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大麻を栽培

2021-04-05

大麻を栽培

自宅などで大麻栽培した場合に問題となる罪と弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。
【ケース】
北海道札幌市厚別区在住のAは、札幌市厚別区内の会社に勤める会社員です。
Aは手っ取り早い副業を始めようと考えたところ、友人から「大麻栽培をすればよいのではないか」と言われ、SNSを通じて大麻の種子を購入し、インターネットで閲覧した方法で発芽させ、栽培を始めました。
そして、収穫が可能なまでに大麻草を育成させ、収穫してSNS上で販売していました。
ところが、大麻草の独特な臭いが原因で近隣住民に気が付かれ、通報を受けて内偵捜査を行った札幌市厚別区を管轄する札幌方面厚別警察署の警察官は、Aを大麻草を栽培していたことによる大麻取締法違反で逮捕しました。
逮捕の知らせを受けたAの家族は、大麻草を栽培した場合の罪について刑事事件専門の弁護士に質問しました。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【大麻について】

当然、違法薬物の一種とされている大麻についてはネガティブなイメージがありますが、歴史的に見ると、重要な役割を果たしてきたと言われています。

大麻は麻とも呼ばれ、茎から丈夫な繊維が取れる植物であるため、我が国では衣服やしめ縄などに乾燥させた麻を使ってきた歴史があります。
また、日常で七味唐辛子を使うという方は多いかと思います。
例えば某長野の有名な七味唐辛子の場合、その成分表示には唐辛子の他に陳皮、胡麻、麻種、紫蘇、山椒、生姜が列挙されいています。
この麻種は麻の実を意味します。
つまり、大麻草になる前段階の種子であることを意味します。
もっとも、七味唐辛子に含まれる麻の実は、後述する大麻取締法の対象外であり、商品として販売している麻の実には発芽しないための処理が施されているそうです。

【大麻の処罰規定について】

そのような事情があるにも拘わらず、なぜ大麻が取締の対象になっているのかというと、大麻に含まれるTHC(テトラ・ヒドロ・カンナビノール)と呼ばれる成分が中枢神経に影響することで、依存症に陥ったり幻覚・幻聴などを引き起こして自傷他害(自分を傷つけたり暴れるなどして他人を傷つけたりする行為。)の恐れが生じる可能性があると言われています。

そこで、大麻取締法では、大麻を「大麻草及びその製品をいう。ただし、大麻草の成熟した茎及びその製品並びに大麻草の種子及びその製品を除く。」と定義し、大麻栽培者等一部を除き、その所持・栽培・譲り受け・譲り渡し・研究や輸入・輸出することを禁止しています。

ケースの場合、大麻栽培者や大麻取扱者の資格がないにも関わらず大麻を栽培したことと、販売(有償で譲り渡し)していることが問題となります。
大麻の栽培については、大麻取締法24条で「大麻を、みだりに、栽培し、本邦若しくは外国に輸入し、又は本邦若しくは外国から輸出した者は、七年以下の懲役に処する。」と定めています。
また、大麻の営利目的での販売については、同法24条の2第1項で「大麻を、みだりに、所持し、譲り受け、又は譲り渡した者は、五年以下の懲役に処する。」とし、同2項で「営利の目的で前項の罪を犯した者は、七年以下の懲役に処し、又は情状により七年以下の懲役及び二百万円以下の罰金に処する。」と定めています。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所の弁護士は、大麻取締法違反などの薬物事件についても数多く経験しています。
北海道札幌市厚別区にて、御家族が大麻を栽培してそれを売っていたことにより逮捕・勾留された方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部に御連絡ください。
まずは弁護士が初回接見に行き、これまで栽培した量や販売した金額等を確認した上で今後の見通しについて御説明致します。

盗んだ物を買い取った

2021-03-29

盗んだ物を買い取った

他人が盗んだ物を、第三者である(盗んだ加害者でも盗まれた被害者でもない)者が買い取った場合の刑事事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。
【ケース】
北海道札幌市豊平区在住のAは、札幌市豊平区内の会社に勤める会社員です。
Aは欲しいブランドもののバッグがあったのですが、高値のためそれを買えずにいました。
その話を聞いたXは、Aに対して「それなら、知人がその会社で働いているから、今度持ってきて格安で売ってあげる。」と言いました。
そして数日後、Xは本当にAが欲しがっていたブランドもののバッグを持ってきて、それをAに定価の半値で販売しました。
ところが、そのブランドもののバッグはXがブランドショップで商品を万引きしてきたものでした。
AはXから買い取った商品にタグが付いていることに気が付きXを問いただしましたが、貴女は知らない方が良いと言われ、それ以上追求しませんでした。

