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器物損壊罪で告訴取消を目指す

2021-08-09

器物損壊罪で告訴取消を目指す

他人の物を損壊した場合に成立する器物損壊事件と、告訴取消を目指す弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。
【ケース】
北海道札幌市手稲区在住のAは、札幌市手稲区内の会社に勤める会社員です。
Aは隣人Vの騒音が気になり複数回注意したのですが聞き入れられず、トラブルに発展していました。
Aは我慢の限界に達し、Vの自宅の前に置いていた自転車を無断で持出し、駅前にある駐輪スペースに置いて帰りました。
自転車がなくなっていることに気づいたVは、札幌市手稲区を管轄する手稲警察署に相談したうえで、器物損壊罪の告訴状を提出しました。
Aはこの件で、取調べを受けることになっています。

≪ケースはすべてフィクションです。≫

【物を隠して器物損壊罪に?】

Aは他人であるVの自転車を持ち出しています。
そのため、窃盗罪にあたるのではないかとお考えの方もおられるでしょう。
しかし、窃盗罪は「不法領得の意思」を必要としています。
不法領得の意思とは、権利者を排除し他人の物を自己の所有物と同様にその経済的用法に従いこれを利用し又は処分する意思を指します。
つまり、持出した物を自分で使用したり、他人に渡したり、転売するなどした場合に成立する罪となっています。
Aのように、Vに対する嫌がらせ目的で物を隠しただけで、その自転車は放置したまま使用していないという場合には不法領得の意思が認められず、窃盗罪は成立しません。

他方で、他人の物を隠した場合には器物損壊罪にあたる可能性があります。
器物損壊罪というと、他人の物を壊した場合に成立するイメージがあるかと思いますが、判例は物は壊していないものの嫌がらせ目的で他人の物を隠したという事件について、器物損壊罪の適用を認めています。

【親告罪は告訴を要する】

刑法に規定されている罪のうち、
・親書開封罪、秘密漏洩罪
・未成年者略取、誘拐罪
・名誉毀損罪、侮辱罪
・過失傷害罪
・私用文書等毀損罪、器物損壊罪、信書隠匿罪
その他、親族相盗例にあたる罪等については、親告罪と規定されています。
親告罪は、「告訴がなければ公訴を提起することができない」と定められています。
親告罪の対象事件を起こした場合、捜査機関は被疑者を捜査することはできますが、証拠を集めた場合でも被害者等の刑事告訴がなければ被疑者を起訴することができない、ということです。

【告訴取消を求める弁護活動】

親告罪で捜査を受けている場合、刑事告訴を回避する、あるいは告訴を取り下げることができれば、起訴されることはなく刑事裁判には発展しないことになります。
そのため、被害者に対して謝罪と賠償を行い告訴を取り下げてもらえないかと交渉することが重要な弁護活動になります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
北海道札幌市手稲区にて、他人の物を隠すなどの器物損壊罪をはじめとした親告罪事件で捜査対象になっている場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。
在宅事件の場合、事務所にて無料で相談を受けることができます。

飲酒運転による人身事故②

2021-08-05

飲酒運転による人身事故②

飲酒運転をしてしまい、結果として人身事故になってしまった場合の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。
【ケース】
北海道札幌市厚別区在住のAは、札幌市厚別区内で自営業をしています。
ある日、Aは札幌市厚別区内の飲食店で酒を飲み、記憶がないまま気が付いたら自分の車で飲酒運転をしていて、歩行者を跳ね飛ばす人身事故を起こしていました。
目撃者の通報を受けて臨場した札幌市厚別区を管轄する厚別警察署の警察官は、Aを危険運転致傷罪で現行犯逮捕しました。

≪ケースはすべてフィクションです。≫

【飲酒運転で成立する罪】

≪前回のブログをご覧ください。≫

【人身事故で成立する罪】

≪前回のブログをご覧ください。≫

【飲酒運転での人身事故】

最後に、上記2つが合わさり、ケースのように飲酒運転の結果人身事故を起こしてしまった等場合の罪について、検討していきます。

この場合、自動車運転処罰法の定める「危険運転致傷罪」が成立します。
危険運転致死傷罪は2種類が用意されています。
条文は以下のとおりですが、2条は正常な運転(ブレーキやハンドル操作など)が困難な状態で運転する場合に成立する罪で、3条は、2条ほどではないものの、正常な運転に支障がでる「恐れがある状態」で運転をしていた場合に成立する罪です。

