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殺人未遂罪で示談
北海道士別市の殺人未遂事件における示談について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。
【事例】
北海道士別市に住むAさんは、車を運転中に歩行者とトラブルになりました。
Aさんがその場から立ち去ろうとすると、トラブルの相手が後部座席の窓枠を掴んできましたが、Aさんはそのまま車を発進させました。
トラブルの相手を引きずりながら約1.5キロメートル走行した時点で、力尽きた相手は道路にたたきつけられて軽傷を負いましたが、Aさんはそのまま逃走しました。
後日Aさんは、北海道士別警察署に、殺人未遂罪で逮捕されました。
(この事例はフィクションです。)
【殺人未遂罪について】
殺人に着手したものの、その目的を遂げなかった場合、殺人未遂罪が成立する可能性があります。
犯罪は何らかの保護されるべき利益を侵害した場合にのみ認められるのが原則ですが、一部の重大な罪に関しては例外的に侵害には至らなかった場合をも犯罪としています。
殺人未遂罪は、正にその典型例の一つだと言うことができます。
殺人未遂罪でよく争点になるのが「殺意」です。
「殺意」とは、人を殺す意思、つまり「故意」のことで、殺人未遂罪で「殺意」が認められなければ、傷害罪や過失傷害罪となる可能性が高いです。
「殺意」は、「絶対に殺す。」「絶対に死ぬ。」といった確定的故意である必要はなく、未必的故意、条件付故意、概括的故意でもよいとされています。
つまり、「死ぬかもしれないが、別に死んでも構わない。」といった容認があれば、殺意は認められてしまいます。
殺人未遂罪の罰則規定は、殺人罪と同じ「死刑又は無期若しくは5年以下の懲役」と非常に厳しいものです。
ところが、殺意が認められず傷害罪や過失傷害罪になれば、傷害罪だと「15年以下の懲役又は50万円以下の罰金」、過失傷害罪にいたっては「30万円以下の罰金又は科料」と軽減されます。
今回の事件では、Aに確定的な故意があったとは考えられませんが、引きずりながら1.5キロも走行していることを考慮すれば、未必的故意が認められる可能性は高いでしょう。
この様な事件で殺意が認められるか否かは、犯人の供述だけでなく
・引きずったまま走行した距離
・引きずったまま走行している速度
・引きずったまま走行した道路事情(通行料)
等の客観的事情によっても判断されます。
殺人未遂罪で有罪となった場合の刑罰は、殺人罪の法定刑を基準に未遂という事実が加味されることで決定されます。
未遂を理由に刑が減軽されるとすると、最も重いもので無期懲役、最も軽いもので2年6か月の懲役が殺人未遂罪の刑ということになります。
未遂による刑の減軽を行うかどうかは一応裁判官に委ねられていますが、大半の場合減軽はなされると考えて差し支えありません。
【殺人未遂罪と示談】
殺人未遂罪も重大な罪であることには変わりないため、裁判が行われるのはもちろん、重い刑が科される可能性も非常に高いです。
そこで、最終的な結果を少しでもよいものにするには、やはり被害者との示談が重要になります。
話は変わりますが、刑事事件においては、最終的にいかなる罪の責任を追及するかということを検察官が決めることになります。
殺人未遂事件では、たとえ殺人未遂罪の疑いで逮捕されたり取調べを受けたりしても、最終的に検察官が暴行罪や傷害罪として処理することがあります。
その理由としては、殺人未遂罪での起訴が難しいというもののほかに、事件後の事情などを考慮して敢えて暴行罪や傷害罪を選んだというものがあります。
これは、犯罪の訴追を責務とする検察官に認められている裁量の表れです。
被害者との示談の成立は、上記の検察官の裁量に強い影響を及ぼす事情の一つとされています。
もし上手く示談を取り交わすことができれば、暴行罪や傷害罪となって遥かに刑が軽くなることが期待できます。
事案の内容次第では、暴行罪や傷害罪に切り替わったうえで不起訴となることもありえます。
このように示談は大きな役割を果たすので、万全を期すためにもぜひ弁護士の力を借りることをご検討ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では、刑事事件の経験豊富な弁護士が、示談交渉に自信を持って取り組みます。
ご家族などが殺人未遂罪の疑いで逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。
事務所での法律相談料は初回無料です。
盗撮事件で取調べ
北海道八雲町の盗撮事件における取調べについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。
【事例】
Aさんは、北海道八雲町にあるスーパーのエスカレーターで女性のスカートの中を盗撮しました。
Aさんは、自分のスマートフォンを利用して盗撮しており、その様子を目撃した警備員に捕まったAさんは、110番通報で駆け付けた警察官によって北海道八雲警察署に連行されて取調べを受けました。
Aさんは、逮捕を免れることができましたが、盗撮に利用したスマートフォンには、過去に盗撮した画像が何十件も保存されています。
厳しい刑事罰が科せられるのではないかと不安なAさんは、刑事事件に強い弁護士に相談しました。
(フィクションです。)
【盗撮の罪について】
盗撮が犯罪であることは、今や一般によく知られているかと思います。
