が揃って検察官が起訴した場合、刑事裁判や略式手続により刑事罰を科せられることになります。
罰条:7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。
・民事上の責任
人身事故の場合、事故により怪我をした方、死亡した方がおられます。
また、歩行者にあっては事故の衝撃で持ち物が壊れた、運転手にあっては車やバイクが損傷した、といった金銭的な被害を受けることがあります。
この場合、加害者側が被害者側にその損害を補償する必要があります。
自動車やバイク等を運転する場合、自動車損害賠償責任保険(通称、自賠責)に加入することが義務付けられています。
もっとも、自賠責の場合は補償の金額に上限があるため、任意保険に加入して対人・対物無制限にする等、予め対応されている方もおられるでしょう。
・行政上の責任
刑事上の責任、民事上の責任に加え、人身事故を起こした場合には行政上の責任を負うことにもなります。
御案内のとおり、自動車やバイクを運転する場合には運転免許が必要となるところ、交通違反や事故を起こした場合には反則点数が加点され、一定以上の点数に達した場合には免許停止や取消といった処分を受けることになります。
人身事故については、不注意の程度と被害者の怪我の程度により、加点される点数が異なります。
免許停止や免許取消といった行政処分は刑事事件のような裁判は行われず淡々と手続きが行われて通知書が届きますが、90日以上の免許停止や免許取消といった行政処分を受ける場合、聴聞(意見の聴取)という手続が行われ、弁明をする機会が与えられます。
被害者への賠償責任
ひき逃げ事件では、刑罰だけでなく、民事上の賠償責任も問われます。 これには、医療費、慰謝料、失業した場合の収入損失など、多岐にわたる要素があります。
賠償責任は、事故の規模や被害者の状態によって大きく変わり得ます。 特に重傷を負わせた場合や死亡させた場合は、賠償額は非常に高額になる可能性があります。 この賠償は通常、保険が適用される部分とされない部分があり、保険外での支払いが必要な場合も多いです。
なお、賠償責任は基本的に加害者個人が負うものです。 しかし、家族や企業が関与している場合には、その範囲が広がることもあります。 例えば、仕事での配達中に事故を起こした場合、会社にも賠償責任が及ぶ可能性があります。
賠償責任によって生じる金銭的負担は、長期にわたって加害者の生活に影響を及ぼす可能性があります。 したがって、この点も考慮に入れると、ひき逃げは決して行ってはいけない行為であると強調されます。
事故後の適切な対応と法的手続き
交通事故を起こした場合、ひき逃げをしないで適切な対応をすることが重要です。 まず、事故現場で安全確保をして、必要であれば救急車を呼びます。 次に、警察に通報して事故の報告を行い、その後、保険会社への連絡も必要です。
これらの手続きは、将来的に裁判になった場合や賠償交渉で有利な証拠ともなりえます。 また、正確な情報の報告が行われることで、事故の解決がスムーズに進む可能性が高まります。
適切な対応をしなかった場合、それが後で裁判において不利に働く可能性もあります。 例えば、現場から逃げたことで、過失割合が高く見積もられると、賠償責任額も大きくなる可能性があります。
そのため、事故を起こした場合には冷静に、そして適切な手続きを踏むことが、法的にも倫理的にも最も正しい行動であると言えます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部の紹介
ひき逃げ事件は複雑な法的要素と高度な専門知識が求められる問題です。そのため、弁護士のアドバイスが不可欠となります。弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では、初回接見サービスが提供されており、多くのメリットがあります。この記事ではそのメリットについて詳しく説明します。
1. 専門的なアドバイス
初回接見で弁護士と直接話すことで、事件に対する専門的なアドバイスを受けられます。 この段階での専門的な意見は、今後の対応に大いに役立ちます。
2. 事案の早期解決
弁護士が早い段階で関与することで、事件の早期解決が期待できます。 専門家の指導があるため、無駄な手続きを省き、効率的に問題を解決できます。
3. 精神的安堵
法的な問題に直面した場合、精神的な負担は少なくありません。 初回接見サービスを受けることで、少なくとも一つの安堵感を得ることができます。
4. 費用の明確化
初回接見では、将来必要となるであろう費用についても明確にされます。 これによって、費用面での不安要素を減らすことができます。
5. 初回接見サービスの手厚さ
弁護士法人あいちでは、初回接見サービスが非常に手厚く、質問にも丁寧に答えてくれます。 そのため、具体的な疑問点や不安点をしっかりと解消できます。
6. 地域性の考慮
札幌支部であるため、地域性を考慮したアドバイスが受けられます。 地域による法的状況や風潮に合わせた対応が可能です。
7. まとめと今後のステップ
初回接見サービスを受けることで、ひき逃げ事件における多くの法的問題を効率よく、かつ確実に解決へと導いてくれます。 このサービスが提供するメリットを活かし、次なるステップへと進むための準備を整えましょう。
自転車事故で略式手続に
自転車事故で略式手続に
自転車に乗っていた際に他人に接触してしまい怪我を負わせてしまったという自転車事故を想定し、どのような罪に当たるのか、略式手続はどのような手続きなのか、等について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。
【ケース】
北海道札幌市手稲区在住のAさんは、札幌市手稲区の会社を経営する経営者です。
Aさんは事件当日、約束に間に合わせるため片手で傘を差し乍ら慌てて電動アシスト付き自転車を走らせていたところ、前方を走る自転車に接触してしまいました。
接触した自転車はVさんが乗っていて、Vさんは骨折等全治2か月の怪我を負いました。
目撃者の通報を受け臨場した札幌市手稲区を管轄する札幌方面手稲警察署の警察官は、自転車事故を起こしたAさんを在宅で捜査しました。
≪ケースはすべてフィクションです。≫
【自転車事故について】
今回のケースは、自転車同士での事故を想定しています。
車やバイクなどでの交通事故の場合、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律の定める過失運転致死傷罪などに問われますが、自転車の場合は定義から外れています。
自転車事故では、被害者が死傷した場合、過失傷害罪・過失致死罪又は重過失致死傷罪・業務上過失致死傷罪が成立します。
条文は以下のとおりです。
(過失傷害罪)
刑法209条1項 過失により人を傷害した者は、30万円以下の罰金又は科料に処する。
(過失致死罪)
刑法210条 過失により人を死亡させた者は、50万円以下の罰金に処する。
(重過失致死傷罪/業務上過失致死傷罪)