自動車運転処罰法3条 アルコール又は薬物の影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、自動車を運転し、よって、そのアルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態に陥り、人を負傷させた者は十二年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は十五年以下の懲役に処する。

2条 次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は十五年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は一年以上の有期懲役に処する。
1号 アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為

【飲酒運転で人身事故を起こした場合の弁護活動】

前章では、飲酒運転による人身事故がいかに重い罪であるかを説明致しました。
このような事件・事故では、どのような弁護活動が考えられるのか、以下で検討していきます。

人身事故という部分に関していうと、ケガをしたり死亡してしまった被害者が存在します。
この方との間で示談交渉を行うことは、弁護人として重要な活動の一つと言えます。
人身事故を起こした方の中には、「任意保険に加入しているから弁護士に依頼する必要はないだろう」とお考えの方が少なくありません。
しかし、通常任意保険の会社は民事上の紛争解決を担うのみで、刑事上の問題については取り扱ってくれません。
刑事事件の責任という観点でいうと、弁護士に依頼をして、弁護士による示談交渉を行い、宥恕(被害者が加害者に対して刑事責任を望まない)という約定を設けることが重要な弁護活動になります。

他方で、飲酒運転そのものについては被害者がいる事件ではないので、示談というわけにはいきません(人身事故を起こした際の示談交渉で、飲酒運転を認めて謝罪する約定を設ける場合はあります。)。
そこで、贖罪寄附をすることで減刑を求める弁護活動が考えられます。
贖罪寄附は各弁護士会や法テラスなどの制度で、寄附したお金は被害者支援などに用いられます。
飲酒運転の場合、交通贖罪寄附という交通事故の被害者に対する救済等を目的とする贖罪寄附を選択する方もおられます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では、飲酒運転人身事故、その両方にあたる危険運転致傷罪などの刑事事件にあたる交通違反行為の弁護活動の実績があります。
北海道札幌市厚別区にて、飲酒運転人身事故、その両方にあたる行為をしてしまい捜査対象になっている場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部に御相談ください。

飲酒運転による人身事故①

2021-08-02

飲酒運転による人身事故①

飲酒運転をしてしまい、結果として人身事故になってしまった場合の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。
【ケース】
北海道札幌市厚別区在住のAは、札幌市厚別区内で自営業をしています。
ある日、Aは札幌市厚別区内の飲食店で酒を飲み、記憶がないまま気が付いたら自分の車で飲酒運転をしていて、歩行者を跳ね飛ばす人身事故を起こしていました。
目撃者の通報を受けて臨場した札幌市厚別区を管轄する厚別警察署の警察官は、Aを危険運転致傷罪で現行犯逮捕しました。

≪ケースはすべてフィクションです。≫

【飲酒運転で成立する罪】

まずは、飲酒運転をしていたところ、単独事故を起こしてしまった、あるいは飲酒検問や職務質問で飲酒運転が発覚してしまった等、人身事故は発生していない場合の罪について検討します。
御案内のとおり、体内にアルコールが入った状態で運転することは禁止されています。
道路交通法65条1項では、「何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。」と規定されています。
法律上、飲酒運転という罪は存在せず、道路交通法上の酒気帯び運転又は酒酔い運転と呼ばれる禁止行為が問題となります。
条文は以下のとおりです。
・酒気帯び運転(呼気中のアルコール濃度が0.15mg/L以上の場合)
道路交通法117条の2の2 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
 3号 第六十五条(酒気帯び運転等の禁止)第一項の規定に違反して車両等(軽車両を除く。次号において同じ。)を運転した者で、その運転をした場合において身体に政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態にあつたもの

