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傷害罪で逮捕

2019-08-16

北海道倶知安町の傷害事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。

【事件】

北海道倶知安町に在住のAさんは、同町内を歩いていたところ、正面から歩いてきたVさんが睨んできたように感じました。
そこで、AさんがVさんに「なんだてめえ」と声を掛けると、Vさんは突如Aさんの胸倉を掴んできました。
これに腹を立てたAさんは、Vさんを引きはがして殴り倒したうえで、Vさんの身体を踏んだり足で蹴ったりしました。
その様子を目撃した通行人の通報により、Aさんは傷害罪の疑いで北海道倶知安警察署に捜査されました。
(フィクションです。)

【傷害罪について】

刑法
第二百四条
人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

他人に対して傷害を負わせた場合、傷害罪が成立する可能性があります。
「傷害」と聞くと出血や打撲などの怪我を想定するかと思いますが、傷害罪が成立するケースはそれだけにとどまりません。
傷害罪における「傷害」とは、人の生理的機能を障害する一切の行為を指すと考えられています。
そのため、暴行により生じた怪我だけでなく、たとえば薬理作用により生じた身体の不調も「傷害」に含まれ、傷害罪が成立する余地があります。

傷害の時点で殺意があったと見られると、傷害罪ではなく殺人未遂罪となることもありえます。
殺意があるかどうかは、凶器の有無、行為の内容、負傷した箇所などの様々な事情を考慮のうえ判断されることになります。
たとえば、心臓付近をめがけて刃物を思い切り突き出したという行為であれば、殺意が肯定されて殺人未遂罪を疑われると考えられます。
こうした行為により最終的に死亡の結果が生じれば、当然ながら殺人罪が成立することになるでしょう。

【傷害事件の流れ】

被害者が、被害届や告訴等によって警察に被害を届け出ると、警察が捜査を開始します。
事件を認知した警察は、まず被害者から被害状況を聴取したり、事件現場周辺の監視カメラや防犯カメラを精査したり、目撃者を探して目撃状況を聴取したりして事件を裏付けると共に、犯人の割り出すための捜査を行うでしょう。
そして警察の捜査によって、Aさんが犯人だと割り出されると、警察はAさんを逮捕するかどうかを判断します。
警察は、罪証隠滅や逃亡のおそれだけでなく、前科前歴の有無、生活環境(仕事や家族の関係)、素行等を総合的に判断して、Aさんを逮捕するかどうかを決定するのです。

~逮捕されなかった場合~

逮捕の必要がないと判断された場合、Aさんは、警察署に呼び出されて、警察官の取調べを受けることになります。
取調べでは、犯行に至った経緯や、犯行の情況等を聴取されるだけでなく、事件と全く関係ないと思われる身上関係まで聴取されて、その内容を調書に記載されます。
また警察は、取調べだけでなく、事件を起こした場所に警察官を案内(引き当たり捜査)したり、犯行状況を再現(再現見分)したりもします。
そして、警察官による一連の捜査を終えると、警察官が作成した司法書類が検察庁送致(書類送検)されるのです。
送致を受けた検察官は、警察官が作成した司法書類を確認して、Aさんの取調べを行い、一連の捜査を終了します。

~逮捕された場合~

逮捕の必要があると判断されると、警察は裁判官にAさんの逮捕状を請求し、裁判官の発付した逮捕状をもとにAさんは逮捕されてしまいます。
警察に逮捕されてしまうと、まず警察署に連行されます。これを「引致」といい、引致後はまず警察官から弁解を聴取され、弁解録取書という司法書類にその内容が記載されます。
その後、警察官による取調べが行われ、逮捕から48時間以内に釈放されなければ検察官送致されます。
検察官に送致されると、送致から24時間以内に、検察官は裁判官に対して勾留を請求します。そして裁判官は勾留する必要があるかどうかを判断します。
裁判官が勾留を決定すれば、引き続き10日~20日間は勾留状に記載されている勾留場所において身体拘束を受け、警察官や検察官による、取調べ等の捜査を受けることになります。
検察官が勾留を請求しなかったり、裁判官が勾留を決定しなかった場合は釈放されてます。
そして勾留期間が満了するまでに、一連の捜査が終了するのです。

北海道倶知安町傷害事件でお困りの方、北海道内で刑事事件に強い弁護士をお探しの方は、刑事事件を専門に扱っている「弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部」にご相談ください。
事務所での法律相談料は初回無料です。

児童ポルノ事件で逮捕

2019-08-14

北海道岩見沢市の児童ポルノ事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。

【事件】

大学生のAさんは、ネットを通じて知り合った中学生のVさんに、裸の写真を送るよう要求し、LINEを通じてAさんに送らせました。
AさんとVさんは、交際関係にあったわけではありませんが、VさんはAさんに好意を寄せていました。
ある日、Vさんが別件で北海道岩見沢警察署に補導された際に、問題の写真が見つかり、事件が発覚しました。
岩見沢警察署は、Aさんを児童ポルノ禁止法違反(製造)の容疑で逮捕しました。
逮捕の連絡を受けたAさんの両親は、訳が分からず、急いで刑事事件に強い弁護士に相談の電話を入れました。
(フィクションです)

