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覚せい剤使用事件で逮捕

2019-11-07

北海道小樽市の覚せい剤使用事件について、弁護士法人あいち刑事総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。

【事例】

北海道小樽市でタクシー運転手をしているAさんは、3年前に覚せい剤使用事件を起こして有罪判決を受けており、つい先日、執行猶予期間が終わったばかりです。
年末年始で忙しくて寝不足が続いたAさんは、仕事中の居眠り運転を防止するために覚せい剤を再び使用していました。
1週間ほど前に、Aさんは小樽市内の路上に立っている覚せい剤の密売人から1万円分の覚せい剤を購入し、それを3回に分けて使用しました。
最後に使用したのは昨日の夜です。
仕事前に、自宅において、水に溶かした覚せい剤を注射器で血管に射って使用したのですが、その後、仕事中に交通事故を起こしてしまいました。
Aさんは事故現場に駆け付けた警察官に任意採尿を求められましたが、これを拒否しました。
(フィクションです)

【覚せい剤使用の罪について】

覚せい剤は、心身に様々な悪影響を及ぼすと共に依存性を有することから、覚せい剤取締法によって規制が行われています。
日本において規制されている薬物は多種多様ですが、中でも覚せい剤は特に危険性が高いと考えられています。
諸外国の状況も見てみると、大麻の規制が緩やかな国においても規制されていたり、最高刑を死刑や無期懲役とする国もあったりと、やはり危険視されているようです。

覚せい剤の使用については、以下のような規定が置かれています。

覚せい剤取締法(一部抜粋)
第十九条 左の各号に掲げる場合の外は、何人も、覚せい剤を使用してはならない。
一 覚せい剤製造業者が製造のため使用する場合
二 覚せい剤施用機関において診療に従事する医師又は覚せい剤研究者が施用する場合
三 覚せい剤研究者が研究のため使用する場合
四 覚せい剤施用機関において診療に従事する医師又は覚せい剤研究者から施用のため交付を受けた者が施用する場合
五 法令に基いてする行為につき使用する場合

第四十一条の三 次の各号の一に該当する者は、十年以下の懲役に処する。
一 第十九条(使用の禁止)の規定に違反した者

覚せい剤の摂取の態様は、注射器での注入、加熱による吸引、液体の服用など様々です。
これらはいずれも覚せい剤の使用に当たると考えられ、10年以下の懲役が科されるおそれがあるでしょう。

【採尿】

覚せい剤の使用は、尿から覚せい剤成分が検出されるか否かによって判断されます。
その検査を尿鑑定といいますが、その前段の手続きとして採尿があります。
採尿には、任意採尿強制採尿があるのですが、被採尿者が警察官等の指示に従った自ら自然排尿した尿を警察等の捜査機関に任意提出することを「任意採尿」といい、任意採尿を拒否した被採尿者から強制的に尿を採ることを「強制採尿」といいます。
任意採尿で採取された尿と、強制採尿で採取された尿に証拠能力の差異はありません。

警察官等の捜査員が被採尿者から強制採尿するには、裁判官の発した捜索差押許可状(以下「令状」とする。)が必要です。
令状は、警察官等の捜査員が、疎明資料を作成した上で裁判官に対して請求します。
疎明資料には、被採尿者が任意採尿に応じない旨と、被採尿者が覚せい剤を使用している蓋然性がある旨が記載されているのですが、警察等の捜査機関は「任意採尿を拒否するということは覚せい剤をしようしているのだろう」と考えており、人が住んでいる居宅や、人が管理している建物等に対する捜索差押を許可する令状に比べると、強制採尿の令状は比較的発付されやすい傾向にあり、裁判官が強制採尿の令状を発付しないことは滅多にありません。
強制採尿は、病院の医師によって、尿道にカテーテルを通して膀胱から直接的に尿を採取する方法で行われます。
令状の効力で、強制採尿を行う病院まで被採尿者を強制的に連行することが許されているので、病院以外の場所で強制採尿の令状を示されて執行されると、警察官等の捜査員によって強制的に病院まで連行されるので注意しなければなりません。

【尿鑑定】

尿鑑定は、警察官等が行う簡易鑑定と、科学捜査研究所の職員が行う本鑑定の2種類があります。
「インスタントビュー」という専用の薬物検査キットを使用する鑑定と、警察署に設置されている「ガスクロマトグラフィー 」という大型機械を使用する鑑定の2種類の簡易鑑定を採用しています。
採尿した方全てに簡易鑑定が実施されるわけではなく、被採尿者が覚せい剤を使用している可能性が高い場合や、本鑑定の鑑定結果を待っていては、被採尿者が逃走して、その後の逮捕が困難になることが予想される場合(緊急性がある場合)などは簡易鑑定が実施される傾向にあります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では、刑事事件の経験豊富な弁護士が、知識と経験を結集して最適な弁護活動を展開します。
ご家族などが覚せい剤使用の疑いで逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。
事務所での法律相談料は初回無料です。