・酒酔い運転(酩酊状態で、直進歩行ができない、受け答えができない、呼気中のアルコール濃度が極めて高い場合など)
同117条の2 次の各号のいずれかに該当する者は、五年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
1号 第六十五条(酒気帯び運転等の禁止)第一項の規定に違反して車両等を運転した者で、その運転をした場合において酒に酔つた状態(アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態をいう。以下同じ。)にあつたもの

【人身事故で成立する罪】

次に、飲酒運転ではない場合に人身事故を起こした場合の罪について検討します。
平成19年以前は、人身事故の刑事処分について、刑法の業務上過失致傷罪が適用されていました。
しかし、凄惨な事故による厳罰化の声にこたえる形で、平成19年の刑法改正により自動車運転過失致傷罪が新設され、業務上過失致死傷罪に比べ厳しい刑事罰が科されることになりました。
更に、平成25年には自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(通称:自動車運転処罰法)の制定により、刑法上の規定は削除され、さらに厳しい刑事罰が科せられるようになりました。

現在は自動車運転処罰法の定める過失運転致死傷罪の適用が考えられます。
条文は以下のとおりです。

自動車運転処罰法5条 自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

【飲酒運転での人身事故】

≪次回のブログをご覧ください。≫

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では、飲酒運転や人身事故、その両方にあたる危険運転致傷罪などの刑事事件にあたる交通違反行為の弁護活動の実績があります。
北海道札幌市厚別区にて、飲酒運転人身事故、その両方にあたる行為をしてしまい捜査対象になっている場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部に御相談ください。

則竹弁護士が取材を受けコメントが東京新聞に掲載されました

2021-07-29

則竹弁護士が取材を受けコメントが東京新聞に掲載されました

密漁について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の代表弁護士則竹理宇が取材を受け、コメントが7月15日発行の東京新聞に掲載されました。

潮干狩り感覚の密漁で摘発されるケースが多発

これからの季節、海でのレジャーに出かける方も多いかと思いますが、海に生息する魚介類をむやみに採って持ち帰ると「密漁」となり、漁業法や、各都道府県が定める漁業調整規則に違反する可能性があるので注意が必要です。
中には、潮干狩り感覚で罪の意識がないままに禁止場所で貝類を採ってしまい、密漁として摘発を受けている方もいるようなので十分にお気をつけください。
また実際に各地でこういった事件の摘発が多発しており、海上保安庁等に検挙されると、管轄の検察庁に書類送検されて、刑事罰が科せられる可能性もあります
新聞記事には、こういった「密漁」に関して、漁業協同組合への取材内容や、専門家の意見を掲載し注意を呼び掛けています。

則竹弁護士のコメント

こういった密漁事件に巻き込まれないためにどうすればいいのかについて、則竹弁護士は「管轄の漁協に確認を取ってもらうのが確実だが、それが難しければ、人がいない場所では特に採取や立ち入りを禁止した看板などがないかチェックする。潮干狩り場以外では採ることを避けるのが賢明だ。」とコメントしています。

東京新聞(7月15日発行)の記事

NHK総合おはよう日本で則竹理宇弁護士が取材協力及びコメント映像出演

2021-07-20

2021 年 7 月 17 日(土) 午前 7 時~放送のNHK総合おはよう日本「特集けさのクロース゛アッフ゜」で、児童ポルノ事件に詳しい弁護士として弊所代表の則竹理宇弁護士が取材協力及びコメント映像出演を致しました。

【番組 URL】 https://www.nhk.jp/p/ohayou/ts/QLP4RZ8ZY3/blog/bl/pzvl7wDPqn/

 

番組では、「児童ポルノ被害 拡散背景に違法サイト」という特集の中で、コロナ禍て゛拡大する児童ポルノビジネスの様相、犯罪摘発の現場、そして被害者救済の現場から長期化する被害の実態や被害をなくすために社会は何か゛出来るのか考える内容となっております。
弊所代表の則竹理宇弁護士は、児童ポルノ事件を多数取り扱ってきた刑事弁護士としての立場から、一般人でも気軽に参入できる児童ポルノの売買の実態や、児童ポルノ及び自撮り被害の現状について取材協力及びコメント映像の提供をしております。