【児童ポルノとは】

まず、この法律でいう「児童」とは18歳に満たない者です。
そして児童ポルノとは、写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物であって
①児童を相手方とする又は児童による性向又は性交類似行為に係る児童の姿勢
②他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器を触る行為に係る児童の姿勢であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
③衣服の全部または一部を着けない児童の姿勢であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの
を視覚により認識できる方法により描写したものを言います。
ちなみに絵画や合成画像(CG)が児童ポルノに該当するかの判断ですが、児童ポルノを定義する上で「実在する児童」であることが前提となります。
そのため、絵画や、合成画像については、実在する児童をモデルにして描写された絵画や、実在する児童を基にして作成された合成画像については児童ポルノに該当する可能性があるので注意しなければなりません。

【児童ポルノ製造】

児童ポルノを製造したとして、児童ポルノ法(児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び児童の保護等に関する法律)に抵触する可能性があります。
児童ポルノ法では、児童ポルノの製造を禁止していますが、当然、中学生女子の裸の画像は児童ポルノに該当し、これを撮影させる行為が、児童ポルノの製造と判断される場合があります。
児童ポルノの製造には「3年以下の懲役又は300万円以下の罰金」の罰則規定があります。

【児童ポルノ所持】

中学生女児から送られてきた、女児の裸の画像を携帯電話機や、パソコン等に保存していた場合、児童ポルノ所持にあたる可能性があります。
単に、自己の性的好奇心を満たすだけの目的で児童ポルノを所持した場合「1年以下の懲役又は100万以下の罰金」の罰則規定となりますが、児童ポルノを他に提供する目的で所持した場合には「3年以下の懲役又は300万円以下の罰金」の罰則規定があります。

【強要罪(刑法第223条)】

脅迫又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせた場合、強要罪にあたる可能性があります。
中学生女児が裸の写真を撮影すること、これは中学生女児にとって義務なき行為です。
この義務なき行為を、中学生女児に、Aが無理矢理やらせたと判断された場合、Aには強要罪が成立する可能性があります。
強要罪には「3年以下の懲役」の罰則規定があります。

【児童ポルノ事件で逮捕されたら】

児童ポルノ事件で逮捕されると、逮捕から48時間以内に、警察は被疑者を釈放するか検察に送致するかを決めます。
検察に送致された場合、検察官は、被疑者の身柄を受けたときから24時間以内に、被疑者を釈放するか裁判官に勾留請求するかを判断します。
検察官が勾留請求すると、裁判官は、被疑者を勾留するか釈放するかを決定します。
勾留決定がなされると、検察官が勾留請求した日から原則10日間、延長されると最大で20日間身柄が拘束されることになります。

勾留されると、その間、会社や学校に行くことができないため、最悪の場合、懲戒解雇や退学処分となってしまう可能性もあります。
そのような事態を防ぐため、弁護士は、検察官や裁判官に対して勾留をする必要がない旨を主張し、勾留阻止に動きます。
また、勾留がされてしまった場合には、勾留決定に対する不服申し立てを行うなど、身柄解放活動に徹します。

ご家族が児童ポルノ事件で逮捕されてお困りの方は、今すぐ刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。
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犯人隠匿罪の取調べ対応

2019-08-12

札幌市の犯人蔵匿事件にかかる取調べ対応について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。

【事件】

Aさんは、買い物から帰って自宅でテレビを見ていたところ、友人であるBさんの訪問を受けました。
話を聞いたところ、Bさんは札幌市中央区で起きた強盗事件の犯人だと疑われているらしく、逮捕されないよう匿ってほしいとのことでした。
Aさんは、かつてBさんに就職先のあっせんをしてもらったことなどから恩を感じていたため、Bさんを自宅に匿うことにしました。
数日後、Aさん宅を札幌中央警察署の警察官数名が訪れ、Bさんを強盗罪の疑いで、Aさんを犯人蔵匿罪の疑いでそれぞれ逮捕しました。
Bさんと初回接見を行った弁護士は、Bさんに対して取調べ対応を伝えました。
(フィクションです。)

【犯人隠避(隠匿)罪】

刑法第103条に、罰金以上の刑に当たる罪を犯した者又は拘禁中に逃走した者を蔵匿し、又は隠避させた者は、2年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処すると、犯人隠避罪について規定しています。