刑法211条 業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、5年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。
「過失」は、本来必要とされる注意を怠った不注意の場合を指します。
「業務上必要な注意」は、仕事に限らず、社会的地位に応じて反復継続して行う場合に必要とされる注意を指します。
「重大な過失」は、少しでも注意していれば防げたようなことさえ防げなかったような場合を指します。
今回のAさんについては、日頃から自転車に乗っていることから、反復継続して行う自転車の運転という意味で業務上過失致傷罪に問われる可能性もありますし、傘を差してブレーキが握れない状態で電動アシスト付き自転車という高速度になる可能性がある自転車を走行していたという点で重大な過失があるとして重過失致傷罪に問われる可能性もあります。
両者は同じ罰則規定ですが、自転車事故がどのような不注意で引き起こされた事故であるか、あるいは各警察署の運用によって形式的に異なります。
但し、実際にそのような過失(不注意)があったのかという点は、各事件ごとに検討しなければなりません。
【略式手続について】
刑事事件では、警察官などが捜査を行ったのち、検察官に事件送致を行います。
検察官は、自ら取調べを行ったり、警察官などに補充捜査を指示したりして、証拠を収集します。
そして、有罪を証明することができるだけの証拠が集まれば、被疑者を起訴することができます。
検察官は、まず、起訴するかどうかという点を検討します。
例えば被害者が示談に応じて被害届を取り下げた場合には検察官が起訴できるが猶予する「起訴猶予」という理由で不起訴にする場合がありますし、十分な証拠が集まらなかった場合には「嫌疑不十分」という理由で不起訴にします。
次に、起訴する場合に通常の起訴をするのか、略式起訴するのかを検討します。
本来は、起訴するすべての事件を通常の起訴にし、公判廷での刑事裁判を行うことが原則です。
しかし、すべての事件で通常の起訴を行い公判請求された場合、裁判所の裁判官にとっても公判を担当する検察官にとっても負担が大きくなります。
これは、起訴された被告人(犯人)にとっても同じでしょう。
そこで、検察官が
・事案が明白で
・100万円以下の罰金/科料に該当する場合
・被疑者が同意し書面に署名捺印をすることで(略受け)
簡易裁判所に略式起訴した場合には、略式手続に付することができます。
略式手続は、在宅事件であれば略受けを行ったのち裁判所から起訴状等と納付書が届き、銀行などで罰金・科料を納付します。
身柄拘束されている事件の場合、多くは在庁略式となるため、家族などが罰金・科料を検察庁に持ってきて納付することで釈放され事件が終了する、という流れです。
略式手続は、公開の法廷で長きに亘り裁判を行う必要がないため、被告人にとっても有益な点があります。
しかし、否認している場合には略式手続はできませんし、略式手続で言い渡される罰金・科料もいわゆる前科になるため、それらを避けて不起訴を目指すという方もおられるでしょう。
北海道札幌市手稲区にて、自転車事故を起こしてしまい、略式手続になる可能性がある方は、手続きが進む前に、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部の弁護士による無料相談をご利用ください。
家族が逮捕・勾留されている場合はこちら。
スピード違反で書類送検
スピード違反で書類送検
スピード違反により書類送検されたという事例を想定して、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。
【ケース】
北海道千歳市在住のAさんは、千歳市内の会社に勤務する会社員です。
Aさんは事件当日、法定速度である60km/h以下で走行する必要がある公道で103km/hにて走行していました。
Aさんのスピード違反を現認した北海道警察署の警察官は、Aさんを後方から追尾する方法でスピード違反を確認し、千歳市内にある千歳警察署に同行を求めました。
Aさんは2度の取調べを受けたのち、書類送検される旨の説明を受けました。
≪ケースはすべてフィクションです。≫
【スピード違反について】
我が国で自動車や二輪車等を運転する場合、道路交通法をはじめとする法律に則って運転をすることが義務付けられています。
そのうち、運転をする速度については、道路交通法22条1項で「車両は、道路標識等によりその最高速度が指定されている道路においてはその最高速度を、その他の道路においては政令で定める最高速度をこえる速度で進行してはならない。」と定められていて、具体的には道路交通法施行規則にて「法第22条第1項の政令で定める最高速度…のうち、自動車及び原動機付自転車が高速自動車国道の本線車道…以外の道路を通行する場合の最高速度は、自動車にあつては60キロメートル毎時、原動機付自転車にあつては30キロメートル毎時とする。」と定められています。
よって、普通自動車の場合、法定速度である60km/hを超える速度で運転することは禁止されています。(高速自動車国道については100km/h(同法27条1項1号))
また、40km/h等と最高速度を制限している道路においては、その速度を超えた速度で運転することが出来ません。
これに違反した場合、速度超過となり、道路交通法に違反することとなります。
故意に速度超過した場合の法定刑は「6月以下の懲役又は10万円以下の罰金」(道路交通法118条1項1号)です。
通常、超過速度が30km/h未満(高速道路では40km/h)の場合は交通反則告知書(俗に言う青切符)で処理されます。
一方で、超過速度が30km/h以上の場合、告知書(俗に言う赤切符)での処理になるため罰金となる可能性があります。
また、80km/h以上の場合には正式裁判になり、禁錮刑あるいは懲役刑が言い渡される可能性があります。
【書類送検について】
書類送検という言葉は事件報道などでよく耳にすると思われます。
警察官などの捜査機関により捜査(例えば、取調べや実況見分など)が行われた後、一部の軽微な犯罪の除き、原則として検察官に事件が送られます。
被疑者が逮捕されている場合、逮捕から48時間以内に検察官に送致されます。
しかし在宅で捜査が行われた場合、身柄拘束は行われていないため、書類のみが送致されます。
これを俗に書類送検と言います。
在宅で捜査を受けている方は切迫感に欠けるため、自身が書類送検されるという認識がない(あるいはその説明を受けていたが忘れていた)という方も多く、突然検察庁から郵便物や連絡が来て驚くという方も少なくありません。
また、慌てて検察官による取調べを受けた結果、自身の認識とは異なる調書が出来上がったり、よくわからないまま略式手続に同意して前科が付いてしまうという方もおられます。