強姦事件で情状弁護

2021-07-15

強姦事件で情状弁護

いわゆる強姦事件を起こした場合に問題となる罪と、その際に行う情状弁護について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。
【ケース】
北海道札幌市白石区在住のAは札幌市白石区内の会社に勤める会社員です。
Aは一人で酒を飲んで泥酔していたところ、札幌市白石区内の路上で帰宅途中のVが歩いているところを目撃しました。
Aは劣情を催して後をつけ、公衆トイレに入ったところを確認して個室トイレのドアをこじ開けてVの口に自分の衣服を巻き付け、声を上げられないようにして無理やり性行為に及ぶ、いわゆる強姦をしました。
事件後、恐ろしくなってAはその場を離れましたが、数時間後に札幌市白石区内を管轄する白石警察署に行き、自首しました。

≪ケースはすべてフィクションです。≫

【強姦について】

相手の合意に基づかずに性行為やそれに類する行為は強姦と呼ばれています。
以前は強姦罪という条文がありましたが、刑法の改正により強制性交等罪という罪になりました。
これにより、従来の男性が女性の性器に陰茎を入れる強姦行為だけでなく、男性が男性の肛門に性器を入れる肛門性交、男性が男女の口に性器を入れる口腔性交についても強制性交「等」に含まれることとなり、事件の対象になりました。

ケースのように突然個室トイレのドアをこじ開けて進入し、無理やり性行為をした場合には強制性交等罪が適用されると考えられます。

条文は以下のとおりです。
刑法177条 十三歳以上の者に対し、暴行または脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交をした者は、強制性交等の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。十三歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

【情状弁護とは】

一般の会話などでも「情状酌量の余地あり」などという場合があるかもしれません。
刑事事件では、この情状と呼ばれる事情を主張することで、弁護人が被告人の量刑をより軽くするための弁護活動を行うことになります。

そもそも、刑事事件の裁判官は、刑事裁判で弁護側・検察官側双方の主張を聞き、被告人が有罪か無罪か、有罪だった場合はその量刑(どれくらいの刑事罰を科すことが妥当か)を判断します。
その過程で、検察官は捜査段階で収集した証拠に基づき、被告人が起こした事件について説明したうえで、その証拠などを列挙します。
反対に、弁護人は被告人が犯人性を否認している場合であれば証拠についての異議申立てなどを行うほか、認めている場合には情状弁護を行い減刑を目指します。

情状には、犯情(事実)と一般情状があります。
犯情とは、被告人がどのような事件を起こしたかという点にあります。
例えば、Aがガムテープや紐などを用意する、連絡をして待ち伏せしていたなどの計画的な犯行ではないという点や、飲酒の上での犯行であることなどが挙げられるでしょう。
一般情状は、例えば事件後にAが被害者に対して贖罪の意思を表していることや、被害弁済・示談を行った等、前科の有無、性に対するカウンセリングを受け、プログラムを受けている等の事情が挙げられます。

【情状を求める弁護活動は早期対応が必要】

Aの行為が卑劣であると評価されることは、言うまでもありません。
しかし、自責の念に駆られているだけでは、被害者の救済には繋がらず、被告人の家族にも迷惑が掛かると考えられます。

特に、強制性交等罪は、5年以上(20年以下)の有期懲役で、懲役刑に執行猶予を付けるためには3年以下である必要があることから、被告人にとって有利な事情を主張していかなければ実刑判決を受けることになります。
そのため、情状弁護は極めて重要です。

とはいえ、とりわけ一般情状の部分は一朝一夕にできるわけではなく、長期に亘り性依存症などのカウンセリングに通院したり、示談交渉をしたり、家族の監督体制を整えたりと、裁判までに多くの対応が求められます。
そのため、早期に弁護士に事件を依頼して、弁護活動に着手する必要があります。

北海道札幌市白石区にて、ご家族が強制性交等罪などの刑事事件で逮捕され、情状弁護について知りたいという方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。