「罰金以上の刑に当たる罪を犯した者」とは、法定刑として罰金刑又はそれ以上の刑罰が規定された犯罪を犯した者で、その者の犯した犯罪が警察等の捜査機関に発覚しているか否かは関係ありません。
また犯した犯罪の詳細まで把握する必要はないとされていますが、単に「何らかの犯罪の嫌疑者であると思った。」という認識では違法性が阻却される可能性が大です。
「拘禁中に逃走した者」とは、法令に基づき国家の権力により拘禁を受けた者が、不法に拘禁から脱した場合です。
裁判の執行によって拘禁された既決、未決の者や、勾引状の執行を受けた者に加えて、現行犯逮捕若しくは緊急逮捕されて令状が発せられる前の者、調査、審判のために少年鑑別所に収容されている少年もこれに当たります。
続いて「蔵匿」「隠避」という行為ですが、まず「蔵匿」とは捜査権の行使を侵害して犯人の発見又は逮捕を妨害する事を認識し、犯人に発見又は逮捕を免れる場所を供給すること及び場所を提供して犯人をかくまうことをいいます。
そして「隠避」とは蔵匿以外の方法によって、犯人の発見又は逮捕を免れさせる一切の方法を意味します。
具体的には、逃走資金を援助したり、逃走用の車や、逃走時に使用する携帯電話機を用意したりする行為が隠避に当たり、今回のような身代わり出頭についても、犯人隠避罪に当たる可能性が非常に高いです。
すなわちAさんの妻が、「私が事故を起こしました。」と従業員の身代わりになって警察署に出頭する行為は、犯人隠避罪に該当するでしょう。

【親族による犯罪に関する特例】

刑法第105条で、犯人蔵匿・隠避罪についての特例が定められています。
その内容は、逃走犯人の親族が蔵匿・隠避行為を行っても、刑を免除するといった内容です。

【犯人隠匿事件における取調べ対応】

犯人蔵匿罪もそうですが、ある犯罪に最初から関与するのではなく、その犯罪が行われた後で事情を知って何らかの行為をすることにより成立する罪はいくつかあります。
そうした罪を疑われた際、取調べを受けるに当たっては注意しなければならないことがあります。
それは、犯罪への関与が事後的なものでなく、当初から共犯者の一人だったのではないかと疑われないようにすることです。

共犯事件というのは、全ての共犯者が犯罪を実行するのではなく、指示役や実行役などの役割分担がなされているものもあります。
そうして一つの罪を犯すと、たとえ実行役が一部だったとしても、他の役割を担う者を含む全員について実行した罪が成立するとされています。
上記事例では、Bさんに強盗罪の疑いがあり、Bさんの逮捕を免れるためにAさんが犯人蔵匿罪を犯しています。
この場合、取調べの内容次第では、Aさんについても強盗罪の疑いが持たれる可能性があるのです。

犯人蔵匿罪の法定刑は3年以下の懲役または30万円以下の罰金なのに対し、強盗罪の法定刑は5年以上の有期懲役(上限20年)です。
更に、共犯事件という事実は刑を重くする事情と評価されやすいため、もし強盗罪を疑われれば犯人蔵匿罪の比にならない刑が科されるおそれがあります。
そうした事態を避けるためには、弁護士からきちんと取調べ対応を教わり、具体的な事件の内容に合わせて適切な取調べ対応をすることが求められます。
取調べ対応についてお困りであれば、ぜひ一度だけでもお近くの弁護士に相談してください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に関する深い見識を持つ弁護士が、個々の事案に合わせて最適な取調べ対応をお伝えします。
犯人蔵匿罪の疑いで逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。
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恐喝罪で逮捕

2019-08-10

北海道門別市の恐喝事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。

【事件】

Aさんは、友人のVさんが約束の日を過ぎても一向にお金を返さず苛立っていました。
そこで、Vさんを少しおどかそうと思い、知人であり体格のいいBさんとCさんの協力のもと返済を迫ることにしました。
ある日、AさんはVさんに「遊びに行こう」と誘い、北海道門別市にあるVさん宅まで迎えに行きました。
そして、Vさんを後部座席にいるBさんとCさんの間に座らせたうえで、「早くお金を返してくれないと少し手荒な手段をとることになる」などと言いました。
こうしてAさんはVさんにお金を返してもらいましたが、後日恐喝罪の疑いで門別警察署に逮捕されました。
逮捕の知らせを受けたAさんの妻は、弁護士に初回接見を依頼しました。
(フィクションです。)

【恐喝罪~刑法第249条~】
 
恐喝罪とは、暴行、脅迫を持ちて被害者を畏怖させて金品の交付を受ける事です。
暴行、脅迫の程度は人に畏怖の念を生じさせる程度とされています。
ちなみに、脅迫とは人を畏怖させるに足りる「害悪の告知」ですので、必ずしも被害者本人に対するものである必要はなく、友人や家族等被害者以外に対する害悪の告知であっても、被害者が畏怖すれば「脅迫」となります。
恐喝罪が成立するには、犯人の恐喝行為と、被害者の畏怖、金品の交付行為の間に因果関係がなければなりません。

