Archive for the ‘性犯罪’ Category

強姦事件で情状弁護

2021-07-15

強姦事件で情状弁護

いわゆる強姦事件を起こした場合に問題となる罪と、その際に行う情状弁護について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。
【ケース】
北海道札幌市白石区在住のAは札幌市白石区内の会社に勤める会社員です。
Aは一人で酒を飲んで泥酔していたところ、札幌市白石区内の路上で帰宅途中のVが歩いているところを目撃しました。
Aは劣情を催して後をつけ、公衆トイレに入ったところを確認して個室トイレのドアをこじ開けてVの口に自分の衣服を巻き付け、声を上げられないようにして無理やり性行為に及ぶ、いわゆる強姦をしました。
事件後、恐ろしくなってAはその場を離れましたが、数時間後に札幌市白石区内を管轄する白石警察署に行き、自首しました。

≪ケースはすべてフィクションです。≫

【強姦について】

相手の合意に基づかずに性行為やそれに類する行為は強姦と呼ばれています。
以前は強姦罪という条文がありましたが、刑法の改正により強制性交等罪という罪になりました。
これにより、従来の男性が女性の性器に陰茎を入れる強姦行為だけでなく、男性が男性の肛門に性器を入れる肛門性交、男性が男女の口に性器を入れる口腔性交についても強制性交「等」に含まれることとなり、事件の対象になりました。

ケースのように突然個室トイレのドアをこじ開けて進入し、無理やり性行為をした場合には強制性交等罪が適用されると考えられます。

条文は以下のとおりです。
刑法177条 十三歳以上の者に対し、暴行または脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交をした者は、強制性交等の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。十三歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

【情状弁護とは】

一般の会話などでも「情状酌量の余地あり」などという場合があるかもしれません。
刑事事件では、この情状と呼ばれる事情を主張することで、弁護人が被告人の量刑をより軽くするための弁護活動を行うことになります。

そもそも、刑事事件の裁判官は、刑事裁判で弁護側・検察官側双方の主張を聞き、被告人が有罪か無罪か、有罪だった場合はその量刑(どれくらいの刑事罰を科すことが妥当か)を判断します。
その過程で、検察官は捜査段階で収集した証拠に基づき、被告人が起こした事件について説明したうえで、その証拠などを列挙します。
反対に、弁護人は被告人が犯人性を否認している場合であれば証拠についての異議申立てなどを行うほか、認めている場合には情状弁護を行い減刑を目指します。

情状には、犯情(事実)と一般情状があります。
犯情とは、被告人がどのような事件を起こしたかという点にあります。
例えば、Aがガムテープや紐などを用意する、連絡をして待ち伏せしていたなどの計画的な犯行ではないという点や、飲酒の上での犯行であることなどが挙げられるでしょう。
一般情状は、例えば事件後にAが被害者に対して贖罪の意思を表していることや、被害弁済・示談を行った等、前科の有無、性に対するカウンセリングを受け、プログラムを受けている等の事情が挙げられます。

【情状を求める弁護活動は早期対応が必要】

Aの行為が卑劣であると評価されることは、言うまでもありません。
しかし、自責の念に駆られているだけでは、被害者の救済には繋がらず、被告人の家族にも迷惑が掛かると考えられます。

特に、強制性交等罪は、5年以上(20年以下)の有期懲役で、懲役刑に執行猶予を付けるためには3年以下である必要があることから、被告人にとって有利な事情を主張していかなければ実刑判決を受けることになります。
そのため、情状弁護は極めて重要です。

とはいえ、とりわけ一般情状の部分は一朝一夕にできるわけではなく、長期に亘り性依存症などのカウンセリングに通院したり、示談交渉をしたり、家族の監督体制を整えたりと、裁判までに多くの対応が求められます。
そのため、早期に弁護士に事件を依頼して、弁護活動に着手する必要があります。

北海道札幌市白石区にて、ご家族が強制性交等罪などの刑事事件で逮捕され、情状弁護について知りたいという方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。