人身事故で在宅起訴

2021-07-12

人身事故で在宅起訴

車やバイクを運転していて事故を起こしてしまい、自分以外の者が怪我をしてしまった人身事故の場合の罪と在宅起訴について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。
【ケース】
北海道札幌市北区在住のAは、札幌市北区内の会社に勤める会社員です。
Aは大型バイクの免許を取得して1年が経過し、後ろに人を乗せても問題がない状況になったことから、Vを後ろに乗せてドライブに行っていました。
その際、Aは制限速度40km/hの一般道を90km/hで走行していました。
運転中、Aはカーブを曲がりきれず、ガードレールに衝突してAとVとはガードレール下に投げ飛ばされてしまいました。
Aは一命をとりとめましたが、Vは頭や体を強く打ち、死亡してしまいました。

Aは救急搬送され、その後逮捕などはされませんでしたが在宅起訴されました。

≪ケースはすべてフィクションです。≫

【人身事故について】

人身事故というと、車同士がぶつけて相手が怪我をした場合や、車がバイクや歩行者をはねた場合を想像しがちですが、ケースのように自分が運転していた車で同乗者が怪我をした場合にも、いわゆる人身事故として扱われる場合があります。

通常、後ろに乗っていた同乗者が吹き飛ばされるなどした結果死亡してしまった場合、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(自動車運転処罰法)に規定されている「過失運転致死罪」に当たります。

ただし、ケースのAは、制限速度を大幅に超えた速度でバイクを走行させ、その結果カーブを曲がりきれずにガードレールに衝突し、同乗者が死亡するに至っています。
この場合、過失運転致死罪ではなく、同じく自動車運転処罰法に定められている「危険運転致死罪」が適用されることが考えられます。
危険運転致死罪は飲酒や薬物乱用により制御できずに引き起こした事故のほか、「その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為」や「その進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させる行為」でも成立します。(自動車運転処罰法2条2号、3号)
Aは制限速度を大幅に超える速度で走行し、かつ免許を取得してから1年経ったばかりであることから、危険運転致死罪と評価される可能性が十分にあります。
なお、法定刑は以下のとおりです。

過失運転致死罪:7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金
危険運転致死罪:1年以上の有期懲役

【在宅起訴について】

SNSなどを見ていると、「逮捕=罰」という印象をお持ちの方がおられるように感じます。
しかし、逮捕・勾留といった手続きは、捜査に必要な場合にのみ認められる措置であり、逮捕・勾留された時点では起訴されるかどうか分かりません。
捜査の結果、被疑者が嫌疑不十分や起訴猶予などを理由に不起訴になるということも少なくありません。
また、逮捕・勾留されていない場合でも、捜査機関が証拠を収集し、検察官が起訴することが妥当だと判断した場合には、在宅起訴されることがあります。
在宅起訴の場合でも、事件の内容次第では、被告人は実刑判決を受けることがあります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では、逮捕・勾留されてしまった方の御家族によるご依頼はもとより、逮捕・勾留はされなかったが在宅起訴されるという方の相談についても対応しています。

在宅起訴される場合、事件発生から数ヶ月、あるいは1年以上かかることも少なくありません。
そのため、安心感や気の緩みが生じるという方もおられるようです。
しかし、来る刑事裁判では厳しい尋問を受け、結果として実刑判決を言い渡されることもあるのです。

北海道札幌市北区にて、人身事故と呼ばれる事故を起こして過失運転致死罪危険運転致死罪に問われ、今後在宅起訴される可能性があるという方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。
在宅事件の場合、事務所にて無料でご相談を受けることができます。

書類送検されて刑事裁判に

2021-06-24

書類送検されて刑事裁判に

飲酒運転で問題となる罪と、書類送検後に刑事裁判になる場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。
【ケース】
北海道札幌市西区在住のAは、札幌市西区内の会社に勤める会社員です。
ある日、Aは仕事帰りに札幌市西区内の飲食店に行き、酒を飲みました。
その後、Aは代行運転を利用して自宅に帰ろうとしたのですが、代行運転がすぐには来られないことが分かり、泥酔していて判断力が鈍っていたAは、代行運転を待たずに自分で運転を始めました。
しかし、Aは信号停車中に居眠りをしてしまい、それを見たパトロール中の札幌市西区を管轄する札幌方面西警察署の警察官は、Aを起こしたうえで、呼気検査を行い、飲酒運転であることを指摘しました。
その後数度の取調べを受け、最終的に書類送検するからと言われたAは、書類送検された場合にも刑事裁判に発展するのか、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士に相談をしました。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【飲酒運転について】