【恐喝罪の刑事弁護活動】

恐喝罪には「10年以下の懲役」の罰則が定められています。
恐喝罪には罰金の罰則が規定されていないため、恐喝事件の弁護活動は起訴されないよう(不起訴)を目指す事が重要です。
Aの事件では、まだ警察の捜査段階なので、まず第一に警察が逮捕状を取得する前に被害者と示談して、被害届を取り下げてもらうための弁護活動を行います。
そして、一刻も早く示談が成立すれば、不起訴はおろか、事件が検察庁に送致されない可能性もあるのです。

恐喝罪を起こしてしまった方は、一日でも早く弁護士に相談し、示談に強い弁護士に被害者との示談交渉を依頼する事をお勧めします。

【初回接見の重要性】

刑事事件においては、弁護士による初回接見が非常に重要とされています。
まず、逮捕された被疑者は、弁解の録取に始まり逮捕直後の段階から捜査機関と対峙することになります。
その際の供述などは全て記録として残る可能性があるものであり、場合によっては気づかぬうちに自身に不利な証拠を作ってしまうこともあります。
そうしたリスクを回避するには、少しでも早く初回接見を行い、取調べなどにどう対処すればいいか弁護士からアドバイスを受けておくことが必要となります。
また、弁護士としても、初回接見を通して被疑者・被告人から直接聞き取った事実をもとに弁護活動を行うことができます。
事件を最も詳しく知る者は被疑者・被告人に他ならないので、刑事事件において被疑者・被告人との接触は不可欠の要素と言っても過言ではありません。
そして、弁護士は被疑者・被告人から話を聞いたうえで、その話や今後の捜査の流れなどを周囲の者に伝えることができます。
弁護士以外の者が逮捕された被疑者と面会できるのは、早くとも逮捕から2~3日後の勾留決定後であるのが通常です。
加えて、面会が許されても話せる時間や内容などは制限されるため、周囲の者が得られる情報は限定的なものとなっています。
そうした状況を打破できるのも、弁護士による初回接見ならではの利点と言えるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では、刑事事件のプロである弁護士が、最短でお申込み直後、遅くとも24時間以内に初回接見を行います。
ご家族などが恐喝罪の疑いで逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。
事務所での法律相談料は初回無料です。

威力業務妨害罪で逮捕

2019-08-07

北海道小樽市の威力業務妨害事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。

【事件】

北海道小樽市に住むAさんは、友人らと電車に乗車している際、いたずらで非常停止ボタンを押し、電車を緊急停止させたとして北海道小樽警察署で取調べを受けています。
警察から呼び出しを受けたAくんの両親は、急いで警察署に向かいました。
その日、Aさんは帰宅することが出来ましたが、警察からはまた呼び出すと言われており、心配になったAくん家族は、すぐに刑事事件に強い弁護士に相談の電話を入れました。
(フィクションです)

威力業務妨害

威力業務妨害罪とは、威力を用いて他人の業務を妨害する行為です。
具体的に「威力」とは、人の意思を制圧するに足りる勢力のことで、暴行や脅迫に加え、人の意思を制圧するように圧力をかけることです。
威力業務妨害罪に該当する行為としては、公共施設等に対する爆破予告やスーパーマーケットの食品に異物を混入させる行為等です。
最近では、インターネット上で犯行が行われることが多く、簡易投稿アプリ等にいたずらで「〇月〇日××駅を爆破する」等の投稿をして逮捕されるケースもあります。

上記ケースでは、Aくんはいたずらのつもりで、電車内の緊急停止ボタンを押して、実際、電車を緊急停止させています。
Aくんの緊急停止ボタンを押すという行為により、電車の運転手は、緊急停車しなければならない状況にあり、その自由意思が抑制されているので、Aくんの行った行為は「威力」に該当し、電車を運行する鉄道会社の業務を妨害したと言えるでしょう。
やった本人は単なるいたずらのつもりでも、刑事事件に発展してしまうこともあるのです。

威力業務妨害の量刑

威力業務妨害罪で逮捕され、起訴され有罪判決を受けると「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」が科せられることになります。
実際の処罰の傾向としては、初犯であれば略式起訴された上で罰金刑が科せられることが多く、長期間の身体拘束をされる可能性は低いです。
ただし、威力業務妨害を行ったとされる行為が悪質であったり、複数回行われている場合は詳しい取り調べが必要になる場合もあり、身体拘束が長期化する可能性もあります。