後日、札幌市豊平区を管轄する札幌方面豊平警察署の警察官がAの自宅に来て、Aが持っているブランドもののバッグについての質問をされました。

≪ケースはすべてフィクションです。≫

【盗品を買い取ると犯罪に】

ケースについて見ると、Xはブランドもののバッグを万引きしていますので、窃盗罪に当たります。
では、それを購入したAについてはどうなるのでしょうか。
まず、Aは万引きを指図したり手助けしたりしたわけではないので、窃盗教唆や窃盗幇助などの罪には問われません。
しかし、Aが盗品と知っていて買い取った場合、盗品等譲受罪に問われる可能性があります。
条文は以下のとおりです。
刑法256条1項 盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物を無償で譲り受けた者は、三年以下の懲役に処する。
2項 前項に規定する物を運搬し、保管し、若しくは有償で譲り受け、又はその有償の処分のあっせんをした者は、十年以下の懲役及び五十万円以下の罰金に処する。

ケースの場合、半値とはいえ買い取りをしていますので、上記2項が問題となります。

盗品等譲受罪の対象となるのは、「盗品その他財産に対する罪に当たる行為」で得られたものです。
窃盗罪のほか、強盗などの罪、横領などの罪、詐欺罪、恐喝罪などで得られたものが対象です。

また、盗品等譲受罪は故意犯ですので、譲り受けたものが盗品等であることを知っている必要があります。
とはいえ、Xがいつ、どこで盗んだのか、という詳しいところまでの認識は必要ありません。
未必の故意についても認められます。
そのため、例えばケースについては、タグの有無や相場と買値の金額差などを総合的に判断し、Aに「盗品かもしれない」という認識があれば、立件される可能性があります。

【盗品等譲受罪で弁護士に相談】

盗品等譲受罪は、消費者にとっても簡単に見抜けない場合があり、また、捜査機関としても立件が難しい場合が考えられます。
ケースの場合、Aが盗品なのか否かについてどう認識していたのか、という点は重要なポイントになると言えます。
認識は客観的な部分は当然重要になりますが、内心の部分の内容であることから、取調べ等の対応が重要になってきます。
よって、取調べを受ける前に刑事事件・少年事件の経験が豊富な弁護士に相談することをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
北海道札幌市豊平区にて、盗品等譲受罪などの刑事事件で取調べを受ける可能性がある方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部に御連絡ください。
在宅事件の場合、事務所にて無料で御相談いただけます。

御予約:0120-631-881(24時間・365日受付)

わいせつ事件で失職回避

2021-03-25

わいせつ事件で失職回避

わいせつ事件を起こしてしまった場合の罪と失職を回避するための弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。
【ケース】
北海道札幌市白石区在住のAは、札幌市白石区内の会社に勤める女性です。
Aは会社の飲み会を催し、部下複数名を連れて札幌市白石区内の居酒屋などで酒を飲みました。
その際Aは酔っぱらってしまい、男性の部下Vの隣の席に座り、ズボンや下着の中に手を入れ、陰部を揉みしだくわいせつ行為をしました。
Vは嫌がって「辞めてください」と言ったのですが、Aは「お前は部下だってことが分かっているのか」と言い、その手を止めませんでした。
後日、Vは札幌市白石区を管轄する札幌方面白石警察署の警察官に相談して被害届を提出しました。
Aは酔っていたため当時の状況をよく覚えていなかったのですが、後日白石警察署の警察官から連絡を受け、出頭するという段になり、失職を回避する方法がないか刑事事件専門の弁護士に相談をしました。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【わいせつ事件について】

わいせつ行為は、その態様(やってしまった行動の内容)によっては刑事事件になります。
どうしてもわいせつ事件と聞くと男性が加害者、女性が被害者という固定観念にとらわれてしまいそうですが、男女問わず、また異性と同性とを問わず、わいせつ事件に発展する可能性があります。

ケースのAは男性である部下Vに対して脅迫めいた内容言葉を口にして陰部に触れるなどのわいせつな行為をしています。
これは、強制わいせつ罪に当たる可能性があります。
なお、もし仮にAによる「暴行又は脅迫」が認められなかった場合については、痴漢などを定めた北海道迷惑行為防止条例に違反する可能性があります。

強制わいせつ罪の条文は以下のとおりです。

刑法176条 十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、六月以上十年以下の懲役に処する。十三歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

【失職回避のための弁護活動】

刑事事件が発生した場合に、被疑者御自身や御家族の方が心配をされる点の一つに、失職が挙げられるかと思います。
失職すること生活の途を失うことに繋がりますので、ある意味当然のことと言えるでしょう。
失職回避のため、弁護士ができる弁護活動について検討します。