盗撮を犯罪として処罰する旨規定しているのは、法律ではなく各都道府県が定める条例です。
条例というのは各自治体がある程度自由に定めることができるようになっており、盗撮について定めた条文の文言や刑罰の重さは各条例により異なっています。
北海道では、「北海道公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」(通称:北海道迷惑防止条例)が盗撮に関する規定を置いています。
①公共の場所または公共の乗物において、衣服等で覆われている身体または下着を撮影したり、撮影機能を持つ機器を向けたりすること
②不特定または多数人が利用するような場所および乗物(事務所、教室、タクシーなど。公共の場所および公共の乗物を除く)において、①の行為をすること
③住居、トイレ、更衣室といった、人が通常衣服の全部または一部を着けない状態でいる場所において、その状態の他人を撮影したり、撮影機能を持つ機器を向けたりすること
④①②の場所において、撮影するため、写真機等を設置すること
以上のような盗撮を行った場合、6月以下の懲役または50万円以下の罰金(常習犯は1年以下の懲役または100万円以下の罰金)が科されるおそれがあります。
また、あらかじめ盗撮の目的を持って建造物に立ち入った場合、正当な理由に欠けるとして建造物侵入罪が成立する余地もあります。
【警察の取調べ】
事件を起こしてしまった場合、逮捕されれば当然のこと、Aさんのように逮捕されていなくても警察の取調べを受ける事となります。
警察の取調べは、取調室という密室で、警察官と1対1、若しく2対1で行われます。(補助官と呼ばれる警察官が同席する場合もある)
取調べする警察官は、事件の内容だけでなく、事件前の行動や、事件を起こした動機、時として家族や仕事の事まで聞いてきます。
当然、取調べを受ける者には、黙秘権(供述拒否権)という権利が法律で認められて、警察官の質問に答えなくても問題ありません。
しかし、警察官はあの手この手を使って供述を引き出そうとし、時には脅迫や暴行を用いた違法な取調べをする事もあります。
また黙秘することによって、容疑を否認していると判断される場合もあるので、警察の取調べを受ける前に、その対処法について刑事事件に強い弁護士に相談することをお勧めします。
なお、違法な取り調べによって供述した内容が記載された供述調書に証拠能力は認められませんが、取調べは密室で行われているので、後から違法性を立証するのは非常に困難です。
【盗撮事件の弁護活動と量刑】
盗撮事件を起こして警察の取調べを受けても、その後の刑事弁護活動を誤らなければ刑事罰を免れれる可能性があります。
盗撮事件の主な弁護活動は、被害者との示談交渉になります。
示談を締結することができて、被害者の許しを得ることができれば不起訴処分となり刑事罰を免れることができる可能性が高まります。
逆に示談がなければ、初犯の場合、略式起訴されて罰金刑となるでしょう。
再犯の場合は、起訴される可能性もあるので、盗撮事件でお困りの方は一刻も早く刑事事件に強い弁護士に相談することをお勧めします。
刑事事件を専門に扱い、警察官、検察官の取調べ手法を熟知している、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は、違法な取調べをする捜査機関に対しては徹底して抗議し、真実を追及する弁護士事務所です。
北海道八雲町の盗撮事件でお困りの方、警察官の違法な取調べに強い弁護士をお探しの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。
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過失運転致傷罪の示談交渉
北海道網走市の過失運転致傷事件における示談交渉について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。
【事例】
北海道網走市に住むAさんは、会社に車で通勤していました。
ある日の帰宅途中、自宅近くの交差点に差し掛かったAさんは、ふと道路沿いの店舗が気になり、視線を右側にそらしてしまいました。
そのため、Aさんは信号待ちで止まっている前の車両に気付くのが遅れてしまい、ブレーキを踏み損ねたため、そのまま前の車に衝突してしまいました。
前の車に乗っていたBさんは、衝突により、全治3週間のむち打ちになってしまいました。また、Bさん乗っていた車の後部が大きくへこんでしまい、修理が必要な状況になってしまいました。
事故を起こしたAさんは、大変なことをしてしまったと思いましたが、すぐに停車をし、110番や119番をしました。
Aさんは、その日は逮捕されなかったものの、北海道網走警察署での取調べを数回受けています。
(フィクションです。)
【過失運転致傷罪について】
自動車が普及するにつれてその危険性が認知されるようになったことで、自動車による過失傷害は重く罰すべきではないかと考えられるようになりました。
そこで、刑法改正により自動車運転過失致傷罪という特別な規定が置かれ、現在ではその規定が過失運転致傷罪として「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」に組み込まれるに至っています。
この法律では、自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた場合、7年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金に処すると定められています。