威力業務妨害の刑事弁護活動

威力業務妨害の刑事弁護として効果的とされているのが、弁護士を通じて被害者と示談することです。
具体的には、被害者に対して反省と謝罪の意を示すことと被害を弁償することです。
威力業務妨害罪は親告罪(被害者の告訴がなければ、公訴を提起することができないもの)ではありませんが、被害者との示談が成立しており、被害届が取り下げられた場合には、検察官もその点を考慮して不起訴処分とする可能性は高いでしょう。
ですので、威力業務妨害事件を起こしてしまった場合には、早期に被害者との示談交渉に着手することをお勧めします
また、スムーズに示談交渉をするには、示談経験が豊富な刑事事件に強い弁護士に相談することが得策と言えるでしょう。
それは、当事者同士が直接交渉することで、感情的になり話し合いがうまくすすまなかったり、被害者側が加害者と直接連絡をとることを拒否する場合が多いからです。

威力業務妨害事件で刑事事件の加害者となりお困りの方、被害者との示談交渉にお悩みであれば、刑事事件を専門とする弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部の弁護士にお任せください。
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少年事件の弁護活動

2019-08-06

北海道伊達市の少年事件の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。

【事件】

北海道伊達市の高校に通うA君(16歳)は、伊達市にある自宅に帰宅中に、他校の生徒V君(16歳)とトラブルになり、V君の顔面を殴ってしまいました。
V君が被害届を提出したことにより、北海道伊達警察署が捜査を始めました。
ある日、自宅に北海道伊達警察署の警察官が訪れ、V君は傷害罪の疑いで逮捕されてしまいました。
(フィクションです。)

【少年が逮捕された後の流れ】

問題となる法律は刑法第204条です。
刑法第204条 傷害罪
「人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する」

この傷害罪に対して、成人は「刑事訴訟法」で手続きを進めますが、少年は「少年法」という別の法律で手続きを進めていきます。
少年事件でも、「逮捕から最大48時間留置期間があり、その後検察官に送致され、さらに勾留された場合は10日から20日の間の勾留期間が設けられる」という流れは成人事件と同じです。
少年事件は、勾留期間が過ぎると、家庭裁判所に送致されます。
家庭裁判所に送致された後、「観護措置」が決定した場合は、成人事件より拘束期間が長期になるおそれがあります。

「観護措置」とは、家庭裁判所が少年の処分を決定するために、少年の性格・資質や精神状態、生活環境などを調べることをいいます。通常、観護措置は少年鑑別所に収容して行われます。
観護措置の期間は通常4週間ですが、一定の重大事件では最大8週間に延長されることがあります。
観護措置の期間中に、少年の問題点等が調査され、最終的に審判で処分が決定します。

【観護措置に対する弁護活動】

観護措置がとられてしまうと、最大で1か月間少年鑑別所で生活しなければいけません。
当然学校に行くことはできず、授業や行事に参加できなくなるといった不利益を被ることになります。
そこで、少年が不利益を被らないように法的なサポートをすることができるのが弁護士です。

早期に少年事件に強い弁護士のサポートを受けることで以下のメリットがあります。

観護措置決定を阻止
まずは、事件が家庭裁判所に送致される日を事前に確認し、送致された際直ちに裁判官との面会を求めることで、少年が観護措置により少年鑑別所に入らないように努めます。

観護措置決定の取消
たとえ、観護措置決定が出されたとしても、その取消しを求めることで、少年鑑別所から出る方法があります。

また、定期試験やお葬式など、重要な行事のある時は一時帰宅ができる場合があり、弁護士を通じて家庭裁判所に申入れを行うことができます。

少年の進路や学校への対応
学校に事件のことが知られていない場合でも、長期の身柄拘束のため学校を欠席したこと等が原因で事件が学校に知られる場合があります。
事件のことを学校に報告すべきかの判断は難しく、その対応も様々です。
多くの少年事件を経験した弁護士が対応方法を相談します。

【審判に対する弁護活動】

審判では、少年が本当に非行を犯したかどうかを確認した上で、非行内容や少年の抱える問題に応じた適正な処分を選択します。

その際、「少年院送致」という処分がとられると、4カ月から2年の範囲で少年院に収容されます。
そのような「少年院送致」という処分がとられないように、弁護士が法的なサポートを行います。
具体的には「少年に非行事実がないこと」、「非行事実があったとしても、それが軽微であること」、「少年の性格や周りの環境などから再び非行に走る危険がないこと」などを主張し、裁判官を説得していきます。
その結果、①審判不開始を得る、②不処分を得る、③少年院送致以外の保護処分(保護観察など)を得ることを目指します。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では少年事件に強い弁護士が、初回相談、初回接見をおこなっております。
北海道伊達市傷害事件でお子様が逮捕された方、その他少年事件でお困りの方はお気軽にお問い合わせください。
事務所での法律相談料は初回無料です。