児童ポルノ違反事件の捜査

2019-11-06

北海道苫小牧市の児童ポルノ違反事件について、弁護士法人あいち刑事総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。

【事例】

Aさんは、SNSを通じて知り合った北海道苫小牧市在住のVさん(16歳)に対し、「お金を払うから写真撮影のモデルになってほしい」と頼みました。
Vさんがそれを承諾したため、Aさんは5000円を払って下着姿や上半身裸のVさんをカメラで撮影しました。
この事実がVさんの親を通して北海道苫小牧警察署に伝わり、Aさんは児童ポルノ製造の疑いで取調べを受けることになりました。
(フィクションです)

【児童ポルノについて】

児童ポルノの定義や規制の内容は、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」に規定されています。
まず、「児童ポルノ」とは、以下のいずれかをその内容とする写真やデータなどを指します。

①「児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態
②「他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの」
③「衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀でん部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの」

要するに、①②は当事者の一方または双方が児童となるわいせつな行為、③は裸や下着姿の児童で上記性的な部位が認識できるものを内容としており、これらのいずれかが記録されていれば児童ポルノに当たると考えられます。

上記事例では、Aさんが下着姿や上半身裸のVさんの姿をカメラで撮影しています。
Vさんの姿は上記③に当たり、これを被写体とするカメラのデータや写真は児童ポルノに当たる可能性が高いです。
そして、Aさんはそうした児童ポルノを撮影という方法により作成しています。
このような行為は児童ポルノ製造に当たると言え、Aさんは3年以下の懲役または300万円以下の罰金が科されるおそれがあるでしょう。

【児童ポルノに関する禁止事項】

児童ポルノかかる行為で禁止されているのは
①児童ポルノの単純な所持(7条1項)
②児童ポルノの提供(7条2項)
③児童ポルノを提供する目的での製造、所持、運搬、日本国内への輸入又は国外への輸出(7条3項)
④児童ポルノの単純な製造(7条4項)
⑤盗撮による児童ポルノの製造(7条5項)
⑥不特定若しくは多数への児童ポルノの提供や公然陳列(7条6項)
⑦児童ポルノを不特定若しくは多数へ提供や公然陳列する目的での、製造、所持、運搬、日本国内への輸入又は国外への輸出(7条7項及び8項)
です。

【警察の捜査】

警察は、児童ポルノ事件をどのように摘発しているのでしょうか。
一般的な警察が捜査を開始する端緒をいくつか紹介します。
販売業者の摘発
インターネットを利用して不特定多数の人に児童ポルノを販売している業者が摘発されたことによって、そこで押収された顧客名簿から犯人を割り出されます。
児童の補導、検挙
援助交際のように実際に性交渉するわけではないので少年、少女の警戒心が低く、高収入を得られることから、最近は、児童が自らのわいせつ画像を販売する事件が増えてきているようです。
警察は、少年、少女を補導したり、検挙したりすると必ずといっていいほど、少年、少女の携帯電話機を解析するので、そこから児童ポルノなどが発覚する場合があります。
インターネット上のパトロール
警察には、インターネット上の掲示板やSNSをパトロールする専門の捜査員がいます。
児童ポルノの売買に関する書き込みや、援助交際を募集する書き込み等、犯罪に結びつく投稿を発見すると、投稿者や、投稿者とやり取りしている者を特定して、摘発に結び付けるのです。

最近、北海道で刑事事件を専門に扱っている弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部には、児童ポルノに関係する法律相談が増えており、警察等の捜査当局が児童ポルノ法違反の取締りを強化していることが予想されます。
苫小牧市児童ポルノ製造罪に強い弁護士をお探しの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。
事務所での法律相談料は初回無料です。

詐欺事件の示談活動

2019-11-05

北海道芦別市の詐欺事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。

【事件】

Aさんは、芦別市のレストランで食事をした際に、レジで代金を支払う事なく帰宅しました。
ある日、テレビで「無銭飲食をした男性が詐欺罪で逮捕された。」というニュースを見たAさんは、自分も警察に逮捕されるのではないかと不安です。
そこで、自分の行為が無銭飲食に当たると思ったAさんは、詐欺罪に強い弁護士に相談しました。
(フィクションです。)

【詐欺罪】

詐欺罪は、人を騙して①財物の交付を受けたり②財産上不法の利益を得た場合に成立する犯罪です。
一般的に①を一項詐欺②を二項詐欺と言います。
詐欺罪の成立には、最低限の条件として「詐欺の故意」⇒「欺罔行為(騙す行為)」⇒「錯誤(騙される)」⇒「財物の交付」が必要となります。(構成要件)
詐欺罪の法定刑は「10年以下の懲役」と罰金刑が定められていないので、起訴されて有罪が確定すれば、執行猶予を得なければ刑務所に服役しなければなりません。