略式手続でも前科になる

2021-06-10

略式手続でも前科になる

未成年者とのわいせつ行為で問題となる罪と、略式手続、及び前科について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。
【ケース】
北海道苫小牧市在住のAは、苫小牧市内の会社に勤める会社員です。
ある日、AはSNSで知り合ったXと苫小牧市内で会うことになりました。
Xのプロフィール欄には「17歳女子高生」と書かれていて、Aはそれを承知したうえで食事をしました。
その後、Aは「性行為をしなければ大丈夫だろう」と考え、苫小牧市内にあるAの自宅にてXの衣服を脱がせて胸に触るなどのわいせつな行為をしました。

後日、苫小牧市を管轄する苫小牧警察署の警察官からAの携帯電話に連絡が来て、未成年者とのわいせつ行為について話を聞きたいので署まで来てほしいと言われました。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【未成年者とのわいせつ行為】

ここでいう未成年者とは、18歳未満が対象となります。
双方が同意したうえで行われた18歳以上同士の性的な関係については、基本的に処罰の対象外です。
一方で、未成年者とのわいせつ行為は、未成年者の同意があると否とに関わらず、刑事処分の対象となります。

・金銭のやり取りがあれば児童買春に
未成年者(児童)に対価を渡す、対価を渡す約束をする、未成年者の保護者に対価を渡すことで未成年者と性行為・わいせつな行為をした場合、児童買春になります。
児童買春は、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律により禁止され、違反した場合の罰条は「五年以下の懲役又は三百万円以下の罰金」とされています。

・金銭のやり取りがなくても青少年保護育成条例違反に
対価を渡さずに性行為・わいせつ行為をした者については、各都道府県が定める青少年健全育成条例(自治体により罪名が異なります。)に違反します。
ケースは北海道内の事件ですので、北海道青少年健全育成条例が問題となります。
この条例では、未成年者(青少年)に対して、淫行又はわいせつな行為をしたり、させたり、教えたり、見せたりする行為を禁止しています。
淫行又はわいせつな行為をした・させた場合には「2年以下の懲役又は100万円以下の罰金」に、見せたり教えたりした場合には「1年以下の懲役又は50万円以下の罰金」に、それぞれ処されます。

【略式手続とは】

検察官が通常の起訴ではなく略式起訴をした場合には、公開の法廷で裁判が行われることなく裁判が終了します。
略式手続略式起訴)は、事案が明白で簡易な事件であって、100万円以下の罰金または科料(1000円以上1万円以下)に相当する事件が対象で、被疑者が罪を認めている場合に行われる手続で、基本的には郵送で届く納付書に基づいて罰金を納付、身柄事件の場合には勾留の満期日に納付することで釈放される場合もあります。

【略式手続でも前科になる】

前科とは、過去に刑事事件で有罪判決を受けて刑事罰を受けた履歴を指します。
刑事事件で有罪判決を受けた場合、死刑・懲役刑・禁錮刑・罰金・拘留・科料及び没収という刑罰を受けます。
懲役2年、執行猶予4年など、執行猶予付き有罪判決を受けた場合も、前科に含まれます。

前述のとおり、略式手続で言い渡される刑は罰金刑ですが、これも刑事罰ですので、略式手続を受けた場合は前科がつくことになります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
北海道苫小牧市で未成年者とのわいせつ行為で捜査対象になっている方、略式手続について知りたい方、前科を回避したい方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご連絡ください。
在宅事件の場合、事務所にて無料で相談ができます。

体液をかける事件で示談交渉

2021-06-03

体液をかける事件で示談交渉

体液をかけることで問題となる罪と、示談交渉について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【ケース】
北海道室蘭市在住のAは、室蘭市内の会社に勤める会社員です。
Aは職場でのストレスの捌け口として、自身の体液を小さめのボトルに入れ、それを異性にかけ、その被害に気が付いて嫌がる被害者の顔を見ることに興奮を得ていました。
Aは、繰り返しそのような行為を行っていましたが、被害届を受理した室蘭市を管轄する室蘭警察署の警察官が付近の防犯カメラなどから被疑者を特定し、Aの通常逮捕に踏み切りました。
Aが逮捕されたという連絡を受けたAの家族は、体液をかけることで成立する罪は何か、示談交渉はどのようにすればよいか、刑事事件を専門とする弁護士に質問しました。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【体液をかける行為】