・会社への発覚を避ける
まず第一に、会社への連絡を避ける必要があるでしょう。
会社への連絡可能性としては、
A.報道での発覚
b.長期拘束により出社できずに発覚
c.捜査機関から会社への連絡で発覚
d.被害者から会社への連絡で発覚
などが考えられます。
Aについては、報道の自由の観点から報道機関の裁量によるところが大きいと言えます。
事件の大半は報道しませんが、重大事件や役職のある方の事件であれば可能性は高まります。
bについては、逮捕・勾留された事件での懸念事項です。
弁護士としては、早期の身柄解放活動を行うなどして回避する必要があります。
cについては、捜査機関に対して身分確認などをしないように求めることが考えられます。
但し、公務員については内部の規則で定められているため、これを回避することは難しいといえます。
dについては、示談交渉の際、示談書に「第三者に口外しない」などの約定を設けることが一般的です。

・会社への対応
第二に、会社に発覚した場合には弁護士が間に入って説明をすることが必要です。
a~dが上手くいかずに会社に事件が発覚したり、ケースのように会社内に加害者と被害者が居るため会社に説明をせざるを得ない場合には、会社への対応が必要となります。
会社の役員や人事担当者は、従業員が事件を起こしたと聞くと過剰に捉える可能性があります。
リスク回避という点では当然のことですが、被疑者にとっては失職に繋がりかねません。
そこで、弁護士が会社の担当者と連絡をとり、被疑者の置かれている状況を丁寧に説明することで、会社の方の心証を良くすることも必要と考えられます。

・資格への影響
国家資格を中心に、一定以上の刑事処分を受けた場合には「欠格事由」に当たり、資格をはく奪される可能性があります。
強制わいせつ罪などについては、万が一起訴された場合(無罪を争わない事件では)懲役刑以外の選択肢がないため、起訴を回避する方法がないか模索する必要があるでしょう。

北海道札幌市白石区にて、強制わいせつ罪などの刑事事件に発展し、失職回避のための弁護活動について知りたいとお考えの方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部に御連絡ください。
在宅事件の場合、事務所にて無料で御相談いただけます。

近隣トラブルで示談交渉

2021-03-18

近隣トラブルで示談交渉

近隣トラブルにより刑事事件に発展する場合と示談交渉について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。
【ケース】
北海道札幌市南区在住のAは、札幌市南区内で主婦として暮らしています。
Aの家にある庭には日頃から隣家の住民Vがエサをやっている猫が頻繁に入り込み、糞尿をしたり夜中に鳴くことで安眠を妨害することも少なくありませんでした。
AはVに対して「猫にエサをあげないでください。」と注意しましたが、Vはそれを聞き入れませんでした。
そこでAは、Vが猫にエサをやっているところを隠し撮りした画像を貼り付け、「悪女」と記入し、電話番号を書いたポスターを作成し、Aの自宅やVの家を含めた辺り一帯の壁に、数十枚貼り付けました。

ポスターの存在に気が付いたVの家族は、札幌市南区を管轄する札幌方面南警察署の警察官に相談したうえで、後日被害届を提出しました。
その数日後、警察官からの連絡を受けて「近隣トラブルについてお話を聞きたいので、●日に札幌方面南警察署に来てください。」と言われました。
不安になったAは、近隣トラブルがどのような事件になるのか、また、Vと示談交渉ができるのかについて、刑事事件・少年事件専門の弁護士に相談をしました。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【近隣トラブルで刑事事件に】

人間が生活する以上、多少なりとも騒音などの近隣トラブルが発生してしまうことがあるでしょう。
その多くは相互の譲り合いで収まっていると思われますが、ともすれば刑事事件や民事事件に発展することもあるでしょう。

例えば、隣家の騒音などがうるさい場合に警察署に連絡して注意を促すことがあるかもしれません。
注意を受けたにも関わらず騒音が続く場合、軽犯罪法に違反することが考えられます。

軽犯罪法1条 左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
14号 公務員の制止をきかずに、人声、楽器、ラジオなどの音を異常に大きく出して静穏を害し近隣に迷惑をかけた者

一方で、不快だからと言って相手の悪口を書いた貼り紙を貼るなどの行為は名誉毀損罪や侮辱罪が、文句を言うために許可を受けずに敷地に入ることで住居侵入罪が、喧嘩に発展すれば暴行罪や傷害罪が、それぞれ成立する可能性があります。

【示談交渉について】

示談交渉という言葉を御存知の方も多いかと思いますが、改めて説明すると、被疑者(加害者)と被害者との間で合意を交わす書類を指します。
その内容は事件毎に異なり、被疑者の謝罪や示談金の約定、刑事処罰を望まない文言などを盛り込むことが一般的です。
その他に、例えば、痴漢事件を起こした場合に当該車両の利用を制限したり、色情盗などの事件で被害者の転居費用を捻出するという場合もありました。
ケースのような近隣トラブルの場合、抜本的な解決として被疑者側の転居などが考えられます。
とはいえ、持ち家の場合には転居などは容易ではないため、詳細をしっかりと詰めてできる限り被疑者側の負担を減らすことが望まれるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所の弁護士は、近隣トラブルなどによる刑事事件についても対応しています。
北海道札幌市南区にて、近隣トラブルが刑事事件に発展してしまい、示談交渉について知りたいという方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部に御連絡ください。
在宅事件の場合、事務所にて無料で御相談を受けることができます。