書類送検が見込まれる事件では、書類送検される前に弁護士に相談・依頼をして、必要な弁護活動を進めていくことが望ましいと言えるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所では、スピード違反を含め多くの交通事件・事故の弁護活動を経験してきました。
北海道千歳市にて、スピード違反により捜査を受けている方、書類送検される可能性がある方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご連絡ください。
自転車事故で相手を怪我させた
自転車事故で相手を怪我させた
自転車に乗っていて事故を起こしてしまい被害者を怪我させてしまったという事例を想定して、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。
【事例】
北海道札幌市豊平区在住のAさんは、札幌市豊平区の会社に勤める会社員です。
Aさんは事件当日、通勤のため札幌市豊平区内の歩道を自転車で猛スピードで走行していたところ、歩道を歩いていた歩行者Vさんに自転車の前輪が接触する事故を起こしてしまいました。
Vさんは頭を強く打ち、流血や骨折をするなど重傷を負いました。
目撃者の通報により臨場した札幌市豊平区を管轄する札幌方面豊平警察署の警察官は、Aさんを自転車事故の加害者として逮捕し、その後すぐに釈放しましたが在宅事件で捜査を進めると説明を受けました。
≪ケースはすべてフィクションです。≫
【自転車での事故について】
今回のケースでは、Aさんが自転車で走行していたところ歩行者と接触事故を起こしてしまった、という事例を想定しています。
事故を起こして被害者を怪我させた場合には刑事事件に発展する可能性があります。
これが車やバイクでの人身事故であれば、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律の過失運転致死傷罪が成立します。
しかし、この法律は「道路交通法第2条第1項第9号に規定する自動車及び同項第10号に規定する原動機付自転車をいう。」とされていて、自転車は対象となっていません。
そのため、車やバイクと同じ法律は適用されません。
この場合には、不注意で人を怪我させてしまった場合に成立する過失傷害罪か、業務上過失傷害罪・重過失傷害罪のいずれかに該当します。
条文はそれぞれ以下のとおりです。
(過失傷害罪)
刑法209条 過失により人を傷害した者は、三十万円以下の罰金又は科料に処する。
(業務上過失致傷罪/重過失致傷罪)
刑法211条 業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、5年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。
過失傷害罪は、不注意によって人を怪我させた場合に成立します。
例えば、親が子を抱いていた時に転倒して子どもが怪我をした場合などのように、悪気はないが人を怪我させてしまうということはあると思います。
他方で業務上過失傷害罪は、仕事中など反復継続してする行為の最中に人を怪我させたことで成立し、重過失傷害罪は重大な過失、つまり少しでも注意していれば防げたにもかかわらずその注意を怠って怪我をさせた場合に成立します。
今回のAさんの場合、自転車で通勤中での出来事でしたので、反復継続する行為であると認められる業務上過失致傷罪が成立すると評価される場合、あるいは自転車を運転する際には当然に必要となる注意義務に重大な過失(不注意)があると認められた場合には重過失致傷罪が成立すると評価される場合、の双方が考えられます。
なお、歩行者が予期せぬ場所から急に飛び出してきた、Aさんは低速でブレーキに手を掛けて運転していた、等の注意義務があったなかでの事故であれば、過失傷害罪が成立する、あるいは過失は認められないとして罪が成立しない場合もあり得ます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は、自動車やバイクなどの運転中に生じた人身事故はもちろん、自転車の運転中に事故を起こした場合の刑事事件にも対応しています。
北海道札幌市豊平区にて、自転車で接触事故を起こしてしまい刑事事件に発展している場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご連絡ください。
飲酒運転で逮捕された
飲酒運転で逮捕された
飲酒運転は社会的に大きな問題となっており、交通犯罪の中でも重い刑罰を科されることになります。
今回は飲酒運転について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説いたします。
<飲酒運転で問題となる罪>
道路交通法
(酒気帯び運転等の禁止)
第65条 何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。
2 何人も、酒気を帯びている者で、前項の規定に違反して車両等を運転することとなるおそれがあるものに対し、車両等を提供してはならない。
3 何人も、第一項の規定に違反して車両等を運転することとなるおそれがある者に対し、酒類を提供し、又は飲酒をすすめてはならない。
4 何人も、車両(トロリーバス及び旅客自動車運送事業の用に供する自動車で当該業務に従事中のものその他の政令で定める自動車を除く。以下この項、第百十七条の二の二第一項第六号及び第百十七条の三の二第三号において同じ。)の運転者が酒気を帯びていることを知りながら、当該運転者に対し、当該車両を運転して自己を運送することを要求し、又は依頼して、当該運転者が第一項の規定に違反して運転する車両に同乗してはならない。
(罰則)
第117条の2 次の各号のいずれかに該当する者は、五年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
一 第六十五条(酒気帯び運転等の禁止)第一項の規定に違反して車両等を運転した者で、その運転をした場合において酒に酔つた状態(アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態をいう。以下同じ。)にあつたもの
二 第六十五条(酒気帯び運転等の禁止)第二項の規定に違反した者(当該違反により当該車両等の提供を受けた者が酒に酔つた状態で当該車両等を運転した場合に限る。)
第117条の2の2 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
三 第六十五条(酒気帯び運転等の禁止)第一項の規定に違反して車両等(軽車両を除く。次号において同じ。)を運転した者で、その運転をした場合において身体に政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態にあつたもの
四 第六十五条(酒気帯び運転等の禁止)第二項の規定に違反した者(当該違反により当該車両等の提供を受けた者が身体に前号の政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態で当該車両等を運転した場合に限るものとし、前条第一項第二号に該当する場合を除く。)