事件報道や警察捜査を扱うドキュメンタリー番組などで、しばし体液をかけた罪で逮捕されたという事件を目にします。
ここで用いられる体液は、尿や唾液、精液などが考えられます。
この場合にはどのような罪に当たるのでしょうか、以下で検討致します。

・体液が服や荷物にかかった
体液が服や荷物にかかった場合、器物損壊罪の適用が検討されます。
器物損壊罪というと何か物を壊した場合をイメージしてしまいがちですが、通説及び判例の立場は「その物の効用を害する一切の行為をいう」としています。
例えば、飲食店の皿に放尿したことで器物損壊罪の成立を認めた判例がありますが、皆さんが飲食店の経営者だったとして、他人が放尿した皿をたとえ洗ったとしても他の客に提供しようとは思わないのではないでしょうか。
このように、被害者の立場からしたら、たとえ洗濯やクリーニングで汚れが落ちたとしても、他人の体液がかかったような服や荷物を再び使いたいと思う方は少ないと思われます。
よって、たとえクリーニング等で落ちる汚れだったとしても、器物損壊罪が適用されることが考えられます。
器物損壊罪の法定刑は「三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料」と定められています。

・体液が身体にかかった
他人から体液をかけられた結果、衣服や所持品だけでなく被害者の身体に直接かかるという可能性もございます。
この場合には、暴行罪の適用が検討されます。

暴行罪というと相手に対して暴力をふるった場合をイメージしてしまいますが、暴行罪のいう暴行は「不法な有形力の行使」と定義されていて、体液をかける行為はこれにあたると考えられます。
暴行罪の法定刑は「二年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」と定められています。

【示談交渉について】

他人に体液をかけた場合、直接の被害者がいます。
このように被害者がいる事件で、被疑者が事件を認めている場合の弁護活動の一環として、示談交渉が挙げられます。

示談は民事上の和解契約の一種で、決まった形式・書式はありません。
刑事事件を起こした場合の示談は、刑事事件を起こしてしまった被疑者側が被害者に申し出て、謝罪し、必要な賠償を行うことで、被害者側が被害届を出さない(提出した被害届を取下げる)等の約束を交わしたり、示談書に被害者側として刑事処罰を求めない「宥恕」の内容を入れるなどが考えられます。

親告罪と定められている器物損壊罪(あるいは名誉毀損罪など)の場合、被害者が告訴しなければ検察官は起訴することができないので、示談によって告訴が取り消された場合には不起訴になります。
一方で、暴行罪など多くの刑事事件では、示談が締結できて被害届が取り下げられた場合であっても、検察官は起訴することが出来ます。
もっとも、実務上検察官は示談が締結されているか、被害届が取り下げられているかという点について、起訴するかしないか等の判断材料の一つにしています。
また、仮に起訴されたとしても、裁判で量刑を決めるうえでの情状として考慮されます。

示談は、弁護士が介入せずとも締結することが出来ます。
しかし、性犯罪事件ではそもそも被害者の連絡先を入手することすら難しい場合があります。
また、ケースのような巨額の財産犯事件では被害者である法人には代理人弁護士が付くことが考えられるため、被疑者側の主張を盛り込むためには、刑事事件を専門とする弁護士に依頼をすることをお勧めします。

北海道室蘭市にて、体液をかけた罪で家族の方が逮捕されてしまった場合、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご連絡ください。