御予約は0120-631-881まで。

SNSトラブルで告訴②

2021-03-15

SNSトラブルで告訴②

SNSトラブルで問題となる罪と刑事告訴・被害届について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。
【ケース】
北海道札幌市東区在住のAは、札幌市東区内の会社に勤める会社員です。
Aは子どもが友人からいじめられているという話を聞き、いじめている子の親について、本名で「Vはアバズレで、頼めば誰でもやれる」「Vの不倫相手は数知れず」などのデマを、不特定多数の者が見られるかたちでSNSに投稿しました。
投稿に気が付いたVは、札幌市東区を管轄する札幌方面東警察署の警察官に対して刑事告訴しました。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【SNSトラブルについて】

≪前回のブログを御覧ください。≫

【刑事告訴と被害届】

日常生活でトラブルが生じた場合に、しばし「告訴されてしまった。」あるいは「被害届を出してやる。」と言う場面、言われる場面があるかと思います。
刑事告訴と被害届、どちらにも言えることですが、これらは被害者が捜査機関に提出する者ですので、被害者が加害者に対して直接何かしらを請求したり捜査したりすることはできません。
では、両者はどのような点で違いがあるのでしょうか。

まず、被害届は、被害の申告をする目的があります。
我が国全土を管轄とする警察官ですが、いくら警察官と言えど、全てのトラブルを把握しているわけではありません。※警察官以外に被害届を提出する可能性もあります。
そのため、被害届を提出することで、捜査機関に対して、いつ、どこで、誰が、どのような被害に遭ったのか、申告することになります。

次に、刑事告訴は、被害届の内容に加えて「処罰感情」を表す場合に用いられます。
つまり、被害者が「私は刑事事件の被害を受けたため、被疑者(犯人)に対して厳しい処罰を求めます。」という意味合いを含むのです。
通常、捜査機関などに対し、「告訴状」という書類を作成して提出します。

刑事事件の被害者は、被害届も刑事告訴も行う権利がありますが、捜査機関は刑事告訴は受理したがらない傾向にあると言われているため、多くの事件では被害届を提出することで捜査機関は捜査を開始します。
一方で、「親告罪」と定められた罪については、「告訴がなければ公訴を提起することができない。」と定められています。
つまり、親告罪の事件では、被害者(又はその遺族)が刑事告訴しなければ、検察官は被疑者を起訴することができないと定めているのです。

【親告罪事件一覧】※2021年3月15日現在

刑法135条
〇住居侵入罪・建造物侵入罪(及び未遂罪)
〇信書開封罪
〇秘密漏示罪

刑法209条
〇過失傷害罪

刑法229条
〇未成年者略取及び誘拐罪(及び同幇助・未遂罪)

刑法232条1項
〇名誉毀損罪
〇侮辱罪

刑法244条・251条・255条
〇親族相盗例(夫や妻、同居の家族などから金品を盗んだ場合)

刑法264条
〇私用文書等毀損罪
〇器物損壊等罪
〇信書隠匿罪

その他、著作権法など特別法の一部にも、親告罪が列挙されています。

【刑事告訴されたら弁護士へ】

ケースのAについて見ると、SNSにおいて不特定多数の者が見られるような状態で、真実ではないせよVの名誉を毀損する事実を摘示していることから、名誉毀損罪の適用が検討されます。
先述のとおり、名誉毀損罪は親告罪ですから、Vが刑事告訴することがあれば、検察官は起訴することができます。
よって弁護士は、被害者に対して刑事告訴をしない、あるいは刑事告訴を取消すことを求める弁護活動を行い、示談書等にその旨の約定を盛り込んだり告訴取消書の作成を求める必要があります。
北海道札幌市東区にて、SNS上のトラブルで名誉毀損罪などの刑事事件に発展している場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部に御連絡ください。
刑事事件・少年事件を専門とする弁護士が、今後の見通しや可能な弁護活動について御説明致します。

SNSトラブルで告訴①

2021-03-11

SNSトラブルで告訴①

SNSトラブルで問題となる罪と刑事告訴・被害届について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。
【ケース】
北海道札幌市東区在住のAは、札幌市東区内の会社に勤める会社員です。
Aは子どもが友人からいじめられているという話を聞き、いじめている子の親について、本名で「Vはアバズレで、頼めば誰でもやれる」「Vの不倫相手は数知れず」などのデマを、不特定多数の者が見られるかたちでSNSに投稿しました。
投稿に気が付いたVは、札幌市東区を管轄する札幌方面東警察署の警察官に対して刑事告訴しました。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【SNSトラブルについて】