ただし、傷害の程度が軽ければ、情状により刑が免除される余地があります。
実際にどの程度の刑が科されるかは、怪我の程度、不注意の内容、被害弁償の有無などにより変わってきます。
不起訴になることもあれば裁判で懲役刑が科されることもあるため、結果については個々の事案により様々です。
ちなみに、特定の危険な運転(たとえば飲酒運転や大幅なスピード違反など)で人身事故を起こした場合、危険運転致死傷罪というより重い罪となります。
その法定刑は1年以上の懲役(上限20年)であり、相当長期の懲役刑が言い渡される可能性も決して否定できません。
事例のAさんは、前方を注視するという運転時に求められる基本的な義務に違反し、前方注視を怠った結果、事故を起こしてしまいました。そのため、Aさんに成立する罪は、過失運転致傷罪というものになります。
また、Aさんは事故後、すぐに110番や119番をしています。もしAさんがこのような行動をとらず、現場から逃走してしまったような場合には、いわゆる「ひき逃げ」となります。ひき逃げの罪は、最高懲役10年と非常に重くなっていますし、過失運転致傷と同時に罪に問われた場合には、最高懲役15年ととても重い刑で処断される可能性があります。
【交通事故の示談交渉】
交通事故の場合、どのように示談交渉を進めていけばよいのでしょうか。
まず、通常の刑事事件と異なり、交通事故の場合には、警察がその場で相手方の連絡先を教えてくれることが多くあります。そのため、直接相手方と交渉をするということも可能です。
また、自動車での交通事故の場合には、自賠責保険や任意保険に入っているはずです。このような保険会社を通じて示談交渉をすることもできます。
保険会社は、事故が起きた場合、被害者に対して治療費や慰謝料などの金銭を支払いますし、今回の事件のような場合では、車の修理費なども支払います。しかし、この支払いをめぐっては、様々なトラブルが考えられます。
例えば、保険会社は、保険会社が支払うことが相当であると判断したもののみ支払います。そのため、必ずしも被害者が現実に支払った治療費や、修理代を支払うとは限りません。保険会社が不相当であると判断したものについては、支払わないことになります。また、交通事故の態様に争いがあり、事故をした双方に責任があるような場合(出会い頭の事故などが典型です)には、過失相殺が働きます。過失相殺は、事故の責任を案分するもので、その結果、治療費等も案分で支払いとなりますから、被害者には治療費等が全額支払われるわけではありません。
このように、保険金の支払いをめぐってトラブルが生じた場合には、刑事事件の捜査が終了するまでの間に、示談が終了していないということも十分考えられます。
また、保険金の支払いは、当然のことであると被害者が考えている場合には、事故を起こした刑事責任はまた別の問題ということになってしまい、保険金が支払われても処罰を求めるということも十分考えられます。
そうすると、保険会社に示談交渉を任せていても、刑事事件としての交通事故は解決せず、起訴され、前科がついてしまうことが十分考えれます。
交通事故の場合でも、刑事事件化を阻止するためには、保険会社とは別に、示談交渉を行い、被害者の方に許してもらうということが必要になります。
北海道網走市で、交通事故に強い弁護士をお探しの方、交通事故の被害者と示談して刑事罰を免れたい方は、刑事事件に強いと評判の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。
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侵入盗で一部無罪主張
北海道中標津町の侵入盗事件における一部無罪主張について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。
【事例】
北海道中標津町のアパートに住むAさんは、入居の際に挨拶をした隣室のVさんに好意を抱きました。
AさんはなんとかVさんと親しくなれないか考えましたが、なかなかそのきっかけを掴めずにいました。
ある日、AさんはVさんがアパートの鍵を掛けずに外出する癖があることを知り、不在時を狙えば部屋に忍び込めると考えました。
そこで、Vさんが留守のタイミングを見計らって、Vさんの部屋に無断で立ち入りました。
その数日後、Aさんのもとを北海道中標津警察署の警察官が訪ね、侵入盗を試みたとしてAさんを住居侵入罪および窃盗未遂罪の疑いで逮捕しました。
Aさんと接見した弁護士は、窃盗未遂罪について無罪の主張をすることにしました。
(フィクションです。)
【侵入盗について】
窃盗事件には、商品数点の万引きや他人口座からの現金の引き出しなど、実に様々なケースが存在します。
侵入盗というのは、そうした窃盗事件のうち、住居や事務所などに侵入して行う窃盗の類型を指します。
留守の家に不法侵入して家内の物を盗めば、住居侵入罪と窃盗罪が成立します。
まず、住居等侵入罪は、正当な理由なく他人の住居等に侵入した場合に成立する可能性のある罪です。
注意しなければならないのは、普段自由に立ち入りができる場所だからといって、そのことをのみを理由に住居等侵入罪の成立が否定されるわけではない点です。
たとえば、普段気軽に出入りできる友人の家であっても、あらかじめ窃盗の目的で立ち入れば住居侵入罪に当たる可能性があります。
次に、窃盗罪は、他人の財物を窃取した場合に成立する可能性のある罪です。