飲酒運転が法律に違反する行為であることは、ご案内のとおりです。
では、どのような罪にあたりどのような刑罰に処されるのでしょうか。
以下で解説します。

・酒気帯び運転
飲酒運転事件の場合、基本的に運転中あるいはその前後を捜査機関に目撃された後、その場で呼気検査を行うことで罪に当たるのか確認します。
その結果、呼気中のアルコール濃度が0.15mg/L以上だった場合、酒気帯び運転とされます。
なお、Aのように停車中に発覚した場合であっても、居酒屋付近の防犯カメラの映像や居酒屋店員の供述次第で、停車していた場所まで飲酒運転をしていたという立証を行うことができれば、捜査機関が酒気帯び運転を現認していなかった場合でも立証することはできると考えられます。

酒気帯び運転に関する条文は以下のとおりです。
道路交通法65条1項 何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。
道路交通法117条の2の2 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
同4号 第六十五条(酒気帯び運転等の禁止)第一項の規定に違反して車両等(軽車両を除く。次号において同じ。)を運転した者で、その運転をした場合において身体に政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態にあつたもの

・酒酔い運転
酒酔い運転は、酒気帯び運転より酷く酒に酔った状態で運転をした場合に成立します。

飲酒運転酒気帯び運転なのか酒酔い運転なのかについては、呼気検査で呼気に含まれているアルコールの量や、応答の様子、歩行検査(直線を、ふらつかず直進で歩行できるかどうか)等により判断されます。
ここで注意したいのは、酒酔い運転のアルコール基準値自体はないという点です。
酒酔い運転で捜査される方の多くは酒気帯び運転の基準値の数倍が検出されて検挙に至る場合が多いですが、アルコールにとても弱い人などが呼気検査を受けて0.15mg/L未満だった場合でも、歩行検査や応答の様子が明らかに酒酔いの状況であると判断された場合、酒酔い運転として捜査の対象になります。

酒酔い運転に関する条文は以下のとおりです。
道路交通法117条の2 次の各号のいずれかに該当する者は、五年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
同1号 第六十五条(酒気帯び運転等の禁止)第一項の規定に違反して車両等を運転した者で、その運転をした場合において酒に酔つた状態(アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態をいう。以下同じ。)にあつたもの

【書類送検後に刑事裁判に発展】

刑事事件の場合、身柄を拘束されて手続きが進められる身柄事件と、身柄を拘束せずに自宅に居ながら呼び出しを受けたら警察署や検察庁に行くという在宅事件の2種類があります。
書類送検という言葉を報道等で聴くことがあるかと思いますが、書類送検は在宅事件で警察署などが検察庁に事件の記録を送ることを指します。(身柄事件の場合は逮捕後に身柄と書類が一緒に送検されます。)
逮捕と聞くとそれ自体が懲罰のようなイメージをお持ちの方がおられますが、決してそうではなく、身柄事件は証拠を隠滅したり逃亡したりする等の可能性がある被疑者の身柄を拘束して捜査を行うことを目的としています。
酒気帯び運転酒酔い運転の事案では、そもそも逮捕されなかったり、されたとしてもすぐに釈放されるケースが珍しくありません。
しかし、在宅事件だったから、あるいは釈放されたからといって安心していたら、最終的に裁判所から起訴状が届いたというお話を聞くことは少なくありません。
酒気帯び運転酒酔い運転で検挙された場合、たとえ在宅事件だからと言って安心することなく、すぐに弁護士に相談することをお勧めします。

北海道札幌市西区にて、酒気帯び運転酒酔い運転で検挙され、在宅捜査を受けている方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。
在宅事件の場合、事務所にて無料でご相談いただけます。