SNSは、ソーシャル・ネットワーク・サービス(Social Networking Service)の略称で、いわゆるLINEやInstagram、Facebookなどのサービスを指します。
SNSの多くは、自身の考えや撮った画像・動画をアップロードし、鍵付きのアカウントであれば特定の者に対し、鍵をかけていないアカウントであれば不特定多数の者に対し、それを公開するというものです。

SNSは、使い方によっては便利なツールとなる一方、使い方を誤るとトラブルに発展し、結果的に人に迷惑をかけたり、ともすれば刑事事件に発展することもございます。
では、どのような場合に刑事事件に発展していくか、以下で検討致します。

・人に対しての悪口を投稿した
他人に対する悪口を投稿して問題となるのは、名誉毀損罪や侮辱罪が挙げられます。
名誉毀損罪と侮辱罪の条文はそれぞれ以下のとおりですが、名誉毀損罪は具体的事実を摘示する必要があり、侮辱罪は単なる侮辱で成立します。
名誉毀損罪の言う事実は真実である必要はありません。
名誉毀損罪の場合も侮辱罪の場合も公然性を必要としているため、例えば鍵付きアカウントでフォロワー(投稿を閲覧できる人)が数名であれば、公然性は否定されることになるでしょう。
ただし、その投稿がスクリーンショットを撮られるなどして不特定又は多数の者により閲覧できるといういわゆる伝播性が認められた場合、例え数人しか見られない形での投稿であっても公然性が認められる場合が考えられます。

刑法230条1項 公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。
同231条 事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、拘留又は科料に処する。

・人を脅すような投稿をした
他人を脅かすような投稿をした場合、脅迫罪の適用が検討されます。
脅迫罪の条文は以下のとおりです。

刑法222条1項 生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

・店などの営業を妨害した
対象が人ではなく店などの場合、信用毀損罪や偽計・威力業務妨害の罪に問われる可能性があります。
例えば、「○○の店で出す食事には髪の毛や虫が入っている。」などの投稿をした場合には信用毀損罪や偽計業務妨害罪が適用されます。
また、「店員の態度に腹が立ったので、明日、○○の店に放火をしに行く。」などの投稿をした場合には、威力業務妨害罪の適用が検討されます。
いずれの場合も、実際に業務が妨害されたという事実までは必要としていないため、たとえ誰もが投稿を信じず、翌日以降の売り上げが下がっていなかったとしても、罪に問われる可能性はあります。

刑法233条 虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、三年以下威力を用いて人の業務を妨害した者も、前条の例による。の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
同234条 威力を用いて人の業務を妨害した者も、前条の例による。

【刑事告訴と被害届】

≪次回のブログに続きます。≫

北海道札幌市東区にて、名誉毀損罪などの親告罪で刑事告訴された方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部に御連絡ください。

覚醒剤使用に用いる注射器を破壊し、公務執行妨害の疑いで逮捕

2021-03-04

今回は、薬物使用を疑われた被疑者が、覚醒剤の使用に用いていた注射器を踏みつけて破壊し、公務執行妨害の疑いで現行犯逮捕されてしまった場合の刑事手続について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説いたします。

~ケース~

札幌市中央区の歩道を歩いていたAさんは、警察官から薬物の使用を疑われ、職務質問を受けました。
警察官がしきりに持っているバッグの中身を見せるよう要求するので、Aさんは自ら覚醒剤の使用に用いていた注射器を取り出し、これを力いっぱいに足で踏みつけて粉々に破壊してしまいました。
Aさんは、注射器を足で踏みつけて破壊し、警察官らの公務の執行を妨害した疑いで、札幌方面中央警察署現行犯逮捕されてしまいました。(フィクションです)

~公務執行妨害罪について解説~

公務執行妨害罪とは、「公務員が職務を執行するに当たり、これに対して暴行又は脅迫を加える行為」(刑法第95条1項)、及び、「公務員に、ある処分をさせ、若しくはさせないため、又はその職を辞させるために、暴行又は脅迫を加える行為」(刑法第95条2項)をいいます。
実際に公務員の職務執行が妨害されたことは必要ではありません。

(「暴行」について)
公務執行妨害罪の「暴行」は、暴行罪における「暴行」と異なり、公務員の身体に直接向けられる必要はなく、その補助者や物に対して加えられることによって、間接的に公務員に物理的・心理的な影響を与えるようなものも含みます。

判例で認められたものとして、
・「税務署員が差し押さえた密造酒入りの瓶を割って内容物を流出させる行為」(最高裁昭和33年10月14日判決)
・「逮捕現場で警察官が押収した覚醒剤注射液入りアンプルを足で踏みつけて破壊する行為」(最高裁昭和34年8月27日決定)
などが公務執行妨害罪の「暴行」として認められています。