窃取による財物の移転をもって既遂となり、既遂に至らずともその危険性が認められれば窃盗未遂罪となる余地があります。
たとえば、金目の物がないかタンスの中身を物色すれば、財物窃取の危険性があったとして窃盗未遂罪が成立すると考えられます。
この二つの罪を犯した場合は、牽連犯となるので、刑事罰が科せられる上では一罪として扱われ、空き巣の場合は、起訴されて有罪が確定すると、窃盗罪の法定刑内「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」で刑事罰が言い渡されます。
空き巣のような侵入盗は、窃盗罪の中でも厳罰が予想される犯罪です。
通常の窃盗罪であれば、初犯だと略式罰金となる可能性が高いですが、侵入盗は正式起訴されてしまいます。
そして初犯であっても、余罪が複数件ある場合は、実刑判決もあり得るのです。
空き巣のような侵入盗は、住居の平穏を害していることから、この様な厳しい処分が言い渡されるのです。
【侵入盗事件における一部無罪の主張】
住居侵入罪を犯した際、それと併せて窃盗罪または窃盗未遂罪を疑われることは少なくありません。
これは、物がなくなっていると被害者が感じてその旨捜査機関に申告したり、室内に荒らされた形跡が残ったりしていることがその原因です。
侵入盗は窃盗事件の中でも特に多いことから、住居侵入罪と共に疑われやすいのです。
こうした侵入盗事件のように本来行った以上の犯罪を疑われている場合、一部無罪を主張することが考えられます。
一部無罪は、その名のとおり疑われている犯罪の一部について無罪となることです。
当然ながら、有罪となった際の刑は罪の数が多ければ多いほど重くなるため、一部無罪は量刑を軽くする要素として決して見逃せないものです。
侵入盗も例にもれず、住居等侵入罪および窃盗(未遂)罪が成立する場合と住居等侵入罪のみが成立する場合とでは全く話が違ってきます。
一部無罪を目指すうえでは、どこまで認めてよく、どこから否認すべきかの線引きをきちんと行う必要があります。
この判断は、各犯罪の成立要件に加えて、個々の行動や供述が犯罪の認定との関係でどういった意味を持つのかという点をも把握することが重要になります。
こうした判断は法律のプロである弁護士が活きる場面なので、一部無罪を主張するならぜひ弁護士にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では、刑事事件に特化した弁護士が、やっていないことを疑われた方のために一部無罪の主張を真摯に検討いたします。
ご家族などが侵入盗の疑いで逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。
事務所での法律相談料は初回無料です。
証拠隠滅罪で逮捕
北海道釧路市の証拠隠滅罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。
【事例】
北海道釧路市の自動車解体業アルバイト店員Aさん(18歳)は、後輩に頼まれて、この後輩がひき逃げ事件を起こした自動車をスクラップ処理した容疑で、後日、北海道釧路警察署に証拠隠滅罪で逮捕されました。
Aさんの両親から相談を受けた弁護士は、最終的に不処分を目指すことを提案しました。
(フィクションです)
【証拠隠滅罪~刑法第104条~】
刑事事件においては、被疑者・被告人が自己の犯罪に関する証拠の隠滅を思いとどまることは必ずしも期待できないと考えられています。
そのため、逮捕・勾留の可否や量刑判断などを左右する要素ではあるものの、証拠隠滅自体が独立の犯罪として定められているわけではありません。
一方で、犯人以外の者が犯人のために行う証拠隠滅については、証拠隠滅罪として処罰されることになっています。
証拠隠滅罪は、証拠偽造罪などと共に刑法104条に定められています。
それによると、他人の刑事事件に関する証拠を隠滅した場合、3年以下の懲役または30万円以下の罰金が科されるおそれがあります。
このように犯人以外の者による証拠隠滅が罰せられるのは、こうした行為に裁判などの刑事司法作用を害する危険性が認められるからです。
被疑者・被告人には前記のとおり期待可能性がない一方で、他の者についてはそういうわけではないと考えられているのです。
殺人事件に使用された拳銃を海に捨てたり、詐欺事件の証拠品である出金伝票を廃棄処分することや、質入れされた盗品を質屋が隠匿する行為も、証拠隠滅罪に抵触する可能性があります。
また、証拠隠滅罪には、刑法第105条で「親族による犯罪に関する特例」が定められています。
犯人又は逃走した者の親族がこれらの者の利益のために証拠隠滅罪を犯した場合は、刑が免除される可能性があるのです。
【少年事件における不処分とは何か】
罪を犯した者が少年(20歳未満の者)である場合、原則として刑法などが定める刑罰は科されません。
これは、少年がいまだ発達段階にあることを考慮し、刑罰以外の適切な教育・指導による健全な育成を目指すことに由来します。
この趣旨から、少年事件では保護処分という少年ひとりひとりに最適な措置がとられます。
捜査を終えた少年事件が家庭裁判所に送致されると、少年の性格や資質などに関する調査を行ったあと、必要に応じて少年審判を開きます。
このとき、少年に何らの保護処分も行わない不処分という決定が下されることがあります。
不処分になるのは、調査により保護処分を要するように思われたものの、少年審判の結果保護処分を要しないと判断された場合です。