強盗による死亡事件で裁判員裁判に

2021-06-21

強盗による死亡事件で裁判員裁判に

強盗が被害者を殺害してしまった場合の罪と、裁判員裁判制度について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。
【ケース】
北海道札幌市東区在住のAは、札幌市東区でアルバイトをしながら生活をしています。
しかし、昨今の情勢からアルバイト先が休業においやられ、A自身の収入が途絶えてしまいました。
生活に困ったAは窃盗をしようと考え、留守中のV宅に忍び込んで金品を探していました。
しかし、その間にVが自宅に帰ってきて窃盗をしていたAに気付き、通報しようとしました。
Aは通報されてはいけないと思い、近くにあったゴルフクラブでVの頭部を3発殴ったところ、Vは死亡してしまったという居直り強盗事件です。

札幌方面東警察署の警察官は、捜査の結果Aによる強盗事件であるとして、Aを強盗殺人の嫌疑で逮捕しました。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【強盗が被害者を死亡させてしまった】

強盗が被害者を死傷させてしまったという痛ましい事件について、実はいくつかのパターンがあり、それぞれで罪が異なります。
以下で、それを検討していきます。

①予定して被害者を死傷させ、金品を奪った
予め準備をしたうえで被害者宅などに行き、被害者を死亡させたり怪我させたりしたうえで通報させないようにして、金品を奪っていった場合には、強盗殺人強盗傷害罪が成立します。
強盗殺人罪の条文は以下のとおりです。
刑法240条 強盗が、人を負傷させたときは無期または六年以上の懲役に処し、死亡させたときは死刑又は無期懲役に処する。

つまり、
被害者に怪我をさせて金品を奪った強盗傷害事件:「6年以上の懲役」又は「無期懲役」
被害者を死亡させて金品を奪った強盗殺人事件:「無期懲役」又は「死刑」
となります。

②予定外に被害者が帰宅したため、口封じのため死傷させた
ケースはこの場合を想定しています。
空き巣などのために家に入ったものの、犯行中に被害者が自宅に帰ってきた場合などで、とっさに相手に暴行を加えた結果、これは居直り強盗と呼ばれるものです。
居直り強盗は、「事後強盗」と呼ばれる罪にあたります。
条文は以下のとおりです。
刑法238条 窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕をまぬかれ、又は罪跡を隠滅するために、暴行又は脅迫をしたときは、強盗として論ずる。

罰条は、「強盗として論ずる」と定められていますので、①と同様です。
ケースの場合はVが死亡しているため、事後強盗致死罪が成立し、死刑又は無期懲役刑に処されることになります。

③被害者を死亡させたのち、落ちていた金品を拾った
強盗の目的ではなく、遺恨がある相手などを殺害したのち、そばにあった金品や落とした財布などを見て持ち帰る意思が生じ、それらを持ち去った場合、これは①②とは異なります。
予めお金を盗る目的で入った①②とは異なり、もともとはお金を盗る意思がなく、相手が死亡したのちにこの金品を盗んでやろうと考えているため、強盗の故意がないため、強盗殺人罪や事後強盗致死罪は成立しません。
これについて、判例は、このような事件について、死亡した直後であっても占有が継続しているという立場をとり、殺人罪と窃盗罪が成立するとしています。
なお、学説には判例同様に殺人罪と窃盗罪を認める説のほかに、強盗殺人を認める説、殺人罪と占有離脱物横領罪を認める説があります。

【裁判員裁判制度について】

裁判員裁判とは、職業裁判官(司法試験に合格して裁判官に任命された者)3名のほかに、選挙権を有する18歳以上の一般人から無作為に選出される裁判員6名が合議体を組み、被告人の有罪/無罪と有罪の場合の刑罰を決めるというものです。

裁判員裁判対象事件は
⑴死刑又は向きの懲役若しくは禁錮にあたる罪に係る事件
⑵裁判所法第26条第2項第2号に掲げる事件であつて、故意の犯罪により被害者を死亡させた罪に係るもの
とされています。(裁判員の参加する刑事裁判に関する法律2条1項各号)