五 第六十五条(酒気帯び運転等の禁止)第三項の規定に違反して酒類を提供した者(当該違反により当該酒類の提供を受けた者が酒に酔つた状態で車両等を運転した場合に限る。)
六 第六十五条(酒気帯び運転等の禁止)第四項の規定に違反した者(その者が当該同乗した車両の運転者が酒に酔つた状態にあることを知りながら同項の規定に違反した場合であつて、当該運転者が酒に酔つた状態で当該車両を運転したときに限る。)
第117条の3の2 次の各号のいずれかに該当する者は、二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
二 第六十五条(酒気帯び運転等の禁止)第三項の規定に違反して酒類を提供した者(当該違反により当該酒類の提供を受けた者が身体に第百十七条の二の二第一項第三号の政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態で車両等(軽車両を除く。)を運転した場合に限るものとし、同項第五号に該当する場合を除く。)
三 第六十五条(酒気帯び運転等の禁止)第四項の規定に違反した者(当該同乗した車両(軽車両を除く。以下この号において同じ。)の運転者が酒に酔つた状態で当該車両を運転し、又は身体に第百十七条の二の二第一項第三号の政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態で当該車両を運転した場合に限るものとし、同項第六号に該当する場合を除く。)
道路交通法施行令
(アルコールの程度)
第44条の3 法第百十七条の二の二第一項第三号の政令で定める身体に保有するアルコールの程度は、血液一ミリリットルにつき〇・三ミリグラム又は呼気一リットルにつき〇・一五ミリグラムとする。
酒気帯び運転等の禁止が定められ、罰則が科されております。
たとえ少量であっても、身体にアルコールを保有している場合には、そのアルコールが肉体的・精神的機能に悪影響を及ぼし、運転者の注意力が減退して散漫となり、交通事故を起こす可能性が増大します。
酒に酔った状態、アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態、の場合は、酒酔い運転として五年以下の懲役又は百万円以下の罰金となります。
いわゆる酒に酔っぱらっている状態はもちろん、感覚機能・運動機能・判断能力・抑制能力が著しく侵されている状態にある場合は、酒に酔った状態に該当することになります。
血液1ミリリットルにつき0.3ミリグラム又は呼気1リットルにつき0.15ミリグラム以上のアルコールを保有している状態の場合は、酒気帯び運転として三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金となります。
<飲酒者への車両提供罪>
酒気を帯びて車両等を運転することとなるおそれがある人に対し、車両等を提供してはなりません。
車両等を提供すればその人が酒気を帯びて運転することとなる蓋然性があることを、未必的にせよ認識している必要があります。
車両等を提供するとは、相手方が車両等を利用し得る状態におくことをいい、自己の車両等を相手方に直接貸与することや、相手方に車両等の所在を教えて鍵を渡す行為も該当します。
運転者が酒酔い運転か酒気帯び運転かで、車両提供者の刑事処分の大きさが変わります。
<酒類提供者等への罪>
酒気を帯びて車両等を運転することとなるおそれがある人に対して、酒類を提供したり飲酒を勧めたりしてはなりません。
酒類を提供するとは、相手方の求めに応じて酒類を出すなどして相手方が当該酒類を飲酒できる状態に置くことをいい、当該酒類が有償であるか無償であるかは問われません。
酒類の提供者は、酒類を事実上支配している人であり、酒類販売店や飲食店の経営者や経営者から店を任されている責任者等が客の注文に応じて酒類を出す場合、自宅に訪れた友人等に対して酒類を出す場合等が該当することとなります。
店員であっても、客の注文を受けて自らの判断で酒類を出すことができる場合には、酒類の提供者となります。
酒気帯び運転をするおそれがある人であることを未必的にせよ認識している必要があります。
具体的には、飲食店の常連客等で日常的に飲酒して車両等を運転して帰る人や、車両等を運転するとの言動等を行っている人が該当することになります。
提供者が、提供の相手が飲酒運転をすることとなるおそれがある人であることを知っていたかどうかについては、提供者と被提供者との関係、被提供者の日常の状況、提供者の言動等から総合的に判断することとなります。
飲酒を勧めるとは、相手方の要求の有無にかかわらず酒を飲むよう勧めることです。
運転者が酒酔い運転か酒気帯び運転かで、酒類提供者の刑事処分の大きさが変わります。
<飲酒運転同乗等の罪>
車両の運転者が酒気を帯びていることを知りながら、当該運転者に対し、当該車両を運転して自己を運送することを要求し、又は依頼して、当該運転者が酒気を帯びて運転する車両に同乗してはなりません。
明示的な要求・依頼の文言がない場合であっても、個別具体的な状況から判断して要求・依頼があったと認められる場合があります。
車両の運転者が酒気を帯びていることを認識したうえで自己の運送を要求・依頼して当該車両に同乗することが必要となります。
運転者が酒酔い状態であることを認識していたら、刑事処分が重くなります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では、飲酒運転を含めて多数の交通犯罪を扱ってきました。
北海道で逮捕・勾留され、相談・依頼したいという方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部の弁護士による有料の初回接見サービスをご利用ください。
接見して状況を確認した後、説明させていただいた後に、正式契約となったら事件を対応させていただきます。
迅速な対応が必要となりますので、お早めにご相談ください。
ひき逃げ事件を起こして逮捕された
ひき逃げ事件を起こして逮捕された
ひき逃げ事件は交通犯罪の中でも特に悪質性が高く、重い刑罰を科されることになります。
ひき逃げ事件で成立する犯罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説いたします。
<過失運転致死傷罪>
自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律
(過失運転致死傷)
第5条 自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。
(無免許運転による加重)
第6条 4 前条の罪を犯した者が、その罪を犯した時に無免許運転をしたものであるときは、十年以下の懲役に処する。
本罪は過失犯です。