基本的には、少年審判の段階で、少年が現在の環境のままで更生できると判断された場合がそれに当たります。
そのため、不処分を目指すうえでは、少年が抱える問題点の発見とそれを解消するための環境整備が重要となるでしょう。
その際には、少年事件に詳しい弁護士の知恵が大いに役に立つかと思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では、少年事件に特化した弁護士が、不処分を目指して少年ひとりひとりと真剣に向き合います。
お子さんが証拠隠滅罪を疑われたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。
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恐喝罪で接見禁止解除
北海道深川市の恐喝事件における接見禁止解除について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。
【事例】
北海道深川市で土建業を営むAさんは、右肘から右肩にかけて入れ墨を入れています。
先日、お金を貸している後輩の家に行きましたが、後輩が留守にしていたので、対応した母親に対して「息子が借りた金を親が返すんは筋だろ。さっさと払え。」と言って、母親から後輩に貸していた20万円を返してもらいました。
この行為が恐喝罪に当たるとして、Aさんは北海道深川警察署に逮捕されてしまいました。
なお、被害者である後輩の母親は「入れ墨が見えたので怖くてお金を支払った。」と警察に証言しています。
(フィクションです。)
【恐喝罪について】
人を恐喝して財産を交付させた場合、恐喝罪が成立する可能性があります。
恐喝罪における「恐喝」とは、暴行または脅迫であって、相手方の反抗を抑圧するに至らない程度のものです。
つまり、暴行または脅迫により畏怖を生じさせ、判断能力が低下した相手方から財産の交付を受けるのが恐喝罪だと言うことができます。
相手方の判断能力を低下させるという点では、欺く行為を手段とする詐欺罪に通ずるものがあります。
そのためか、恐喝罪の法定刑は、詐欺罪と同じく10年以下の懲役となっています。
恐喝罪は財産犯と呼ばれる類型に属しますが、他に暴行・脅迫を手段とする財産犯として強盗罪があります。
恐喝罪と異なり、強盗罪における暴行・脅迫は、相手方の反抗を抑圧するに足りる程度のものとされています。
この反抗の抑圧に至ったかどうかという点は、被害者がどう感じたかではなく、被害者が遭遇した状況に基づき客観的に判断される事柄です。
【借金の返済を求めても恐喝罪が成立する?】
恐喝罪の客体となるのは、他人が占有する他人の財物ですが、他人が占有する自己の財物であっても、恐喝罪の客体となる場合があるので注意しなければなりません。
今回の事件のように、借金の返済を求めた場合でも、その方法によっては恐喝罪が成立する可能性があるので注意しなければなりません。
【入れ墨を見せただけで恐喝罪が成立する?】
恐喝行為の「手段」は、主に暴行、脅迫です。
そして、その程度は、人に畏怖の念を生じさせる程度、つまり相手が怖いと恐怖を感じる程度だと言われています。(困惑では足りない。)
Aさんが、後輩の母親に申し向けた文言だけでしたら社会一般的に、相手が畏怖するとは考えられませんが、同時に入れ墨が見えていたとすれば、後輩の母親が感じた恐怖は認められるでしょう。
そして、この恐怖(畏怖)によってAさんにお金を支払っていたのであれば恐喝罪が成立する可能性が高いです。
【接見禁止とその解除の申立て】
刑事事件における被疑者の身体拘束には、72時間という比較的短期の逮捕と、10日以上という長期の勾留の2つがあります。
逮捕から2~3日が経って勾留決定が下されると、以後弁護士以外の者が被疑者・被告人と面会できるようになるのが原則です。
これが一般面会であり、弁護士とは異なり指定の日時など限定された範囲内で行うことができます。
大半の事件では原則どおり勾留決定後に面会が可能となりますが、一部の事件では接見(等)禁止という措置により面会が許されないことがあります。
「接見」とは面会のことを指し、「等」とあるのは他に物の授受なども併せて禁止されるからです。
接見禁止決定が下されると、本来は可能なはずの勾留以後の面会も叶わなくなってしまいます。
そこで、弁護士としては、接見禁止の解除を目指して裁判官に対する申立てを行うことが考えられます。
たとえば、家族など一部の者だけでも面会を可能とするよう促したり、接見禁止の判断が正しいか上級の裁判所に再検討を求めたりします。
こうした申立てが奏功すれば、被疑者が家族などと面会できるようになり、多少なりとも精神の負担を取り除くことが期待できます。
接見禁止解除を求めるなら、ぜひお近くの弁護士にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では、刑事事件に特化した弁護士が、接見禁止を解除してほしいというご相談を真摯にお聞きします。
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現住建造物等放火で逮捕
北海道帯広市の現住建造物等放火事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。
【事例】
北海道帯広市に住む公立高校3年生のA君は、進学先をめぐって父親と口論が絶えません。
昨夜も、父親と口論になってしまい、自室にもどったA君は、腹いせに雑誌に火を点けてしまいました。