強盗殺人罪の場合も殺人罪(+窃盗罪)の場合も、刑罰に死刑又は無期懲役刑が用意されているため、⑴にも⑵あたり、裁判員裁判の対象事件となります。

裁判員裁判は、一般の裁判員が加わるため、弁護側も検察官側もフローチャートを用いたり量刑資料(これまでの裁判ではこのような刑罰が言い渡されている、といった資料)を提示したりと、通常の刑事裁判に比べて準備が必要です。
よって、裁判員裁判の対象事件で起訴される可能性がある方、起訴された方は、裁判員裁判の経験がある刑事事件専門の弁護士に依頼をすることが望ましいと言えます。
北海道札幌市東区にて、ご家族が強盗殺人罪や事後強盗致死罪などの裁判員裁判対象事件を起こしてしまった場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。

略式手続でも前科になる

2021-06-10

略式手続でも前科になる

未成年者とのわいせつ行為で問題となる罪と、略式手続、及び前科について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。
【ケース】
北海道苫小牧市在住のAは、苫小牧市内の会社に勤める会社員です。
ある日、AはSNSで知り合ったXと苫小牧市内で会うことになりました。
Xのプロフィール欄には「17歳女子高生」と書かれていて、Aはそれを承知したうえで食事をしました。
その後、Aは「性行為をしなければ大丈夫だろう」と考え、苫小牧市内にあるAの自宅にてXの衣服を脱がせて胸に触るなどのわいせつな行為をしました。

後日、苫小牧市を管轄する苫小牧警察署の警察官からAの携帯電話に連絡が来て、未成年者とのわいせつ行為について話を聞きたいので署まで来てほしいと言われました。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【未成年者とのわいせつ行為】

ここでいう未成年者とは、18歳未満が対象となります。
双方が同意したうえで行われた18歳以上同士の性的な関係については、基本的に処罰の対象外です。
一方で、未成年者とのわいせつ行為は、未成年者の同意があると否とに関わらず、刑事処分の対象となります。

・金銭のやり取りがあれば児童買春に
未成年者(児童)に対価を渡す、対価を渡す約束をする、未成年者の保護者に対価を渡すことで未成年者と性行為・わいせつな行為をした場合、児童買春になります。
児童買春は、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律により禁止され、違反した場合の罰条は「五年以下の懲役又は三百万円以下の罰金」とされています。

・金銭のやり取りがなくても青少年保護育成条例違反に
対価を渡さずに性行為・わいせつ行為をした者については、各都道府県が定める青少年健全育成条例(自治体により罪名が異なります。)に違反します。
ケースは北海道内の事件ですので、北海道青少年健全育成条例が問題となります。
この条例では、未成年者(青少年)に対して、淫行又はわいせつな行為をしたり、させたり、教えたり、見せたりする行為を禁止しています。
淫行又はわいせつな行為をした・させた場合には「2年以下の懲役又は100万円以下の罰金」に、見せたり教えたりした場合には「1年以下の懲役又は50万円以下の罰金」に、それぞれ処されます。

【略式手続とは】

検察官が通常の起訴ではなく略式起訴をした場合には、公開の法廷で裁判が行われることなく裁判が終了します。
略式手続略式起訴)は、事案が明白で簡易な事件であって、100万円以下の罰金または科料(1000円以上1万円以下)に相当する事件が対象で、被疑者が罪を認めている場合に行われる手続で、基本的には郵送で届く納付書に基づいて罰金を納付、身柄事件の場合には勾留の満期日に納付することで釈放される場合もあります。

【略式手続でも前科になる】

前科とは、過去に刑事事件で有罪判決を受けて刑事罰を受けた履歴を指します。
刑事事件で有罪判決を受けた場合、死刑・懲役刑・禁錮刑・罰金・拘留・科料及び没収という刑罰を受けます。
懲役2年、執行猶予4年など、執行猶予付き有罪判決を受けた場合も、前科に含まれます。

前述のとおり、略式手続で言い渡される刑は罰金刑ですが、これも刑事罰ですので、略式手続を受けた場合は前科がつくことになります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
北海道苫小牧市で未成年者とのわいせつ行為で捜査対象になっている方、略式手続について知りたい方、前科を回避したい方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご連絡ください。
在宅事件の場合、事務所にて無料で相談ができます。

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