【無銭飲食】

詐欺罪が成立するには、上記したような構成要件が必要となり、それぞれに因果関係がなければなりません。
つまり無銭飲食=(イコール)=詐欺罪となるわけではなく、無銭飲食をするに至った状況によって様々なケースが考えられるのです。

=ケース1 ~最初からお金を持っていない事を認識しながら料理を注文した場合~=

お金がないのに入店し、料理を注文した時点で「詐欺の故意」が認められるでしょう。
お金がないのに店員に料理を注文する行為は、店員を騙す行為(欺罔行為)と捉えることができます。
そして店員は「料理を提供すれば代金を支払ってもらえる。」という錯誤に陥り、料理を提供します。
料理の提供が「財物の交付」と捉えることができるので、料理が提供された時点で詐欺罪が既遂に達すると考えられるでしょう。

=ケース2 ~途中でお金を支払う意思が無くなり逃走した場合~=

入店して店員に料理を注文するまでは代金を支払う意思がありました。
しかし運ばれてきた料理を食べている途中で、財布を忘れていることに気付いて、店員の隙を見て逃げたり、お金はあるが代金を支払うのがもったいなくなって、代金を支払う事なく逃走したりしたした場合などは、入店した時点では詐欺の故意は認められません。
しかし、料理を注文した後に無銭飲食の意思が芽生えて、代金を支払わずに逃走した場合は、詐欺罪の成立に必要とされる要件が揃わないので、詐欺罪が成立しない可能性があります。
しかし、逃走する際に、店員に対して「外に財布を取りに行ってくる。」等と言って、店員を騙す行為があった場合は、支払いを免れたとして2項詐欺罪が成立する可能性があります。

【示談による解決】

犯罪というのは実に様々であり、詐欺罪や傷害罪などのように個人を害するものもあれば、児童買春や収賄罪などのように社会秩序を害するものもあります。
もっとも、こうした犯罪の性質に関係なく、犯罪に対する処罰は国家が独占することになっています。
そのため、その処罰に私人が関与することはできないようにも思えます。

ですが、実際には、国家の刑罰権の行使に対して私人が影響を及ぼしていると言えます。
それが特に色濃く表れるのは、詐欺罪のような個人を害する罪を犯して示談をする場合だと考えられます。
検察官や裁判官は、被疑者・被告人の処分を決めるうえで示談の有無を必ずといってよいほど考慮します。
その理由としては、犯人の処遇を決めるにあたり、被害者の意思も重大な考慮要素の一つとなりうるからだと考えられます。
特に、特定の個人が被害者となる罪については、その被害者が許していてもなお重い処分を下すというのは適切でないように思えます。
そこで、示談を通して被害者の処罰感情の薄まりが確認できた場合には、刑罰を科すことも消極的になるのです。

詐欺事件において示談を締結できれば、起訴前であれば不起訴に、起訴されても執行猶予となる可能性が高くなります。警察が介入する前であれば刑事事件化を阻止することもできるでしょう。
ですので、もし詐欺事件を起こしてしまったら、ひとまずお近くの弁護士にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では、刑事事件に特化した弁護士が、最良の処分を目指して迅速に示談に着手します。
詐欺罪を疑われたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。
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監禁事件で逮捕

2019-11-04

北海道伊達市の監禁事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。

【事件】

北海道伊達市でバーを経営するAさんは、1ヶ月ほど前からよく飲みに来ている男性客が飲食代を支払っておらず、これまでのツケが10万円を超えてしまっています。
これまで何度も支払いを迫っていますが、全く支払う意思を見せない男性の態度にごうを煮やしたAさんは、お客さんが帰って誰もいなくなった店内で、この男性客に対して「すぐに親にでも家族にでも電話してツケを持ってこさせろ。それまで帰らせない」と言って、Aさんをお店の奥にある倉庫に閉じ込めたのです。
しかし結局朝まで待っても、男性客は家族と連絡がつかず、仕方なくAさんは、男性客を解放しました。
その後、この男性客が、Aさんに監禁されたと、北海道伊達警察署に被害を訴えたことから、Aさんは、監禁罪で逮捕、勾留されてしまいました。
Aさんは、自分の行為が監禁罪に当たることには納得し反省していますが、勾留までされて長期身体拘束を受けている事には納得ができません。
(フィクションです。)