自動車に関連する事故であっても、自動車の運転に通常随伴する行為に起因しない事故については、本罪の適用対象外であり、過失致死傷罪や業務上過失致死傷罪が問題となります。
自動車の運転上必要な注意とは、運転者が自動車を運転する上で遵守すべき注意義務のことをいいます。
人の死傷と因果関係があるものが対象となります。
前方注視義務、歩行者等の有無を確認しながら安全に進行すべき義務、ハンドル・ブレーキ等の運転を的確にすべき義務、信号機の設置されていない交差点で一時停止や徐行をする義務、等があります。
注意義務違反によって人の死傷結果が発生すると本罪が成立します。
どのような注意義務違反がある場合に本罪が成立するかは、道路の状況、加害者や被害者の状況、事故の発生状況等を個別具体的に検討されて判断されます。
発生した事故からして、どのような措置を取っていれば事故の発生を回避することができたかを具体的状況に即して検討し、運転者に対してそのような措置義務を求めることが可能で相当かを検討して、本罪の成立を判断します。
道路交通法等の関連法規を守っているかどうかは、参考にはされますが、本罪の成立不成立に直結するわけではありません。
本罪が成立するためには、自動車の運転上必要な注意を怠ったことと人の死傷結果との間に因果関係が認められる必要があります。
傷害が軽い場合は、情状により、その刑を免除することができます。
事故の態様、過失の内容・程度、被害状況、慰謝の措置の有無・内容、被害者の処罰意思、本人の反省状況等、一切の事情を考慮して相当と認めるときは、処罰の必要性がないため、判決で刑の言渡しそのものを免除されます。
過失運転致死傷罪を犯したときに無免許運転だった場合は、より罪が重くなります。
無免許運転は、運転免許制度を無視する悪質な行為であり、運転に必要な適性・技能・知識を欠いている可能性があり、危険性の高い行為です。
その結果、人を死傷させる結果を生じた人に対し、より重い処罰を可能とするものです。
罪を犯した時点で、自らが無免許であることを認識している必要があります。
<救護・報告義務違反>
道路交通法
(交通事故の場合の措置)
第72条 交通事故があつたときは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員(以下この節において「運転者等」という。)は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。この場合において、当該車両等の運転者(運転者が死亡し、又は負傷したためやむを得ないときは、その他の乗務員。次項において同じ。)は、警察官が現場にいるときは当該警察官に、警察官が現場にいないときは直ちに最寄りの警察署(派出所又は駐在所を含む。同項において同じ。)の警察官に当該交通事故が発生した日時及び場所、当該交通事故における死傷者の数及び負傷者の負傷の程度並びに損壊した物及びその損壊の程度、当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交通事故について講じた措置(第七十五条の二十三第一項及び第三項において「交通事故発生日時等」という。)を報告しなければならない。
第117条 車両等(軽車両を除く。以下この項において同じ。)の運転者が、当該車両等の交通による人の死傷があつた場合において、第七十二条(交通事故の場合の措置)第一項前段の規定に違反したときは、五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
2 前項の場合において、同項の人の死傷が当該運転者の運転に起因するものであるときは、十年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
第117条の5 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
一 第七十二条(交通事故の場合の措置)第一項前段の規定に違反した者(第百十七条第一項又は第二項に該当する者を除く。)
第119条 次の各号のいずれかに該当する者は、三月以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。
十七 第七十二条(交通事故の場合の措置)第一項後段に規定する報告をしなかつた者
交通事故があったときは、運転者等は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければなりません。
直ちにとは、すぐにという意味で、急迫の程度が高い場合をいいます。
負傷者を救護しとは、現場において応急の手当をすることはもちろん、119番に電話したり、最寄りの病院へ負傷者を運んだりすることをいいます。
道路における危険を防止する等必要な措置を講ずるとは、事故を起こした車両等が道路上に放置され、又は積載物が飛散しており、そのため道路における危険を生じさせるおそれがあるときは、速やかにこれを安全な場所に移動させたりすることをいいます。
交通事故があったときは、当該車両等の運転者等は、警察官に当該交通事故が発生した日時及び場所、当該交通事故における死傷者の数及び負傷者の負傷の程度並びに損壊した物及びその損壊の程度、当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交通事故について講じた措置を報告しなければなりません。
交通事故の当事者である車両等の運転者等にこのような報告義務を課しているのは、警察官が、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図るという見地から、その交通事故の起こった現場の状況を的確に知る必要があるためです。
すぐに警察へ電話して報告しなければなりません。
ひき逃げ事件は特に悪質な犯罪と評価され、逮捕されて重い刑事処分となる可能性が高いです。
まずは安全運転を心掛けて、事故を起こさないことが第一です。
交通事故を起こしてしまったら、すぐに近くに停車し、事故や被害者の状況を確認し、警察に電話して連絡しなければなりません。
もしその場を離れて逃げてしまったら、時間をかけてでも警察が犯人特定のために捜査し、最終的には逮捕されることになります。
逃げたら、逃げていない場合と比較して、大きく刑罰が重くなります。
逮捕されて実名報道されてしまうリスクもあります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では、ひき逃げ事件を含めて多数の交通犯罪を扱ってきました。
北海道で逮捕・勾留され、相談・依頼したいという方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部の弁護士による有料の初回接見サービスをご利用ください。
接見して状況を確認した後、説明させていただいた後に、正式契約となったら事件を対応させていただきます。
逮捕されていない場合でも、ぜひ無料面談をご利用ください。