これによれば、Aさんが警察官を直接殴打するなどしたわけではなくても、覚醒剤の使用に用いていた注射器を力いっぱい踏みつけて破壊する行為も「暴行」に該当する可能性があります。
もっとも、Aさんは注射器を押収される前に自分のバッグから取り出すやそのまま破壊したので、押収されて警察官の下にあった物を破壊した判例とは異なり、「暴行」には当たらないと判断される可能性もあります。

~今後の捜査~

公務執行妨害罪の疑いで逮捕され、Aさんのバッグから覚醒剤などの違法薬物が発見されれば、覚醒剤所持の嫌疑もかかります。
また、所持していた覚醒剤を使用しているのではないかとの嫌疑もかかるでしょう。
Aさんに尿検査がなされ、覚醒剤の使用を示す反応が検出されれば、覚醒剤使用の件でも捜査を受けることになるでしょう。

(逮捕が繰り返される場合もある)
逮捕・勾留されると、捜査段階において最長23日間の身体拘束を受けることになります。
Aさんは公務執行妨害罪の疑いで逮捕されていますが、この勾留期間が満期を迎え釈放された直後、あらためて覚醒剤所持罪等の疑いで逮捕されてしまう場合もあります。
このような場合、捜査段階において身体拘束を受ける期間が非常に長くなってしまい、Aさんの心身に大きな負担を与えることになります。
早急に弁護士を依頼し、公務執行妨害罪の捜査とあわせて覚醒剤所持罪等の捜査を行うよう働きかけ、身体拘束を受ける期間が不当に長くならないよう取り計らう必要があるでしょう。

~適切な主張・保釈の実現・執行猶予付き判決の獲得を目指す~

逮捕・勾留されたからといって当然に犯罪が成立するわけではありません。
犯罪の成否に疑いがあればその旨主張し、無罪を目指す必要があります。

さらに、尿検査などの捜査が適法に行われたかを検討し、違法な捜査があればその捜査により得られた証拠は裁判の証拠として排除するよう主張する必要があります。

また、薬物犯罪の捜査は長引きがちですが、起訴後、保釈を実現できる可能性があります。
保釈を実現することにより身体拘束から解放されることはもちろん、再犯防止に努めていることをアピールするために、薬物依存の治療プログラムを開始することができるようになります。

また、Aさんが初犯であれば執行猶予付き判決を獲得できる可能性もあります。
言い渡された懲役刑の刑期が6か月であっても、3年であっても、執行猶予がつかなければ刑務所に行かなくてはなりません。
弁護士に依頼し、裁判官に対して再犯防止に努めていることを説得的に訴えかけ、執行猶予付き判決の獲得を目指しましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が公務執行妨害罪の疑いで逮捕されてしまった方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。

公然わいせつの疑いで逮捕

2021-03-01

今回は、酒に酔って全裸で外出し、逮捕されてしまった場合の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説いたします。

~ケース~

札幌市厚別区に住むAさんは、日頃のストレスを和らげるため、いつもよりも多くお酒を飲んだところ、全裸で外出してみたくなり、服を脱いで外を歩いていると、パトロール中の警察官から職務質問を受けました。
職務質問の後、Aさんは公然わいせつの疑いで札幌方面厚別警察署現行犯逮捕されてしまいました。
逮捕され、酔いがさめたあと、Aさんは自身の行動を悔やんでいます。
どうすればよいのでしょうか。(フィクションです)

~公然わいせつ罪について解説~

公然わいせつ罪は、その名の通り、公然とわいせつな行為をする犯罪です(刑法第174条)。
法定刑は、6月以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料となっています。

「公然」とは、わいせつな行為を不特定または多数人が認識し得る状態をいいます。
現実に不特定または多数人が認識したことは必要でなく、認識する可能性があれば足ります。
したがって、全裸で外に出たが誰にも見られることはなかった、という場合であっても、後日検挙されてしまう可能性があります。

(わいせつな行為)
「わいせつな行為」とは、行為者又はその他の者の性欲を刺激興奮又は満足させる動作であって、普通人の正常な性的羞恥心を害し善良な性的道義観念に反するものをいいます。
典型例として、公然と陰部を露出することが挙げられます。
ケースの事件は公然わいせつ行為の典型例ということができるでしょう。

~身柄解放活動を弁護士に依頼~

逮捕・勾留されてしまうと、捜査段階において最長23日間の身体拘束を受ける可能性があります。
反対に、逮捕された場合であっても、勾留がつかなければ、逮捕されてから3日程度で釈放されることになります。
そのため、逮捕直後の段階においては、勾留を回避する活動が極めて重要となります。

もっとも、Aさんが留置場の中でこのような活動を行い、身柄解放の実現を目指すことは困難です。
したがって、弁護士を依頼し、留置場の外で活動してもらうことが重要です。