禁止命令に背いてストーカー

2021-04-22

禁止命令に背いてストーカー

ストーカー規制法に基づく禁止命令を受けていたにもかかわらず、それに背いてストーカー行為をした場合の罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。
【ケース】
北海道夕張郡栗山町在住のAは、夕張郡の会社に勤める会社員です。
Aは夕張郡内在住のVと過去に交際していましたが、破局してしまいました。
しかし、未練があったAはV宅に繰返し行き復縁を申し入れました。
Vはその都度断りましたが、Aは繰返し復縁を申入れてきたことから、Vは夕張郡栗山町を管轄する栗山警察署に相談してストーカー規制法に基づく禁止命令を下しました。
しかし、Aはその後も偶然を装いVに接触しようとして、Vの近辺をうろつきました。
Vはその件を夕張郡栗山町を管轄する栗山警察署に相談し、栗山警察署の警察官は、Vの自宅付近を重点的にパトロールしていたところAが現れたため、ストーカー規制法に基づき逮捕しました。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【ストーカー規制法とは?】

ストーカー規制法は正式名称を「ストーカー行為等の規制等に関する法律」といい、その名称のとおりストーカーと呼ばれる行為により被害者の身体・自由・名誉に対する危害の発生防止などを目的としています。

ストーカー規制法は、平成11年に埼玉県桶川市で発生した桶川ストーカー殺人事件(被害女性が交際中の相手に別れ話をしたところ逆上され、ストーカー行為を繰り返された上に殺人事件に発展したという事件。)を契機に、議員立法によって成立されました。

【ストーカー規制法の対象となる行為】

では、ストーカー規制法はどのような行動を制限しているのでしょうか。
ストーカー規制法では、「つきまとい等」という行為を定め、つきまとい等を繰り返した場合を「ストーカー行為」と呼んでいます。
つきまとい等の定義は、
①特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の勘定を充足する目的で
②被害者本人や家族に対して
③以下の行為をすることです。
・つきまといや相手の居場所への押し掛け、周囲へのうろつき
・監視したり監視しているように思わせる行為
・面会や交際等の要求
・粗野あるいは乱暴な言動
・無言電話や拒まれた後の連続した電話、メール等
・汚物や動物の死体等を送付
・名誉を害するようなことを言ったり、それを匂わせる言動
・交際当時に撮影した卑猥な動画や画像を送りつける
です。

ストーカー行為は、後述する警告・禁止命令を受けたことがない場合でも適用することができます。

【ストーカーでの行政処分】

ストーカー規制法では、つきまとい等をしている者が被害者に接触しないようにするために、
・警告
・禁止命令
という2種類の制度を定めています。
警告は、行政指導と呼ばれるもので、「更に反復して当該行為をしてはならない旨」を告知するものです。
警告を受けた場合には警告書という書類が交付されます。
警告には法的拘束力はありません。

一方、禁止命令は行政処分と呼ばれ、法的拘束力を有する手続きです。
禁止命令は基本的に被害者からの申し出でを受けることからはじまり、原則先に聴聞という手続きを行いつきまとい行為をした者の言い分を聞いた上で、1年間の制限付きで被害者との接触を禁止するという手続きです。

警告は違反した場合にすぐに刑罰を科されるわけではありませんが、禁止命令に違反した場合には禁止命令違反として、刑事事件に発展します。
刑罰については後述致します。

【ストーカー規制法の罰則規定は?】

これまで、ストーカー規制法のルールや定義について見てきましたが、刑罰はどうなっているのでしょうか。
以下で確認します。

つきまとい等 ⇒罰則規定なし
禁止命令違反 ⇒ストーカー行為をした場合「二年以下の懲役又は二百万円以下の罰金に処する。」(同法19条各項)
       ⇒ストーカー行為までには至らなかった場合(つまり、例えば禁止命令後に一度だけ会いに行った場合等)「前条に規定するもののほか、禁止命令等に違反した者は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。」(同法20条)
ストーカー行為⇒一年以下の懲役又は百万円以下の罰金(同法18条)

北海道夕張郡栗山町にて、御家族がストーカー規制法違反で刑事処罰を受ける可能性がある場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部に御相談ください。