迅速な対応が必要となりますので、お早めにご相談ください。
危険運転致死傷罪で逮捕された
危険運転致死傷罪で逮捕された
危険運転致死傷罪は交通犯罪の中でも特に重い刑罰を科されることになります。
危険運転致死傷罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説いたします。
<危険運転致死傷罪・1>
自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律
第2条 次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は十五年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は一年以上の有期懲役に処する。
一 アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為
二 その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為
三 その進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させる行為
四 人又は車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に進入し、その他通行中の人又は車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
五 車の通行を妨害する目的で、走行中の車(重大な交通の危険が生じることとなる速度で走行中のものに限る。)の前方で停止し、その他これに著しく接近することとなる方法で自動車を運転する行為
六 高速自動車国道(高速自動車国道法(昭和三十二年法律第七十九号)第四条第一項に規定する道路をいう。)又は自動車専用道路(道路法(昭和二十七年法律第百八十号)第四十八条の四に規定する自動車専用道路をいう。)において、自動車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の前方で停止し、その他これに著しく接近することとなる方法で自動車を運転することにより、走行中の自動車に停止又は徐行(自動車が直ちに停止することができるような速度で進行することをいう。)をさせる行為
七 赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
八 通行禁止道路(道路標識若しくは道路標示により、又はその他法令の規定により自動車の通行が禁止されている道路又はその部分であって、これを通行することが人又は車に交通の危険を生じさせるものとして政令で定めるものをいう。)を進行し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律施行令
(通行禁止道路)
第二条 法第二条第八号の政令で定める道路又はその部分は、次に掲げるものとする。
一 道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第八条第一項の道路標識等により自動車の通行が禁止されている道路又はその部分(当該道路標識等により一定の条件(通行の日又は時間のみに係るものを除く。次号において同じ。)に該当する自動車に対象を限定して通行が禁止されているもの及び次号に掲げるものを除く。)
二 道路交通法第八条第一項の道路標識等により自動車の通行につき一定の方向にするものが禁止されている道路又はその部分(当該道路標識等により一定の条件に該当する自動車に対象を限定して通行が禁止されているものを除く。)
三 高速自動車国道(高速自動車国道法(昭和三十二年法律第七十九号)第四条第一項に規定する道路をいう。)又は自動車専用道路(道路法(昭和二十七年法律第百八十号)第四十八条の四に規定する自動車専用道路をいう。)の部分であって、道路交通法第十七条第四項の規定により通行しなければならないとされているもの以外のもの
四 道路交通法第十七条第六項に規定する安全地帯又はその他の道路の部分
本罪は、故意に危険な運転行為を行った結果として人を死傷させた者を故意犯として処罰するものです。
危険運転行為については、当該行為をそれと認識して行う故意が要求されます。
それによって生じた死傷の結果についての故意は要求されません。
本罪の保護法益は人の生命・身体の安全ですが、危険運転行為そのものを抑止することになり、間接的には交通の安全にも資することになります。
死傷の対象は同乗者を含みます。
本罪が成立するためには、危険運転行為と死傷の結果の間に因果関係が認められる必要があります。
死傷の結果について故意がない場合に成立し、故意がある場合は殺人罪や傷害罪や傷害致死罪等が成立します。
1号の「アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為」は、道路及び交通の状況等に応じた的確な運転操作を行うことが困難な心身の状態をいいます。
思ったとおりにハンドルやブレーキ等を操作することが難しい状態、前方を注視してそこにある危険を的確に把握して対処することができない状態、等をいいます。
2号の「その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為」は、的確な運転操作を行うことが困難になるほどのスピードをいいます。
道路の形状、路面の状況、車両の構造・性能・積載状況等によってその速度は異なります。ハンドルやブレーキ等の操作をわずかに誤っただけでも自車を進路から逸脱させることになるような速度で走行することも含まれます。
3号の「その進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させる行為」は、ハンドルやブレーキ等の基本的な運転装置を操作する初歩的な技能すら有しないことをいいます。
無免許でも技能を有していたら本号に当たりません。
4号の「人又は車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に進入し、その他通行中の人又は車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為」は、歩行者や車の自由で安全な運行を妨げる意図で行われる必要があります。
著しく接近とは、自車を歩行者や車の直近に移動させたり、幅寄せしたり、後方からあおったり、対向車線上を走行して対向車両に著しく接近したりすることをいいます。
重大な交通の危険を生じさせる速度は、自車が人や車と衝突すれば大きな事故を生じさせると一般的に認められる速度、あるいは、相手方の動作に即応するなどして大きな事故になることを回避することが困難であると一般的に認められる速度、を意味します。