逮捕されたからといって、常に勾留決定されるわけではありません。
被疑者を勾留するためには、「罪証隠滅のおそれがある」、「逃亡のおそれがある」などといった要件を満たす必要があります。
責任をもってAさんを監督できる身元引受人を用意し、その上申書を提出するなどして、上記の要件を満たさないことを説得的に主張する弁護活動が考えられます。
検察官や裁判官が勾留の要件を満たさないと判断すれば、勾留されることなく釈放されるでしょう。

~身柄解放を実現した後は?~

釈放されたからといって、事件が終わったわけではありません。
身体拘束を受けていないだけで、捜査は続行されます。
検察官が最終的にAさんを起訴すれば、裁判にかけられることになります。
ケースの事実関係からは、起訴された場合に無罪判決を獲得することは困難でしょう。
前科がついてしまうのを回避するためにはどうすればよいのでしょうか。

~不起訴処分の獲得を目指す~

不起訴処分を獲得できれば、裁判にかけられないので、前科がつくことはありません。
ただし、万引きや傷害事件におけるような被害者が存在しない事件なので、被害者に生じさせた損害を賠償し、不起訴処分の獲得を目指す活動はできません。

このような場合は、弁護士会などの団体に対し寄付を行う「贖罪寄付」によって、反省の意思を示すことができることがあります。
贖罪寄付の有効性について、接見にやってきた弁護士に相談しましょう。

その他に、心療内科等に通って性的な逸脱行動をしないよう取り組み、その経過を検察官に示すことが考えられます。
どのようなことに取り組めばいいか、弁護士としっかりと相談しましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が公然わいせつの疑いで逮捕され、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。

児童買春事件を略式手続で解決

2021-02-25

今回は、塾講師として勤めるAさんが、児童買春事件を起こしてしまった場合の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説いたします。

~ケース~

札幌市白石区に住むAさんは、塾講師として勤務しています。
気に入っていた生徒V(16歳の女子高生)に「お茶でもしないか」などと声をかけて休日に誘い出し、デートをした後、ラブホテルにおいて、Vに4万円を渡してこれと性交しました。
Vは帰宅が遅かったことを両親から咎められ、「塾の先生であるAさんとデートをしていた」と説明しました。
さらに「本当にデートしただけなんだろうな」と詰め寄られたので、Vは両親に罪悪感を覚え、4万円を受け取ってAさんと性交したことを打ち明けました。
Vの両親は怒り心頭で、札幌白石警察署に被害届を提出したところ、Aさんは児童買春の疑いで逮捕されてしまいました。(フィクションです)

~児童買春の罪~

児童買春」とは、
①児童
②児童に対する性交等の周旋をした者
③児童の保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護するものをいいます)又は児童をその支配下に置いている者
に対し、
対償を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等をすることをいいます(児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律第2条2項)。
児童買春の罪を犯し、有罪判決を受ける場合は、「五年以下の懲役又は三百万円以下の罰金」に処せられます(同法第4条)。

~長期間の勾留の可能性~

逮捕され、勾留されると、捜査段階において最長23日間、留置場や拘置所に入らなければなりません。
勾留がつかなければ、逮捕後1~3日程度で釈放されるのですが、勾留がつくと、身体拘束が長期化してしまいます。

一般的に、被疑者と被害者との間柄が近く、お互いに連絡先を知っている場合や、それぞれの自宅が近い、という場合には、罪証隠滅のおそれがあるとして、勾留がつく可能性が高くなります。
ケースに即して検討すると、AさんとVは、塾講師と、その授業を受ける生徒という関係にあります。
また、ケースには記載されていませんが、Vをデートに連れ出すなどしていることから、AさんはVの連絡先を知っているかもしれません。
AさんとVとの間にこのような関係があると、Aさんに罪証隠滅のおそれがあると判断され、勾留が長引いてしまうおそれがあります。

Aさんの生活圏から離れた場所に住む親戚などに依頼して身元引受人となってもらい、責任をもってAさんを監督する旨を誓う上申書を提出することにより、AさんとVが接触する可能性がないことをアピールし、早期の身柄解放を目指す必要があります。

~今後の処分~

児童買春事件の起訴率は高く、不起訴処分により事件を解決することは非常にハードルが高いといえます。
反面、Aさんが初犯であり、被害者も1人であれば、起訴されたとしても、略式手続により事件を解決できる可能性が高いです。

略式手続とは、書面のみにより審理を行い、略式命令によって100万円以下の罰金又は科料を科す制度です。
略式命令がAさんに告知されれば、勾留状の効力が失われますので(刑事訴訟法第345条)、釈放されることになります。