盗撮で逮捕された

2021-04-08

盗撮で逮捕された

いわゆる盗撮行為をした場合に問題となる罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。
【ケース】
北海道札幌市手稲区在住のAは、札幌市手稲区にある会社に勤める会社員です。
Aは列車を利用して通勤しているのですが、数年ほど前からその駅のエスカレーターで盗撮を繰り返していました。
目撃者からの相談を受けて捜査を開始した札幌方面手稲警察署の警察官は、駅で張り込みをし、Aが盗撮をしているところを現認した上で現行犯逮捕しました。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【盗撮が問題となる罪】

御案内のとおり、他人を無断で撮影する行為は俗に盗撮と呼ばれています。
盗撮という行為は、軽微な事件と思ってしまう方もおられるかもしれませんが、被害者の負担は計り知れないものがあります。
また、盗撮した動画がインターネット上に流出した場合を考えると、悩みは尽きません。

盗撮行為をした場合には刑事事件に発展する可能性がありますが、そもそも盗撮罪という罪は存在しません。
では、どのような罪にあたるのでしょうか、下記で御説明致します。

・建造物侵入罪
ケースの場合、異性を専用としたトイレに侵入しています。
異性を専用とするトイレに盗撮目的で侵入することは、正当な理由があるとは言えませんので、建造物侵入罪の適用が検討されます。
建造物侵入罪の条文は以下のとおりです。
刑法130条 正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにも関わらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

・条例違反
盗撮行為は、各都道府県が定める迷惑防止条例に違反する可能性があります。
条例は各都道府県により内容が異なるところで、公共の場所でスカートの中などを盗撮する行為等はいずれの都道府県でも定められていますが、ケースのようなトイレでの盗撮行為は規定されていない場合もあるようです。
ケースについては、北海道札幌市手稲区を想定していますので、北海道の迷惑防止条例が問題となります。

北海道迷惑行為防止条例2条の2第3項 住居、浴場、便所、更衣室その他の人が衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所(以下この号及び次号において「住居等」という。)における当該状態の他人の姿態を撮影し、又はこれを撮影するため写真機等を住居等における当該状態の他人に向けること。

・軽犯罪法違反
北海道については公共の場所以外での盗撮を禁止していますが、禁止していない自治体で盗撮をした場合には罪に当たらないのかというと、そうではありません。
その場合には、軽犯罪法という法律が適用されます。
条文は以下のとおりです。

軽犯罪法1条 左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
33号 正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者

【逮捕されたらすぐに弁護士へ】

盗撮事件の場合、ケースのように警察官や目撃者が現認して現行犯逮捕する場合と、駅構内などの防犯カメラやICカードの履歴等から犯人を探り当てて通常逮捕する場合が考えられます。
いずれの場合も手続き自体は同じで、逮捕から48時間以内に検察庁に送致され、弁解録取が行われます。
担当検察官は弁解録取での内容をふまえ、引き続き身柄拘束が必要と判断した場合には勾留請求を、不要と判断した場合には処分保留での釈放をする必要があります。
勾留請求された場合、被疑者は裁判官の前で勾留質問が行われ、裁判官が勾留が必要であると認めた場合には勾留決定が下されます。
ここまでの手続きは、逮捕から72時間以内に行われる必要があります。

弁護人としては、検察官が勾留請求を行う前に、あるいは裁判官が勾留質問を行う前に、弁護側としての意見を主張して勾留を回避したいところです。
しかし、先述のとおり逮捕されてから勾留が決まるまでの時間は極めて短いのです。
そのため、御家族が逮捕された場合には、すぐに弁護士を依頼することをお勧めします。

北海道札幌市手稲区にて、御家族がいわゆる盗撮をしたことで逮捕されてしまった場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部に御連絡ください。
まずは刑事事件・少年事件専門の弁護士が初回接見に行き、逮捕された方からお話を伺った上で勾留の可能性等について御説明致します。