【逮捕・監禁罪について】

~刑法220条~
不法に人を逮捕し、又は監禁した者は、3月以上7年以下の懲役に処する。
「不法に」とは、人を逮捕したり監禁したりする行為は、警察官が法律に則り適法に行われる場合がありますが、適法に行われた場合は、逮捕監禁罪は成立しません。
「逮捕」とは、人の身体に対して直接的な拘束を加えてその行動の自由を奪うことです。
例えば、ロープやビニールテープなどで手足を縛る行為が逮捕に当たります。
ただし、ごく短時間で身体拘束をしたにすぎない場合は、「逮捕」ではなく「暴行」と評価されます。
「監禁」とは、人が一定の区域から出ることを不可能又は著しく困難にしてその行動の自由を奪うことです。
鍵をかけて部屋に閉じ込める行為が典型的なものですが、判例では、被害者をバイクの荷台にのせたまま走行を続ける行為について、脱出を著しく困難にするものとして「監禁」にあたるとされたケースがあります。
「逮捕」と「監禁」の違いについては、人の身体を直接的に拘束するか間接的に拘束するかによりますが、いずれにせよ同じ罪ではあるので、厳密に区別がなされているわけではありません。

【逮捕・監禁事件における弁護活動】

逮捕監禁事件において、早期に被害者との示談を成立することができれば、検察官による不起訴処分や裁判を経ても執行猶予判決を受けることが可能となりえます。
ですから、早く弁護士に依頼することをおすすめします。
逮捕や勾留されてしまうのは、証拠隠滅や逃亡のおそれがあるためです。
そこで、弁護士は早期釈放早期保釈のために証拠隠滅や逃亡の恐れがないことを示す客観的証拠を収集し、社会復帰後の環境を整備するなどして釈放や保釈による身柄解放を目指します。

また、犯人が脅迫行為や強要行為を否認している、あるいは、被害者と言われている方が真の同意のもとで被疑者の部屋や車に乗り込んだ場合、逮捕・監禁罪が成立せず無罪を獲得できる可能性があります。
弁護士は、捜査機関の主張が十分な事実や証拠に基づいていないということを的確に指摘し、無罪判決不起訴処分に持ち込む弁護活動をします。

北海道伊達市逮捕監禁罪に関する相談を含め刑事事件に強い弁護士をお探しの方、ご家族、ご友人が逮捕された方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。
事務所での法律相談料は初回無料です。

航空法違反事件について

2019-11-02

札幌市の航空法違反事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。

【事例】

札幌市南区のマンションに住む会社員のAさんは、1ヶ月ほど前にドローンを購入しました。
Aさんは、山登りの様子をユーチューブに投稿する趣味を持っており、空撮するためにドローンを購入したのです。
週末の山登りに備えてドローンがきちんと起動するか確認するため、マンション敷地内にある公園から、ドローンの飛行テストをしたところ、その様子を見ていた近所の人が110番通報したらしく、Aさんは、札幌南警察署の警察官に連行されてしまいました。
ドローンを購入した際に、航空法によってドローンの飛行が制限されていることを知っていたのですが、今回のテスト飛行が違法になるとまで考えていませんでした。
(フィクションです)

【ドローン】

無人飛行機を指す用語で、これまで企業が利用していましたが、価格が安い一般人向けの機種が多く販売されるようになり、最近では、様々な分野で多くの方々に利用されています。
ドローンの利用者が増えるにしたがって、ドローンによる事件や事故も多発するようになったことから、航空法が改正されて、ドローンの飛行が厳しく規制されるようになりました。

【航空法】

航空法ではドローンの飛行について以下のような規制が設けられています。
①地表、水面から150メートル以上の高さの空域での飛行禁止
②空港周辺空域での飛行禁止
③日出前、日没後の飛行禁止
④目視外飛行の禁止
⑤第三者又は第三者の建物、第三者の車両などの物件との距離が30メートル未満での飛行禁止
⑥祭礼や縁日等、人が集まる催し場所での飛行禁止
⑦危険物を輸送するための飛行禁止
⑧ドローンから物を投下する行為

上記したように航空法で規制されている禁止飛行を行った場合、警察の捜査を受けることになり、検察庁に送致される可能性があります。
そして有罪が確定すれば50万円以下の罰金が科せられます。

【これまでのドローン事件】

航空法でドローンの飛行が規制されてからそれほど期間がありませんが、これまでドローンの違法飛行が何件か事件化され、略式罰金等の処分を受けた方がいるようです。
今後、東京オリンピックが控えていることから、全国の警察においては、ドローンの違法飛行を厳しく取り締まることを発表しています。
ここでは、ドローンの違法飛行事件を何件か紹介します。

~催し場所での違法飛行~
人が多く集待っている花火大会の会場においてドローンを無許可で飛行させた容疑で、ドローンを操作していた男性が警察に検挙されました。
ドローンの違法飛行による実害はありませんでしたが、花火大会を警備していた警察官が飛行するドローンを発見して男性を検挙したようです。
男性は、航空法違反で検察庁に書類送検されました。

~無許可飛行~
イベント会場でドローンから観客にお菓子をまく際に、高度約10メートルからドローンが墜落し、観客の女児らに軽傷を負わせました。
ドローンを飛行させたのは、ドローン事業会社の男性で、事前に、ドローンからお菓子を投下する許可を経ていたそうですが、許可を得た以外のドローンを飛行させたとして航空法違反が適用されたようです。
この事件でドローンを飛行させた男性は、略式起訴されて罰金20万円の刑が確定しています。