5号の「車の通行を妨害する目的で、走行中の車(重大な交通の危険が生じることとなる速度で走行中のものに限る。)の前方で停止し、その他これに著しく接近することとなる方法で自動車を運転する行為」は、加害者車両及び被害者車両の走行速度や位置関係等を前提とした場合に、加害者の運転行為がなされることにより、両車両が著しく接近することとなる場合をいいます。
本条4号の場合と異なり、実行行為の時点で加害者車両と被害者車両の両車が実際に接近していることを要しません。
6号の「高速自動車国道(高速自動車国道法(昭和三十二年法律第七十九号)第四条第一項に規定する道路をいう。)又は自動車専用道路(道路法(昭和二十七年法律第百八十号)第四十八条の四に規定する自動車専用道路をいう。)において、自動車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の前方で停止し、その他これに著しく接近することとなる方法で自動車を運転することにより、走行中の自動車に停止又は徐行(自動車が直ちに停止することができるような速度で進行することをいう。)をさせる行為」は、高速道路においては、自動車を駐停車させること自体が原則として禁止されて想定されていないことから、被害者車両に停止又は徐行をさせる場合には重大な交通の危険が生じる危険性が類型的に高いために、禁止されています。
7号の「赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為」は、故意の赤信号無視のうち、およそ赤信号に従う意思のないものをいいます。
8号の「通行禁止道路(道路標識若しくは道路標示により、又はその他法令の規定により自動車の通行が禁止されている道路又はその部分であって、これを通行することが人又は車に交通の危険を生じさせるものとして政令で定めるものをいう。)を進行し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為」は、道路標識若しくは道路標示により、又はその他法令の規定により自動車の通行が禁止されている道路又はその部分であって、これを通行することが人又は車に交通の危険を生じさせるものとして政令で定めるものを対象としています。
一方通行道路や安全地帯や立入禁止部分等も含みます。
<危険運転致死傷罪・2>
自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律
第3条 アルコール又は薬物の影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、自動車を運転し、よって、そのアルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態に陥り、人を負傷させた者は十二年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は十五年以下の懲役に処する。
2 自動車の運転に支障を及ぼすおそれがある病気として政令で定めるものの影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、自動車を運転し、よって、その病気の影響により正常な運転が困難な状態に陥り、人を死傷させた者も、前項と同様とする。
自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律施行令
(自動車の運転に支障を及ぼすおそれがある病気)
第3条 法第三条第二項の政令で定める病気は、次に掲げるものとする。
一 自動車の安全な運転に必要な認知、予測、判断又は操作のいずれかに係る能力を欠くこととなるおそれがある症状を呈する統合失調症
二 意識障害又は運動障害をもたらす発作が再発するおそれがあるてんかん(発作が睡眠中に限り再発するものを除く。)
三 再発性の失神(脳全体の虚血により一過性の意識障害をもたらす病気であって、発作が再発するおそれがあるものをいう。)
四 自動車の安全な運転に必要な認知、予測、判断又は操作のいずれかに係る能力を欠くこととなるおそれがある症状を呈する低血糖症
五 自動車の安全な運転に必要な認知、予測、判断又は操作のいずれかに係る能力を欠くこととなるおそれがある症状を呈するそう鬱病(そう病及び鬱病を含む。)
六 重度の眠気の症状を呈する睡眠障害
本条は、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で自動車を運転することが実行行為とされています。
結果として正常な運転が困難な状態に陥ることが必要ですが、本法2条とは異なり、その可能性の認識までは不要となります。
その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態とは、自動車を運転するのに必要な注意力・判断能力・操作能力が相当程度減退している状態、あるいは、そのような状態になり得る具体的なおそれのある状態をいいます。
アルコールであれば、一般的には、酒気帯び運転罪に該当する程度のアルコール等を身体に保有している状態をいいます。
<無免許運転による加重>
第6条 第二条(第三号を除く。)の罪を犯した者(人を負傷させた者に限る。)が、その罪を犯した時に無免許運転をしたものであるときは、六月以上の有期懲役に処する。
2 第三条の罪を犯した者が、その罪を犯した時に無免許運転をしたものであるときは、人を負傷させた者は十五年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は六月以上の有期懲役に処する。
以上の犯罪について、無免許運転だった場合は、より重い刑罰となります。
無免許運転は、運転免許制度を無視する悪質な行為であり、運転に必要な適性・技能・知識を欠いている可能性があり危険性の高い行為です。
その結果、人を死傷させる結果を生じた人に対し、より重い処罰を可能とするものです。
罪を犯した時点で、自らが無免許であることを認識している必要があります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では、危険運転致死傷罪を含めて多数の交通犯罪を扱ってきました。
北海道で逮捕・勾留され、相談・依頼したいという方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部の弁護士による有料の初回接見サービスをご利用ください。
接見して状況を確認した後、説明させていただいた後に、正式契約となったら事件を対応させていただきます。
迅速な対応が必要となりますので、お早めにご相談ください。
【解決事例】轢き逃げを疑われて警察沙汰に
【解決事例】轢き逃げを疑われて警察沙汰に
轢き逃げを疑われて警察沙汰となった事例における弁護活動等について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説いたします。
~事例~
北海道札幌市西区在住のAさんは、事件当時、自動車で通勤中でした。