すぐ消火するつもりでしたが、カーテンに燃え移った炎が燃え広がり、自室の内壁までも焼損して消火されました。
そしてA君は、通報で駆け付けた北海道帯広警察署の警察官に、現住建造物等放火罪で逮捕されてしまったのです。
A君の両親は、少年事件に強い弁護士にA君の刑事弁護を依頼しました。
(フィクションです。)
【現住建造物等放火】
現住建造物等放火罪とは、現に人が居住に使用し又は現に人がいる建造物等に放火し、焼損する犯罪です。
現住建造物等放火罪は、財産罪的性格を有する、典型的な公共危険罪です。
現住建造物等放火罪は、抽象的危険犯なので、客体を焼損すれば成立し、公共の危険を現実に発生させる必要はありません。
「現に人が住居に使用する」とは、犯人以外の者が起臥寝食の場所として日常使用する事です。必ずしも特定の人が居住する必要はなく、夜間又は休日にだけ起臥寝食に使用される場合も、これに含まれます。
続いて「現に人がいる」とは、犯人以外の者が現存することです。
ちなみに現住建造物等放火罪が成立するには、犯人が現住性を認識している事が必要となります。
例えば、犯人は「空き家で誰もいないと思って放火した」が、たまたまホームレスが住みついていた場合などは、犯人に現住性の認識が認められないので、非現住建造物等放火となる場合もあります。
現住建造物等放火罪は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役の罰則が定められています。
殺人罪に匹敵する非常に厳しい処罰規定で、起訴されれば、裁判員裁判の対象事件です。
しかしA君のような未成年が刑事事件を起こしても、家庭裁判所から検察官に送致(逆送)されない限り、刑事罰を受けることはありませんが、現住建造物等放火罪は非常に重たい罪ですので、特段の事情がない限り、家庭裁判所から検察官に送致(逆送)しなければならないと定められています。
そのためA君は、死刑の対象にはなりませんが、裁判員裁判によって、現住建造物等放火罪の罰則規定内で処罰される事となる可能性が非常に高いです。
【保釈による身柄解放】
法定刑の重さからも分かるように、放火罪は凶悪犯の一つとして数えられる重大な罪です。
放火罪のような重大な罪を疑われた場合、逮捕・勾留の可能性は非常に高くなるのが一般的です。
犯した罪が重大であればあるほど、逮捕・勾留の要件である逃亡や証拠隠滅のおそれが高いと評価されるためです。
上記のようなケースでは、起訴後に限って許される保釈が身柄解放の有力な手段と言えます。
保釈とは、裁判所に指定された額の金銭を預けることで、判決が下されるまで一時的に身体拘束を解く手続です。
預けた金銭はいわば担保の役割を果たし、逃亡や証拠隠滅などに及んで没収されない限り、保釈が終わったのちに返還されます。
こうした威嚇が存在することもあって、保釈は重大な事件においても比較的認められやすいという特徴があります。
保釈が認められるためには、被告人または被告人と一定の関係にある者が保釈請求をしなければなりません。
この保釈請求を通して、裁判所は被告人の保釈を認めても差し支えないか審査することになります。
ですので、保釈請求を行うのであれば、法律の専門家である弁護士に行ってもらうのが得策です。
弁護士であれば、保釈の妨げとなりうる事情がないことを的確に主張したり、保釈に向けてそうした事情を解消したりすることが期待できます。
保釈の可能性を少しでも高めるなら、ぜひ弁護士への依頼をご一考ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では、刑事事件に強い弁護士が、ご依頼に応じて一日でも早い保釈を目指します。
ご家族などが放火罪の疑いで逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。
事務所での法律相談料は初回無料です。
名誉毀損罪の刑事弁護活動
北海道函館市の名誉毀損事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。
【事例】
北海道函館市に住むAさんの自宅の前は私道になっていますが、通り抜けをする車両が絶えず、困っています。
通行を禁じる旨の立て看板をして注意を呼び掛けていますが、全く効果がないことからAさんは、自宅の前に監視カメラを設置しました。
そして、「不正通行監視中。悪質な違反者は警察に通報します。」と警告の看板も設置したのです。
こうした対策によって不正通行する車両は激減しましたが、先日、偶然不正通行する車両を見つけたので、Aさんはドライバーに注意しました。
しかしドライバーは全く聞く耳を持たず、逆にAさんに暴言を吐いてくる始末でした。
Aさんは、ドライバーに何か刑事罰を科せないものかと不正通行の様子を撮影した監視カメラの映像をもって、北海道函館西警察署に相談しましたが、取締るのは難しいと言われました。
そこでAさんは、インターネットの動画投稿サイトに「犯罪者。見かけた方は注意してください。」という表題をつけて、監視カメラの映像を投稿したのです。
その映像には、不正通行した車両ナンバーがハッキリと映っており、ドライバーの顔がアップになっていました。
この行為が名誉毀損に該当するとして、ドライバーが北海道函館西警察署に被害を届け出たことから、Aさんは警察署から呼び出されました。
(フィクションです。)
【名誉毀損】
公然と事実を適示し、人の名誉を毀損すれば名誉毀損罪に抵触する可能性があります。