~ドローンの違法飛行で逮捕~
罰金刑の規定しかない航空法違反事件では、基本的に警察の捜査は任意で行われ、よほどのことがなければ逮捕されることは滅多にありません。
しかし、この事件の男性は、公園で無許可でドローンを飛行させた容疑で、警察の捜査を受ける際に、証拠品であるドローンの任意提出を拒んだり、捜査関係書類に自署欄に虚偽の氏名等を記載したことから、証拠隠滅のおそれがあるとして逮捕されたようです。

ドローンの飛行は、航空法違反だけでなく、道路交通法違反電波法違反などの刑事事件に発展するだけでなく、プライバシーの侵害等で民事事件に発展する可能性もあります。
ドローンを飛行させる際は、ルールを遵守し、安全に十分に配意することをお勧めします。

札幌市の刑事事件でお困りの方、ドローンの違法飛行で警察の捜査を受けておられる方は、北海道で刑事事件に強いと評判の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。
事務所での法律相談料は初回無料です。

風営法違反で逮捕

2019-10-31

北海道旭川市の風営法違反事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。

【事例】

Aさんは、北海道旭川市の繁華街で、風俗営業の許可が必要なスナック無許可で営業していたとして、北海道旭川中央警察署に逮捕されました。
お店を開店した当初は、風営法で規制されていない範囲で居酒屋の営業をしていましたが、お客の要望にこたえるようになって、女性ホステスを雇い、スナック営業を始めたのです。
Aさんは警察から警告を受けていましたが、その後も許可を得ず営業を続け、今回の逮捕に至ったのです。
(フィクションです)

【風営法上のスナックとは】

風営法とは、正式には「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」という名称の法律で、通称として「風営法」や「風適法」と呼ばれています。
風営法上で規制されている業態としては、
①第1号営業:キャバクラやホストクラブ等顧客を接待する飲食店
②第2号営業:照度10ルクス以下の飲食店
③第3号営業:客席の広さが5㎡の飲食店
等が挙げられます。
また、パチンコ店やゲームセンター等が風営法上の規制の対象となっており、その他性風俗店やダンスクラブも規制の対象となっています。
ただし、スナックの場合には線引きが難しい場合があり、接待を含まない場合には風俗営業とは認められないことがありますが、実際は大半の場合風俗営業とみなされます。

【許可が必要なスナック営業】

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律では、「歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすこと」を風俗営業の「接待」とし、許可を得ずに接待することは、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律違反に当たるとしています。
「接待」とは、警察庁の「解釈運用基準」で定められており、法律によって明確化されているものではありません。
この運用基準では
①談笑やお酌をする
②ショーを見せる
③カラオケでデュエットしたり、客の歌に手拍子をとり拍手する
④ダンスをさせる
などが接待に当たるとしていますが、客のタバコに火をつけたり、おしぼりを手渡すことも接待行為に該当すると判断されて、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の適用を受けることがあるので注意しなければなりません。

【スナックの無許可営業で逮捕されると】

接待を含むスナックを無許可で営業していた場合、風営法に違反する行為となります。
逮捕後に起訴され有罪判決を受けると、「2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金又は懲役と罰金の併科」が科せられることになります。
また、その他行政上の処分が下され、一定期間店の営業ができなくなる場合があります。

【無許可営業の弁護活動】

刑事事件の弁護活動としては、被害者との示談交渉がありますが、風営法の無許可営業は被害者がいないため示談することはできません。
ですので主な弁護活動としては
①弁護士を通じて反省していることを捜査機関に示す(刑事罰の軽減を求める)
②事実関係を正直に話し、早期の身柄解放を求めること(早期身柄解放)
があります。
詳しい弁護活動に関しては一度弁護士に相談することをお勧めします。

北海道旭川市の刑事事件でお困りの方、ご家族やご友人がスナックの無許可営業で逮捕された方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。
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保護責任者遺棄罪の情状弁護

2019-10-30

北海道千歳市の保護責任者遺棄罪における情状弁護について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。

【事例】

スナックで働いているA子さんは、2年前に離婚し、現在は北海道千歳市の市営住宅に3歳の娘と二人暮らしをしています。
2ヶ月ほど前に、スナックの常連客である男性と恋仲になったA子さんは、この男性とデートをするために自宅に娘を置き去りにすることが度々ありました。
夜中になっても子どもの鳴き声がすることを不審に思った近所の住民が北海道千歳警察署に通報して娘は保護されましたが、その翌日からA子さんは北海道千歳警察署に呼び出されて取調べを受けています。
(フィクションです。)