数日後、警察から連絡があり、走行中に隣の車に接触して同乗者が怪我を負った、轢き逃げの疑いがある、と言われました。
しかし、Aさんに心当たりはなく、自動車に傷も見当たりませんでした。
Aさんは否定しましたが、警察は取調べで厳しく追及してきました。
Aさんは、刑事事件に強いと評判の弁護士に相談して依頼することにしました。
≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫
~轢き逃げについて~
道路交通法
(交通事故の場合の措置)
第72条 交通事故があつたときは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員(以下この節において「運転者等」という。)は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。この場合において、当該車両等の運転者(運転者が死亡し、又は負傷したためやむを得ないときは、その他の乗務員。以下次項において同じ。)は、警察官が現場にいるときは当該警察官に、警察官が現場にいないときは直ちに最寄りの警察署(派出所又は駐在所を含む。以下次項において同じ。)の警察官に当該交通事故が発生した日時及び場所、当該交通事故における死傷者の数及び負傷者の負傷の程度並びに損壊した物及びその損壊の程度、当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交通事故について講じた措置を報告しなければならない。
第117条 車両等(軽車両を除く。以下この項において同じ。)の運転者が、当該車両等の交通による人の死傷があつた場合において、第七十二条(交通事故の場合の措置)第一項前段の規定に違反したときは、五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
2 前項の場合において、同項の人の死傷が当該運転者の運転に起因するものであるときは、十年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
第百十七条の五 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
一 第七十二条(交通事故の場合の措置)第一項前段の規定に違反した者(第百十七条の規定に該当する者を除く。)
第120条 次の各号のいずれかに該当する者は、五万円以下の罰金に処する。
十一 第七十二条(交通事故の場合の措置)第二項の規定による警察官の命令に従わなかつた者
自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律
(過失運転致死傷)
第5条 自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。
轢き逃げは重い犯罪で、厳しい処分を受けることになります。
しかし、実際に自動車にぶつかったことを運転者が認識していないと、犯罪は成立しません。
運転者の認識の有無を、具体的状況から判断していくことになります。
~轢き逃げ事件における弁護活動~
弁護士があらためて自動車を調べましたが、傷らしい傷は見当たりませんでした。
実況見分に立ち合い、状況を確認しました。
ドライブレコーダー映像を見ることができ、確認しました。
確かに少し接触して自動車が揺れているけれど、気付かなくてもおかしくない程度で、相手方も怪我を負うような状況ではありませんでした。
しかし、相手方が警察や保険会社等に強く被害を訴えてきていたみたいです。
取調べでは毅然とこちらの言い分を述べるようにして、弁護士が検察官に意見書を提出したところ、Aさんは不起訴となりました。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は、轢き逃げ事件を含む刑事事件を専門的に扱っている法律事務所です。
弊所には、轢き逃げ事件に関する弁護活動を日々行っている弁護士が多数所属しています。
北海道札幌市西区にて轢き逃げ事件を起こしてしまったご家族やご知人は、年中無休で対応している弊所フリーダイヤル(0120-631-881)までまずはご連絡ください。
担当の者が、逮捕された方に対する弁護士による早期接見(面会)サービスなどについて、分かりやすくご案内差し上げます。
【解決事例】無免許運転をして人身事故を起こし、逮捕されて裁判に
【解決事例】無免許運転をして人身事故を起こし、逮捕されて裁判に
無免許で人身事故を起こした事例における弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説いたします。
~事例~
北海道札幌市南区在住のAさんは、多くの交通違反を繰り返し、自動車運転免許取り消し処分を受けていました。
にもかかわらず、Aさんは運転を継続していました。
ある日、ドライブの帰りに、信号を見落とし、停止中の自動車の後ろから衝突してしまいました。
警察に通報され、無免許であることがばれて、Aさんは逮捕されました。
数日後に釈放されましたが、数か月後にAさんは起訴されました。
Aさんは、刑事事件に強いと評判の弁護士に相談して依頼することにしました。
≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫
~無免許過失運転致傷罪について~
自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律
(過失運転致死傷)
第五条 自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。
(無免許運転による加重)
第六条 4 前条の罪を犯した者が、その罪を犯した時に無免許運転をしたものであるときは、十年以下の懲役に処する。
無免許運転は悪質性が高く、厳しい処分となってしまいます。
何度も繰り返すほど、より重い処分となります。
二度と犯罪を繰り返さないように示していく必要があります。
~無免許過失運転致傷事件における弁護活動~
まずは自動車を廃車処分にしました。
Aさんは高齢で助けてくれる親族がいませんでしたが、今後は公共交通機関を利用するようにしました。
無免許運転自体は許されないことですが、その運転頻度はそれほど多くはありませんでした。
裁判できちんと反省の旨を示し、Aさんは執行猶予判決となりました。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は、無免許運転事件を含む刑事事件を専門的に扱っている法律事務所です。
弊所には、無免許運転事件に関する弁護活動を日々行っている弁護士が多数所属しています。
北海道札幌市南区にて無免許運転事件を起こしてしまったご家族やご知人は、年中無休で対応している弊所フリーダイヤル(0120-631-881)までまずはご連絡ください。
担当の者が、逮捕された方に対する弁護士による早期接見(面会)サービスなどについて、分かりやすくご案内差し上げます。