Aさんの勾留中に弁護活動を行う中で、起訴を回避することが極めて困難と考えられる場合には、なるべく早く略式命令の請求をするよう検察官に促し、これに応じてもらうことができれば、早期の事件解決及び早期の身柄解放を実現することができます。
略式命令を言い渡されたあとは、罰金を納付して事件が終了します。

ただし、略式手続においては通常、Aさんの言い分を裁判官に伝えることができません。
ケースの場合は困難と思われますが、例えば、「被害者が18歳未満であると知らなかった」という主張が通れば、児童買春の罪は成立しません。
犯罪の成立を妨げる言い分がある場合に、略式手続に応じるのは得策ではありません。
略式手続に応じるか否かは、重要なポイントです。
略式手続に同意する前に、一度、弁護士と相談することをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が児童買春事件を起こし、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。

酒気帯び運転の疑いで現行犯逮捕

2021-02-22

今回は、酒気帯び運転の疑いで現行犯逮捕されてしまった場合の弁護活動につき、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説いたします。

~ケース~

北海道日高町に住むAさんは、午前5時頃まで深酒をした後、出勤に備えて就寝しました。
自動車で午前8時頃に自宅を出発する予定でしたが、「少し寝たのであれば飲酒運転にはならないだろう」と甘く考え、遅くまでお酒を楽しんでいたようです。
自動車にて通勤中、Aさんの車が若干フラフラと走行していたため、パトカーに停止を求められ、呼気検査を受けることになりました。
Aさんは「一度寝ているから問題ない」と、呼気検査に応じましたが、検査の結果、呼気から0.25ミリグラムのアルコールが検出されたため、道路交通法違反(酒気帯び運転)の疑いで札幌方面門別警察署現行犯逮捕されてしまいました。(フィクションです)

~酒気帯び運転の罪について解説~

(酒気帯び運転の罪)
身体に政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態で車両等(軽車両を除く)を運転すると、「酒気帯び運転の罪」が成立します。
酒気帯び運転につき起訴され、裁判で有罪が確定すると、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます(道路交通法第117条の2の2第3号)。

「政令で定める程度」とは、「血液1ミリリットルにつき0.3ミリグラム又は呼気1リットルにつき0.15ミリグラム」です(道路交通法施行令第44条の3)。

Aさんは呼気1リットルにつき0.25ミリグラムのアルコールが検出される状態で自動車を運転していたのですから、酒気帯び運転の罪が成立する可能性は極めて高いと思われます。

~酒酔い運転の可能性も~

また、Aさんは若干フラフラと運転していました。
これがアルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態と判断されると、「酒酔い運転の罪」となります。
酒酔い運転につき起訴され、裁判で有罪が確定すると、5年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられます(道路交通法第117条の2第1号)。

「一度寝ているから飲酒運転にはならない」というのは危険な発想です。
飲酒し、睡眠をとったとしても、そのまま起きていたとしても、その後に自動車を運転していた際、「身体に政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態」であれば、酒気帯び運転の罪の嫌疑をかけられるのは当然です。
飲酒してから運転するまでの時間、飲酒量、パトカーに停められた直後のAさんの言動などによっては、酒気帯び運転の故意がないとして、酒気帯び運転の罪が成立しない場合も考えられます。
しかし、ケースのように飲酒を終えてから自動車を運転するまで3時間程度しか睡眠していない、という場合においては、故意を争うことは極めて困難でしょう。
自動車を運転する予定がある場合は、飲酒を控えるか、飲酒後、十分な時間をとった上で自動車を運転するように努めることが不可欠と思われます。

~早期の身柄解放を実現する必要性~

Aさんは酒気帯び運転の疑いで現行犯逮捕されてしまいました。
逮捕後に勾留決定がなされると、捜査段階において最長23日間の身体拘束を受けることになります。
身体拘束が長期化すると、その間、勤務先を無断欠勤することになります。
無断欠勤が続くと、勤務先をクビになる可能性が極めて高くなります。
そのため、早期に弁護士を依頼し、身柄解放活動を行ってもらう必要があります。

ケースの事件は適切な弁護活動を行うことにより、勾留されずに釈放される可能性が見込めます。
この場合は逮捕後、1~3日程度で外に出ることができます。

~Aさんになされる処分は?~

Aさんが初犯であれば、略式手続によって罰金刑を言い渡される可能性が高いのではないでしょうか。
この場合は、罰金を納付することにより、刑事手続が終了します。

もっとも、略式手続は書面のみにより審理が行われるため、Aさんの言い分を裁判官に伝えることができません。
ケースの場合は難しいと思われますが、故意を争い得る事情が存在するなど、Aさんの言い分を裁判官に伝える必要性が認められるときは、略式手続を拒否することも視野に入れる必要があります。

検察官から略式手続を打診されたものの、判断に迷う場合は、弁護士と相談することを強くおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が酒気帯び運転の疑いで逮捕されてしまった方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。

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