名誉毀損罪にいう「公然と」とは、不特定多数人が認識できる状態を意味します。
Aさんが書き込んだインターネットの動画投稿サイトは、誰でも閲覧可能なサイトですので、公然性は認められるでしょう。
続いて「事実を適示」についてですが、ここでいう事実は真実である必要はありません。しかし、内容については、人の社会的評価を害する、ある程度具体的なものでなければならないとされています。
Aさんが「犯罪者。見かけた方は注意してください。」と表題をつけて、相手を特定できる内容の映像を公開していることを考えると、これは、人の社会的評価を害する、具体的なものであるといえるでしょう。
事実の適示がされたか否かは、その有無によって名誉毀損罪と侮辱罪とが区別されることもあるので非常に重要な問題です。
名誉毀損罪の罰則規定は「3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金」ですが、侮辱罪の「拘留又は科料」ですので、罰則規定に大きな違いがあります。
ちなみに名誉棄損罪は親告罪ですので、被害者等の告訴権者の告訴がなければ起訴を提起できません。
インターネットの書き込みは匿名ということもあり、普段よりも攻撃的になってしまう場合があります。
最近はこういったインターネットを利用する方のモラルが社会問題化されていることもあり、何気なしにした書き込み、軽い気持ちでした書き込みが、名誉毀損罪に当たるとして警察の捜査を受けている方もいるので注意しなければなりません。
【刑事弁護活動】
刑事事件では「時間」が非常に重要になってきます。
より良い結果を得るためには、刑事事件専門の弁護士が、適切かつ迅速に対応することが大切です。
特に、Aさんの事件のように、不拘束で警察の取調べを受ける方は、警察署に出頭して取調べを受ける前に、刑事事件に強い弁護士に法律相談することをお勧めします。
名誉毀損罪は、検察官が起訴して裁判を行う場合に告訴を要する親告罪と定められています。
これは、裁判において名誉毀損に当たる事実が公になることを考慮し、訴追するかどうかを被害者の意思に委ねる趣旨です。
ですので、被害者による告訴がなければ、検察官としては不起訴にせざるを得ないということになります。
上記のことから、名誉毀損罪を犯してしまった際には、被害者と示談交渉を行うなどして告訴を取り消してもらうことが重要になります。
ただ、当然ながらこの告訴の取消しは簡単に実現するものではありません。
そもそも告訴は犯人の処罰を求める意思表示であり、告訴した被害者は強い怒りを抱いているのが通常です。
そのため、下手に交渉を行うと、告訴を取り消すどころか処罰感情をますます強固にしてしまうリスクがあります。
そこで、告訴の取消しを目指すのであれば、やはり弁護士に任せることをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では、示談交渉の経験豊富な弁護士が、告訴の取消しの可能性を可能な限り高めます。
名誉毀損罪を疑われたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。
事務所での法律相談料は初回無料です。
強要罪で少年院回避
北海道北見市の強要罪における少年院回避について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。
【事例】
北海道北見市に住むAさん(18歳)は、コンビニで弁当を買った際、従業員のVさんが割り箸をつけなかったことに怒りを覚えました。
そのことをVさんに指摘したところ、Vさんはしぶしぶ謝罪するような態度を見せたことから、Aさんは激怒して土下座を要求しました。
Vさんは、Aさんに「てめえいい加減にしないと殴るぞ」などと言われたことから、さすがにまずいと思い土下座をしました。
後日、Vさんが北海道北見警察署に被害届を提出したことがきっかけとなり、Aさんは強要罪の疑いで逮捕されました。
(フィクションです)
【強要罪について】
第二百二十三条
生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者は、三年以下の懲役に処する。
2 親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者も、前項と同様とする。
3 前二項の罪の未遂は、罰する。
暴行や脅迫を手段として、他人に本来行う必要のない行為を無理やり行わせた場合、強要罪が成立する可能性があります。
最近時々見られる土下座強要も、それに至る過程で脅迫や暴行が加えられていれば、強要罪が成立すると考えられます。
強要罪は、他人の自由な意思決定を妨げることを問題視する罪だとされています。
そのため、手段となる暴行や脅迫は、相手方を畏怖させるに足りる程度のものでなければならないと考えられています。
また、たとえ暴行や脅迫がその程度に至っていたとしても、それと結果との間に因果関係が存在する必要があります。
ですので、たとえば被害者が憐れみの情を感じて行為に及んだ場合は、畏怖によってなされた行為でないため強要未遂罪が成立するにとどまるということになります。
【少年院を回避するには】
20歳未満の者が罪を犯した場合、その事件は通常の刑事事件ではなく少年事件として扱われるのが原則です。
少年事件は逆送されない限り刑罰が科されず、その代わりに保護処分という少年の更生に向けた措置がとられることになります。
保護処分には、①保護観察、②児童自立支援施設・児童養護施設送致、③少年院送致の3つがあります。