窃盗罪で緊急逮捕

2019-08-04

北海道恵庭市の窃盗罪の緊急逮捕について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。

【事件】

北海道恵庭市に住むAはある日、カギを差したままで停まっていたバイクを見つけました。
Aの以前から乗ってみたかった車種だったので、そのまま乗り逃げすることにしました。
後日にヘルメットを着用していなかったことで千歳警察署の警察官から注意を受けていた際にバイクが盗品であることが発覚しました。
Aが逃げようとしたため、警察官はAを緊急逮捕することにしました。
逮捕されたという知らせを受けたAの両親は刑事事件に強い弁護士に初回接見を依頼することにしました。
(この事例はフィクションです)

【窃盗罪】

刑法第235条
「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」

【緊急逮捕】

逮捕には大きく分けて3種類あると言われています。
裁判官の発する逮捕状に基づく逮捕である通常逮捕、現に犯罪を行っているまたは行い終わった直後と認められる現行犯人に対する現行犯逮捕、そして、現行犯人ではない者で逮捕状の請求が間に合わない場合の緊急逮捕があります。

刑事訴訟法
第210条第1項
「検察官、検察事務官又は司法警察職員は、死刑又は無期若しくは長期3年以上の懲役若しくは禁錮にあたる罪を犯したことを疑うに足りる充分な理由がある場合で、急速を要し、裁判官の逮捕状を求めることができないときは、その理由を告げて被疑者を逮捕することができる。この場合には、直ちに裁判官の逮捕状を求める手続をしなければならない。逮捕状が発せられないときは、直ちに被疑者を釈放しなければならない」

緊急逮捕は
1.死刑または無期若しくは長期3年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪であること
2.上記の罪を犯しことを疑うに足りる充分な理由があること
3.急速をようすること

という3つの要件があって認められます。
今回のAについてみてみると
1について、窃盗罪は「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」と長期3年を超えています。
2についても盗難届の出ている車両に乗っていることから認められそうです。
3は逃亡を図ろうとしているのでこちらも満たしそうです。
よってAの緊急逮捕は可能となるでしょう。
しかし、要件が欠けていたり直ちに逮捕状を請求しなかったりと緊急逮捕が違法となる場合もあります。

【初回接見】

緊急逮捕も含め、ご家族が身体拘束を受けている場合、どのように対処すればよいか分からないことかと思います。
ただ、勾留が決定するまでの72時間については、捜査機関の裁量で面会できるかどうかをきめるので、ご家族であっても面会できないことが多いです。
そんなときは弊所の初回接見サービスをご利用ください。
弁護士が身体拘束されているご本人の下へ行き、取調べのアドバイスや今後の見通し、ご家族からの伝言などをお伝えします。
そして、ご家族の方へご報告させていただき、弁護活動をご依頼いただければ、身体解放に向けて全力で活動していきます。
この身体解放に向けての活動については早めに行うことが大切になってきます。
逮捕された場合、通常は48時間以内に検察庁へ送致され24時間以内に勾留請求されることになります。
そして勾留請求をされてしまった場合、裁判官が勾留を決定するかどうかの判断をします。
弁護士は検察官、裁判官へ働きかけを行い、勾留されないように、また勾留が決定したとしても不服申し立てをして勾留が取り消されるように活動していきます。
もし、ご家族が緊急逮捕されてしまったような場合には弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部初回接見サービスをご利用ください。
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麻薬事件で黙秘権

2019-08-03

北海道帯広市の麻薬事件にかかる黙秘権行使について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。

【事件】

北海道帯広市在住のAさんは、友人のBさんから「サプリメントを買いすぎちゃったから少し貰ってくれない?」と言われました。
Aさんは無料なら問題ないと考え、錠剤がいくつも入った小瓶をBさんから受け取りました。
Aさんがそれを服用することなく家に置いていたところ、ある日、北海道帯広警察署の警察官がAさん宅を捜索しに来ました。
その後AさんはBさんとの関係や小瓶の中身などについて話を聞かれ、後日、麻薬及び向精神薬取締法違反(麻薬所持)の疑いで逮捕されました。
Aさんと接見した弁護士は、黙秘権の存在と使い方についてアドバイスをしました。
(フィクションです。)

【麻薬に対する規制】

麻薬が規制薬物の一種であることは周知のとおりかと思いますが、具体的に何が「麻薬」に当たるか分からない方は多いのではないでしょうか。
日本における「麻薬」の例としては、コカイン、ヘロイン、LSDなどが挙げられます。
具体的にいかなる薬物が「麻薬」に当たるかは、「麻薬及び向精神薬取締法」という法律に定められています。

麻薬及び向精神薬取締法では、麻薬の製造、所持、授受、輸出入などの様々な行為が原則として禁止されています。
その行為に罰則は、麻薬が「ジアセチルモルヒネ等」に当たる場合とそれ以外とで異なっています。
「ジアセチルモルヒネ等」とは、ジアセチルモルヒネ、その塩類またはそれらが含まれる麻薬のことで、代表例としてはヘロインが挙げられます。
ジアセチルモルヒネ等は薬理作用が特に強く危険性が高いことから、他の麻薬よりも重い罰則が科されます。