わいせつ事件で失職回避

2021-03-25

わいせつ事件で失職回避

わいせつ事件を起こしてしまった場合の罪と失職を回避するための弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。
【ケース】
北海道札幌市白石区在住のAは、札幌市白石区内の会社に勤める女性です。
Aは会社の飲み会を催し、部下複数名を連れて札幌市白石区内の居酒屋などで酒を飲みました。
その際Aは酔っぱらってしまい、男性の部下Vの隣の席に座り、ズボンや下着の中に手を入れ、陰部を揉みしだくわいせつ行為をしました。
Vは嫌がって「辞めてください」と言ったのですが、Aは「お前は部下だってことが分かっているのか」と言い、その手を止めませんでした。
後日、Vは札幌市白石区を管轄する札幌方面白石警察署の警察官に相談して被害届を提出しました。
Aは酔っていたため当時の状況をよく覚えていなかったのですが、後日白石警察署の警察官から連絡を受け、出頭するという段になり、失職を回避する方法がないか刑事事件専門の弁護士に相談をしました。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【わいせつ事件について】

わいせつ行為は、その態様(やってしまった行動の内容)によっては刑事事件になります。
どうしてもわいせつ事件と聞くと男性が加害者、女性が被害者という固定観念にとらわれてしまいそうですが、男女問わず、また異性と同性とを問わず、わいせつ事件に発展する可能性があります。

ケースのAは男性である部下Vに対して脅迫めいた内容言葉を口にして陰部に触れるなどのわいせつな行為をしています。
これは、強制わいせつ罪に当たる可能性があります。
なお、もし仮にAによる「暴行又は脅迫」が認められなかった場合については、痴漢などを定めた北海道迷惑行為防止条例に違反する可能性があります。

強制わいせつ罪の条文は以下のとおりです。

刑法176条 十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、六月以上十年以下の懲役に処する。十三歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

【失職回避のための弁護活動】

刑事事件が発生した場合に、被疑者御自身や御家族の方が心配をされる点の一つに、失職が挙げられるかと思います。
失職すること生活の途を失うことに繋がりますので、ある意味当然のことと言えるでしょう。
失職回避のため、弁護士ができる弁護活動について検討します。

・会社への発覚を避ける
まず第一に、会社への連絡を避ける必要があるでしょう。
会社への連絡可能性としては、
A.報道での発覚
b.長期拘束により出社できずに発覚
c.捜査機関から会社への連絡で発覚
d.被害者から会社への連絡で発覚
などが考えられます。
Aについては、報道の自由の観点から報道機関の裁量によるところが大きいと言えます。
事件の大半は報道しませんが、重大事件や役職のある方の事件であれば可能性は高まります。
bについては、逮捕・勾留された事件での懸念事項です。
弁護士としては、早期の身柄解放活動を行うなどして回避する必要があります。
cについては、捜査機関に対して身分確認などをしないように求めることが考えられます。
但し、公務員については内部の規則で定められているため、これを回避することは難しいといえます。
dについては、示談交渉の際、示談書に「第三者に口外しない」などの約定を設けることが一般的です。

・会社への対応
第二に、会社に発覚した場合には弁護士が間に入って説明をすることが必要です。
a~dが上手くいかずに会社に事件が発覚したり、ケースのように会社内に加害者と被害者が居るため会社に説明をせざるを得ない場合には、会社への対応が必要となります。
会社の役員や人事担当者は、従業員が事件を起こしたと聞くと過剰に捉える可能性があります。
リスク回避という点では当然のことですが、被疑者にとっては失職に繋がりかねません。
そこで、弁護士が会社の担当者と連絡をとり、被疑者の置かれている状況を丁寧に説明することで、会社の方の心証を良くすることも必要と考えられます。

・資格への影響
国家資格を中心に、一定以上の刑事処分を受けた場合には「欠格事由」に当たり、資格をはく奪される可能性があります。
強制わいせつ罪などについては、万が一起訴された場合(無罪を争わない事件では)懲役刑以外の選択肢がないため、起訴を回避する方法がないか模索する必要があるでしょう。

北海道札幌市白石区にて、強制わいせつ罪などの刑事事件に発展し、失職回避のための弁護活動について知りたいとお考えの方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部に御連絡ください。
在宅事件の場合、事務所にて無料で御相談いただけます。

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