【保護責任者遺棄罪~刑法第218条~】

保護責任者遺棄罪は、老人、幼児、身体障害者、病人等を保護すべき責任のある者が、これを遺棄又はその生存に必要な保護を行わない場合に成立する犯罪です。
この法律は、保護すべき者しか主体になり得ないので、身分犯とされています。
また、この法律でいう「遺棄」とは、被遺棄者を危険な場所に移転させる移置のほか、被遺棄者を危険な場所に置いたまま立ち去る置き去り行為を含みます。
保護責任者遺棄罪の遺棄の要件としては、要保護者は、遺棄されたことによって、その生命・身体に危険が及ぶ状態に陥らなければならないとされているが、この危険は必ずしも具体的な物である必要はなく、抽象的な危険であれば足りるとさせています。
ですから今回の事件の場合だと、自宅に置き去りにされた娘は、警察に保護されたことによって危険を回避することができていますが、この事は、保護責任者遺棄罪の成立には何ら影響しないと考えられます。
逆に、要保護者の生命・身体に危険が認められない場合は、保護責任者遺棄罪は成立しません。

ちなみに保護責任者遺棄罪において保護責任者に必要とされる保護義務は、要保護者の生命・身体を危険にさらしてはならないという義務であって、民法上の扶養義務とは異なります。
例えば
・夫が、妻のもとに幼児を残して失踪する。
・幼児を養育院に託した両親が、養育料の支払いを怠る。
場合などは、保護者が扶養義務を怠る行為ではありますが、それによって要保護者の生命・身体が危険にさらされるわけではないので、保護責任者遺棄罪は成立しません。

【弁護士による情状弁護】

保護責任者遺棄罪には罰金刑が定められていないため、有罪となれば懲役刑が科されるほかありません。
ですが、特に初犯であれば、執行猶予が付くことで刑務所への収容を回避できる可能性があります。

執行猶予の可能性を高めるためには、弁護士による充実した情状弁護の存在が重要となってきます。
情状弁護とは、裁判において被告人に有利な事情を主張し、被告人に科される刑の内容を適正なものにする活動です。
刑事事件では、罪を犯したことのみを以って量刑が決められるわけではなく、犯罪の動機や手段の内容はもちろん、犯罪後の態度や行動なども評価の対象となります。
ただ、多様な事情を考慮するとは言っても、考慮要素となる個々の事情が勝手に法廷に出てくれるわけではありません。
裁判官に適正な量刑を仰ぐには、その判断の元となる要素を積極的に主張すべく情状弁護を行う必要があるのです。

弁護士による情状弁護の強みは、個別の刑事事件においていかなる事情が重要か判断し、それを上手く裁判で引き出すことができる点です。
たとえば、Aさんが保護責任者遺棄罪を犯すに至った原因である、育児放棄に関する事情を詳しく聴取します。
そうした事情を明らかにし、Aさんの反省の態度や再犯防止策などをアピールできれば、情状弁護が奏功して執行猶予となる可能性は高まるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では、刑事事件に関して自信を持つ弁護士が、最適な情状弁護を行うべく入念に準備を致します。
ご家族などが保護責任者遺棄罪の疑いで捜査されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。
事務所での法律相談料は初回無料です。

窃盗罪で逮捕

2019-10-29

札幌市岩内町の窃盗事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。

【事例】

大学4年生のAさんは、北海道岩内町のコンビニでアルバイトをしています。
3ヶ月ほど前から、レジの中から数千円を盗む犯行を繰り返していましたが、ついに先日、コンビニのオーナーに犯行が発覚してしまいました。
Aさんは、これまでに盗んだお金を返金して謝罪を申し入れましたが、オーナーはこれを受け入れてくれず警察に被害届を提出し、Aさんは、北海道岩内警察署に逮捕されました。
(フィクションです。)

【窃盗罪について】

窃盗罪は、ご存知のように他人の物を盗んだ場合に成立する可能性のある罪です。
窃盗罪の成立要件は、他人の財物を「窃取」すること、および「不法領得の意思」があったことです。
今回は、上記事例において問題となりうる「窃取」と「不法領得の意思」の有無について検討します。

まず、「窃取」とは、他人の意思に反して物の支配を移転することを指します。
この支配の移転が完遂できれば窃盗罪既遂となる一方、移転に着手したものの完遂できなければ未遂にとどまります。
問題はどの時点で完遂したと言えるかですが、それは対象物の特性や周囲の状況などにより異なります。
。次に、「不法領得の意思」とは、権利者(他人)を排除し、対象物をその経済的・本来的用法に従い利用・処分する意思を指します。
こうした要件が要求される趣旨は、物を一時的に借りるだけの行為や、隠したり壊したりして物の利用を妨げる行為との区別をすることにあります。
窃盗罪に当たる行為はこれらの行為より悪質であることから、行為者の内面により線引きを図るというわけです。