上記事例では、Bさんからもらい受けたものが実は麻薬であり、これによりAさんは麻薬所持を疑われています。
麻薬所持の罰則は、麻薬がジアセチルモルヒネ等であれば10年以下の懲役、それ以外であれば7年以下の懲役となっています。
更に、営利目的での所持であれば、懲役の下限(最も短い期間。通常は1か月)が引き上げられたり罰金が併科されたりするおそれもあります。

【犯罪の故意と黙秘権】

罪を犯したとして罰するには、客観的に罪に当たる行為をしているだけでなく、そのことを認識していることも必要となります。
麻薬所持で言うと、麻薬であることを知りながら麻薬を所持したことが明らかとならなければなりません。
こうした認識は犯罪の故意と言われ、外部から見えるものではないためしばしば争われることがあります。

被疑者・被告人が行使できる権利の一つとして、黙秘権というものがあります。
黙秘権は、その名のとおり取調べや裁判で供述を行うことなく黙ったままでいられる権利です。
供述したいと思った事柄を供述し、そうでない事柄についてのみ黙秘権を行使するというのも構いません。
この黙秘権という権利は、使い方やタイミングにより事件にもたらす影響が大きく変わってくるものです。

上記事例において、AさんはBさんから譲り受けたサプリメントが麻薬だと知らなかったと考えられます。
この場合に「知らなかった」と一貫して主張することも考えられますが、それが必ずしも正解とは限らないことがあります。
なぜなら、捜査機関は罪を認めさせようとするのが通常であり、供述の内容を問わず口を開くこと自体が危険なこともあるからです。
こうした黙秘権に関する微妙な判断は、法律や刑事事件に関する深い知識がないとなかなかできるものではありません。
ですので、諸々のリスクを回避するためにも、黙秘権の行使の当否については弁護士からアドバイスを受けるべきだと言えるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では、刑事事件のプロである弁護士が、黙秘権を含む対応について的確なアドバイスを致します。
ご家族などが麻薬所持の疑いで逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。

暴行罪で前科回避

2019-08-02

札幌市の暴行事件にかかる前科回避について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。

【事件】

札幌市手稲区に住むAさんは、通勤で満員電車に乗っていましたが、後から乗ってきたVさんに足を踏まれました。
これが原因でAさんとVさんは口論となり、その後、JR札幌駅で二人は降車しましたが、更に口論は続き、AさんはVさんの胸倉を掴み、身体を壁に打ち付けました。
その様子を駅員が目撃し、Aさんは暴行罪の疑いで北海道警察鉄道警察隊にて捜査を受けることになりました。
Aさんは医師を目指していたため、前科がついたらまずいのではないかと思い、弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)

【暴行罪について】

暴行罪は、他人の身体に「暴行」を加えたものの、傷害には至らなかった場合に成立する可能性のある罪です。
一般的に「暴行」は殴る蹴るといった行為を意味するものとして用いられますが、暴行罪が成立するのはそうした場合に限りません。
ここでいう「暴行」とは、不法な有形力・物理力を行使する一切の行為とされており、一般的な暴行よりも広い概念です。
上記事例では、AさんがVさんの胸倉を掴んだうえ、Vさんの身体を壁に打ち付けています。
身体を壁に打ち付ける行為が「暴行」に当たると考える方は多いかと思いますが、それだけでなく胸倉を掴む行為も「暴行」に当たるのです。

暴行罪の法定刑は、①2年以下の懲役、②30万円以下の罰金、③拘留(1日以上30日未満の拘置)、④科料(1000円以上1万円以下の金銭の納付)のいずれかです。
この罰則自体は比較的軽い方ですが、傷害罪や殺人罪といった他の罪が成立するとなると話は違ってきます。
刑事事件においては、逮捕のときに言われた罪名のまま捜査が進むとは限りません。
たとえば、事件後に受けた病院での診察で異常が見つかった場合、暴行罪から傷害罪へと罪名が変わる可能性は十分ありえます。
そうした可能性が否定できない点で、暴行罪とはいえ軽視すべきではないでしょう。

【前科回避のメリット】

罪を犯して罰せられた経歴のことを前科と呼ぶことがあるかと思います。
この前科という言葉は法律上の用語ではなく、明確な定義があるわけではありません。
ここでは、前科を「過去に何らかの刑罰を受けた経歴」と定義して話を進めます。

前科というものは、時に「汚点」と言われるように、特定の場面において不利益を及ぼすことがあります。

まず、前科を持つ者が再び何らかの罪を犯した場合、規範意識が低下しているとして重い刑を下されることがあります。
何十年も前であればさほど重要視されませんが、前科が付いたのが最近であればあるほどその影響力は大きくなることが予想されます。