このうち最もよく耳にするのは③少年院送致ではないかと思います。
少年院送致とは、その名のとおり少年を少年院に入院させ、そこでの生活を通して更生を図るための保護処分です。
一般的に、少年院送致が行われるのは、家庭や学校・職場といった少年の現在の環境では更生が達成しづらいケースです。
そうしたケースに当たるかどうかの判断は、少年事件が家庭裁判所に送致された後で行われる調査と、それを受けて必要に応じて行われる少年審判によります。
これらの手続を経て、少年自身や周囲の力でどの程度更生が見込めるか確かめられ、最終的な保護処分が決められることになるのです。
少年院送致を阻止するためには、第一に少年の更生が実現できる環境をきちんと整える必要があります。
それは少年自身の問題にとどまらず、主に保護者をはじめとする少年の周囲の問題でもあります。
大切なのは、悪いことをしたからといって少年を責めたりせず、非行に至った原因を紐解いてきちんと少年に向き合うことです。
具体的に何をすればいいかは少年ひとりひとりにより違うので、困ったら少年事件に詳しい弁護士に聞いてみてもよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では、少年事件に強い弁護士が、少年院送致を回避するために行うべきことを丁寧にお伝えします。
お子さんが強要罪を犯してしまったら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。
事務所での法律相談料は初回無料です。
廃棄物処理法違反の取調べ対応
北海道本別町の廃棄物処理法違反事件における取調べ対応について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。
【事例】
北海道本別町に住むAさんは、引っ越しで出た家具等の粗大ゴミの処分にお金をかけるのがもったいなく思い、大量の粗大ゴミを近所の河川敷に捨ててしまいました。
粗大ゴミの処理に困った河川敷の管理組合が北海道本別警察署に相談してこの事件が発覚し、本別警察署は廃棄物処理法違反事件で捜査を開始しました。
(フィクションです。)
【不法投棄について】
「廃棄物」の具体的な内容については廃棄物処理法が定めており、一般的な家庭ごみや粗大ごみは基本的に「廃棄物」に含まれます。
日本では、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(通称:廃棄物処理法)をはじめとする各種法令により、廃棄物の適正な処理が義務付けられています。
廃棄物処理法は、16条において、「何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない」と定めています。
この規定に違反してみだりに廃棄物を捨てると、①5年以下の懲役、②1000万円以下の罰金、③①②の両方のいずれかが科されるおそれがあります。
【不法投棄事件の警察捜査】
ゴミの不法投棄については、住民や市区町村からの通報により警察が捜査することになります。
具体的には、まずは、現場検証を行ってゴミの投棄場所や投棄量を記録(証拠化)し、その後、ゴミの中から犯人特定に至る手がかりを見つけたり、周辺への聞き込み、防犯カメラ等の確認等により犯人を特定します。
軽い気持ちでしたゴミのポイ捨てでも、不法投棄事件として警察が捜査する可能性があり、過去には、日常生活で出る生活ゴミを指定場所以外の場所に捨てたとして、廃棄物処理法違反で警察の取調べを受けた方もいるので注意しなければなりません。
ゴミの処理は、各自治体で定められた方法によって適正に処分することをお勧めします。
【取調べ対応の重要性】
不法投棄というのは、普段刑事事件とは無縁の生活を送っている方にとっても比較的身近な犯罪です。
そのため、不法投棄の疑いを掛けられたことで、生まれて初めて警察から被疑者として取調べを受けることになったという方も少なくないかと思われます。
ここで注意しておきたいのは、被疑者に対する警察の接し方が多種多様であり、場合によっては犯罪のうち心当たりのない部分についてまで厳しく追及されることがある点です。
警察は捜査機関として刑事責任を追及する立場にあるので、仕事柄どうしても被疑者を疑ってかかる必要があります。
そのため、厳しい取調べが行われる結果、被疑者が自身の認識と異なる事実を供述してしまうということもしばしば見られます。
不法投棄のケースで考えると、たとえば自身が捨てていないごみについてまで「自身が捨てたものかもしれない」と供述してしまうことが考えられます。
こうした事情から、取調べを受ける場合には、あらかじめ弁護士から取調べ対応を聞いておくことが非常に有益です。
事前に弁護士のもとへ相談に行けば、弁護士が個々の事案の特殊性を考慮したうえで、ひとりひとりに合わせた適切な取調べ対応を知ることができます。
この取調べ対応は、不慣れな取調べを受けるうえであなたの身を守る役割を果たすことが期待できます。
もし取調べを受けるに当たり少しでも不安があれば、気軽に弁護士に相談してみるとよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では、刑事事件の豊富な経験を有する弁護士が、取調べ対応を含めて事件に関する最適なアドバイスを致します。
もし不法投棄を疑われたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。
事務所での法律相談料は初回無料です。