【職場でお金を盗むと】

職場のお金を盗んだ場合、盗んだ人がどのような業務に従事していたのかによって適用される法律が異なります。
もしお金を管理する立場にあった人が、その管理していたお金を盗んだ場合は、業務上横領罪の適用を受ける可能性が高いですが、そうでなければ窃盗罪が成立するにとどまるでしょう。
Aさんの場合も、コンビニのアルバイトで、レジのお金に触れることはあっても、そのお金を管理する立場までなければ、窃盗罪が適用されるでしょう。
窃盗罪の法定刑は、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金です。
窃盗罪は、盗んだお金の額や、犯行態様、被害者感情の程度など、様々なことが考慮されて刑事罰が決定します。
窃盗罪は、刑事事件化された場合でも、微罪処分といって非常に軽微な処分から長期実刑判決まで非常に広い範囲で刑事罰が科せられます。

【刑事事件化の回避】

Aさんのように職場のお金を盗んでしまったような窃盗事件で、刑事事件化を回避したいのであれば、警察に被害届を提出するなど、警察が認知する前に、被害者に被害弁済し、許しを得るしかありません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部の刑事事件に強い弁護士は、様々な窃盗事件で被害者との示談交渉を行ってまいりましたが、被害者の感情も様々です。
中には、弁護士が介入するまでもなく円満に解決した事件もありますが、ほとんどの事件は、時間をかけて謝罪し、被害者の許しを得てきています。
Aさんのように職場で窃盗事件を起こしてしまい、被害者との示談刑事事件化を回避したい方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。

北海道岩内町窃盗事件でお困りの方、職場のレジから現金を窃取した事件で刑事事件化を回避したい方は、刑事事件に強いと評判の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部の弁護士にご相談ください。
事務所での法律相談料は初回無料です。

贈収賄事件で逮捕

2019-10-27

札幌市の贈収賄事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。

【事例】

札幌市では、一般企業に公共下水道の修繕工事を依頼することになり、入札に関する公告を行いました。
その入札期間中、市職員のAさんは、Xの代表取締役Bさんから高級料亭で食事をごちそうになった上、商品券10万円分を貰いました。
そして、Bさんから「次の入札はぜひうちにお願いします。この話はどうかご内密に」と言われたことから、Xに有利な取り計らいをしました。
その結果Xが指名されましたが、のちに上記やりとりが明るみに出たことで、Aさんは加重収賄罪の疑いで、Bさんは贈賄罪の疑いで北海道警察本部捜査第二課に逮捕されました。
Aさんの弁護士は、執行猶予の獲得に向けて弁護活動を開始しました。
(フィクションです)

【贈収賄事件について】

収賄罪は、公務員が職務に関して賄賂を収受し、またはその要求や約束をした場合に成立する可能性のある罪です。
公務員が「全体の奉仕者」(憲法15条2項)であることから、職務の公正中立とそれに対する社会一般の信頼を保護するために規定された罪です。
行為の内容によって細かく分かれますが、今回は①単純収賄罪、②受託収賄罪、③加重収賄罪に絞って解説します。

まず、単純収賄罪は、収賄罪の中で最も基本的なものです。
公務員が職務に関して「賄賂」を収受し、またはその要求や約束をした場合に成立しうるものです。
ここで言う「賄賂」とは、職務執行の対価となる不正な報酬のことであり、有形・無形を問わず様々な利益が含まれます。
上記事例では、AさんがBさんから高級料亭で食事をごちそうになっています。
このように、お金以外を収受した場合であっても、それが職務執行の対価たる利益である以上、「賄賂」に当たる可能性があります。
法定刑は5年以下の懲役です。

次に、受託収賄罪は、賄賂の収受等の際に、特定の行為をするよう、またはしないよう引き受けた場合に成立する可能性のあるものです。
特定の内容のお願いを引き受けることから、単純収賄罪よりもより重いものとして見られています。
法定刑は7年以下の懲役です。

最後に、加重収賄罪は、賄賂の収受等をした結果、不正な行為をし、または相当な行為をしなかった場合に成立する可能性のあるものです。
公務員の職務の公正を危険にさらすにとどまらず、特定人に肩入れすることで公正を損なうことにより、受託収賄罪よりも更に重く罰せられるものです。
法定刑は1年以上の有期懲役(上限20年)です。

贈賄罪は、賄賂を供与、又はその申込み若しくは約束をした場合に成立し、3年以下の懲役又は250万円以下の罰金となります。

【執行猶予を目指して】

贈収賄は、たびたびニュースなどで目にする汚職事件の典型例と言うべきものです。
そのため、証拠が不十分などの事情がない限り、高い確率で起訴されて裁判に至ることが見込まれます。
そこで、第一に行うべき弁護活動として、執行猶予に向けた情状弁護が挙げられます。