ただ、上記不利益に限っては、当然ながらその後罪を犯さなければ問題はありません。
それよりも問題となりやすいのは、国家資格などの取得制限です。
たとえば、医師や看護師などの医療系の資格は、罰金以上の刑を科された者に対し「免許を与えないことがある」とされています。
また、地方公務員であれば、「禁錮以上の刑に処せられ、その執行が終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者」が職員になったり選考を受けたりできないとされています。

このほかにも選挙で投票できなくなったり海外旅行が制限されたりするなど、前科による不利益は種々のものがありえます。
前科により自身がどういった不利益を被るのか、そもそも前科を回避できないのかといった点は、ぜひ法律の専門家である弁護士にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では、数々の刑事事件と向き合ってきた弁護士が、前科に関するご相談にも真摯にお答えします。
暴行罪を疑われたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。
事務所での法律相談料は初回無料です。

痴漢事件で勾留阻止

2019-08-01

北海道旭川市の痴漢事件にかかる勾留阻止について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。

【事件】

Aさんは、電車に乗っていた際、正面に立っていた女性Vさんに対して痴漢をしたくなりました。
そこで、AさんはまずVさんのスカートの上からお尻を触り、その後スカートの中へと手を伸ばして陰部を触るなどしました。
乗客のひとりがそれに気づき、Aさんは北海道旭川市内の駅で降ろされて警察を呼ばれました。
まもなく到着した旭川中央警察署の警察官により、Aさんは北海道迷惑防止条例違反(痴漢)の疑いで逮捕されました。
Aさんと初回接見を行った弁護士は、勾留を阻止すべく検察官に意見を述べることにしました。
(フィクションです。)

【痴漢に成立する罪】

一般的に「痴漢」と呼ばれる行為は、以下のような罪に当たって刑事事件となる可能性があります。

まず、大部分の痴漢に成立するものとして、いわゆる迷惑防止条例違反の罪が挙げられます。
千葉県でも「北海道公衆に著しく迷惑を掛ける暴力的不良行為等の防止に関する条例」(通称:北海道迷惑行為防止条例)が定められています。
これによると、公共の場所または公共の乗り物において、他人を著しく羞恥させ、または不安を覚えさせるような方法で卑わいな言動を行うのは禁止されています。
「公共の場所」は公園や駅といった公衆が出入りできる場所を、「公衆の乗物」は電車やバスといった公衆が利用できる乗物を指します。
「卑わいな言動」はある程度幅のある言葉であり、一般的に痴漢と呼ばれる行為は基本的にこれに該当すると考えられます。

また、もう一つ考えられるものとして、刑法が定める強制わいせつ罪が挙げられます。
強制わいせつ罪は、暴行または脅迫を手段として「わいせつな行為」をした場合に成立しうる罪です。
おおむね「わいせつな行為」に当たると考えられる行為としては、胸を揉む、膣に指を入れる、無理やりキスをする、といったものが考えられます。
痴漢の内容が身体に触れる程度では収まらない悪質なものだった場合、強制わいせつ罪を疑われる可能性は高くなります。

それぞれの罰則を比べると、北海道迷惑行為防止条例違反の罪が6か月以下の懲役または50万円以下の罰金強制わいせつ罪6か月以上10年以下の懲役です。
このことから、一口に痴漢事件といってもその深刻性は事案により様々だと言えます。

【痴漢事件における勾留阻止】

被疑者として逮捕されると、その後48時間以内に事件が検察庁に送致され、検察庁で24時間以内に勾留請求をするかどうか決められることになります。
そして、検察官による勾留請求に対し、裁判官がその請求を認容した場合、被疑者は勾留請求の日から10日(延長により最長20日)身体拘束が継続されることになります。

勾留がもたらす不利益が大きいことから、軽微な刑事事件においては逮捕後に勾留されることなく釈放されることも珍しくありません。
このことは痴漢事件であっても同様ですが、上記のとおり痴漢事件の程度は事案によるため一概には言えません。
もし勾留阻止の可能性を少しでも高めるのであれば、やはり勾留前の段階で弁護士に事件を依頼するのが得策です。
勾留前に依頼できれば、弁護士が検察官や裁判官と面談を行うなどして勾留をしないよう働きかけることができます。
それだけでなく、痴漢事件の被害者との示談交渉を迅速に行うことも可能となります。
こうした活動は弁護士以外の者にとって難しいのが実情なので、種々のリスクを回避するためにもぜひ弁護士への依頼をご検討ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では、刑事事件に特化した弁護士が、勾留阻止を含めて充実した弁護活動に取り組みます。ご家族などが痴漢事件で逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。

事務所での法律相談料は初回無料です。

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