執行猶予とは、被告人に有利な事情を考慮して、刑の執行を一定期間猶予するというものです。
執行猶予となる刑の範囲には全部と一部がありますが、実務上目にする機会が多いのは全部の執行猶予ではないかと思います。
刑の全部が執行猶予となった場合、収賄罪のように懲役刑のみが定められている罪を犯しても、刑の確定後直ちに刑務所に行くという事態は回避できます。
それだけでなく、猶予期間中に新たな罪を犯すなどして執行猶予が取り消されない限り、猶予期間の経過後は刑を科されることがなくなるのです。

収賄罪・贈賄罪を犯したケースについては、直接的な被害者がいないことから、有力な弁護活動である示談という手段をとることが基本的にできません。
ですので、執行猶予を目指すのであれば、個々の事件に合わせて弁護士情状弁護の材料を検討してもらうのが賢明です。
弁護士への依頼が事件の明暗を分けることもありえるので、不安があればぜひ弁護士にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では、刑事事件のプロである弁護士が、執行猶予の獲得に向けて事件を綿密に検討します。
ご家族などが贈収賄事件の疑いで逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。
事務所での法律相談料は初回無料です。

住居侵入罪で逮捕

2019-10-25

北海道岩見沢市の住居侵入事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。

【事例】

北海道岩見沢市に住むAさんは、数ヶ月前から、職場の男性同僚に「妻が浮気しているかもしれない」という相談をされており、10日ほど前に、この同僚に頼まれて、同僚の家に盗聴器を仕掛けました。
同僚が奥さんを連れて買い物に行っている間に、同僚から借りた家の鍵を使って同僚の家に入り、寝室とリビングに盗聴器を仕掛けました。
仕掛けた盗聴器は、同僚が電気街で購入し、事前に渡されていました。
その後、盗聴器を回収しようと、同僚の家に侵入した際に、同僚の奥さんに見つかり、北海道岩見沢警察署現行犯逮捕されました。
(フィクションです)

【住居侵入罪~刑法第130条前段~】

正当な理由なく他人の住居に侵入すれば住居侵入罪が成立します。
住居侵入罪の法定刑は3年以下の懲役又は10万円以下の罰金です。
住居侵入罪は、「住居の平穏」を保護法益にした法律で、この法律でいう「住居」とは、人の起臥寝食に使用される場所を意味します。
そして住居侵入罪でいう「正当な理由なく」とは、社会的に相当であるかどうかによって判断されており、平穏公然に立ち入った場合でも、その立ち入りが住居者の意思に反するときは、住居侵入罪が成立する場合があります。
住居侵入罪は、身体の大部分が入った時に成立するとされる説が有力です。

【Aさんの事件を検討】

Aさんの行為に住居侵入罪が成立するかどうかを検討します。
かつての家長制度下における判例では、住居侵入罪における保護法益を「住居権」にあるとし、この住居権は一家の家長である夫が専有するものであるとされていたので、夫の承諾さえ得れば、同居している妻の承諾がなくても住居侵入罪に問われることはありませんでした。
しかし現在の憲法下では、男女の本質的平等を保障しており、夫婦は平等に住居権を有するとされています。
この点から、Aさんが、夫の承諾を得て、夫から預かった鍵を使用して住居に立ち入っているとしても、その目的が「盗聴器を仕掛ける」といった社会通念上、一般的に認められない不法行為を行うためで、さらにそれによって、承諾を得ていない妻の住居の平穏を犯していると考えられます。
そのためAさんの行為に対して、住居侵入罪が成立すると考えるのが妥当でしょう。

【現行犯逮捕とは】

ご存知の方も多いかと思いますが、現行犯逮捕とは、犯罪の最中または終了直後の被疑者を直ちに逮捕する手続を指します。
逮捕状を示されて自宅や警察署で行われる通常逮捕とは異なり、以下のように法律上は例外的なものとして位置づけられています。
本来、逮捕という行為は被疑者の身体の自由を奪うことから、犯罪の疑いの程度や身体拘束の必要性を裁判官に審査してもらわなければなりません。
ですが、現行犯逮捕については、こうした審査を経る逮捕状請求を行うことなくできると定められています。
その理由として、現行犯逮捕の場合、犯人の身柄確保の必要性が大きく、なおかつ誤認逮捕のおそれが小さいからだと説明されます。

先述のとおり、現行犯逮捕というのは、通常逮捕とは異なり即座に行われるものです。
この事実は一見デメリットのように思えますが、場合によってはメリットと捉えることができます。
なぜなら、現行犯逮捕の場合、通常逮捕の場合ほど被疑者の身体拘束の必要性を綿密に検討していないと言えるからです。
この点を突けば、たとえ現行犯として逮捕されたとしても、身柄拘束の必要性がないとして勾留阻止により釈放されることがあるのです。
ですので、万が一周囲の方が現行犯逮捕されたと知っても、まずはできるだけ冷静になって弁護士に相談するべきでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では、刑事事件に特化した弁護士が、現行犯逮捕された方のために可能な限り早く初回接見を行います。
ご家族などが住居侵入罪の疑いで逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。
事務所での法律相談料は初回無料です。

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